顧客の要望に応える、オーダーメイド製品の設計・開発を担当
産業機械本部 国内事業部 第二営業部 設計技術課に所属する今井。現在は、個別受注品の設計・開発業務を担当しています。
「トンネル工事用の特殊機械、ダムや水門などの公共工事関連設備、特殊車両、工場設備といった幅広い製品を、現場の状況やお客様のニーズに合わせてオーダーメイドで製作しています。『こんな仕様でつくってほしい』といった具体的な要望をいただき、多くの場合、1~2台の限定生産で対応しています。
お客様が個別受注品を求めるのは、既製品では対応しきれない現場特有の要求があるためです。たとえば、トンネル工事で使用される掘削機は、トンネルの長さや形状に特化した設計が求められます。また、安全性を確保するために、特定の規格や仕様をお客様から指定されることもあります」
個別受注品の設計や開発でもっとも重要なのが、顧客ニーズに正確に応えること。そのため、今井は常に密接なコミュニケーションを心がけてきました。
「営業担当から伝えられたお客様の要望をもとに検討を進めることもあれば、打ち合わせの初期段階から同行し、お客様に直接ヒアリングを行うことも。そこで得た情報をもとに作成した3Dモデルの図面をお客様に提示し、フィードバックをもらった上で、より詳細な設計へと落とし込んでいきます。
お客様との認識の齟齬を防ぐためにも、また製造を担当する部門に対して要望を正しく伝えるためにも、コミュニケーションをしっかり取ることを心がけています」
個別受注品の完成までには、いくつものハードルを乗り越えなくてはなりません。苦労が多い反面、それがやりがいにつながっていると今井は言います。
「これまでに製作したことのない仕様の機械や設備の要望に応えるのは簡単ではありません。しかし、難易度が高いからこそ、機械や設備がかたちになり、お客様に満足していただいたときの喜びがいっそう大きくなると感じます」
オプション部品開発の主担当を経験。設計開発として得た手ごたえ
大学時代は機械工学を学んだ今井。地元長野で機械の製作に携われる仕事を探していて出会ったのが、前田製作所でした。
「幼いころから自動車が好きだったこともあり、大きな機械をつくりたいと思っていたんです。部品の製作を手がけている会社は他にもありましたが、志望していた中で大型機械の設計に携わることができるのは前田製作所だけ。迷わず入社を決めました」
今井が入社したのは2016年のこと。入社後にまず取り組んだのが資格の取得でした。
「入社してすぐの1カ月の研修期間中、外部施設に泊まり込みで業務に必要な資格のための勉強に励みました。フォークリフトの免許や天井クレーンを扱うための資格、ショベルカーなどに乗るための資格、溶接資格など、一般的な建設機械を扱うのに必要な資格を7種類ほど取得しています。
仕事をしながらでは、多くの資格を取得するのは簡単ではありません。必要な資格をまとめて取得できる環境を用意してもらえたことはとてもありがたかったです」
研修を終えた今井が配属されたのは、設計技術課の前身となる技術部設計1課。個別受注品の設計や開発業務を担当しました。
「まずはCADを覚えるところからのスタート。学生時代に使い慣れたものとは違ったため、操作方法をいちから習得し、図面を描く技術を身につける必要がありました。
新しいことの連続で苦労もありましたが、トレーナーとしてサポートしてくれる先輩との共同作業が基本。わからないことがあればすぐに質問できたので、無理なく仕事を覚えることができました」
2年目、今井は技術部設計3課へ。量産品の設計開発に取り組みました。
「どの製品も、市場に出て時間が経過すると古くなってしまいます。常に最新の技術を取り入れたり、新たな用途を提案したりして製品を進化させていかなくてはなりません。そのため、量産品でも設計開発の役割は非常に重要です」
当時、今井にとってとくに印象的だったことがあります。前田製作所が手がける移動式クレーンの一種「かにクレーン」のオプション品のサーチャーフックの開発を手がけたときのことでした。
「かにクレーンには、荷物を直接持ち上げたり、移動させたりする吊り具の一種『サーチャーフック』が付いていたのですが、より重いものを吊り上げられるようにしてほしいというお客様からの要望を受けて、新しく開発することになりました。
