株式会社日立製作所(以下、日立)の社会システム事業部は、2025年12月18日に「日立のIT×電力・エネルギー分野で働く!キャリア採用社員によるパネルトーク」イベントを開催しました。
日立は、ITやOT、およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業を強みとしています。中でも社会システム事業部は、電力、交通、通信といった人々の生活に欠かせない社会インフラのDXやGX(グリーントランスフォーメーション)を牽引しており、専門的な知見を持つ即戦力人財の獲得に向けてキャリア採用を積極的に展開しています。
本イベントでは、エネルギーシステム第一本部の本部長と、実際にキャリア採用で入社して活躍する2名の社員が登壇。同本部の具体的な事業内容や組織構成、求める人財像の解説に加え、キャリア採用ならではの視点で語られる「日立での働き方のリアル」についてトークが展開されました。
転職を検討されている方々に、日立でのキャリアや組織の雰囲気をより具体的にイメージしてもらうことを目的とした、当日の熱気あふれる様子をレポートします。
〈登壇者プロフィール〉守田 陽一郎|エネルギーシステム第一本部本部長。1999年に入社し、長年電力小売向けのシステム開発を担当。ITとOTを融合させた総合力で、エネルギー分野の社会課題解決を牽引。
最知 勇気|電力会社での設備構築や蓄電池メーカーでの開発を経て、2022年にキャリア入社。現在はエネルギーシステム第一本部の技師として、電力品質管理システムの構築を仙台拠点で担当。
沖住 彩香|日系SIer、外資系SIerを経て2023年にキャリア入社。現在は東京拠点でエネルギーシステム第一本部技師として、大手電力会社向け顧客情報システムの刷新プロジェクトに従事し、請求・収納チームのリーダーを務めている。
社会システム事業部の概要:DX・GXで人々の豊かな生活を守る、社会イノベーションの「ど真ん中」
登壇者3名が所属する、エネルギーシステム第一本部の母体となる社会システム事業部。当事業部が、どのような組織の中に位置づけられていて、どのようなミッションで活動しているのか。まずは、その概要についてご紹介します。
日立製作所の広大な組織において、社会システム事業部は「デジタルシステム&サービス(DSS)」セクターに属しています。DSS内には複数のビジネスユニットがありますが、その中でも同事業部は「デジタルサービスビジネスユニット」としてお客さまに寄り添い、電力や交通、通信といったITソリューションを提案・展開するフロントビジネスを担っています。
事業部の中心にあるのは、「ともに支え、つなぎ、変えていく デジタルの力で豊かな社会へ」というビジョンです。この言葉には、安心・安全な社会インフラ基盤の提供を通じて、人々の豊かな生活を支えたいという強い意志が込められています。日立の代名詞とも言える「社会イノベーション事業」を、文字通り最前線で体現する存在です。
具体的な事業領域は、「エネルギー」「交通」「通信」の3つの主要分野に分かれています。これらの分野において、高度なIT技術を駆使したソリューションを顧客に提供しています。近年では、社会インフラのDXやGXの推進に注力しており、デジタル技術を社会課題の解決へと結びつける重要な役割を担っています。インフラという人々の生活に欠かせない領域をデジタルの力で高度化していくことこそが、同事業部の使命なのです。
エネルギーシステム第一本部(エネ1本)の概要:電力業界を支えるIT×OTの総合力でお客さまとともに新しい解決策を創る
続いて、本部長の守田より本日の主役である「エネルギーシステム第一本部(通称:エネ1本)」の具体的な姿が明かされました。東日本エリアの電力・ガスインフラを支え、IT×OTの融合を加速させる同本部の組織構成やミッション、そしてエンジニアとしての成長環境について詳しく解説します。
守田:エネルギー領域についてですが、我々は電力業界の歴史とともに日立で新たなソリューションを作り、お客さまに提供してきました。電力分野はもともとOT(制御・運用技術)領域から始まりましたが、現在はIT領域が広がり「IT×OT」のシステムが非常に増えています。これらについては国内外の技術や知見を活用し、「One Hitachi」と呼ぶ総合力でお客さまに提供しています。電力は燃料の調達から発電、送電、配電、そして小売という形で皆さまに届けられますが、その各工程にある「IT×OT」システムを我々が担っています。
守田:エネルギーシステム第一本部の組織構造をご説明しますが、東日本地区のエネルギーアカウント、つまり東京より東のエネルギー事業者さまを担当しています。その中で、第1部(エネ1)、第2部(エネ2)、第7部(エネ7)の3つの部に分かれてエネルギー企業のアカウント対応を行っています。
守田:そんなエネルギーシステム第一本部が求める人財像についてですが、当部は発電から小売まで非常に広い分野を扱っており、それぞれの工程にある課題を解決するためのサービスを提供しています。昨今のエネルギー業界は先が見通せない面もありますが、そのような状況も含めてお客さまと一緒になって対応し、新しいソリューションを作り出せる人財を求めています。
守田:最後に、スキルとキャリアについて大きく3つのレイヤーで分けてご説明しますが、ここで得られるスキルは、エンジニアとしての格を一段引き上げるものばかりです。
