本業と複業。二足のわらじで会社と地域の発展をめざす
2008年に北國銀行に新卒入社し、キャリアをスタートさせた髙田。その後、さまざまな支店や部署を経験し、2024年3月、加賀営業部のマネージャーに就任しました。
「2021年10月から、北國銀行をはじめとする11社のグループ会社と共に幅広い領域において事業を展開するホールディングス体制となりました。その中で、現在は5名のチームメンバーと共に地場の中小企業のお客さまの課題解決のお手伝いをするのが私の仕事です。
10年以上前と比べると、お客さまに対する当社の体制は変化を続けています。以前は利益の優先や他行との競争を意識するあまり、お客さまの真のニーズを汲み取りきれなかった部分がありました。しかし、現在はお客さまが本当に望んでいること、課題に感じていることを丁寧にヒアリングし、必要なソリューションを提供することに注力しています」
マネージャーとしてチームを率いる立場ではあるものの、髙田自身はプレイヤーの1人として、メンバーとのフラットな関係性を大切にしています。チームとして共有しているミッションについてこう語ります。
「中小企業の課題は、長期的に見れば地域の課題でもあります。私たちにできることは、お客さまと同じ目線に立ち、地域で働く方々がこれからも持続的に活躍できる仕組みづくりのお手伝いをすること。一朝一夕でできるものではありませんが、目の前のお客さまに真摯に向き合い、日々の営業活動を通じて実践しています」
一方で、銀行員としての本業以外にも新たなチャレンジを始めています。きっかけは、東京支店時代に参加した個人のスモールスタートを支援するオンラインプログラム「4th place lab」でした。
「4th place labは、会社員が『自分のやりたいこと』を起点に個人の力で小さなチャレンジを起こすためのオンラインプログラムです。サービス開始以降これまで100名以上が参加し、数多くの個人プロジェクトが生まれています。
当初第2期の受講生として参加しましたが、現在は運営側で参加メンバーのサポートをしています。私自身も個人で地域の中高生と企業の接点を増やす活動や、最近では『会社で飲み会をしたいからビールをつくろう』という想いから当社組合の執行部メンバーたちとクラフトビールづくりプロジェクトをスタートしました」
自分の軸で動くことの大切さ。きっかけとなった東京支店時代
2020年4月に東京支店へ異動となった髙田。そこで、自分の想いという軸で行動することの大切さに気づきました。
「ちょうどコロナ禍が始まったタイミングで東京支店に異動となりました。妻と当時4歳の息子を石川に残しての単身赴任だったのですが、思うように帰省できず、家族としてもあまり嬉しくない状況になってしまいました。この時が、それまでの常識や考え方・価値観を大きく見直す必要があると感じた時期でしたね。
また、同じタイミングで会社もホールディングス体制に切り替わったことで人事制度が大きく変わり、これまでの常識にとらわれない働き方を推奨する動きが出てきました。社員には積極的に学び直しをしてほしいということで、会社としてもさまざまな社外プログラムを提供してくれました」
そこで、最初は会社が提供してくれたプログラムをもとに少しずつ社外の世界に触れてみることに。そのうちに自分でも興味のある情報を探すようになります。
「コロナ禍でオンラインで受講できるプログラムが数多くあり、たまたま見つけたのが、『4th place lab』という“はみだして、ためそう”をコンセプトに、組織で働く個人の取り組みを応援するプロジェクトでした。
『会社で働きながら、やりたいことに挑戦できる場所』というメッセージに惹かれ、参加を決めました。プログラムを受けながら自分の興味のある分野について調べたり、その分野で活躍している人にSNSでつながって直接話してみたりと、自ら行動することで家と会社だけじゃない世界が広がっていったように感じます」
社外での活動を通して、髙田は会社の仕事だけでなく自分でやりたいと思って動くことで社会とつながれることを実感しました。
「また、当時の東京支店は大企業と北陸地域にゆかりのある中小企業だけの取引基盤から、大きな市場で成長を志して事業に取り組むスタートアップ企業や当社の理念に共感いただける方々との取引や協業の機会が増える変革期にありました。
支店長をはじめとしてチームメンバーとこれまでの常識にとらわれず、自分たちで考えて行動する機会に数多く恵まれました。東京支店時代の経験は、自分の軸で動くことの大切さを教えてくれる大きな原体験になりました」
新しいことへの挑戦を通して広がる世界
会社に副業申請をし、2023年から4th place labの運営メンバーとして関わることになった髙田。活動を続ける中で自身の変化に気づいた学びを、その後のキャリアの中でも活かしています。
