「牛乳は環境に悪い」?スペイン留学での友人の言葉が転機に
私の場合は、子どもの頃から環境問題に特別に興味があったり、NPO・NGOと関わっていたりということはありませんでした。普通に過ごしてきたので、特別なストーリーがあるわけではないんです。
ただ、大学生の頃、スペインに留学した時の出来事をきっかけに、ソーシャル分野に関心を持つようになりました。
オランダ人の友人が「牛乳は環境負荷が高いから飲まない」と言ったのです。私はそのことを知らなかったので、「そんなことあるの?」と思いました。でも気になって調べてみたら、さまざまな課題を抱えていることを知りました。
この発言をしたのは、アクティビストではない、いわば“普通の”友人です。留学でできた友人はソーシャルなことを気負わずに発言する人が多く、「こういう視点もあるんだよ」という感じで、さらりと教えてくれるのが印象的でした。そんな環境で過ごしたことで、ソーシャル分野に関心を持つようになったのだと思います。
留学から帰国した後、仲のよい友人がインターンをしている団体を手伝うようになったことも、大きかったです。子どもの居場所づくりをする団体で、中・高校生世代の子どもたちと一緒にごはんを作って食べたり、遊んだりしながら話していくことで、自分が元気をもらっていることに気がつきました。子どもたちに対して同じ思いを持った仲間と一緒に活動することは、とても価値のある経験でした。
広報には、プロジェクトの“本質”を見つけるおもしろさがある
今、振り返ると、「牛乳と環境」について調べたことが、ひとしずくとの縁につながったのだと思います。留学中、友人の言葉を機にこのテーマを調べた時、Webマガジン「IDEAS FOR GOOD」を知りました。読んでいるうちに、同サイトを運営するハーチ株式会社の求人を見つけて、スペインからリモートでお手伝いすることに。
帰国後に就職活動をしている時、PRに関心があることをハーチ代表の加藤 佑さんに相談したところ、ひとしずくのこくぼを紹介してくれたんです。こくぼに会った最初の印象は「やさしい言葉でやわらかい雰囲気だけど、ズバッと言う」。私が世間知らずで生意気なことを言っていたのだと思います。でも叱るのではなく、丁寧にきちんと指摘してもらったなという思い出です。
そもそも私がPRに興味を持ったのは、広報するプロジェクトの“本質”を見つけていくおもしろさがあると感じたからです。マスメディアなどメディアの仕事は、情報を収集し、取材をし、事実確認を行った上で、情報を広く発信することが役割だと思います。一方で広報は、プロジェクトの意義や創造する価値を自分で見つけて、情報を整えていく仕事。それをおもしろそうだと感じていました。
2020年春、コロナ禍の真っただ中に大学を卒業し、外資系のPR会社に就職。大手企業を中心に販促やブランディングの広報を支援し、PRの基礎を学ばせてもらったと思います。そして、2023年の夏にひとしずくに入りました。
「応援したい!」と心から思える団体を、支援できる幸せ
ひとしずくでは、子ども分野と環境分野を中心に、パートナーの支援をしています。これまでに一般財団法人児童健全育成推進財団や環境団体のプロジェクトなどをお手伝いしてきました。私が担う役割はプロジェクトによって変わりますが、広報戦略の立案からご支援することもあれば、実際の広報活動の実務支援をすることもあります。
京都のNPO法人hapinessの支援においては、Webサイトのリニューアルに伴走しました。制作にはセイタロウデザインに入ってもらったこともあって、団体の思いが伝わるサイトに。スタッフの方や近隣の子ども食堂さんからも反響をいただいているようで、うれしく思っています。
ひとしずくで仕事をしていておもしろいのは、どのパートナーも「心から応援したい!」と思える活動をなさっていること。本気で応援したい方たちばかりなので、やりがいがあります。
派手ではなくとも意義ある活動をする人を、広報の力で応援したい
とはいえ、まだまだ未熟でできないこともたくさんあるので、勉強の日々です。たとえば輸入木質バイオマスの課題の広報など、難しい分野も多いので、パートナーに教えてもらうことばかりです。どういう伝え方だと広く興味を持ってもらえるかと頭をひねっていますし、センシティブな話題を正確に伝えるための工夫も必要だと感じます。
壁にぶつかったときは、ひとしずくのメンバーをはじめとする周囲の人に聞くようにしています。1年ほど仕事をしてきて、ひとしずくのメンバーの魅力を感じているところです。フィードバックをするときも、相手を尊重した上で伝えてくれますよね。よかったところはきちんと伝えてくれて、その上で改善すべき点をフィードバックしてくれるのがありがたいな、と。
これからも、社会の中で大切な役割を果たしている方々の広報をサポートしていきたいと思っています。決して派手だったり目立ったりするわけではなくても、真に必要とされる活動を地道に行っている方々がいらっしゃいます。広報支援は、その方たちがご自分の仕事に誇りを持って続けていくことにもつながると思うのです。もっともっと勉強して、そんな広報をめざしていきたいです。
※ 記載内容は2025年4月時点のものです
