“貸し借り”以外の付加価値を──従来のリースにはない、新たな仕組みを提供
現在、IT・メディア部で主に情報通信系企業を担当している桜沢。DX、IoT、メタバースなどの先進技術領域が専門です。チームのミッションは、「新しいファイナンスサービスの提供」。物流やBPO要素を組み込んだ新たなファイナンスの仕組みを構築しています。
「物の貸し借りだけではなく、お客様の業務の一部を当社側が担うサービスをファイナンスサービスの付加価値として提供しています。たとえば、物を伴うサブスクリプションサービスを1週間レンタルするサービスを想定したとき、サービスの裏側ではオーダー後に『商品をお客様に発送』『使用後に返却を受ける』『次回出荷に備えて商品をクリーニング』という物流機能が必要です。
従来、当社は分割払いの機能だけを提供してきたため、お客様は物流会社とリース会社のそれぞれで契約が必要でした。しかし、当社側がワンストップで提供できるようになれば、お客様側の負担を減らすことができます。
また、法人向けパソコンのリースであれば、情報システム部門の担当者がセットアップ作業をするなどの準備も必要です。こういった業務もリース会社側で手配して提供することで、届いたらすぐに使えるという付加価値をつけることができます」
新たなファイナンスサービス構築のため、そして変化の早い先進技術領域を扱うために桜沢が大切にしているのは、待ちの姿勢にならず、先駆者になること。
「お客様からお願いされるのでは遅いと思っています。常にお客様の状況を聞きながら、『こういうことに困っていませんか?』『一緒に検証してみませんか?』と投げかけながら、お客様が求めていることを先に提供する。たとえ間違っていても、仮説と検証を繰り返す中でお客様とのコミュニケーションが増え、その業界に対する知識も上がります」
また、サービスを提供するベンダーとお客様、リース会社の3者がいて成り立つ産業だからこそ、伴走しながらサービス提供する姿勢も心がけています。
「これまで、どんなに良いサービスでも、ベンダーとお客様の意思疎通・事業収支の考え方に齟齬があり、うまくいかないケースを外部でもたくさん見てきました。けれど、そこにリース会社も入って3者間で成立することがリース特有の強み。私たちが橋渡し役となってサービスが運用に乗るようにできるよう取り組んでいます」
通信ベンチャーやIoT企業を経て再びJA三井リースへ。決め手は同期のひと言
桜沢は、情報工学の修士課程を修了後、2009年にJA三井リースに新卒1期として入社。現在と同じ部署でパソコンや放送機材のリースを担当していました。しかし2016年に、通信ベンチャーへと転職します。それは、「通信サービスを作る側の仕事をしたい」という思いからでした。
「当時は、経験を積むという目的で若手社員は約3年ごとに異動するのが慣例でしたが、私はたまたま8年間同じ部署に所属していました。
その期間、さまざまなITの仕事に携わる中で、サービスを作る仕事をしてみたいと思うようになったのです。とくに携帯電話という“物”に通信という価値をつけてサービス提供する仕事に興味が湧きました」
転職先の通信ベンチャーでは、人材不足から財務経理の担当になった桜沢。サービス設計、出資の受け入れなどに対応していたものの、会社が倒産。ベンチャーキャピタルの紹介でIoTベンチャーに転職することになり、資金調達や新規事業の立ち上げに携わります。
その後、大手IoT企業の誘いを受けて転職。新サービスの開発や導入支援に携わり、大企業ならではの視点を学んだと振り返ります。
「人材教育に長けている会社だったこともあり、私自身、自分に足りない部分を見つめ直すことができました。とくに、新サービスを構築するときに体系的な考え方が不足していたと実感できました。また、製品メーカーでもあったため、品質管理や運用の重要性を学べたことも大きな経験です」
JA三井リースから離れて約7年。3社を経験した桜沢が戻るきっかけとなったのは、現在の上司から声をかけられたことでした。
「転職した後でも、自分がIT分野で仕事をしていたこともあり、JA三井リースとは適時情報交換を行っていました。その中で、新たなファイナンスサービスに挑戦することを聞いたのです。それがまさに、今私が取り組んでいるものでした。
『おもしろそう。ぜひやりたい!』と思いましたが、自分のわがままで出ていったわけですから、そう簡単に戻れるわけではありません」
いまの自分のスキルセットがリース業界で使えるのか──簡単に決断できない背景には、そんな不安もあったと言います。けれど、最終的に決断できたのは、JA三井リース時代の同期のひと言でした。