「取り組みを通じて、社外の人たちと関わる中で学ぶことは多かったです。大企業だとルールがあってその中でいかに仕事をするかということが基本的な考え方になりがちですが、社外の人たちと接していると目的を起点にもっと自由な発想で物事を考えているのを感じます。そうした考え方に触れて学んだことは、自分の仕事にも活かせているかなと思います」
さらに、4th place labでの活動がバネとなって、本業の社内でも新たなチャレンジをすることに。それが、北國FHDオリジナルのクラフトビール開発プロジェクトです。
「ビール醸造に取り組んでいる人の話を聞く機会があったんです。そこからビールづくりのおもしろさに惹かれ、『これを参考に、うちの会社でもやったら楽しそうだな』と思ったのがきっかけでした。
企画を社員組合に提案し、コラボレーション制度(社内副業制度)で取り上げてくれることになりました。私の企画をみて『それいいね』と共感してくれた人と一緒にプロジェクトを進めていきました」
こうしてプロジェクトチームを立ち上げた髙田は、金澤ブルワリーというクラフトビール醸造所とコラボレーションし、クラフトビールの開発までいたりました。
「ビールの名前は、新入社員研修の時間を使わせていただき、新入社員の皆さんに考えてもらいました。『当社のビールはこんなストーリーでつくっているので、それをイメージしたネーミングを考えてください』とお願いしたところ数案が出てきて、その中から選ばせてもらいました。
ビールづくりの活動については、プロジェクトが進むごとに社内で進捗を発信しています。社内アンケートでコンセプトづくりに多くの方が協力してくださり、新入社員からベテランまで、みんなでつくっているビールになっていると思います」
※ プロジェクトの詳しい動向は以下をご覧ください
・「会社で飲み会したいから、ビールつくろう。」銀行員がクラフトビールをつくる話(その1)
・「会社で飲み会したいから、ビールつくろう。」銀行員がクラフトビールをつくる話(その2)
自分の軸で動くことの大切さに気づき、会社の外に一歩踏み出す経験をしたことで、髙田の世界はこれまでになく広がっています。
「私自身、新しいことを始めることが結構好きなんだと、あらためて知ることができました。東京支店時代にも、これまでの銀行業務では関わる機会がない相手に、全然違うビジネスの話をしに行く経験もさせてもらいました。まったく新しい分野へのチャレンジで、とてもワクワクした気持ちで仕事に取り組んでいました。
会社の内と外にあまりこだわらず共感できる人たちと新たな化学反応を生み出していけたらと考えています」
スモールスタートで動いてみる。失敗を恐れずチャレンジする姿勢が楽しい社会を生む。
クラフトビールづくりのプロジェクトは、今後も恒例の企画として続けていきたいと髙田は意気込みます。
「今回の経験を通して、ビールに限らず多くの方が部門を問わず楽しく参加できる企画を立ち上げるのはおもしろいと思いました。具体的なアイデアはまだないですが、今後もみんなで小さなチャレンジを続けていきたいですね」
社内でのビールづくりなどの経験を通して「スモールスタートでまず動いてみること」の大切さを実感したと言います。
「小さなことでも、自分がワクワクする方向に動くことが大事だと気づきました。最初から大きなことをやろうとすると、なかなか一歩が踏み出せないんですよね。
今後も、小さなチャレンジを積み重ねていくことで、周りの人たちにも良い影響を与えていきたいと考えています。自分以外の人たちも、『ここまでやっていいんだ』と思ってくれるようになったら嬉しいですね。自分がそこに少し引き上げ役になれたらと思っています」
銀行員としてのキャリアを歩みつつ、複業という新しい挑戦にも乗り出した髙田。自分の軸で動くことの大切さを周りにも伝えていきたいと考えています。
「会社の中では、『自分は変わったタイプの人間』だと言われることもあります(笑)。でも、実際話を聞いてみると、じつは将来的に何か事業を自分でやってみたいと思っている人は意外と社内にもたくさんいることがわかったんです。
会社の常識に縛られず、自分の軸で動いてみる。そうすることで、思ってもみなかったような出会いや発見、学びがあるんだということを伝えていきたいですね。自分の活動を通して、そういう体験をする人が増えてくれたら嬉しいです」
最後に、今後のビジョンについてこう話します。
「まずは、銀行員としてのキャリアをしっかり歩む。その上で、複業の活動も継続して、自分の視野を広げ続けていきたいです。ゆくゆくは、銀行と複業の経験をどう掛け合わせていくかまで考えていきたいですね。
やりたいと思ったことには、どんどん挑戦してみる。最初はうまくいかないこともあるかもしれないけど、失敗を恐れずにチャレンジする気持ちが大事です。そういう気持ちをもった人たちの活動が増えて、さらに活気ある社会になってほしいと思います」
自分の想いに素直に、ワクワクする方向に進んでいく。髙田の紡ぐ言葉には、そんなメッセージが込められています。
※ 記載内容は2024年10月時点のものです
