「うごかせ、いどむココロ」をテーマに、子どもたちの成長をサポート
鈴鹿サーキット パーク事業部 モビリティ・アミューズメント課に所属する竹下。アトラクションを中心に「鈴鹿サーキットパーク」の運営を担当しています。
「鈴鹿サーキットパークは、ホンダモビリティランドが運営する鈴鹿サーキットの敷地内にあるレジャー施設です。『カートアタッカー』をはじめとする、ほかにはないモータースポーツが体験できるほか、さまざまなアトラクションやイベントなど、家族で楽しめるエンターテインメントを提供しています。
モビリティ・アミューズメント課が担当するのは、これらのアトラクションを含むパークの運営です。プールや水かけといった季節に合わせた催事や、タイムアタックなどモータースポーツ関連のイベント開催も行っています。現場を管理するだけでなく企画の段階から携わり、一年を通してさまざまなアミューズメントを提供することが私たちの役割です」
モビリティ・アミューズメント課の業務はそれだけに留まりません。
「モビリティ・アミューズメント課の最大のミッションは、アトラクション体験を通じて子どもたちの成長を促すことです。『うごかせ、いどむココロ』をテーマに、子どもたちに乗り物の楽しさを伝えると同時に、自分で操縦する経験を通じて、『やってみたい!』を『できた!』へとつなげることで、自立をサポートすることをめざしています。
アトラクションへの挑戦が子どもたちにとって成長のきっかけとなるのは鈴鹿サーキットパークだからこそ。ここでしか味わえない、親子の成長の思い出をつくってもらうことを常に意識しています」
課長として同課のメンバーを束ねる竹下。マネージャーとして大切にしていることがあります。
「お客様はもちろん、自分以外のスタッフを含め、私たちの仕事は人あってのものです。相手の立場に立って考え行動することを肝に銘じてきました。とくにお客様に対して心がけているのが、『接客』ではなく『接遇』です。単なる作業にならないよう、おもてなしの気持ちを持って、相手の心情や状況、環境に気配りしながら対応することを大切にしています」
子どもの笑顔と成長を支えるエンターテインメントを求め、ホンダモビリティランドへ
幼いころから楽しいことが好きで、笑顔が溢れる場所で仕事がしたいと考えていたと言う竹下。鈴鹿サーキットパークの魅力を顧客として肌で感じたことが入社のきっかけでした。
「当社のインターンシップを経験した友人から勧められて当パークを訪れてみたところ、一般的なテーマパークと違ってアトラクションの事前説明にしっかり時間をかけていることに驚きました。また、途中で転倒してしまっても、最後には子どもたちがそろって笑顔を見せる光景を目の当たりにして、ここがとても楽しい場所だと感じたのを覚えています。
もともと子どもが好きだったこともあり、ほかのテーマパークとは違うかたちで子どもの役に立てると思ったことが入社の決め手になりました」
2006年の入社後、竹下は希望していたモビリティ・アミューズメント課へ。四輪駆動車を操作する「アクロエックス エボリューション」やタイムを競う「レーシングカート」などさまざまなアトラクションを担当した後、エリアリーダーとなって新しいアトラクションの立ち上げに携わりました。
「入社して数年後、新しいアトラクションを企画するプロジェクトのメンバーに抜擢されました。中でも私が担当したのが、お客様へのサービス面です。アトラクション開発の初期段階から関わり、それまでの経験や他社の施設を参考にしながら、動線や入口・出口、操作版の配置、マイクパフォーマンスの台詞など、運営を最適化するための提案を行いました」
立ち上げに関わったアトラクションのうち、竹下がとくに印象に残っていると話すのが、タイムアタックが楽しめるレーシングバイク「モトファイター」です。
「実際のコース走行時に起こり得る、あらゆる事態を想像するのに苦労しました。転倒によるケガのリスクがあるため、導入の可否を含めプロジェクトメンバーと検討を重ね、体を保護するための装備品の着用や、コースにクッションを設置するといった安全対策を施しながら、アトラクションをかたちにしていきました。
営業開始後に想定外のトラブルが発生することもありましたが、その都度対応し改善を図ってきた経験が、現在の業務に大いに役立っています」
約9年にわたってモビリティ・アミューズメント課で勤務した竹下は、台湾の商業施設内の「SUZUKA CIRCUIT PARK」立ち上げメンバーに選ばれ、海外出向を経験します。
「鈴鹿サーキットのキーコンセプトに基づくモビリティテーマパークが高雄市に建設されることになりました。『SUZUKA CIRCUIT』の名前を冠する以上、ブランド力を維持するため、安全、サービス 、4S(整理、整頓、清掃、清潔)など、さまざまな面で監査を行うことが私の役割でした。
当初は長期出張での参加でしたが、オープン後に常駐が必要だと判断されたため、結果として現地に約2年間駐在しています」
台湾への出向がキャリアの転機に。現地で得たワークライフバランスへの新たな洞察
