大阪・東京・九州を駆け抜けて。多様な経験が育んだ営業と企画の視点
2003年、JA三井リースの前身である協同リースに入社してから島のキャリアはスタートしました。入社の動機について次のように語ります。
「リースは物を通じた融資なので、経営者の方々と直接対話できる機会が多いんです。自分の成長にもつながると考えて入社を決めました」
最初の配属先となった大阪支店では、コーポレートファイナンス業務に5年間従事。その後、東京のメカトロニクス部(現・産業設備第一部)で1年間機械設備関連の業務を経験します。
「クライアントである社長と直接お話をする機会も多く、設備投資や売上げ向上のための機械を入れる話から、支払い可能な月々の金額といった具体的な相談まで、金融の世界をしっかりと経験してきました」
再び大阪支店に戻った島は、不動産や地場の大手企業向けの提案型営業に5年間携わった後、経営企画室へと異動。中期経営計画や事業計画、広報IRなど幅広い業務に携わることになります。
「中期経営計画や事業計画などコーポレートの部分を見るのは初めてで、とても難しかったです。規程やガバナンスの整備、有価証券報告書の作成業務など多くの勉強を重ねました。
とくに、2020年からのコロナ禍では緊急対策本部の立ち上げに関わり、連日重要な意思決定を行いました。当時はウェブ環境も整っておらず大変な思いをしましたが、いい経験になりました」
経営企画での約6年を経て、島は農林中央金庫で2年間の出向を経験します。
「JA三井リースと農林中央金庫の連携をどう全国展開していくかという業務が主でした。長年の企画部門での経験から全体を俯瞰する視点が養えていたので、社内外の関係者との連携の枠組みを整理できたことが、学びになりました」
そして、2023年4月からはJA三井リース九州のソリューション営業部長として15名のメンバーを率い、再び営業の最前線に立っています。
「ソリューション営業部では総合職が5名、その中の不動産営業室に総合職5名と室長1名、一般職と派遣社員が4名在籍しています。上は自分より年上のベテランから下は新卒社員まで幅広い年齢層がいますが、ざっくばらんに意見が言える和やかな雰囲気づくりを心がけています。出向者もプロパー社員も分け隔てない環境です」
地元愛×外から起こすソリューション。地域とともに成長するJA三井リース九州の使命
JA三井リース九州は、JA三井リースの唯一の地域戦略子会社として九州に特化した総合リース会社です。
「主なミッションは、九州の社会・地域・お客さまに対してさまざまな課題解決を提供することで、活動を通じて会社自体もサステナブルな成長をめざしています。これは、JA三井リースから期待されている役割でもあり、私たちも同じ認識を持って業務に取り組んでいます」
九州地域は、県ごとに愛着を持っている方が多いのが特徴だと言います。
「当社社員の大半も、九州で生まれ育ったプロパーの社員で構成されており、地元に貢献したいという想いから入社を選択している方が多くいらっしゃいます。
そのため、私のような東京などで経験を積んだ出向者がプロパー社員にノウハウといった外からの刺激を与え、根付かせていくことが重要となります」
福岡、北九州、西九州、南九州の4つのエリア営業部に加え、トラックや建機のファイナンスを専門とするアセットファイナンス営業部、不動産営業室を含めたソリューション営業部の計6つの営業部で構成されているJA三井リース九州。
各エリアでの営業活動は、連携が求められる案件も多く、とくに不動産や課題解決型の営業では高い専門性が求められます。
「各エリアのお客さまの数も多く、じっくりと考えた提案が必要となりますが、エリア営業部だけでは完結しないケースもあります。そういった時は、私たちの方から積極的に連携を取りに行き、同行営業などを通じてノウハウを共有しています。
こうした取り組みの結果、各エリア営業部からの相談も増え、いい雰囲気で連携が深まっています」
東京や大阪にはない九州ならではの魅力もあると言います。
「九州は東京や大阪などに比べるとコンパクトなイメージがあると思いますし、案件の規模も小さくなるかもしれません。しかし、新しいことをやるための『ほどよい』規模感が九州にはあるのです。
一方で、地元愛の強さが事業展開にも影響を与えています。たとえば、各地方では地方銀行系のリース会社が強い影響力を持っており、地場密着型の営業だけでは競争が厳しい状況です。常に工夫が必要で難しい場面もありますが、それが営業のおもしろさや成長機会につながっています」
地産地消の環境貢献モデルでCO₂削減。森林クレジット付きリースが拓く未来
地域に根差しながら外部からのノウハウを柔軟に取り入れ、成長を続けているJA三井リース九州。その独自の強みは、グローバルな視点のもとに地域貢献や地産地消の観点を重視し、九州限定でのサービス展開を進めていることです。
