自然に囲まれた幼少期と多彩な経験が幅広い業務の土台に
私が担当しているのは、ひとしずくへのお問い合わせの初期対応や、代表のこくぼのスケジュール調整をはじめとした秘書業務、社内の連絡事項の管理、採用業務。また、他のメンバーと共に案件担当としても活動しています。現在は日本在住ですが、メンバーに加わった当初は夫の海外赴任に伴い、海外から業務に携わっていました。
私は東京都に生まれ育ちました。両親に連れられ夏は登山、冬はスキーなどアクティブに過ごしていた中で、小学校低学年の時、父親の生家がある神奈川県内の自然豊かなエリアに引っ越すことになりました。
同学年は15人しかおらず、それまでマンモス校に通っていた私は、「神奈川県内でもこんなにも環境が違うのか」と幼いながらにカルチャーショックを受けたのを思い出します。周囲には山や川もあって、夏休みには一日中川遊びをして楽しんでいました。私にとって豊かな自然が身近にあるのはごく普通のことでしたが、大人になって都会で暮らすようになってから、あの環境がとても恵まれていたのだとあらためて感じています。
イベントには常に全力で、小学校では生徒会長も務めながら、ドッジボール、ソフトボール、サッカー大会などに向けて、友達と外を走り回り、ひたすら練習に励みました。中学校でも生徒会活動をしつつ、部活動のバスケットボールの練習に打ち込んでいました。仲間と協力して目標を達成できた時は、とても充実感を味わえましたし、嬉しかったのを覚えています。
高校時代には喫茶店でアルバイトも始め、毎日たくさんのお客さまと接する楽しさを知りました。部活動を辞めてアルバイトに打ち込んだのですが、多くのお客さまとお会いできたこの経験がキャリア選択にも影響を与えたと感じています。
大学は法学部に進学。早朝からカフェのアルバイトをして、1限から授業に出席、授業が終わった夕方からは法律事務所でアルバイトというスケジュールをこなしていました。就職活動を経て法律事務所に内定をいただくことができたものの、自分の適性や本当にやりたいことを見つめ直し、周囲の友人のほとんどが内定をもらっていた4年生の秋、再び就職活動をスタート。
その結果、出会えた金融系の会社で、法人営業を8年ほど経験して、途中の2年は新規事業の企画営業にも携わりました。法学部を卒業したのだから法律系の仕事に就くべきか悩んだこともありましたが、結果的に活き活きと働ける会社に出会えたので、この道を選んで良かったと思っています。
アルバイトで接客業をしていた経験が、営業先のお客さまとお話しする際に役立つ機会もあって、自分にはこの仕事が向いていると思うことができました。
海外生活で実感した「行動すること」の意味
夫の海外赴任をきっかけに10年勤めた金融系の会社を退職した後、子育てをしながらフィリピンのマニラに4年間住んでいました。この経験は、私の価値観を大きく広げるきっかけとなりました。
首都マニラの都市部にはビルが立ち並ぶ一方、裏路地に入れば多くのスラム街が存在します。焼却処理されないままのゴミが放置されたゴミの山に暮らし、最低限の生活もままならない人たちの姿も見てきました。メディアなどで、貧困の状況について知っているつもりでしたが、実際にストリートチルドレンやスラム街の暮らしを目の当たりにしたことは本当に衝撃で。自分の住んでいるすぐそばに貧困が存在しているという事実が、人ごとではない社会課題として身に迫ってくるのを感じました。
フィリピンの歴史の中では深刻な社会状況、つらい戦争もありました。でも、フィリピンのかたがたはいつも明るくて元気で笑顔がすてきで。移住してきた私たちにもいつも親切に接してくれました。
滞在中はフィリピンのかたに助けていただいたことがたくさんありました。私もフィリピンに何か還元したいと始めたのが、マングローブの植林とストリートチルドレンの支援です。フィリピンに住む日本人と一緒に手作りのアクセサリーを販売したり、不用品でバザーを開いたりして、その売上で子どもたちに食べ物や学用品を直接届ける活動もしていました。
首都マニラにもバラック小屋のような家がたくさんあって、そうした場所に住んでいるかたも私の身近にいました。そのようなかたたちは、いわゆる最貧困層ではありませんが、それでも生活は決して楽ではありません。一方で、マニラには裕福な人たちも多く、その大きな格差を実感しました。
フィリピンに4年暮らした後は、夫の転勤でタイへ移住して2年半を過ごしました。タイでは、ボランティアで未就学児のプレイグループの立ち上げにメンバーとして参加し、現地で暮らすさまざまな国籍の子どもたちとその保護者とも交流しました。
タイには「タンブン(善い行いをする・徳を積む)」という仏教の大切な考え方があります。これは、「見返りを求めず善い行いをすることで、将来自分や家族にその幸せが返ってくる」というもの。
決して裕福ではなくても、自分なりに精いっぱい考えて社会が良くなるために取り組むタイのかたがたの姿は、今でも私がいろいろなことに挑戦するモチベーションの1つになっています。
