わかるとできるは、違う。独り立ちに向け、一つひとつの業務を成長機会に変えていく
2023年9月現在の加納の配属先は合材製造と破砕を担う工場。プラントにおける機械の修理と維持、安全管理を主に担当しています。
「合材工場はアスファルト混合物を製造する施設です。一方、破砕工場は舗装や解体現場で発生するASガラ、COガラを破砕する施設であり、私はそれらの機械設備の点検や補修、調整も任されています。
安全管理面では、事故を起こさないための施策を提案、実施してきました。注意喚起の看板設置などがわかりやすい例ですね。事故が起こるたびに制約は増えていくことになりますが、それは事故を再発させないために欠かせないこと。引き続き徹底していきたいと思っています。
また、作業をされる方々の安全が最も大切です。夏場であればきちんと水分補給をしているか、支給された空調服や空冷服を着用しているかなど、熱中症になることのないよう日々確認をしています」
合材工場には、骨材を乾燥させるドライヤー、骨材を振るい分けるスクリーン、それらを貯蔵するホットビン、計量器、ミキサーなどたくさんの機械があります。加納はそれらすべての修理や維持を担当しています。
「大きな機械はもちろん、それらを組成する小さい電子機器や配線、配管に至るまですべてが対象です。いまの配属先で機械を担当するのは、協力会社さんと上司と私。たとえば、協力会社さんが清掃や出荷作業をする横で、私と上司が修理をするといった具合です」
入社後、約1年の研修期間を経て現在の仕事に就いた加納。担当業務の責任の大きさを感じつつも、ひとりで現場を担当できるようになる時を見据えながら業務と向き合っています。
「いまは上司に教えてもらいながらの作業ですが、いずれはひとりで機械を見なければなりません。懸命に勉強しているつもりですが、機械の部品や構成など覚えるべきことが多く現在も奮闘中です。
同じ故障、同じ修理が起こることは稀です。つまり、毎回新しいところで未知のトラブルが起こるため、それらを一つひとつクリアしていかなければなりません。いま25歳ですが、20代のうちに独り立ちして現場の責任者として動けるようになりたいと思っています」
そんな加納が仕事に取り組む上で大切にしているのが、実際に現場で行動すること。
「最初のころ、上司が修理しているのを見て覚えたつもりでいたことでも、実際に自分でやってみようとするとうまく再現できず、『“わかる”と“できる”は違う』ことを知ったんです。それ以来、可能な限り『自分にやらせてください』とお願いして率先して自分で手を動かしてみるように心がけてきました。
上司も快く応じてくれるおかげで、日々貴重な経験ができています。壊れて動かなくなってしまった機械を修理して元通りに動くようになったときは、大きな手ごたえを感じます」
機械工学科からインフラの世界へ。現場で深まった機械への理解
大学で機械工学を学んだ加納が志望していたのは建設業界の中でもとくにインフラを扱う企業。同じ学科のOBが入社していたことがきっかけで前田道路を知りました。
「インフラ企業に就職する学生の多くは土木学科出身だと思いますが、機械の面で携われる仕事を探していたんです。港関係や建築関係の機械メンテナンス業なども見ていましたが、より深く機械に携われると感じたのが前田道路でした。
入社後は約1年の研修で道路についての基本的な知識を身につけ、現場で使うフォークリフトやショベルなど、車両関係の資格取得にも励みました。
その後、仮配属されたのが研修センター内にある『機械センター』。ここでは、現場で施工する部隊のような立ち位置で重機の設備や点検をメインに行っていました」
学生時代は主に設計やCADによる図面作成を学んだ加納。現場を経験できるプラントはまさに理想の職場だったと言います。
「画面や図面だけを見ていても細部の部品のことまではなかなか理解しきれないため、実際に機械に触れる仕事がしたいと考えていました。大学で勉強したことと現在の業務内容はまるで違いますが、長い目でキャリアを捉え、いまの仕事にどれだけ誠実に向き合えるかを意識しながら取り組んでいます」
一方で、現場での作業には体力が求められます。機械は故障する時間を選びません。ときには夜中に対応することも。
