約15年ぶりに訪れたパークで深く感動。「ここで働きたい」と思った

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水谷が所属している事業企画課は、モビリティリゾートもてぎ全体をハンドリングする部署です。

「部署は3部門に分かれています。事業所の方向性や収支を管理する『事業企画部門』、イベントの企画運営と広報活動を行う『広報宣伝催事部門』、お金まわりを管理する『経理部門』。私は事業企画部門に所属しています」 

事業企画部門のメンバーは水谷を入れて3名。キャリアが長いベテランの先輩従業員と共に、事業全体の行く末を決める重要な仕事に取り組む日々です。

父親の影響で小さなころから車やレースが好きだったという水谷は、小学校時代にモビリティリゾートもてぎ(当時のツインリンクもてぎ)に何度も遊びに来ていました。

「レース観戦はもちろん、カートに乗ったり、木を使った工作体験をしたり、とても楽しい時間を過ごしたのを覚えています。けれども小学4年のときに野球を始めたのをきっかけに忙しくなり、足が遠のいてしまって。だんだん記憶も薄れ、施設のことを思い出すこともなくなりました」 

再びパークに訪れたのは、大学4年の夏休みでした。

「友人から『もてぎの花火がすごいらしいから行ってみたい』と言われ、15年ぶりくらいに遊びに行ったんです。花火を見つつパーク全体を楽しんだ私は、施設のすばらしさに心から感動しました。自分で操縦できるアトラクションの数々や、生き物が共存する広大な自然のフィールド、ホンダの歴史を詳しく知ることができるコレクションホール。小学生のころよりかなりアップデートされていて、とてもいいところでした」

心を掴まれた水谷は、「自分もここで働きたい」と感じます。

「一生懸命働いているスタッフの笑顔を見て、チームの一員になりたいと思ったんですよね。採用ページに募集が出ているのを見つけ、受けてみようと決意しました。

実は当時の私は、塾講師のアルバイトをしながらも将来やりたいことが一切見つからず、就職活動を始められずにいたんです。そんなモヤモヤした気持ちを一変させてくれたのがモビリティリゾートもてぎの存在でした。遊びに行こうと誘ってくれた友人には感謝ですよね。その友人は今、妻として僕を支えてくれています」

契約社員として入社後、水谷はまずパーク運営課に配属。施設の現場に立ってお客様と関わります。

「『ハローウッズ』という自然あふれるフィールドで、『メガジップラインつばさ』というアトラクションの運営スタッフになりました。ジップラインを体験する子どもたちと関わったり、自然を活かしたさまざまな体験やキャンプなどを先導したり、幅広い経験を積むことができました」

正社員になり、より少数精鋭の事業企画部門へと異動

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▲はじめての職場、「メガジップラインつばさ」

ジップラインの担当として3年間を駆け抜けた水谷。新入社員でわからないことだらけの彼を支えたのは、先輩や上司の優しさでした。

「たった1、2年上の先輩でも視野が広くて、本当に頼もしいのが印象的でした。ジップラインは高いところにあるアトラクションなので、危険がないよう毎朝1時間以上かけて点検を行うのですが、いつも自分では気づけないような点に先輩は気づくんです。一緒に働かせてもらい、とても勉強になりました」 

もともと高いところが得意ではない水谷でしたが、先輩のフォローのもと、徐々に頼られる存在へと変わっていきます。

「高所の作業は慣れるまでは大変でしたが、自分が憧れた職業に就いていることが大きなモチベーションになっていました。日々いろいろなトラブルに対処する中で、物事の本質をとらえるスキル、問題を解決し提案するスキルを磨けたと思います」

3年間を通して少しずつ自信を身につけた水谷。その努力が評価され、入社3年で契約社員から正規従業員になり、事業企画課への異動が決まります。

「冒頭でも申し上げたように、事業企画部門は少数精鋭部隊です。まさか自分が配属されるとは思っていなかったので本当に意外でした。初めは戸惑いましたが、正規従業員になってこれからますます頑張ろうと思っていたところでもありましたし、これ以上ない成長の場に身を置けるのだと前向きに捉えるようになりました」