「中でも印象的な取り組みの一つが、『森林由来のJ-クレジットを活用したカーボン・オフセット付リース』です。そもそも、J-クレジット制度とは、国による運用のもと省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO₂などの排出削減量、適切な森林管理によるCO₂などの吸収量をそれぞれクレジットとして国が認証する制度です。
当リースサービスは、リース期間中に見込まれる対象物のCO₂排出量を、森林由来のJ-クレジットで相殺するというもの。通信キャリアグループがICT技術を使って宮崎県の民有林を集約化することで本クレジットを創出し、当社が宮崎県内の森林組合からそれを購入したことで実現しました」
J-クレジットリースは、JA三井リースグループでも前例のない画期的な取り組みとして注目を集めています。
「宮崎で排出されたCO₂を宮崎の森林で吸収する。これが、東京や大阪で排出したCO₂を宮崎で吸収するという構図ではあまり意味がありません。
また、車両だけでなくパソコンなど電力を使用する機器にも適用可能なスキームになっています。今後は、福岡や熊本でも同様の森林クレジットが創出される予定なので、九州全体の森林保全につながるスキームをめざしています」
サービスの開発にはさまざまな関係者との連携が不可欠でした。
「農林中央金庫だけでなく森林組合や通信キャリアグループなどの社外関係者。また、社内の経理部や営業統括部、審査部などさまざまな部署との連携が必要でした。しかし、これまでの経験で培ったコミュニケーション能力のおかげでスムーズに協力を得ることができ、プレスリリースを含めて2カ月という短期間でプロジェクトを実現することができました。
おかげさまで、九州への愛から森林保全の取り組みに賛同いただける企業や、サプライチェーンの中で上位企業からCO₂削減を求められている企業などから支持を得ています。他社にない独自のサービスとして自信を持って提案でき、お客さまとの信頼関係の構築や強化、潜在的なニーズをつかむためのツールとして考えています」
このサービスを通じて得られた経験は、チームワークの重要性を再認識する機会にもなりました。
「一人ひとりの多様性を受け入れ、チームとして切磋琢磨することが大切です。わからないことを徹底的に調べて自身で解決することは当然に大事だと考えていますが、私自身、わからないことを指南してもらえる人を作ることもそれ以上に大切だと思っています。
コミュニケーション能力やセンス、実行力、怯えずに進む力といったものを磨くように心がけています」
与えられた場所で最善を尽くす。異動経験が教えてくれた多様な価値観との出会いと成長
多岐にわたるキャリアを積み重ねてきた島は、若手社員から異動や出向について相談を受けることも多くあります。そんな時は、相手のキャリア観によってアドバイスを変えると言います。
「一つの仕事を徹底的にやりたい人なのか、そうではないのかを初めに聞いてアドバイスを変えています。総合職として入社した社員には、新しい環境でも臆することなくチャレンジしてほしいですね。
最初は何もできないと思ってもいい。どんなにできる人でも、初めての業務は1周、2周するまではうまくいかないもの。じっくり勉強して、不安だろうけどサポートしてくれる人はたくさんいます。そういう人との関係をまず作って、自身でもしっかりと勉強することが大切です」
自身も異動や出向を重ね、その経験を通じて多様な価値観を受け入れる力が育ちました。
「いろんな考え方や価値観の人とたくさん会うことで、人にはいろんな考え方があるということ。多様性というものを受け入れながら、それが自分にプラスになることを実感しています。若い時は自分の考えに固執していましたが、今は異なる意見もプラスに捉えられるようになりました」
現在、ソリューション営業部部長として、次世代の育成にも力を入れています。
「今はプロパー社員の育成に注力しています。JA三井リース九州という会社全体の牽引役として、お客さまとの会話の仕方やビジネスの進め方を教育し、エリア全体の底上げをめざしています。将来的には九州を愛するプロパー社員が中心となって会社を運営できる体制を作ることが目標です」
JA三井リースという会社に魅力を実感しているからこそ、長く在籍していると語ります
「株主である三井物産やJAグループのネットワークを活かしてグローバルな仕事もできつつ、ローカルな仕事もできる会社って、そうそうないんですよね。また、未知の分野をわたり歩くことは、頑張った分だけ自分の成長にもつながるし、ビジネスの幅が広がる、どこに行っても楽しめ、おもしろいチャレンジができるのは当社のいいところだと思います。
そんな当社に務める私は、特定のキャリアパスを強く希望するというよりも、与えられた場所で最善を尽くすという姿勢を大切にしています。人からの期待にしっかりと応えたいという想いと、自分の信念はしっかりと持っておくこと。この2つの軸を大切に、これからも進んでいきたいと思います」
※ 記載内容は2025年3月時点のものです
