株式会社日立製作所(以下、日立)のインフラ制御システム事業部では、原子力や上下水道といった社会インフラを支える「制御システム」を担っています。今回はマネージャーとキャリア採用で入社したメンバーを招き、仕事のやりがい、転職のきっかけ、そして入社後のリアルについて聞きました。
社会インフラを止めない。大みか事業所の役割と制御システムエンジニアの仕事とは?
▲画面右が採用担当の土屋
──まず、インフラ制御システム事業部の業務内容について教えてください。
土屋 輝(以下、土屋): 私たちは、電力・鉄道・上下水道といった社会インフラを支える情報制御システムを提供しています。現場では「制御盤」と呼ばれるコントロールパネルがインフラを自動で最適稼働させており、私たちはその制御盤をはじめとするシステムを設計・製造しています。
主な拠点は茨城県日立市の大みか事業所で、東京ドーム約4個分の敷地に約4,000人が働く大規模な事業所です。1969年の設立以来、データ活用による生産改革でも世界的に評価されており、世界経済フォーラムの「Lighthouse工場」に日本企業として初めて選出されました。
大場 希美(以下、大場): 原子力分野では、原子炉の安全保護系から計測制御、タービン・発電機制御まで、プラント全体の中枢を担うシステムを手がけています。
直近では東京電力さんの柏崎刈羽原発6号機の再稼働対応にも従事しました。さらに原子力だけでなく、プラントデータを活用したDX、がん治療装置の制御システム(粒子線治療)、原子力施設のフィジカルセキュリティにも取り組んでいます。「原子力×IT」はこれからますます重要な領域になっていくと感じています。
中村 信幸(以下、中村):上下水道分野では、水源から取水して浄水し、飲み水を社会に届け、下水を処理するまでの水循環に関わるプラントを監視制御するシステムを作っています。日立の水事業は歴史が長く、納入実績も数多くあります。電気・計装・制御・情報・水処理プロセスまでカバーする技術者集団です。
私たちは設計だけを担当しているわけではありません。提案・見積もりから始まり、仕様打ち合わせ、システム設計、製作、社内試験・検査、現地試運転を経て運用開始に至るまで、一連のプロセス全体に携わります。
お客さまと直接打ち合わせをして、工事完了の際に感謝の言葉をいただく瞬間こそ、大きなやりがいです。導入して終わりではなく、運用に合わせてシステムを磨き込んでいく仕事でもあります。
転職を決意したきっかけと日立の決め手とは?キャリア採用で入社したエンジニアの思い
▲原子力制御システム設計部にキャリア採用で入社した山下
──キャリア採用で入社したおふたりが転職を決めたきっかけと、日立を選んだ決め手を教えてください。
山下 純貴(以下、山下):前職でも原子力製品の計装制御設計をしていましたが、機械品の付属品という立場での取りまとめが多く、社内の制御エンジニアとの関わりが薄かったため、「一貫した設計経験が積めていない」という感覚がありました。長期的な成長を考えた時、上流の要件定義から下流の現地試運転まで、責任を持った設計経験を積みたいと思い、転職を決意しました。
日立の大みか事業所は、多岐にわたる社会インフラの制御システムを設計から現地試運転まで一貫して手がけています。縦にも横にも経験が積める環境が、まさに自分の課題感にはまりました。
また日立グループが国内原子力プラントで元請けとして責任ある立場にあることにも惹かれました。長年蓄積された設計ノウハウとお客さまと共に作り上げてきた技術に直接触れられると思い、入社を決意。前職で培った現場経験も、設計や試験工程でそのまま生かせるので「今まで積んできた経験が無駄になる」という心配は入社後まったく感じませんでした。
▲社会制御システム設計部にキャリア採用で入社した大澤
大澤 知也(以下、大澤):私の場合は、プライベートな事情で東京から地元の中部地方に戻りたいと思ったことが転職のきっかけでした。日立を選んだ決め手は、業務内容が前職とかなり一致していたことと、同業界の中で比較した時、給与水準の高さ、福利厚生の充実、上下水道分野での全国シェアの割合がとても高かったことです。
前職から業界の仕組みを引き継いでこられた分、最初から社会的意義を感じられ、「楽しい」という気持ちで仕事ができています。ただ日立独自のローカルルールやマニュアル化されていない暗黙知の部分も少なからずあり、それらのキャッチアップには少し時間がかかりました。
そういった部分をキャリア採用で入社したメンバーが整理して、後進に継承していけば、後から入る方がよりスムーズに動けるようになると思っています。
キャリア採用後のリアルとは?──日々の成長実感と実際の現場でのフォロー体制
▲原子力制御システム設計部、マネージャーの大場
──転職後、壁にぶつかった場面や成長を感じる場面はありましたか?