「合材工場は24時間稼働しているので、夜中に機械が壊れることも当然あります。部品がなくてその場で修理できないときは段取りから引き直し、『出荷に間に合わせるにはいつまでに部品を確保しなければならないのか』と逆算しながら調整を行います。修理や段取りに没頭し夜通しで作業したこともありましたね」
大規模な設備の入れ替えで感じた機械職の醍醐味。プラント全体の建て替えにも意欲
配属から1年半。加納は確かな成長の手ごたえを感じていると言います。
「以前と比べて、上司の力に頼らなくても機械のトラブルをスムーズに解決できることが増えてきました。機械職として少しは力が身についてきたかなと自負しています。
また、プラント全体を見渡しながらどんな仕事もこなせるようになりたいと考えるようになってきました。電話対応や受付でのお客様との会話など、機械と向き合う以外の仕事にも積極的に取り組むよう心がけています」
そんな加納にとって、深く印象に残っている仕事があります。それはプラントの設備のひとつであるドライヤーの入れ替えを経験したときのこと。入れ替えの目的も規模もこれまでとはまったく異なる、大きな責任をともなう作業でした。
「それまでは故障や老朽化による修繕が多く、省エネを目的とした設備の入れ替えを経験したのはその時が初めてでした。携わる人数や作業日数が多い上、金額も数千万円単位と、それまでに関わったことのない規模でした。
一つひとつの工程を前もって確認し、実際に工事される方にとってどんな懸念点・問題があるか、予測される作業を上司と一緒に行いました。
とくに記憶に残っているのが、初めて200トンのラフタークレーンを見たことです。再生材の付着含めて計30トン弱くらいのドライヤーを持ち上げるのですが、バランスを崩さないようクレーンにさらに60トンの重りをつけていて、迫力は相当なものでした」
入れ替えを経験して機械職の醍醐味を味わった加納。新しい目標ができたと言います。
「前田道路のプラントの中にも徐々に老朽化が進んできているものもありますから、チャンスがあれば、プラントを建て替えて一新する仕事をしてみたいです。ドライヤー入れ替えのときはそばで見ているだけでしたが、いずれは自分が主体となってプラント全体の建て替えに携われたらと思っています。
プラントの建て替えに2回携わったことがある上司からは、そういった建て替えのような機会には仕様を自分で決められる醍醐味ややりがいがあると聞きました。それこそが機械職のおもしろいところ。いまからワクワクしています」
求めるのは、頭で考えるタイプよりも行動に移せるタイプの仲間
業務に全力を傾けるかたわら、加納は自己研鑽にも努めてきました。
「資格でいうと『電験三種』を30歳までに取得したいと考えています。難易度の高い資格で、『理論』『電力』『機械』『法規』の4つの科目をクリアしなくてはなりません。
とくに休みが多いわけではありませんが、毎日ほぼ定時で仕事が終わりますし、私はプラントに併設されている寮に住んでいるので通勤時間もかかりません。おかげで平日でもまとまった勉強時間を確保できています」
この秋には初めての異動が予定されている加納。上司にサポートされる立場から一転、新しい現場では周囲をサポートする役目が求められます。
「異動先に先輩がいるのですが、業務が多くひとりでまかないきれないということで、応援要請のようなかたちで声がかかりました。実働面で力になって負担を少しでも軽減できたらと思っています」
入社以来、自己研鑽しながら新しい分野に果敢に挑戦してきた加納は、これから共に仕事をすることになる新しい仲間に向けて、こんな言葉で呼びかけます。
「実際にやってみないとわからないことがたくさんあります。頭で考えるタイプよりも、行動に移せるタイプの人が前田道路には合っていると思います。きっと学生時代に想像しているより、実際の仕事はもっと大変。一番必要なのは体力と気力かもしれません(笑)。
職場では学生時代に培ってきた知識を活かせる場面は意外と少ないと感じるはず。大事なのは、新しいことに直面したときにどれだけ柔軟に対応できるか。そして、その新しいことを理解しようとする気概や誠実さがあるかどうかですから」
プラントの安定稼働を支える縁の下の力持ちとしての誇りを持って。責任の重さと、それ以上に大きなやりがいを感じながら、加納はこれからもプラント業務に邁進していきます。
※取材内容は2023年9月時点のものです
