機械工学への情熱と人との出会いが導いた入社への道
私は、父が機械工学系出身のメーカー技術者であった影響もあり、学生時代は機械工学を専攻しました。その中でも、分子の運動レベルから流体現象にアプローチする分子流体力学という分野の研究をしていました。私がこの分野を選んだのは、コンピュータを用いた数値シミュレーションへの憧れがあったこと、機械工学の主要分野の一つである流体力学への興味、学生時代だからこそ根本的な原理を探求する基礎研究に挑戦したいという思いがあったからです。
修士1年目の途中で研究テーマが変わるという出来事もありました。進捗に行き詰まっていた際、先生から前向きな提案をいただいたのです。当時はコロナ禍の真っ只中で、学業もプライベートも閉塞感がある中での変更でしたが、心機一転、ここから頑張ろうと逆にポジティブな気持ちで取り組むことができました。そして、無事に修士課程を終えることができました。
研究以外の活動では、大学祭の実行委員会に所属していました。新入生歓迎会で感じた雰囲気に惹かれて入りましたが、仲間と協力して何かを作り上げ、仕組みを構築することに喜びを感じ、予算調整や当日の運営準備、そして本番の運営活動に充実感と達成感を覚えました。また、アルバイトでは雑踏警備員として、群衆の秩序を保つために、周囲と協力し、状況を判断して行動する経験をしました。 これらの経験は、現在に活きています。
就職活動では建設機械・鉄道・システム系の業界を視野に入れ、開発設計職種を志望していました。後から振り返ると「興味」「雰囲気」「勤務地」の3要素を大事にしていたと思います。幼少期から鉄道や飛行機が好きで完成品メーカーへの興味があったこと、長く働く上で自分に合う雰囲気を重視したこと、そして趣味や生活の利便性を考え関東圏に近い勤務地であることも重要な要素でした。
日立建機については、世界トップクラスの建設機械メーカーでありながらも、トップ企業とは異なる独自の強みや、挑戦の余地があるのではないかと感じていました。そして入社の決め手となったのは、OB訪問や説明会で複数の社員の方と話す機会があり、その雰囲気の良さに惹かれたことです。説明会では一方的に話すだけではなく、社員同士が互いにリスペクトし合い、フランクに意見交換をしている姿を見て風通しの良さを感じました。また、自社製品の強みを即答できる社員の方がいて、技術や機械への純粋な愛着を感じて感銘を受けたのです。こうした、規模だけではない「ものづくり」への情熱や、社員一人ひとりが活きる風土こそが、日立建機ならではの強みだと確信し、この環境で働きたいという強い思いから、入社を決意しました。
研修で築いた同期の絆と、想像以上に広がる業務フィールド
入社後の研修では、会社の基本的な知識からビジネスマナー、チームワークに関する内容まで幅広く学びました。日立建機ならではのプログラムとしては、建設機械を運転するための免許の取得、生産現場の問題改善を行うグループワーク実習、解析や実験に関する実習、そしてCAD講習などがありました。技術的なスキルを身につけるだけでなく、実際の業務に直結する実践的な内容が多く、充実した期間だったと感じています。
この研修期間で何より印象に残っているのは、同期との横の繋がりが強くできたことです。新卒入社という同じスタートラインに立った仲間たちと、様々な研修プログラムを共に乗り越えていく中で、自然と絆が深まっていきました。配属後も仕事やプライベートを問わず相談できる仲間ができたことは、研修期間の何よりの財産だと感じています。困ったときに気軽に連絡を取り合える存在がいることは、本当に心強いものです。
入社後に感じたギャップは、業務の幅が想像以上に広いことでした。システム設計や部品の設計・手配といったデスクワークだけではなく、試作機での動作確認やデータ取得、電気・油圧部品の取り付けなど、実際の機械に触れる現場作業もあります。当初は資料や情報の収集、作業補助などの部分的な業務から始まりましたが、徐々に任される範囲が広がり、現場対応も増えていきました。入社3年目を超えた辺りからは、より多くの案件を任されるようになったと感じます。
この幅広さは、色々なことが経験できるチャンスだと前向きに捉えています。好奇心が強いタイプだと自覚しているので、学生時代のサークル活動のように役割を限定せず柔軟に動く姿勢が、この環境で活きていると感じています。じっくり思考を整理するデスクワークと、モノや実機に触れて答え合わせをする現場作業という、両方のサイクルを回すことで初めて仕事の面白さを実感できます。こうした幅広い経験は、多角的な視点が持てる貴重な機会であり、前向きに目の前のことに取り組む原動力になります。
