お客さまの課題に寄り添い、未来を共に描くコンサルタントの役割
株式会社北國フィナンシャルホールディングス(以下、北國FHD)のグループ会社のひとつである、株式会社CCイノベーション。そのコンサルティング部でマネージャーを務める松原は、主にkintoneというノーコードツールの導入コンサルティングと、お客さまの中長期的なシステム戦略の策定支援を担当しています。
「お客さまはさまざまな業種の中小企業さまが中心です。北國銀行の法人営業担当者が日々の訪問の中で経営課題を把握し、その解決策としてICTが有効と判断された際に相談をもらい、具体的な提案へと進んでいきます」
お客さまの課題把握のポイントについて、松原はこう続けます。
「お客さまが認識されている課題は、実はより根深い問題の『表層』であることが多いんです。だからこそ、まず業務フロー全体を深くヒアリングし、表面的な課題からさかのぼって本質的な原因を突き止めます。そこに的確なシステムを導入することで、結果的にコストを抑えながら、最大の効果を生み出すことができると考えています」
また、お客さまとのコミュニケーションにおいては常に相手の目線に立つことを重視しています。
「正しいことが正解とは限りません。大切なのは、お客さまが十分に理解し『腹落ち』することです。そのために私たちは、専門用語を極力使わず、お客さま自身の言葉で対話を重ねることを重視しています。
そうすることで、私たちの提案が一方的な押し付けではなく、お客さまが真に納得し、一歩先を見据えるためのものになると考えています」
お客さまと向き合う一方で、松原はマネージャーとして、チームメンバーの成長にも力を注いでいます。
「メンバーの多くは、北國銀行の法人営業や個人のお客さま向けの窓口・営業担当の出身者です。そのため、まずはITの基礎知識を補う目的で、私を含めたIT実務経験のある中途採用者が中心となり、月1回の勉強会を開いています。
一方で、お客さまの課題を解決する上で本当に重要なのは、その場で解決策となるシステムのアルゴリズムと実現可能性を組み立てる対応力です。この応用力や臨機応変さは、現場での経験を通じてしか養えないため、OJTの中で実践的に鍛えてもらうようにしています。
また、メンバーたちには普段から気軽に相談してもらえるよう、『同じことでも遠慮なく何度でも聞いてほしい』と、伝えるようにしていますね」
人と話すのが苦手だった。だからこそ選んだ「やらざるを得ない環境」
松原のキャリアのスタートは、飲食業界でした。意外にも、その選択は「人と話すのが苦手」というコンプレックスを克服するためだったと松原は言います。
「学生時代、1人でいることが多くて、このままではまずいという危機感がありました。克服するための手段としてシンプルに思いついたのが、接客業だったんです。居酒屋の店長として、スタッフ一人ひとりに合わせた伝え方など、今に活きる人の育て方を学ぶことができました。
さらに、その過程で、自分の中に未熟さゆえの『他責思考』という課題があったことに気づき、自身の考え方を根底から見直す経験もさせてもらえました。 この経験から、『本質を見る重要性』に気づき、それが今の思考の土台となっています」
20代は苦手克服、30代はスキル習得、と10年単位でキャリアを考えた松原は、居酒屋の店長を務めた後、将来性を見据えIT業界へ転職。まったくの未経験からの挑戦でした。
「私は得意分野で仕事を選ぶのではなく、常に自分の不足しているものは何かを考え、あえて苦手な分野に飛び込んできました。
この『やらざるを得ない環境』に身を置くことこそが、私を成長させてくれました。行動することで結果がついてくるので、私は経験が8割だと考え、まずやってみることを大切にしています」
その哲学を体現するように、前職では新しい技術と向き合い続けてきました。
「最初の数年はまったく使い物にならず、つらい時期もありましたが、なんとか食らいついてきました。要件定義から運用保守まですべてを経験できたことは、自分の財産になっています」
厳しい環境で培われた思考力は、現在のコンサルティング業務にも活きています。
「前職でシステム設計などを担当する中で、事象を機能や役割ごとに分解し、関係性を整理するという考え方が、身についていたと感じます。
このシステム開発特有の思考法があるおかげで、お客さまの話を聞きながら、頭の中で瞬時に解決策への具体的な道筋を組み立て提案できます。そのスピード感が、お客さまからの信頼につながっているのだと思います」
2023年、松原は自身の提供価値をさらに高めるため、CCイノベーションへの転職を決意します。
「前職は受託開発が中心だったため、知見がどうしても案件ベースに留まり、提案の機会も限られていました。同時に、技術の世界には自分より優れた人間がいることも痛感し、『技術で大成するのは難しい』と悟りました。