まずは、生かせるスキル。単なる「モノづくり」だけでなく、業務やアーキテクチャーのコンサルティングといった上流工程のスキルが生かせます。また、パッケージ導入やアプリケーション開発のスキル、クラウド・オンプレミスなどの基盤系スキルも生かせると考えています。
次に、身につくスキルです。提案から構築、維持まで一貫してシステムを作る全工程のスキルのほか、大規模プロジェクトのマネジメントスキル、幅広いステークホルダーとのコミュニケーションスキルが身につきます。今後はITとOTの融合が進むため、OT側のスキルも身についていくでしょう。
最後に、キャリアパスです。システムエンジニアとして上流から下流までを経験し、ドメイン知識を備えたスペシャリストになる道のほかに、実績に応じて大規模なプロジェクトを統括するプロジェクトマネージャーとしてのキャリアも築けます。
パネルトーク:インフラの最前線で描くキャリアの深層。キャリア採用から見た「日立」
パネルトークのセクションでは、異なるバックグラウンドを持ってキャリア採用で入社した最知と沖住の両名が、入社後のプロジェクト内容や大企業ならではのダイナミズム、そして「日立」という組織のリアルな文化について語り合いました。
【現在の業務内容:ITとOTが交差する大規模プロジェクト】
最知:私は現在、仙台拠点で電力品質管理システムの構築を担当しています。近年、太陽光発電などの再生可能エネルギーが急速に普及していますが、これらは発電量が天候に左右されやすく、配電網の電圧が不安定になる課題があります。課題の解決に向けて、私の仕事は、ITとOTを掛け合わせ、リアルタイムで現場の状況を把握し、電圧を最適に制御するシステムを開発することです。
前職の電力会社では設備構築・保守の経験をし、蓄電池メーカーでは製品・サービスを開発して提供しており個別最適の視点で業務しておりました。日立では電力網という巨大なインフラ全体をどう効率的に運用するかという「社会インフラの頭脳」を創り上げる工程に携われます。東北エリアという慣れ親しんだ土地で日本全体のエネルギーの課題に挑めるのは、エンジニアとしてこの上ない喜びです。
沖住:私は東京拠点で、大手電力会社様の「CIS(顧客情報システム)」刷新という、国家規模とも言えるプロジェクトに従事しています。CISは、約8,000万件という膨大な契約情報の管理や、複雑な料金計算、請求収納を一手に担うシステムです。
前職の外資系SIerなどでは、すでに決まった要件に対して、いかに効率よく「作る」かに比重が置かれていました。しかし日立のSEは違います。「顧客がどのような未来のサービスを実現したいか」という超上流の構想段階から伴走し、業務そのものを再定義するコンサルティング的な役割も求められます。プロジェクト期間は5年以上に及び、関わる人数も数百名規模となりますが、その巨大な船を動かし完遂させるプロセスには、日立でしか味わえない達成感があります。
【入社前後での日立の印象:イメージを覆す柔軟性と透明性】
最知:入社前に持っていた「古い、硬い」というイメージは、良い意味で初日に崩れました。日立には「裁量労働制」が深く根付いており、自分のライフスタイルに合わせて働く時間を調整できます。例えば、子どもが急に熱を出した際でも、すぐにリモートワークに切り替え、家庭を優先しながら業務を継続できる柔軟性があります。私のように地方拠点で子育てをしながら働く身にとって、柔軟な働き方ができる点は非常に心強いです。
沖住:私が驚いたのは、評価制度の透明性です。自分が達成した成果に対して、どのようなロジックで評価が下され、それがどのように賃金や昇進に反映されるのかが非常に明確に説明されます。また、年次や役職に関係なく若手でも本部長クラスの人間とフラットに議論できる風通しの良さは、日立の大きな強みだと感じています。こうした心理的安全性があるからこそ、キャリア入社の人間も気後れすることなく最初からフルスロットルで活躍できるのだと思います。
【今後のキャリアの展望:領域を越えてインフラを守る】
最知:電力だけでなく、通信やモビリティなど日立が持つ幅広いドメインをつなぎ、地域一体でインフラを守る『クロスドメイン』な活躍をしたいと考えています。例えば、電柱や通信柱といった業界毎の設備管理を、業界を跨いで統合できれば社会はもっと効率的になります。そのビジョンを実現するスキルを身に付けるために、現在は社内のPM資格認定制度や研修を活用し、より大規模なプロジェクトを統括できるPMへの成長をめざしています。
沖住:まずは2029年の「CIS(顧客情報システム)」刷新を完遂させることが最大のミッションです。5年以上の長期プロジェクトになりますが、その中でエネルギーインフラのスペシャリストとしての軸を固めたい。その後は日立内の他業界とも知見を共有し、多様な引き出しを持つエンジニアになりたいと考えています。自分の意志を1on1ミーティングで上司に直接伝え、納得感を持ってキャリアを描けるのが日立の魅力です。
Q&A セッション:ITとOTの融合、そしてキャリアの未来
最後の質疑応答セクションでは、参加者から寄せられた鋭い質問に対し、守田が日立の戦略的な強みを。最知、沖住の2人が入社後のサポート体制や地方拠点での働き方の実態について本音で回答しました。
Q:他社と比較した際、日立の「社会システム事業部」ならではの強みはどこにありますか?
