第二の専門分野をつくるために。学び続ける楽しさと、社会貢献を求めて日立へ
大学では化学生物工学科を専攻し、澤田はITとは無縁の学生時代を過ごしていました。
「もともと生物に興味があり、当初は遺伝子解析に関する研究を行いたいと考えていましたが、次第に化学という分野の奥深さとおもしろさに気づいたのです。そこから化学に重点を置くようになり、ゼミでは有機材料に関する研究を行っていました」
就職活動ではMR(医薬情報担当者)とSEという、一見するとまったく異なる二つの道を視野に入れていました。最終的にSEを選んだ理由を次のように振り返ります。
「社会に出てからも技術や知識を身につけられること。これを就職活動の軸にしていたため、業界にはあまりこだわっていませんでした。それでもSEを選んだのは、社会に広く影響を与えられることと、ITという新たな技術を習得することで、化学に続く第二の専門分野を作りたいと考えたからです。
ずっと学んできた化学を離れるなら、それ以上に楽しいと思えるものに出会いたい。その想いが根底にあり、SEなら『進んだ先におもしろさがあるのではないか』と思えたことも理由の1つです。
日立に入社した決め手は、経験を積む中で新たに挑戦したい分野が見つかったとしても、実現できる環境があると感じたからです。これは幅広い事業を展開している日立ならではの魅力だと感じています」
さまざまな選択肢がある中で、澤田が公共分野にこだわった想いを話します。
「公共システムは国民生活で広く使われ、仕事の成果が社会に大きく影響するのではないかと考えたのです。もともとMRに興味を持ったのは、人々を支える仕事に興味を持ったことがきっかけでした。公共分野に携われば、日本に住む多くの人が利用するものに携わり、その生活に寄与することができる。そうした考えも決断を後押ししてくれました」
そして、2011年に日立に入社した澤田。現在は公共システム事業部に所属し、官公庁分野の調査研究事業や研究開発事業を担当しています。
「調査研究事業では、システム開発を行う前の超上流工程から携わります。そこでは構想策定やアーキテクチャの検討、システム化の実現に向けてPoCを実施。その後は開発作業や実証など、さまざまな事業フェーズに関わりながら、新たな社会の仕組みや技術の開発に取り組んでいます。チームは数名のSEと研究者、協力会社で構成され、研究者は海外事例や最新セキュリティの動向調査などを担当しています」
成長意欲のままに領域を広げていく。大切なのは、チームの力
入社後、最初に担当したのは、旧公社系企業の大規模システムという大規模プロジェクトです。
「若手ではなかなか携われないような大規模案件に、入社直後から携わらせてもらいました。その後、1年目の終わり頃から外郭団体の業務システムを担当。アプリを主に見ていたのですが、小規模なチームだったことから多様な経験をさせてもらいました。高度に作り込まれていたシステムで、開発の1つの指標となるような貴重な経験ができました」
その後、入社2年目で官公庁のインフラ案件を担当。澤田にとって、大きく成長を実感できた時期だったと言います。
「当初はサーバーの導入や構築に携わりました。何もかもが初めての経験で、必死に知識を吸収する毎日でしたが、案件規模は比較的小規模で若手の裁量が大きく、試行錯誤する楽しさと難しさの両面を経験できました。困った時には上司や先輩が必ずフォローしてくれたので、安心して挑戦できたのは心強かったですね。
構築後の運用フェーズでは、障害の影響範囲を自ら調査・判断できるようになり、お客さまからの信頼を直接実感できたことが大きなやりがいになりました。
その後、主担当になってからは、課題に対して『誰を頼るべきか、お客さまや社内にどのような報告をすべきか』を判断して物事を解決できるようになったことがモチベーションになりました。私の周囲には、社内を動かしつつ、お客さまへの的確な報告や対応をスピーディーに行う先輩たちが多く、目標とする先輩たちに近づけることが嬉しかったです。
自分の知識には限界があるからこそ、周りに相談し、適切な人を頼ることも1つのスキルだと思っています。得意なことは自分で進めつつ、専門外のことはプロの力を借りて解決する。そうやってチームで動くことが大切だと考えています」
インフラ運用と兼務する形で、徐々に調査業務も担うようになり、澤田はチームリーダー兼PLに昇進します。
