小さな一歩から始まる挑戦 ―― 社会に飛び込む勇気が自分を変えた
振り返ってみると、子どもの頃の私は本当に“やる気のないタイプ”でした。勉強も続かないし、習い事も数カ月でやめてしまう。何かに熱中するというよりは、「まぁ、これくらいでいいか」と一歩引いて眺めるような子どもでした。
ゲームが流行っていた時期も、みんなが夢中で攻略していく中で、私は敵を最弱設定にしてなんとなく遊ぶ程度。根気がないし、頭も良くないし、よく言えばマイペース、悪く言えば怠惰そのものでした。
そんな自分でも、不思議と社会科や理系の勉強には興味を持てました。父がメインフレームのエンジニアだったこともあり、家にNECのパソコン8,001があったことを今でも覚えています。直接触ったことはなかったけれど、“コンピュータ”という存在が身近にあったことは、今思えば自分の道を形づくるきっかけの一つだったと思います。
大学では、自然と情報学部を選びました。ITの仕事に就くならここだろうと考えたからです。入学後は、他大学の仲間と一緒にベンチャー企業でSES案件に参画したり、インターネットの外注サイトで案件を受けてみたりと、手探りでいろんなことに挑戦してみました。
もちろん、失敗もたくさんありました。採算が取れずに終わったり、全然うまく進められなかったり。でも、その経験を通じて初めて、「本に書いてあること」と「現場で求められること」は全然違うということに気づいたんです。
それは、知識が“体温”を持ち始めた瞬間でもありました。誰かの役に立つために、自分の手を動かして試してみる。その小さな実践が、自分の中の“やる気のスイッチ”を少しずつ押してくれた気がします。
人生の舵を取り戻す ―― 失意の中で出会った、もう一度進む勇気
私の就職活動は、いわゆる“普通の学生”とは少し違っていました。
というのも、もともと父の会社に入る予定があったからです。
ところがその矢先、父が急逝。 その出来事をきっかけに、会社に居場所を失い、すべての予定が白紙になりました。 「自分はこれからどこへ向かえばいいのか」――初めて、人生の舵を自分で取らなければならない瞬間でした。
そんな時、ひとつの出会いが訪れます。 大学時代にSES案件などで一緒に働いていた仲間の紹介で、現在の会社の社長と知り合ったのです。 最初は客先常駐という形で関わりましたが、振り返ればそれが自分の人生を大きく動かす転機になりました。
入社を決める前、会社のホームページを見て、正直に言うと少し不安もありました。 「この人たちの中で、自分はやっていけるのだろうか?」 でも、その不安よりも、「挑戦してみたい」という気持ちの方が勝っていました。 胸を借りるつもりで飛び込めば、必ず何かが得られる。そんな直感があったのです。
決め手となったのは、社長の人柄でした。 掲げていた理念は自由や主体性を重んじるもので、哲学的でありながら現実への理解も深い。 話を重ねるたびに、「この人となら、本気で向き合っていける」と感じました。 何度か食事を重ねながら、その意思決定の裏にある考え方や人間味に触れ、 「この会社なら、自分の成長を賭けられる」と確信したのです。
入社後は資格取得を支援する制度など、挑戦を後押ししてくれる環境も整っていました。 その環境のおかげで、“もう一度前に進んでいいんだ”と素直に思えた。 自分の努力がきちんと評価される場所で、少しずつ自信を取り戻していきました。
父を失ってからしばらく止まっていた時計が、再び動き出したような気がしました。
経験が自信に変わる瞬間 ―― 現場で学んだ、やり切る力と課題解決の本質
現在所属している技術本部は、自社サービスの研究開発をはじめ、社内SE業務や請負案件、そしてSESまで幅広く手がけています。私自身も、案件ごとに役割を変えながら、主に開発の実装部分を担当しています。技術的なスキルを磨くだけでなく、プロジェクト全体の進め方を学べる環境です。
中でも印象に残っているのは、大手企業から請けたセキュリティ関連のプロジェクトです。
システム開発というよりも、リスク調査や安全性の検証を行う特殊な業務で、
データを分析し、報告書としてまとめる──そんな内容でした。
最初は「コードを書くこと」だけに集中していましたが、次第にプロジェクトマネージャーや先方担当者との関係の中で、“仕事の全体像”が見えてきました。どうスケジュールを立てるか、どんな伝え方をすれば相手に理解してもらえるか。そうした経験を重ねるうちに、技術だけでなく「仕事を進める力」も身に付いていったように思います。
もちろん、失敗もありました。コードの考慮漏れで夜遅くまで対応に追われたこともあります。でも、その中で「何を優先して、何を割り切るか」という判断の勘所をつかめたのは貴重な経験でした。失敗を恐れず、そこから学ぶことの大切さを実感しました。
また、社内で運用しているホームページがサイバー攻撃を受けた際には、自ら原因調査から復旧まで対応しました。最初は何が起きているのかもわからず不安でしたが、サーバー設定やログを確認しながら問題を一つずつ整理。最終的にバックアップからの復旧やセキュリティ設定の強化を行い、無事に復旧させることができました。この経験を通じて、「未知の課題でも、調べ・考え・行動すれば必ず前に進める」と実感しました。
積み重ねの中で見えた自分 ―― 課題解決を通じて気づいた強みとこれから
社会に出てから得た一番の財産は、挑戦した分だけ成長できるという実感です。 学生時代と比べて一番の変化は、「フィードバックを受ける」環境にいること。 ただ言われるのを待つのではなく、自分から質問し、他の人のやり方を観察して吸収することを意識しています。 資料の構成やまとめ方、議事録の書き方ひとつでも学びがあり、 周囲の人の思考や振る舞いを観察しながら、自分の成長に変えていく。 この姿勢は、これからも変わりません。
今、最もやりがいを感じるのは、関わる人たちと意見を交わしながらプロジェクトを成功に導けたときです。 技術だけでなく、人と協働し、問題を一つずつ解決していく。 その過程にこそ、仕事の醍醐味と、自分の成長の手応えを感じています。
私の仕事に対するスタンスを野球で例えるなら、「短打をつないで1点を守り抜く」タイプ。 派手なホームランを狙うよりも、目の前の仕事を確実に抑えること。 その一つひとつの積み重ねが、最終的にはチームの勝利につながると信じています。
どんなに小さな仕事でも、終わったあとに必ず振り返ります。 「もっと良くできたところはなかったか?」 この繰り返しが、自分の次の一手を導いてくれます。 地道ではありますが、そうした積み重ねが確実に自分の力になっていると感じます。
そうした日々の積み重ねを大切にしながら、 目の前の仕事を安定してこなすことに注力していますが、 いずれは、先を見通してチームや事業の成長に貢献できるようになりたい。
今後は、自社が進めるグローバル展開の中で、マレーシア拠点への挑戦も視野に入れています。 どこにいても成果を出せるエンジニアとして、日本の仕事の質と誠実さを海外にも届けたい。 そんな想いを持ちながら、これから共に働く仲間にも伝えたいことがあります。
新しく仲間になる方には、「結果にこだわれる人」にぜひ来てほしいと思います。 理想論だけではなく、どうすれば実際に成果につながるかを考え、試し、修正できる人。 そんな実直な姿勢を持つ方と、一緒に成長していけたら嬉しいです。