山下:業界は変わっていないので分野への不安はありませんでしたが、仕事の進め方には少し戸惑いました。プラントのような大きなシステムでは、基本設計・製作設計・製造設計と、各担当がバトンパスしながら進んでいくのですが、その所掌の分け方や情報共有のやり方が独特で、慣れるまで時間がかかりました。
また、前職は現場経験が長かった分「1からものを作り上げる」経験が少なくて。根拠の提示、図面への反映、資料のまとめ方などそれぞれのスキルに伸びしろがあると感じる場面が今でもあります。 一つひとつのプロジェクトをやり遂げた時に「やっとわかってきたかな」と感じますが、まだまだ成長していかないといけないと感じています。
大澤:設計の仕事というと工場内で図面を引くイメージでしたが、実際にはお客さまのところへ直接出向いて仕様を説明したり、現地の工程に出向いて調整したりと、思った以上に業務範囲が広く、主体性と幅広い知識が求められます。前職と同じ分野のつもりでいても「まだまだ知らないことがある」と感じる毎日です。
一方で日立の働く環境のよさには驚かされるばかりです。設備投資にもしっかりと力を入れており、試行的にタッチパネルモニターが導入されるなど、工場内の環境整備にも力を入れている様子に感動しました。
──マネージャー目線から、キャリア採用で入社した方のフォロー体制はどのようにしていますか?
大場:キャリア採用で入社した方のつまずきやすいポイントは大きく3つあります。仕事の進め方の違い、業界・社内ルールの暗黙知、そして社内システムの使い方です。ただ、いずれも「最初だけ」の話です。
そこで定期的な1on1で業務の進み具合だけでなく「どこで詰まっているか」を早めに把握するようにしていますし、上司だけでなく関係部署の経験者につなぐことで、1人で抱え込まない環境を作るよう心がけています。単にやり方を伝えるだけでなく「なぜこのルールがあるのか」を言語化して、納得感を持って進めてもらうことも大切にしています。
日立だからこそ育つ「総合力」──若手のうちから活躍し、成長機会をつかむ
▲社会制御システム設計部、マネージャーの中村
──日立の制御システム部門でとりわけ伸びる力とはどんな力でしょうか?
中村:成長機会がたくさんあるので迷いますが、強いて言うなら「総合力」ですね。社会インフラを動かすには、要所要所で判断を積み重ねながら前に進めていく必要があります。その判断がお客さまや社会にどう影響するかを見越して考える力。協力会社、工事会社、お客さまといった多様なステークホルダーと調整し、合意を形成していく力。技術力だけでなく、説明力・調整力まで、気づけば「全部」身についていく環境だと自負しています。
また、私たちは若手社員でも裁量を持って働ける環境を意図的に作っています。若手の段階から設計の取りまとめを任せ、マネージャーがサポートしながら経験を積んでもらい、初めは戸惑っていた若手社員が徐々に先を見越して行動できるようになっていくと「総合力が身についてきたな」とうれしくなるものです。どこまで任せるかはマネージャーの腕の見せ所ですが、若手にどんどん任せることで組織全体の底上げにつながると考えています。
──キャリア採用で入社した2人の今後の展望を教えてください。
大澤:私は今、名古屋を拠点にお客さまに近いところで仕事をしています。ここ数年の目標としては、現場の声を吸い上げて製品に反映できるエンジニアになること。日立の製品を幅広く把握して、営業からの問い合わせにもすぐ答えられるようになりたいと思っています。
山下:転職理由でもあった「1から作り上げる経験」は着実に積めています。また、前職の現場経験が生きている場面も多く、「全部が今につながっている」という感覚があります。これからは上流工程となるお客さまとの折衝や要件定義で力をつけていきたいですね。
──マネージャーのおふたりは日立で描けるキャリアパスについてどう考えていますか?
中村:決まった正解はありません。「本人がどうなりたいか」「本人の強みは何か」「これまでどんな成果を出してきたか」この3つを1on1で確認しながら、次のステップを一緒に考えていきます。OJTと研修を組み合わせ、視野を広げてもらえればと思っています。
大場:会社が一方的に「あなたはこうなりなさい」と決めることはありません。やりたいことや強みは時間と共に変わっていくものですから、定期的に意見交換しながら一緒につくっていくイメージです。また研修で他部署のメンバーと交流することで「こんな働き方もあるんだ」と視野が広がる機会にもなっています。
日立で輝ける人とは?マネージャーが語る日立で活躍できる人の特徴と日立で働く魅力
──最後に転職を考える皆さんに一言メッセージをお願いいたします
大場:「自分の技術で社会に貢献したい」という気持ちを根底に持っている方が、日立にもっとも合っていると思います。1人で完結する仕事ではなく、多様な部署の人と協力しながら大きなシステムを形にしていく仕事ですので、チームで動くことにやりがいを感じられる方、そして変化を前向きに捉えて新しいことへの挑戦を楽しめる方にぜひ来ていただきたいです。
中村:日立は100年以上の歴史と技術の積み重ねがある一方で、AIツールの活用や働き方改革にも積極的に取り組んでいます。アプリ、インフラ、制御、PMなど、どんなバックグラウンドでも社会インフラという舞台でその経験を活かせる場所が必ずあります。ぜひ一緒に働きましょう。
──本日は、現場のリアルな声をたくさんお聞かせいただきありがとうございました。
転職のきっかけは人それぞれ。しかし日立の制御システム部門で働く人たちは皆「止められないインフラを自分たちで動かし続けているという実感」を胸に、自身の業務に邁進していることがインタビューから伝わってきました。ご自身のキャリアの次のステージとして日立に興味を持った方は、ぜひ求人情報も併せてご覧ください。
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※ 記載内容は2026年6月時点のものです
