幼少期の記憶が導いた、グローバル企業への道
学生時代、私の生活の中心にあったのはソフトテニス部での活動でした。放課後になると、毎日のようにコートに立ち、ラケットを握り、ボールを追いかける日々。仲間たちと共に汗を流し、技術を磨き、試合に向けて準備を重ねていく時間は、今振り返っても充実したものでした。その努力が実を結んだのが最終学年の時です。全国大会で優勝という目標を、ダブルスパートナーである後輩と共に掴み取ることができました。あの瞬間の喜びと達成感は、今でも鮮明に覚えています。後輩と共に勝ち取った勝利は、単なるスポーツの成果以上に、私に大きな自信を与えてくれました。
就職活動を始めた頃、私の中には明確な軸がありました。それは「モノづくり関係」の仕事に就きたいという思いです。この思いのルーツは、意外にも小学校時代にまで遡ります。図工の時間に初めて半田ごてを使った授業を受けた時のことです。熱した半田ごてで部品を基板に取り付けていく作業は、まるで魔法のようでした。自分の手で何かを作り上げていく喜び、完成した時の達成感。その経験が、私の中に深く刻まれていたのです。学校でその分野の授業を受けるにつれて、その思いはさらに強くなり、将来は必ずモノづくりに関わる仕事をしたいと考えるようになりました。
日立建機という企業については、実は入社前から知っていました。世界で活躍する企業だという印象を持っていました。グローバルに展開する大きな企業で、建設機械という分野で世界と戦っている。そのスケールの大きさに惹かれる一方で、本当にこの企業が自分に合っているのか、不安もありました。そんな時、学校の先生が紹介してくれた日立建機の動画を見て、興味が一気に高まりました。そこには、私が求めていたモノづくりの現場があり、技術者たちが真剣に仕事に取り組む姿がありました。
採用選考はコロナ禍の真っ只中で行われ、オンライン面接という形式でした。画面越しとはいえ、緊張は計り知れないものがありました。頭が真っ白になるほど緊張し、自分の言葉がうまく出てこない瞬間もありました。それでも、自分の思いを伝えようと必死でした。そして最終的に入社を決めた理由、それは実家から離れているという点も大きかったのです。近くに知り合いがいると、どうしても甘えてしまう。自分を本当に成長させるためには、より遠くの環境に身を置く必要があると考えました。日立建機は、私にとって新しい挑戦の場であり、自立して成長できる場所だと確信したのです。モノづくりへの情熱と、自己成長への強い意志。この二つが重なり合った先に、日立建機への入社という選択がありました。
現場で学んだ改善の喜びと、支え合う仲間との出会い
入社後、私はまず現場改善実習という研修を経験することになりました。研修先工場の組立ラインを合理化するための実習に参加し、重量物の運搬方法の改善などに取り組みました。正直なところ、入社前は製造現場というものに対して、がむしゃらに頑張らなくてはいけない堅いイメージを持っていました。しかし、この実習を通じて、私の中で大きな気づきが生まれたのです。
現場改善実習で最も印象に残っているのは、ちょっとした工夫で生産の効率を大きく上げることができるという実感を得られたことです。大掛かりな設備投資や抜本的な変革だけが改善ではなく、現場で働く人たちの視点から、小さな無駄を見つけて改善していくことの積み重ねが、確実に成果につながっていく。その過程を肌で感じることができたのは、非常に貴重な経験でした。ものづくりの現場には、まだまだ改善の余地があり、自分たちの手で職場をより良くしていけるという実感は、仕事に対する前向きな気持ちを育ててくれました。
そして何より、入社後に大きく変わったのは、会社や職場に対するイメージでした。入社前に抱いていた堅苦しいイメージとは裏腹に、実際に働き始めてみると、社員の方々が非常にフレンドリーだったのです。これは本当に意外でした。ひとりだけで頑張らなくても、周りの仲間が助けてくれる。困ったときには声をかけやすい雰囲気があり、先輩方も丁寧に教えてくださる。そんな職場環境があることを知り、私の中にあった緊張感は次第に安心感へと変わっていきました。
研修を終えて本配属となり、実際の業務に携わるようになってからも、この支え合う文化は変わりませんでした。むしろ、日々の業務の中でより強く実感するようになったと言えます。ひとりで抱え込まず、チームとして協力し合いながら仕事を進めていく。そんな働き方が、この会社には根付いているのだと感じています。入社前に想像していた孤独な奮闘ではなく、仲間と共に歩んでいけるという安心感は、私にとって大きな支えとなりました。現場改善実習で学んだ改善マインドと、フレンドリーな職場環境。この二つが、私の日立建機でのキャリアのスタートを形作ってくれたのです。
開発試験の現場で磨かれる責任感と、挑戦から得た学び
