「問題なく動くのが当たり前」の状態を維持することが、何よりのミッション
池田糖化工業株式会社(以下、池田糖化)の福山工場で、生産技術部に所属する石井。3つあるチームの中で、保全環境部門のマネージャーを務めています。
「私ともう1名の管理者を含めると、全部で9名のチームです。基本的な業務としては、各工場に必要なユーティリティの管理ですね。電気やガスはもちろん、蒸気や製造工程から出た排水処理の設備、品質管理なども含まれます。加えて、新しい設備の検討や実行も行います」
チーム内は溶接などの技術を持ち、簡易的な修理や配管を行う者、産業廃棄物を適正に排出できるよう作業する者、ボイラーの炊き上げの設備管理を担当している者など、それぞれに役割分担がなされています。それらを取りまとめて管理するのが石井の役割です。
「僕らの部署が忙しいときはすなわち、なんらかのトラブルがあったときということ。そうならないのが一番ですが、何か不具合が起こってしまった場合、なぜトラブルが起こったか、どうやって対応していくかの判断を委ねられている部門です。
たとえば地震の影響で電気が止まってしまったり、水が出なかったりというインフラ関係のトラブルが多々起きたような時にはそういった対応も必須です。すべてのインフラが『動いているのが当たり前』になるよう日々努めています」
ほかにも、工場だけでなく事務所内のエアコン管理といったことも、石井の業務のひとつ。
「とにかく、毎日いろいろなところから電話がかかってきます。相手も業務内容も幅広いのが、私の部署の特徴です」
30年ぶりの新入社員としての期待を背負い、無我夢中で勉強した日々
生産技術部にとって石井は、実に30年ぶりの新入社員でした。
「新人社員研修が終わった後すぐ配属されたのが生産技術部で、どうやら自分で30年ぶりだったということです。当時の人事部長にそう言われて知りましたが(笑)。おかげで、若いというだけでかなり強い武器でしたね」
とはいえ周りは一回り以上違う年長者ばかり。最も年の近い先輩でさえも10個上でした。
「知識も経験も豊富な先輩ばかりの中で、はじめはとても苦労しました。とにかく話の内容を理解するのが大変で。設備用語であったり建築用語であったり、これまで聞いたこともないような専門用語が打ち合わせで飛び交うんです。食らいついていくために、必死で勉強しました。
現場では、30歳ほど上の先輩について回り、工場から出る排水が決められた水質を守るための、排水の管理について最初はみっちり学びました。その後、ボイラーに関することや省エネ関連のことも経験させてもらいました。
あとは、資格取得ですね。今の部署に配属されたときに、いくつか資格を取ってほしいと言われていたこともあり、仕事が終わった後、毎日2時間ほどを勉強に充ててエネルギー管理士の資格を取りました。やっぱり、働き始めると目標や目的が明確になるので、何を身につけたら自分のスキルアップにつながるか実感しやすいですよね。だからこそ、学生時代よりも真剣に勉強に励んでいたなと思います(笑)」
そんな石井が大学時代に専攻していたのは、工学部の機械システム工学。池田糖化を希望した理由は、石井の趣味嗜好にありました。
「食べることがすごく好きで、学生時代のアルバイトも飲食関係ばかりでした。とにかく食に携わる仕事がしたくて就職活動を始めたんです。偶然うちの会社の募集を見つけ、機械系職種では久々の新卒募集だったので、本当にこの上ないご縁だったなと思います」
外部とのコミュニケーションこそ自らの強みであり、キャリア形成の礎になる
2012年に入社して以来、真っ新な状態から自分なりに学びを積み重ねてきた石井。次第に、確かな手ごたえを感じて仕事ができるようになりました。
「一番成長できたと実感したのは、電話上で相談を話してもらえるようになった時ですね。何か設備などでトラブルがあると、各方面から僕の部署に電話がかかってくるんです。
入社したばかりのころは、先輩宛にかかってきた電話を取り次ぎ、不在の場合はその旨を伝えるだけで終わっていたのが、次第に『〇〇さんがいないなら、ちょっと教えてくれる?』と相談してもらえるようになってきました。入社して5、6年経ったころからかな。トラブルがあったときに頼ってもらえるようになったというのが、認めてもらえたようですごくうれしくて」
