スピード感をもってサンプルを作成。液体関係の中間原材料を開発
田淵は大学卒業後の2018年に池田糖化工業グループへ新卒入社し、研修後は開発職に配属。現在は液体に関係する製品の開発業務に日々取り組んでいます。
「お客様からご依頼を受けた製品を中心に作る開発部署に所属しています。開発部署内は細分化されており、ざっくりですが第二開発室は主にセイボリー系の製品を取り扱っています」
第二開発室全体の人数は約60人。そのうち、15人ほどが液体調味料などの開発をしています。
「チーム内の雰囲気はとてもフレンドリーで、さまざまなことを気軽に聞くことができる雰囲気があります。コミュニケーションを自然にとることができるため、情報共有をもしっかりと行うことができます。その上で私の意見や考えを尊重してくれることも多いため、自由に仕事を進めさせてもらっています」
製品開発はお客様に合わせたスケジュールで進行します。そのため、とくに意識しているのはスピード感だと田淵は言います。
「製品化するまでのペースはお客様の兼ね合いに合わせているので、開発期間の長さはさまざま。一方、その前段階であるサンプルを提出するまでの工程はお客様によって変わることはほぼありません。スピード感をもって、サンプル作成を行っています」
サンプルを作っては改良することを繰り返す、開発の日々。約6年間で得てきた知識や経験を元に、より良い製品作りをめざしています。
「サンプル提出後はお客様から『もっと甘味を加えたい』『酸味を立たせた方が良い』といったフィードバックを受けるので、それに応えるよう改良を進めます。基本的に作業は1人で行い、膨大な原材料を組み合わせて正解を導くようなイメージです。最終判断として上司に確認した上で、サンプルを完成させます」
中間原材料の開発者になるには、味覚に自信がないといけないのでは──そんな疑問が浮かびますが、決してそうではないと、田淵は言います。
「私の場合、味覚にそこまで自信があるわけではありませんでした。そのため業務を始めた最初のころから、私個人の感覚だけでなく、より多くの人の意見を聞き、多様性のある意見を参考にしながら改良していくことが大切だと考えています。試食の際は、最終工程で使われることを想定した状態で実行します。
たとえば、スープの場合は店舗やレストランなどで提供される形に希釈する、といったことですね。また、試食してもらう人が多ければ多いほど、最適解が見つかるのです」
就職活動は食品関係に絞る。味の決め手となる中間原材料に惹かれて入社
入社前は大学で生物資源科学を専攻し、化学的な知識を習得。そして就職活動では食品関係の会社を志望し、池田糖化工業グループに入社しました。
「大学時代は直接食品の研究をしていたわけではありませんが、乳化剤、増粘剤などは化学的な知識から原料を選ぶこともあり、現在の業務に役立っています。正直に言うと、就職活動中は池田糖化についてあまり知りませんでした。
しかし、スーパーや外食店で販売されている商品に当社の中間原材料が使われていることを知り、味の決め手となる中間原材料に興味を持ったのです。中間原材料は広がりの可能性を秘め、その先にはさまざまなお客様がいらっしゃり、多種多様な商品へと形作られることに惹かれ、入社を決めました」
食品関係へと志望を絞っていたのは「食が好きだったこと」も理由のひとつです。
「自炊をすることが好きでした。たとえば麻婆豆腐を『麻婆豆腐の素』なしで作る、といったように原料を混ぜて料理を完成させることが自分の興味に合っていたと思います。また、以前テレビで食品開発の売り込み方などを追っている内容の番組を見て、そのときから食品開発をやってみたいという想いがありました」
入社後は各部署や各工場で行う新人研修に参加。9月まで研修を受け、現在取り扱っている中間原材料よりもさらに上流工程となる素材を取り扱う部署へと配属されました。
「製品の開発背景、工場の設備の仕組みを学ぶ全体研修がありました。そして希望していた部署に配属され、設備の使い方などは早くから学ぶことができました。現在は当時よりも下流工程の製品部分を担当しているので、上流の意図を理解しながら製品作りを行うことができています」