私が現在所属しているのは開発試験部です。この部署のミッションは、製品の開発評価を行うことです。開発段階の最終確認の工程となり、それだけに重い責任が伴う業務だと感じています。私自身は、中型機種の評価試験を担当しています。新しく開発された建設機械が、設計通りの性能を発揮できるか、さまざまな条件下で問題なく動作するかを確認する仕事です。一つひとつの試験結果が、製品の品質を左右するため、常に緊張感を持って取り組んでいます。
この仕事をする中で、特に印象に残っている経験があります。それは、車体の低温環境下での動作試験でした。複合要因に対する試験が必要となり、合格基準を満たすために、トライアンドエラーを繰り返しました。何度も試行錯誤を重ね、データを取り、分析し、また試験条件を変えて挑戦する。その繰り返しでした。当時、結果としては合格基準を満たすことはできませんでしたが、この経験から次の対策に生かせる考え方を身に着けることができたのです。失敗から学ぶという言葉の意味を、身をもって理解できた瞬間でした。
一方で、この仕事には大きなやりがいもあります。特に印象に残っているのは、会社幹部へ開発進捗状況の報告会議資料を完成させたときのことです。試験データをまとめ、分析結果を整理し、今後の方向性を示す資料を作り上げる。それが経営層への報告に直結するという実感が、大きな達成感につながりました。
仕事以外でも、忘れられない経験があります。工場で開催されたフェスティバルに、中型ショベルの展示案内スタッフとして参加したときのことです。地域のみなさんが来場し、私たちの製品を見て喜んでいただけたこと。その笑顔を見たとき、会社に対する愛着がさらに強くなりました。自分たちが作り上げている製品が、多くの人の生活や仕事を支えているのだという実感が湧いてきたのです。
学生時代と比べて、自分が大きく成長したと感じるのは、責任感を持つようになったことです。そう感じるようになったきっかけは、所属しているグループに後輩が増えたことでした。試験の取りまとめをすることが多くなり、自分一人の仕事ではなく、チーム全体の仕事の流れを意識するようになりました。後輩に指示を出し、進捗を管理し、問題があれば解決策を考える。そうした経験を通じて、責任を持って仕事に向き合う姿勢が自然と身についていったのだと思います。試験という仕事の性質上、ミスは許されません。その緊張感の中で、一つひとつの判断に責任を持つことの大切さを学んでいます。
現場を体感し、海外へ挑む――未来へ続く成長の道筋
短期的な目標として、私は顧客現場での市場調査に挑戦したいと考えています。工場内での試験は、製品の性能を確認する上で非常に重要です。試験は決められた基準に則っておこなっていますが、私自身、実際にお客様がどのように製品を使用しているのか、その使用頻度や使われ方の実態を完全に把握できていない部分もあります。開発試験を担当する者として、実際の現場でお客様がどんな状況で機械を使い、どんな課題に直面しているのかを体感することは、今後の製品開発や試験方法の改善に直結する重要な経験になると感じています。現場の声を肌で感じることで、試験データの結果もより深く理解できるようになるはずです。
中長期的には、海外出張を通じて自分の視野を広げたいと考えています。日立建機はグローバルに事業を展開している企業です。国内だけではなく、世界中のお客様が私たちの製品を使用しています。海外のお客様の生の声を聞き、現地での車体の使用方法を実際に見て、直接フィードバックをいただくことで、自分の業務に新たな視点を取り入れることができると確信しています。各国の気候や地形、作業環境はそれぞれ異なりますから、その違いを理解することは、より優れた製品を世に送り出すための貴重な財産になるでしょう。
こうした目標を実現するために、日々の業務の中で着実に準備を進めています。特に、初めて対応する試験や、頻度の少ない試験に取り組む際には、基準書を改めて確認し、手順や注意点をしっかりと理解するよう心がけています。また、経験豊富な先輩社員からアドバイスをもらうことも欠かしません。一人で悩んで時間を浪費するよりも、経験者の知見を積極的に吸収することで、より確実に、そして効率的にスキルを身につけることができると実感しています。
採用候補者の皆さんに、ぜひお伝えしたいことがあります。私たちの会社は、コミュニケーションを非常に大切にしている職場です。疑問に思ったことがあれば、一人で悩まず、先輩社員や仲間に積極的に質問し、相談してください。この会社では、質問することは決して恥ずかしいことではありません。むしろ、分からないことを明確にして、チーム全体で解決していく姿勢が評価されます。特に開発試験の現場では、元気で明るく、コミュニケーションをとるのが得意な方が向いていると感じています。開発評価は一人で完結するものではなく、多くの関係者と連携しながら進めていくものです。周囲と円滑にコミュニケーションを取りながら、チームとして目標を達成していく――そんな環境で、一緒に成長していける仲間との出会いを楽しみにしています。