電話がかかってくるのは同じ社内の部署からだけではなく、むしろ他工場など現場の人たちからの問い合わせが多いと言います。
「実は、同じ事務所のスタッフよりも先に、他工場の人たちと仲良くなれていたかもしれません。うちの部署は、扱う対象範囲がとても広いので、部署の中だけにいたらわからないことも多々あります。インフラは整っているけど、実際の設備がどう動いているのかなんて、実際に見ないとなかなかわからないじゃないですか。
そんなこともあって、工場で働く現場の方たちから実際の作業現場の話を教えてもらったり、工場で管理されている方から情報収集したり……ある意味外部の方とのコミュニケーションを大切にするよう意識してきました。純粋に、話を聞いていて楽しいですよ。いわゆる職人気質の方々は本当に専門的な知識を持っていらっしゃるので、すごく勉強になります」
休みなく鳴り響く電話にも軽やかに応対、さらなる信頼関係を構築していく
久々の新入社員ということで、気軽に相談できる同世代の仲間が少ない中で、年上のメンバーと親交を深め、自身の担当する業務を進めてきた石井。そのコミュニケーション能力の高さの秘訣を聞いてみました。
「これまであまり考えたことがなかったですが、確かに、基本的に誰とでも話せるというのは自分の強みかなと思います。学生時代にアルバイトをしていたホテルの宴会や婚礼、ビアホールなどでも年上の方が多かったです。
秘訣と言うほどのものでもないですが、いろいろな人と一旦話してみて、その中でもとくに自分が話しやすい人を見つけ、その方に頼りながら皆さんとコミュニケーションを取っていく……という方法はいいかもしれません」
日に20件くらい電話がかかってくることも日常だという石井ですが、複数のトラブルに対しても嫌な顔や声ひとつ出さず、「一緒に解決していきましょう」と対応できるようなコミュニケーションこそが信頼につながり、次の仕事へとつながっていくのだと語ります。
「トラブルが重なる日は、ものすごい数の電話が鳴りますけどね。携帯を壊してやろうかと思ったときもあったくらいです(笑)」
ここまで順調にキャリアアップをしてきたように見える石井。何か抱えている課題がないか尋ねると、少し困った様子で「部下の育成」とポツリ。
「学び方の姿勢や仕事の考え方は人それぞれ違います。その人に合ったやり方を見つけていかなくてはいけないのですが、なかなか同じ境遇になりきれない部分があって。入社して11年ですが、見えていない部分もまだまだたくさんありますから日々勉強ですね。友達と飲みに行ったときも、人を育てるにはどうしたらいいかばかり話しています(笑)。
ただ、高い技術を持つ人たちが部署には多く、それぞれが専門性をさらに高められるよう、自分がマネージャーという立場で的確に管理をすることで、部署としてはいいバランスに持っていけたらと思っています」
最後に、池田糖化のいいところ、やりがいを尋ねました。
「もしかしたらうちの部署に限った話になるかもしれませんが、自分のやりたいように仕事をできる点が、良いところでありやりがいでもあります。
たとえば、省エネを実現させたいと思ったら、各工場に勧めたいものを自分のタイミングで提案できます。反対に、現場の工場側から『こういうことができませんか?』と相談を受けることもあるので、できるだけお金をかけずに実現するにはどうしたらいいかとか、環境面を整えるための方法を提案したり……自分自身でいろいろなことを考えて提案し進めていけるので、自分の性に合っていると思います。
費用面に関すること含めて、自分に相談してもらえるということは信頼されているからこそだと思うので。その期待に応えたいですよね」
この取材の間にも石井の携帯にはたくさんの着信が入ってきており、いかに周囲に信頼され、気持ちよく仕事を進めているかを伺い知ることができました。これからも石井は、周囲との関係性を築きながら、新たなステージに向けて日々の業務とマネジメントに邁進していきます。
※ 記載内容は2023年12月時点のものです