だからこそ、多様な業界の知識を身につけ、お客さまに直接提案できる環境に身を置きたい。それにより社会人としての価値を高めたい──そう考えた時、銀行の広範な顧客基盤を持つCCイノベーションに強く惹かれたのです」
教えることが、最高の学び。アウトプットが成長を加速させる
CCイノベーションに入社した当初を振り返ると、会社に対する印象と実際の環境には、ギャップがあったと松原は語ります。
「斬新な取り組みをしている会社であり、キラキラしている印象でした。自分は場違いだなと感じ、入社後半年ほどは慣れませんでしたね。
けれど実際は、一つひとつの課題に対して地道に向き合う、非常に実直な仕事をしているという認識に変わりました。また自分の得意分野を周りに認知してもらえるようになってからは、フランクに話せるようになりました」
チーフとして入社し、2025年3月にはマネージャーに昇進した松原。立場が変わることで、仕事に対する視点も大きく変化しています。
「いかにして現場のメンバーが仕事をしやすい環境を提供できるかが、第一優先になりました。メンバーの気持ちの浮き沈みや、お客さまとの間で何が起きているのかを積極的にキャッチアップし、フォローする。そのような視点で物事を考えるようになったと思います。
また、社外から来た自分だからこそ提供できる付加価値もあると考えています。前職の経験を活かし、BBQ大会やバドミントンイベントを開いて、メンバー間の何気ない会話が生まれるきっかけを作る、といったこともその1つです」
そして、チームを運営する上で「アウトプットする立場」の重要性を共有しています。
「一番成長するのは、実は『教える側』なんです。人に教えようとすると、自分でもう一度深く調べるし、アウトプットすることで頭の中が整理されます。教えられる側が一歩進む間に、教える側は二歩先に進んでいる。
この最大の成長効果をチームで意図的に生み出すため、メンバー全員がそれぞれの得意分野の『先生』になる機会を作っています」
また、外の世界を経験してきたからこそ、CCイノベーションの魅力を感じています。
「人間関係が驚くほど良いんです。トラブルが非常に少なく、社員同士のコミュニケーションも良好で、意見を言っても受け入れてもらえる機会が多い。社会人経験を重ねる中で、これほど円滑な環境は貴重だと感じ、最初は戸惑ったほどです」
ただし、この環境についても客観的な視点を持って見つめています。
「どんな意見でも一度は受け入れてくれる本当に良い環境です。ただ、その優しさの裏返しとして、あえて踏み込んだ指摘や反対意見がもう少しあっても良いのかもしれないと、逆に少し不安に感じることもあります。この恵まれた環境に慢心することなく、より良い組織にしていきたいですね」
個の価値を高め、組織の力へ。めざすは地域の課題解決を担う集団
常に新しい環境に身を置き、自らをアップデートし続けてきた松原。その視線は今、共に働く仲間たちと、組織の未来に向けられています。
「私自身、違う業種からIT業界へ飛び込むという挑戦を通じて、行動の先にこそ大きな価値があると実感してきました。だからこそ、銀行出身のメンバーが未経験からITをセカンドキャリアにすることも、決して不可能ではないと信じています。その実現可能性を証明し、具体的な道筋を創り出すことが今の私のミッションだと考えています」
その根底には、外の世界を知る人間としての、ある種の危機感があります。しかし、それは決して否定的な意味合いではありません。
「大前提として、北國FHDには素晴らしい人材がそろっています。そのポテンシャルに新たな専門性を掛け合わせることができれば、組織としてもっと強くなれるはずです。
そのために重要になるのが、メンバー一人ひとりが『現場で活きる知識』を自らの力で身につけ、個人の市場価値を高めていくこと。他社の力を借りる方法もありますが、持続的な成長のためには、自社に知識とスキルを蓄積していくことが大切なのではと考えています」
将来に向けて、より大きな目標も掲げています。
「私が理想として描いているのは、ICTコンサルティングに限らず、地域のあらゆる課題を一手に引き受けられるような集団になることです。何かあったら『あの会社に相談しよう』と頼られる──そんなブランディングができればと考えています。
私個人としては、ゆくゆくは新しいビジネスを生み出す立場になれれば、と思っています。地域の課題解決という大きなテーマの中で、ゼロからイチを生み出す。今はそのための勉強中です」
異色のキャリアで培った視点が、仲間たちの持つポテンシャルと出会うとき、そこに新たな化学反応が生まれます。松原の挑戦は、北國FHDの未来に新しい可能性の風を吹き込んでいきます。
※ 記載内容は2025年9月時点のものです