「この施設のすべてを一から勉強しよう」と心に決めて異動した水谷。事業企画部門に所属し、現在3年目になります。今はさまざまな打ち合わせをこなしつつ、主にレース・イベントの収支管理やお客様アンケートの集約を担当しています。 

「パークで働いていたときは、お客様のために何ができるかをひたすら考えてきましたが、異動してからは、お客様のためはもちろんのこと、モビリティリゾートもてぎ全体のために、ここで働く全員のことも考えながら、次に何をすればいいかという発想を持つようになりました。収支を管理したり、他部署と連携を取ったり。一筋縄で行かない仕事も多いですが、その分やりがいはとても大きいです」

唯一無二の施設を作るために、ボトムアップで常にチャレンジ

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▲ここは、人と自然とモビリティが共生する唯一無二の施設

ステップアップを続けている水谷は、これからのモビリティリゾートもてぎにどのような可能性を感じているのでしょうか。

「この施設はもともと『人と自然とモビリティの融合』をテーマにオープンしました。世の中でSDGsなどの考え方が言われるようになるよりも随分前から、施設全体としてサステナビリティを強く意識し、ノウハウを培ってきた場所です。今後もSDGsに基づく経営を続け、その実態をお客様に伝えていくことで、人と自然とモビリティが共生する唯一無二の施設として存在感を際立たせられると思っています」 

ホンダモビリティランドは、パークを訪れる人々にモビリティを通して「操る喜び」「チャレンジして成長」という2つの楽しさ・感動を味わっていただくことをめざしています。

「私はスタッフとして働く上でも、この2つのフレーズを大事にしています。既成概念にとらわれずに自分の感性を駆使して仕事を操ること、そして常にチャレンジし成長すること。自分のアイデアを素直に口にし、提案したことを実現させるまでひたむきに努力できるような人間でありたいなと思います

ありがたいことに当社は、ボトムアップで生まれる発想も大事にしてくれる会社です。先輩後輩関係なく、自分の考えで動くことが歓迎されます。これから仲間になってくれる人には、自分で企画を立てどんどん動こうという積極的な姿勢があるといいと思います。私も、これからもチャレンジを繰り返しながら成長していきます」

自分が感動を覚えることに、いつも正直でありたい

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▲「夢」が夜の闇に浮かび上がる

多くのお客様を魅了できるよう、各部門とさまざまな取り組みをしてきた水谷。最近の仕事でとくに印象に残っているのは、ナイトミュージアムの企画です。 

「若手数名で、ホンダコレクションホールを使用した夜限定の『ナイトミュージアム』というアクティビティを企画したんです。普段は営業時間外にあたる夜のホンダコレクションホールを特別に公開し、クルマやバイクが喋り始める企画や展示、ホンダのモビリティを使った館内移動などを楽しんでいただきました。

チームの一員として微力ながら企画面のサポートをすることになった私は、さまざまなアイデアを提案しました。パークの運営スタッフたちの努力もあり、最終的に最高のアクティビティが作れたと思っています。完成したときには、自分の成長を感じましたね」

パークの質を向上させるために試行錯誤する日々は、とてもやりがいがあるものです。

「現場に立っていたころは毎日お客様の生の声を聞ける環境でしたが、異動してからはお客様と直接関わる機会は少なくなりました。けれども、今はアンケートの管理・集約を担当し、お客さまの声にデータの面から向き合うことにも注力しているので、寄せられた感想や意見に幅広く触れることができます。

こういうところがよかったんだ、こういうところがだめだったんだ、というのがクリティカルにわかりやすい環境なのでとてもやりがいを感じますし今後の事業企画の肝になると感じています。厳しい意見もありますが、お褒めのコメントもたくさんいただけるので嬉しいです」 

多忙な中でも力強く走り続ける水谷。その原動力は、どこにあるのでしょうか。

「自分の感動にいつも正直でありたいという信念があるんです。『こうなったら人の心は動く』ということを想像し、自分で動いて実現するように心がけています。自分が挑戦と成長を繰り返せば、施設の質が上がり、お客様も笑顔になってくれる。そのことが、私のモチベーションです」

自身が大学4年のころに経験したような感動を、お客様にも届けられるように──幸せな思い出と熱いビジョンをエネルギーに、彼は挑戦し続けます。

※ 記載内容は2023年9月時点のものです