「インフラ案件に携わる中で2度の産育休を経験し、復帰後は調査業務やPoC(概念実証)向けのシステム開発を担当しました。調査業務では、お客さまによって視点や切り口がまったく異なり、そこが新鮮で印象的でしたね。
リーダー職に就いた後は、チーム内で私が一番若手だったこともあり、ベテランの方々に指示を出すことに、気後れする部分もありました。ですが、困った時には周囲が自然とフォローしてくれましたし、私自身も積極的に周りを頼ることで、お互いに助け合える良い関係になっていきました。
また、育児をしながらリーダーを務めることは、想像以上にメリットがありました。自分の裁量でスケジュールを管理できるため、子どもの予定に合わせて柔軟に仕事を調整しやすく、思い切って挑戦して良かったと感じています」
2児の母でありリーダー。仕事と家庭に向き合うための、最適な働き方
これまで2度の産休を取得した澤田。初めて産休に入った時の心境をこう振り返ります。
「当時の部署には産休に入っている先輩もいて、制度を利用するのが当たり前の環境でした。ただ、私の周りは復帰前の人ばかりだったので、戻った後のイメージが湧かず、未知な気持ちもありました。とはいえ、他部署には復職して活躍している方がたくさんいたので、『きっとなんとかなるんだろう』と前向きに考えていました。夫も同じ公共分野で仕事をしているため、業務や働き方について理解があったことも心強かったです」
澤田は復職後も、その時の状況に合わせた働き方を選択してきました。
「1人目の復職当初は時短でしたが、子どもの状況を踏まえて、早々に標準勤務に戻しました。事情を話すと柔軟に対応してもらえたのは、ありがたかったですね。
2人目の妊娠中は、インフラ案件に携わる中でサーバールームに行く機会もしばしばあったのですが、冷気があたらない場所で作業をしたり、サーバールームに行く回数を減らしたりと、周囲に協力してもらいながら働いていました。その後は2年間の育児休暇に入っていたのですが、復帰した時は、『ようやく仕事ができる』という喜びが大きかったです」
社内の仕組みや制度も活用しつつ、仕事と子育てを両立させるための工夫もしています。
「現在は裁量勤務のため、在宅がメインで出社は週1回です。週1日は子どもの習い事が入っているため早退しています。もちろん、業務とのバランスは大切にしており、大事な打ち合わせには出ますし、仕事やチームの状況を見ながら調整するようにしています。
リーダーとして仕事と子育てを両立させるために大事にしているのは、自分で調整できることと、できないことの線引きをすること。ここが明確になっていれば、周囲にも相談しやすく、制度もうまく活用できると思います」
今後も挑戦を続ける中で、働く人として、技術者として、めざす未来とは
技術者としてのキャリアとワークライフバランスの両立。仲間に支えてもらいながら実現させてきた経験を通じて、後輩に伝えたい想いがあります。
「これまで働き方でもキャリア面でも多様な経験をさせてもらいました。だからこそ、今度は自分が育児や介護などのライフイベントを迎えるメンバーのサポートをしたいです。
実は夫も2人目の時に1カ月間の育休を取得しました。まだ当時は男性の育休取得者はそこまで多くなかったと思いますが、実際に経験してみることで理解が深まると思うので、ぜひ男性メンバーも積極的に取得してほしいと思いますし、会社としても推進しています」
自己研さんに余念がない澤田には、技術者としてめざしている姿があります。
「『この技術に関しては私に聞けばわかる』という軸は持っておきたいですし、そういう風に周りから頼ってもらえる存在になれたら嬉しいです。現在はAWSに関する資格取得に加え、生成AIに関する資格取得を行っており、新しい技術分野への挑戦を続けています。
今しかできないことに積極的に挑戦していき、今後も技術者として成長していければと考えています」
どんな業務であっても前向きな姿勢で取り組める人。そういう人財と一緒に働けることを澤田は望んでいます。
「目まぐるしく変化するIT業界だからこそ、新しいものをネガティブに捉えるのではなく、前向きに楽しむことが大切だと思っています。日立は技術も分野も本当に幅広く、SEとして多様な挑戦ができると感じています。何事にも興味を持って取り組めば、新しいことに挑戦し続けられる環境ですから。そうした変化を柔軟に楽しめる人と、ぜひ一緒に切磋琢磨していきたいですね」
多様な働き方を実践する自身の経験を生かし、誰もが自分らしくいられる環境づくりに澤田はこれからも貢献していきます。
※ 記載内容は2026年3月時点のものです