施設が7割ほど完成したタイミングで「SUZUKA CIRCUIT PARK」のある台湾の大魯閣への出向を命じられた竹下。当時の思いを次のように振り返ります。
「すでに出張で現地を訪れメンバーと友好関係を築いていたため、駐在が必要となればぜひ自分が行きたいと上司に伝えていました。当社では社外に出向する機会があまりありません。とくに海外に行けるケースは稀なので、出向が決まったときはとてもうれしかったです」
当初は伝えたいことがなかなか理解されず、価値観のギャップに戸惑いを覚えた竹下でしたが、徐々に現地メンバーとの相互理解を深め、プロジェクトを成功へと導きます。
「日本では丁寧に仕事を進め、完璧をめざそうとする傾向がありますが、台湾では70点でも迅速に仕事を完了させることが重視されます。確かに、100点を採ることにこだわりすぎて、タイミングを逸してしまうことがあるものです。台湾の効率的かつスピーディな仕事の進め方からは多くを学びました。
また、台湾ではバイクの利用者が多く、交通事故が頻発しています。そのため、アトラクションを通じて子どもたちに交通安全を教え、自立を支援するという方針には現地でも広い共感が得られ、チーム一丸となってプロジェクトを進めることができました。
運営の方法などで対立する場面もあっただけに、最後まであきらめずに障害を乗り越えテーマパークが完成したときの喜びは格別でした。お客様が笑顔で遊んでいるのを見たときは本当にうれしかったです」
出向を経験したことで、業務への取り組み方が大きく変わったと話す竹下。仕事観も一変したと言います。
「台湾には家族をとても大切にする文化が根づいていて、定時になれば現地のメンバーは一斉に帰宅します。そんな彼らの様子を見て、それまでの仕事中心の働き方を見直し、プライベートの時間や家族のことを大事にするようになりました。
プライベートが充実していると、仕事に対するモチベーションが上がり、効率も向上します。また、鈴鹿サーキットパークは家族あってこそのものです。台湾での経験は私にとって非常に価値のあるものでした」
帰国後、竹下が配属されたのは事業企画室。「モビリティリゾートもてぎ」のアトラクションがリニューアルされるタイミングに合わせて同パーク内のサービスやパフォーマンスのチェックを3カ月にわたって担当した後、課長として現在も所属するモビリティ・アミューズメント課に着任します。
「結果的に、現在の部署に早く戻れて良かったと思っています。モビリティ・アミューズメント課には若い社員が多く、マネージャーとして彼らの成長を見守ることに喜びを感じているからです。
メンバーから感謝の言葉をじかに受け取れるのも、当課ならでは。『竹下さんのおかげで、こんなことができるようになりました』『あのときの助言をいまも忘れず守っています』と言われると、仕事へのやりがいを感じます。以前、アルバイトをしていたメンバーがパークに遊びにきて、その後の活躍ぶりを教えてくれたこともありました」
部署異動をきっかけに、より広い視野と豊かなキャリアを
竹下が課長に就任して2023年で2年目。時代に合わせたマネジメントを心がけてきました。
「時代の流れに応じて指導方法を変えていかなければ、人は思うように動いてくれません。個々のメンバーの意見や価値観を尊重することを強く意識してきました。あれこれ指図せず、まずは各自が自由に挑戦するように促しています。
また、近年はプライベートを重視するメンバーが増えてきました。ワークライフバランスも大切にしている点です」
一方、課内には意図しない部署異動を好まないメンバーも少なくありません。異動を通じてキャリアの幅を広げてきた立場から、若手社員に伝えたいことがあります。
「仕事はひとりでは成し遂げられません。多様な部署の方と関わりを持つことで人脈が広がり、それが仕事の効率化につながった実感があります。
また、新しい部署に移れば、未知のことだらけ。周囲のサポートが不可欠なため、チームの大切さや協力することの重要性が理解できる上、新たな価値観に触れて視野が広がることも、部署異動の大きな利点です。キャリア形成において、部署異動は非常に有意義だと私は考えています」
そんな竹下の現在の目標は、管理職をポジティブな存在としていくこと、そして子どもたちに夢を与えること。さらに次のように続けます。
「管理職には大きな負担がともなうイメージがありますが、自分が積み上げてきた人脈を生かし、また自分をもっと成長させられる機会でもあります。ホンダモビリティランドの中で最も平均年齢が若い活気あふれるこのパーク部門から、男女関係なく管理職として活躍したい!と考える人材を増やしていきたいですね。
そのために自分がやりがいを持ち楽しんで仕事に取り組む姿を見せたいと思います。さらに、乗り物を通じて子どもたちの自立を促す取り組みも続けていくつもりです。アトラクションを楽しみながら挑戦と挫折を経験し、成長していく過程をサポートできたらうれしいです」
ホンダモビリティランドが、子どもたちにとって忘れがたい思い出と成長のきっかけとなるために。竹下の挑戦はこれからも続きます。
※取材内容は2023年12月時点のものです。