守田:一言で言えば「IT、OT、プロダクト」の三位一体の統合力です。多くの競合はITのソフトウェア、あるいはコンサルティングのみを提供しますが、日立は自社で電力の遮断機や変圧器といったハードウェアを製造し、それを動かすためのOTを100年以上にわたって磨いてきました。
その現場のリアルな知識があるからこそ、実効性の高いITソリューションを提供できるのです。この3層を垂直統合でカバーできる企業は世界的に見ても稀有であり、複雑化する社会インフラの課題に対して、机上の空論ではない動く解決策を提示できることが、お客さまから信頼を勝ち得ている最大の理由です。
Q:電力業界の知識がなくても、活躍できる環境でしょうか?
最知:私自身のキャリアとしてはずっと電力業界でしたが、別業界から入社されたキャリア採用者の方で活躍されている方もおりますので、電力業界を経験していなくても活躍できる環境は整っていると思います。例えば、日立には「バディ制度」という、入社された社員一人ひとりに専属の教育・相談担当がつく制度があります。業務の進め方はもちろん、社内ツールや文化についてもマンツーマンでサポートしてくれます。私自身、最初は日立特有のプロセスやルールを理解しながらの業務を進める際に、バディが並走してくれたおかげで、早期に自分でプロジェクトを推進することができました。
沖住:私はプロジェクトに参画したのが基本設計の立ち上がり直後だったので、周りのメンバーも非常に多忙な時期でした。 しかし、まずは1カ月間資料を読み込んだり、会社や場に慣れることに注力したりしていいよという『お勉強期間』をいただけたので、その後はスムーズに業務に入れました。
中途採用のメンバーをどう仲間に受け入れればいいか周囲も戸惑う部分があると思ったので、個人的には自分から『わからないことはわからない』と発信することを心がけました。 現場には必ずキーマンがいるので、その方をしっかり抑えて積極的にコミュニケーションを取り、教えてもらうよう努めていました。
守田:教育リソースの厚みは、日立の自負するところです。社内には「Hitachi University」と呼ばれる膨大なeラーニング講座や、PMを育成する体系的な研修制度、さらにはグローバルな知見を共有するコミュニティが存在します。実際、エネルギー業界以外から入社し、前職のITスキルを活かしながら数年でリーダー層へ成長したメンバーも多数います。異業界の「外の目」を持っていること自体が、日立にとっては貴重な財産なのです。
Q:地方拠点で働く際、待遇や仕事の規模に差はありますか?
守田:待遇については、全社一律の賃金体系を採用しており、地域による格差は一切ありません。
最知:仕事の規模や内容について、差は無い印象です。私は仙台拠点で勤務していますが、リモートツールを駆使して東京や福岡などの別拠点の開発メンバーと日常的に連携して対応できており、別拠点の方々と開発することもあり仕事の内容に差はないです。私としては、地元に根ざしながら「自分の街の電気を守っている」という実感を得つつ、一方で大規模なインフラDXを牽引できるという点が地方拠点で働く日立SEの良さだと思います。
単なるITベンダーではなく、社会の骨格を創るエンジニア集団である日立のエネルギーシステム第一本部。社会貢献性の高い仕事と、個人の裁量を尊重する柔軟な環境が、ここには共存しています。
※ 記載内容は2025年12月時点のものです
※ 2026年4月の職制改正に伴い、イベント当時から一部組織名を更新しております