重いものを吊るすとなると、クレーンのブーム(アーム部分)にかかる負荷が大きくなります。過負荷にならないよう計算したり、図面を描いて試験をしたりといったプロセスを念入りに繰り返しながら開発を進める必要がありました」
設計開発においては、性能向上だけでなく安全性も確保されなくてはなりません。挑戦の連続でしたが、それだけに大きな手ごたえがあったと言います。
「ブームの負荷が設定した基準値を超えないよう、機械に組み込まれた安全装置が作動する仕組みになっています。安全装置が作動しない場合、機械の破損や転倒が起きる恐れがあり、製品ではあってはならないことです。そのようなことが起きないよう試験を何度も実施し安全性の確認を行いました。
さまざまな方から教えを請いながらでしたが、初めて主担当として関わったプロジェクトを約2年かけて開発成功に導いたことで、大きな達成感を得ることができました」
技術営業で磨かれたコスト意識。高い技術を持つ仲間と協力し合う文化の中で成長
約4年にわたり量産品の設計・開発を手がけた後、技術営業課に異動した今井。技術営業の仕事を経験する中で、コスト意識にも磨きをかけていきました。
「お客様から個別受注品について相談を受け、実現可能性を検討して予算を見積もるポジションでした。要望をすべて満たそうとして、お客様の予算を超過してしまっては意味がありません。依頼する専門業者の選定を含め、費用を抑えながらできる限りお客様のニーズに応えるバランス感覚が身についたと思います」
2023年4月から、今井はふたたび設計技術課の所属に。複数の部署で多岐にわたる業務を経験してきた立場から、前田製作所で働く魅力について次のように話します。
「私はクレーン関連のものづくりに携わってきましたが、個別受注品も含めさまざまな製品に関われるのは前田製作所ならではです。ここでしか経験できないことがとても多いと感じています。
また、職場環境も非常に恵まれています。何か相談すれば、いつも親切に教えてくれる同僚がいることは大きな強みです。ベテランはもちろん、同年代の社員も含めて高い技術を持つプロフェッショナルばかり。尊敬できる仲間に囲まれて働けることは、私にとって大きな喜びです」
また、働き方や教育制度の充実ぶりにも触れながらこう続けます。
「フレックスタイム制が導入されており、自分の状況に合わせた柔軟な働き方が可能です。加えて、特定の作業に必要な特別教育については先輩社員が講習を行ってくれるため、外部研修に頼ることなく、必要な知識を効率良く習得できます。学びやすい環境が整っているのも、当社の大きな魅力のひとつです」
機械への情熱をかたちに。前田製作所だからこそ実現するキャリアパス
個別受注品の設計・開発にやりがいを感じていると言う今井。さらにスキルを向上させ、社内外から信頼される存在となることが現在の目標です。
「お客様が求めるものをつくるのが、個別受注品の設計・開発の醍醐味です。存在しないものをかたちにしていく過程には、未知の不安がつきものですが、それを乗り越えたときの充実感はほかでは味わえません。さまざまな経験を通じて学びを深め、どんな課題も自ら解決できる力を身につけたいと思っています」
機械製作の分野でのキャリアを求め、前田製作所を選んだ今井。機械を愛する者にとって、同社には絶好の環境があると話します。
「さまざまな機械の製作に携われるチャンスがあるのは、クレーンだけでなく多種多様な量産品や個別受注品の設計、開発を手がける前田製作所だからこそです。また、当社では公共工事に関わる設備開発にも力を入れているので、自社の機械が実際に活用されている場面を見かけることが多く、そのたびに喜びと誇りを感じます」
一方、大きな機械を扱う前田製作所ならではの設計の難しさも。いま求めるのは、挑戦心を持った仲間です。
「業界では分業化が進み、設計の一部分だけを担当することが多い中、前田製作所ではひとりが製品の設計の全工程に携わることができます。幅広い知識が求められるため苦労もありますが、いろいろなことに挑戦したいと考えている人にとって、これほどやりがいを感じられる職場はなかなかないと思います」
「こんな機械を求めていた」と顧客が喜ぶ、世界にただひとつの機械や設備をつくるために。尊敬する同僚や先輩と切磋琢磨しながら、今井はこれからも向上心を持って技術を磨き続けます。
※ 記載内容は2023年10月時点のものです