新機能開発への挑戦と、周囲に支えられた成長の日々
現在は顧客ソリューション推進部ソリューションキャリア製品開発グループで、油圧ショベルの新機能開発に携わっています。具体的には、遠隔・自動運転に対応したショベルの開発や、現行モデル向けの追加機能開発、既存機能の改良研究などです。労働力不足や生産性向上といったお客様の課題の解決に貢献するため、新たな顧客価値を生み出していくことが私たちのミッションです。チームではおおよそ1つの案件に1~2人が対応するため、私も主担当となる案件を任されています。
中でも印象に残っているのは、入社1年目に担当していた、欧州市場で要望があった新機能の開発です。配属直後で右も左もわからず、実際のシステムも全然理解できていない状態でしたが、上司や他部署も含めた先輩方がOJTで丁寧に教えてくれました。部品の取り付け方から図面の見方、システム構成や制御方法まで、わからないことをその場で質問できる環境がありました。簡単な図面や回路図を一つずつ読み解き、小さな疑問を解消していくことで、一歩ずつ前に進めることができました。
実験レベルではありましたが、実機が想定した通りに動いた時の達成感は今でも忘れられません。そして欧州の設計スタッフに情報を渡した後、現地でのユーザーテストが概ね好評だったというフィードバックをもらった時は、本当に嬉しかったです。
一方で、失敗や苦労もあります。新機能開発には研究要素的な側面も多く、機能に対する要件定義が不明確なまま進むことも少なくない中、試行錯誤を重ね、時には迷走することもしばしばです。また、開発ツールの手順書を残さなかったために、再度使う際に時間がかかってしまうなど、後回しにしていたことが後々の苦労に繋がることもあります。こうした経験から、過去のトラブルをパターンとして蓄積し、早めに軌道修正する意識を持つようになりました。これは、PDCAサイクルを回すことにも通じるため、あまり一人で抱え込まず、困ったらすぐに相談することも心がけています。
学生時代の活動を通じて、仲間と協力して目標を達成する喜びは経験していました。しかし、現在は、より複雑な課題に対し、周囲と密接に連携し、組織として乗り越えていくことの重要性を日々実感しています。 例えば、チームが多忙な際には、経験の浅い自分にできる内容を積極的に引き受け、チーム全体の負荷分散に貢献できたこともあります。こうした経験を通じて、問題や課題に直面した際に、多角的な視点から原因や解決策を探し、実行するクセもついてきました。
新しい価値を生み出し続ける未来への挑戦と仲間たちへの想い
今後の短期的な目標としては、まず現在担当している開発設計業務において、効率的に高品質なアウトプットが出せるよう専門知識や網羅的な思考力を深めていきたいと考えています。また、生成AIの活用にも積極的に取り組んでいきたいです。定型業務だけでなく、アイデア出しの壁打ち相手や思考の整理に活用し、精神的なコストをかけず気軽に相談できるアシスタントとして業務効率化に役立てていく予定です。
中長期的なキャリアイメージは、正直なところまだ模索中です。しかし、目の前の業務と未来の可能性を結びつけ、常に新しい視点を取り入れながら、世の中に新しい価値を生み出し続けられるような人材に成長していくことを目標にしています。そのためには、まず自社製品や業界の専門知識を深め、経験を積み重ねることが最優先ですが、同時に世の中の新しい技術動向にもアンテナを張り続ける努力をしたいです。
日立建機で活躍できるのは、新しい知識や技術を学び続ける姿勢や、困難な課題に対しても着地点を見出せるマインドを持った人だと感じています。また、周囲と積極的にコミュニケーションを取り、協力しながら目標達成を目指せる人が活躍できる環境です。
個人的には、様々な技術への好奇心を持ち、難しい課題の中にも「楽しさ」や「面白さ」を見い出して、前向きに挑戦していける方と一緒に働きたいです。自分が考えた制御や機能が実機でその通りに動いた瞬間には、一番の感動があります。一筋縄ではいかないことも多いですが、試行錯誤の末に巨大な機械が思い通りに動き、新しい価値への一歩となるのは、機能開発ならではの面白さです。
これから日立建機にジョインする皆さんも加わり、共に、新しい価値の創造に挑んでいけることを楽しみにしています。