約6年間、一貫して中間原材料の開発を行う中で、田淵が最も苦労したのは海外輸出向けの製品を作ったときのことです。
「食品ラベルの表記が、日本とはまったく異なるため、海外の法規を自分で調べたり、日本国内ではJETROに問い合わせをしてみたり。海外で使ってはいけない添加物があること、添加物に番号をふる必要があることなどを学びました。初めての経験でしたし苦労することも多くありましたが、あまりチャンスのない特殊な案件だったので、とてもおもしろかったです」
同じ製品はひとつとして存在しない。地道な仕事ながら、日々改良を重ねる
日々改良を繰り返す地道な作業が必要ながら、完成する製品はひとつとして同じものはありません。そこに、田淵は仕事のやりがいを感じています。
「同じ製品は一つとしてないですから、毎日悩みは尽きません。だからこそ、それを形にできたときはやりがいを感じます。以前、採用直近になって問題が持ち上がり、製造が難しくなった案件がありました。少量のサンプルを作るときには気がつきませんでしたが、5kgほどまで作ってみた際に、製造の難しさが発覚したのです。
というのも、粘性が高すぎたため工場から『混ぜることができない』と判断されてしまったのです。ただ、お客様から味をたいへん気に入っていただいていたので、できる限り予定通りの状態を実現したく、原材料の微調整でなんとか改良し、苦労しながらも完成させました。
そして偶然にも、後日その製品の開発担当者と友人の結婚式で出会い、『あのときはありがとうございました』とお礼を言われたのです。開発者はお客様から直接言葉を交わすことは滅多になく、お客様にその苦労がきちんと届いていることを、本当にたまたまなのですが初めて実感できて感動しました」
社内は挑戦を後押しするような風土。それが、田淵の所属する液体チームには色濃く出ています。
「私自身『やりたいことを実行する』ということを大切にしているのですが、それを応援してくれるような社風です。中国にあるグループ会社の開発部門に出張へ行く機会があり、自ら手を挙げて出張へ行きました。知らないことや、やったことがないことはやってみる、という姿勢で仕事に取り組んでいます」
田淵は通常業務だけではなく、社内改善業務にも積極的に参加。自らが「やりたい・やってみたい」と感じる気持ちを大切に、実現しています。
「社内でペーパーレス化を進める業務改善プロジェクトにも立候補しました。各部署でエクセルファイルをそれぞれに管理していたものを、情報共有のためにひとつのアプリに集約する取り組みを行っています。部門を越えて日々の業務と並行して行い、デジタル化に向けた効率的な改善をめざしています」
めざすのは、オリジナリティあるキャリア。自分の手で、新たな道を切り拓く
開発者としてのキャリアを進めてきた田淵がめざすのは、前例踏襲ではない新しいキャリアプラン。今まで経験のないことにも積極的にチャレンジしていきたいと話します。
「今までの社員が歩いてきたキャリアとは別のキャリアを築いていけたらと思います。独自の、他の人にはないキャリアを積み、新たな道を切り開きたいです」
田淵が考える、池田糖化工業に向いている人は何か特筆する能力をもつ人。新しい風を求めています。
「たとえば、能力を五角形のレーダーチャートなどで表したときに、どの方向にもある程度バランスのとれたきれいな五角形ではなく、ある能力が飛び抜けているような人と一緒に働きたいですね。
平均値よりも、凸凹としたイメージです。現在はきれいな五角形の人が社内には多いと感じるので、それはとても良いことなのですが、個人的にはそういったオリジナリティある人が入社してくれたらおもしろいと感じています。自分も独自性を大切にしていきたいですから」
一つひとつの製品の改良を重ね、日々挑戦を続ける田淵。味の決め手となる中間原材料を開発し、世の中に「おいしい」を届けます。
※ 記載内容は2023年9月時点のものです