「飲みに行った時に、『悩まないで戻ってくればいいじゃん』と言われたんです。軽い感じで言ってくれたその言葉が、後押ししてくれました。やはり、上司や同期と良い関係性が作れていたことが決め手です。
また、実はその少し前に、他のリース会社からも声をかけてもらったんです。それが、自分のスキルを活かせるという自信になりました」
コーポレートテーマを体現する会社へ。外に出たから見える変化
新たな活躍の場を求め、JA三井リースにカムバック入社した桜沢。会社を離れたからこそ、「変化」がわかると話します。
「コーポレートテーマにもなっている『Real Challenge, Real Change』という言葉を会社一丸となって体現しようとしているのを感じます。過去に所属していた時は、『Challenge』をキーワードにいろいろなことを模索していましたが、前例がないからという理由で実行に至らないケースが多々ありました。今は、新しいジャンルへの挑戦を後押してくれる。そこが大きく変わった部分です」
桜沢が現在取り組んでいる業務も前例のないサービス。だからこそ、会社全体として「Challenge」と「Change」を後押ししようとする空気を実感しています。
「もちろん、考えが甘いときには厳しい意見ももらいますが、会社として新しい領域にChallengeしてほしいというメッセージを受け取っています。そこを適正に評価する人事制度も整ってきています。
会社の事業の骨子が変わったわけではないので、先輩や同期たちが努力してきた結果なのだと感じています」
桜沢がもう一つ変化を感じたのが「多様性」。プロパー社員だけではなく、外部からの人材の活躍の場をフラットに作る社風が、この7年間で作られたのではないかと言います。
「多様性を受け入れる意識を持つ人が増えたと思います。これも私が経験したからわかることですが、カムバック入社後は、私が支店から戻って来た社員かのように受け入れてくれる人が多く、ナチュラルにフィットできました。
また、以前から在籍している社員をメインに置き、外部から転職した社員はサポート的な役割を担うこともよくあると思います。しかし、外から戻ってきた私がチームの責任者としてアサインされていることが、多様性やフラットな空気感を現していますよね」
失敗してもいい。「挑戦の方法」と「体現することの大切さ」を伝えたい
外の世界を知り、多彩な視点やスキルセットを活かして邁進する桜沢。今後は変化した社内風土に、自分の実行力やノウハウを掛け合わせ、会社全体のさらなる成長に貢献したいと話します。
「今与えられているミッションを実現することが、私の1番の役割です。会社が変化し、その骨組みが構築されてきた今こそ、私の経験を活かすときです。
私はITについて最前線で経験してきた自負があります。そこには、教科書にはないビジネス的なノウハウも含まれています。それを当社の事業と融合させて新しいビジネスとして形にしたい。そして、チームの後輩たちに『挑戦の方法』と『体現することの大切さ』のバトンを渡すことが、私たち世代の役割だと考えています」
自身の経験もあり、リファラル採用やカムバック入社も大歓迎。その際に求めるのは、ベクトルが同じこと。そして、一緒に働く姿をイメージできることだと言います。
「めざす方向は同じで、別のスキルを持ち合わせている人が当社には合っていると思います。では、それをどう判断するのかというと、一緒に働く姿をクリアに想像できるかどうか。私がそうだったように、同期に『戻って来いよ』と言ってもらえるかどうかは、一つの基準になるかもしれませんね」
まだまだ桜沢の挑戦は始まったばかり。広い視点を身につけたからこそ見える会社の課題も解決したいと意気込みます。
「私は前職で、『10個の新製品を企画しても、9割は実現しない』ということを学びました。ただし、9個の失敗があるからこそ、10個目に成功があるのです。
今取り組んでいることの成果がすぐに出ないとしても、プラスもマイナスも受け入れる土俵を作り上げることが必要。そのためには、同じ土俵だけではなく、別の土俵で積み重ねた成功体験も取り入れることです。
つまり、これまでの会社を知っている人も、異業種から参加する人もどちらも必要なんです。私も、自分の背中を見られていることを意識しながら挑戦していきたいですね」
本当の意味でChallengeできる社風へと変化を遂げた会社で最前線に立ち、挑戦を体現する桜沢。自らが行動で示して若い世代へとバトンをつなぎます。
※ 記載内容は2023年11月時点のものです