営業の経験を活かし、ひとしずくの活動に海外から参加
タイで暮らし始め海外生活も6年経った頃、子どもが現地のナーサリーに預けられる年齢になり、子育ても少し落ち着いてきました。会社員だった頃は忙しく働いていたせいか、いざゆっくりできる自分の時間ができると、「このままでいいのだろうか」と組織に所属せず、働いていない自分に対して不安を感じるようになりました。
ですが、タイではビザの関係で現地のアルバイトに就くのは困難な状況。ボランティア以外に仕事もしたいと考えるようになったのですが、条件に合う仕事が見つからず困っていました。
その時に出会ったのがひとしずくのメンバー募集でした。実は、私と代表のこくぼは高校の同級生です。フィリピンにいた時に、こくぼが「社会を良くするために取り組む個人や組織を応援するPRエージェンシーを立ち上げた」のを耳にしていました。
まさに私もボランティア活動を行い、社会のあるべき姿に向かってみんなで力を合わせることのパワーや大切さを感じていた時だったので、とても夢があってすてきな事業だなと共感していました。
そんなひとしずくがメンバーを募集していること、しかも経験も居住地も問わないと知り、「海外在住でもいいのかな」と悩みつつも応募することに。経験もなく、時差もあって、時短でしか働けない環境と、応募したわりには乗り越えなければならない条件が多かったですね(笑)。それでもこくぼは「そういう環境でも、家庭以外の第2、第3の場所はきっと必要だと思う」と理解し、受け入れてくれました。
以前勤めていた金融系の会社と、ひとしずくの業務は意外と重なる部分があります。営業職に就いていた時は、新規はもちろん、既存のお客さまのフォローがとても大切だったので、常にあらゆるお客さまの状況にアンテナを張って、今自分が何をするべきか考えて行動していました。常にたくさんの業務が同時進行していくイメージです。今思うと、かなりのマルチタスクをこなしていました。
専業主婦になってからも、子育てをしつつ、家事やボランティア活動をするなど、日常でもマルチタスクをこなしてきたなとあらためて思います。私は幅広い活動や業務に携わるのは比較的苦にならないというか、ストレスに感じず楽しめるタイプなんだと思います。
ひとしずくでは、案件の状況を全体的に見て、「このパートナーのかたには、こんなフォローを入れてみてはどうですか」などと社内に提案することもありますね。営業職をやっていたからか、お客さまのことがまず気になります。
基本的にこちらから営業活動を行うことは少なく、ご紹介やご縁がつながって「ひとしずくに相談したい」と、お声がけをいただくことがほとんどです。これは本当にありがたいことだなと思っています。私もひとしずくのメンバーに加わることができ、パートナーのかたがたに出会えたことにご縁と感謝を日々感じています。
「この場所で、自分にできることから」。一歩を踏み出し、身近な誰かを支える存在に
ひとしずくでは、個人から組織まで、取り組んでいる内容もさまざまな方にお会いできるので、毎回の出会いが新鮮で、とても刺激的です。ひとしずくの広報活動は、単純に情報を発信するのではなく、パートナーのかたがたが課題だと感じていることについて当事者の1人として一緒に考え、行動することがほとんどです。
それまでのPR業務へのイメージがガラリと変わりました。私もパートナーやひとしずくのメンバーと一緒に、どうしたらもっと良くなるか、お話ししながら試行錯誤するプロセスに大きなやりがいを感じています。ひとしずくでの仕事を通じて多様な組織や個人のかたがたと向き合うおもしろさや意義を、日々しみじみと感じています。
帰国してから、日本には海外から働きに来ている方が多くいることに気づきました。家庭によって日本語力もさまざまです。せっかく日本に来てくださったのに、うまく馴染めずつらい思いをされていたら、日本人としてとても心が痛みます。そんなかたがたやそのご家族を少しでも支えたいと、何かできることはないか考えてきました。
「まずは身近にいる方に、自分にできることから始めよう」と、現在は、あるNPOが運営する子育てひろばでボランティアをしています。乳幼児とその親が安心して集える場所で、利用されるかたの中には、海外から来られたかたや、この地域に初めて引っ越してきたかたもいらっしゃいます。
私自身、海外での子育てに不安を感じた経験があるので、その気持ちに寄り添い、少しでも安心してもらえたらと、経験談をお話しすることもあります。
また、ひとしずくで担当した「子ども第三の居場所」の案件では、同じように子どもの居場所づくりに取り組むかたがたと意見を交わすことができ、その経験が今の活動にも活きています。
ひとしずくの想いを自分の行動で形にしながら、これからもどこにいても学び続け、自分にできることを考え、地域に貢献していきたいと思っています。
※ 記載内容は2025年8月時点のものです
