若手リーダーとして奮闘。苦い経験から学んだのは「和やかな雰囲気づくり」の大切さ
──まず、それぞれの仕事の内容や役割を教えてください。
大角:セミコンダクタ第一設計部で、医療業界や自動車業界などのさまざまなシステムに組み込まれるFPGA(Field Programmable Gate Array)の開発において、設計業務や顧客対応、案件のとりまとめを担当しています。
お客様から受注する際には窓口として対応し、案件としてまとまってくると見積もりなどの手続きに入ります。そして、設計業務を担いながら、チームメンバーへの仕事の割り振りや日々のケアといったマネジメントもしていますね。最終的な納品やアフターケアに至るまで、ひと通り対応しています。
林:OTシステム設計部で、鉄道車両向けデジタルサイネージのアプリ開発に携わり、プログラム設計を担当しています。昨年からはプロジェクトリーダーとして、全体の工程管理やメンバーのマネジメントも行っています。
現在、デジタルサイネージ機器の寿命に伴う交換プロジェクトが進行中です。2010年頃に導入されたデジタルサイネージ機器の老朽化に伴い、次世代機器へのリプレースプロジェクトを進めています。あわせて、既存システムのアーキテクチャを再設計し、運用の柔軟性とメンテナンス性の向上を図る取り組みも進行中です。
高橋:医薬ソリューション第一部で、医薬品、医療機器業界の製造管理システム開発で設計やテスト、保守運用を担っています。
近年はそのシステムを使う新規のお客様向けの教育に携わり、医薬品の原料の登録方法や製造工程の設定方法などを教えています。今は、あるお客様に新たなバージョンのシステムを導入する案件でプロジェクトリーダーを務め、全体の進行管理を任されているほか、要件定義や詳細設計ではメインスピーカーとしてお客様への説明、ヒアリングをしています。
──普段、仕事をする上で大切にしている価値観はありますか?
大角:まずは、関係者一人ひとりにきちんと向き合うことですね。丁寧に対応するとその分、よい結果につながるものです。次に、コストを意識すること。
以前なら同僚に「ちょっと手伝って」と仕事を頼みがちでしたが、マネジメントの一環で業務にまつわる数字を見るようになって、依頼された人の工数やかかるコストを認識しなければならないと思うようになりました。
林:チームリーダーとして和やかな雰囲気をつくることですね。入社2年目の頃、あるプロジェクトでテスト効率を上げる役割を託されましたが、全体像を把握せず、自分の知る範囲だけに気を配ってテストを進めた結果、不具合が多発しました。チームには重い空気が流れ、建設的な意見交換ができない状況になったんです。
この経験から、自分が人をまとめる立場になった時には、失敗などマイナスのことも率直に話し合える職場をつくりたいと考えるようになりました。また、「やる時はやる、やらない時はやらない」という、オンとオフをしっかりと切り替えられるような環境づくりも大切にしています。
高橋:林さんと同じで、良好な雰囲気づくりを心がけていますね。システムの導入時には、半年から1年ほどお客様先に常駐することもあるので、お客様との関係性が重要になってきます。距離感に気を配りながらも、自分から心を開いて積極的に話しかけることで親しみやすさを感じていただければと日々意識しています。
一人で抱え込み、進行が遅れる。重要なのは、よくないことでもためらわず共有すること
──これまで働く中で、とくに印象に残っている出来事はありますか?
林:新規事業の創出をめざす社内コンテストで、同僚と共同で提案して準優勝したことです。BCP(Business Continuity Plan)に絡み、過去の地震や大雨などの災害データをもとに建物への被害をシミュレーション、可視化するシステムを提案したところ、製品として優れており、当社のミッションやビジョンに合致している点が評価されました。
最初のアイデア出しの部分で苦労し、そこを乗り越えて受賞したのはうれしかったですね。一方で、市場調査や、実際に当社がシェアを獲得できるのかという検討が不十分だったことは課題として残りました。
高橋:入社2年目の頃、私自身の理解が足りなかったために、お客様にシステムの操作方法を十分に伝えられず、稼働前のテストでうまくいかないことがありました。そこで、次の案件ではシステムへの理解を深め、お客様のニーズや疑問に寄り添いながら伝えるように努めたところ、テストを無事に終えられました。
大角:印象深いのは十数年前の出来事です。10人以上が関わる案件に初めて加わり、しかもチームリーダーを任されたのですが、全体の状況を把握できないまま進行が遅れてしまい、どこがどう遅れているのか、それはなぜなのかという共有もできていませんでした。最終的に無事終えられたものの、上司からは進行の悪さを指摘されてがっかりしたのを覚えています。
──それぞれの経験から得た学びや気づきはありましたか?
林:コンテストの最終プレゼンテーションでは経営層から話を聞く機会があり、貴重な学びの場になりました。私たちの提案に対しても、目先の利益だけではなく、市場のトレンドや社会情勢の変化など未来を見据えた助言があり、視野を広げて物事を多角的に捉えることや、長期的な視点を持つことの重要性に気づきました。
高橋:テストデータではなく、お客様が実際に使っている医薬品や原料を用いてデモンストレーションをする大切さを学びました。一般的な説明だけではお客様の中でイメージが湧きにくく、「実際に使用している原料に置き換えた時にはどうなるのか」という疑問が出てくるからです。
その学びを生かして、今では私自身が実際の品目を十分に理解した上で「それならこのような形で操作してください」と具体的に説明できるようになり、お客様の理解度も上がっていると感じています。
大角: 当時、一人で悩んで進行が遅れた経験から、よくないことであってもためらわず、すぐに周囲と共有するのが大事だと知りました。よくないこと、困りごとをまずは整理するだけでも前進するケースがありますし、一人でこなすのが難しい作業量であれば、それを共有することで協力し合うことができますよね。
今では、少なくとも1日に1度は私からメンバーに状況を共有するようにしていますし、メンバーにも共有をお願いしています。そうすることで解決することも多いはずですから。
見知らぬ土地が「第2の故郷」になるまで。Iターンで見つけた居場所と新しい自分
──茨城に根を張って暮らす3人ですが、この地で働き、生活する魅力は何だと感じていますか?
林:茨城の仕事面の魅力としては、制御盤を製造するなどOT(Operational Technology)に強いことではないでしょうか。例えば、私が関わっているデジタルサイネージの仕事でも、自分の手がけたものがすぐに目の前の画面に投影され、成果を確認できるのがよい点ですね。
生活環境で言えば、山と海の両方があってキャンプやバンジージャンプを楽しめるほか、県内各地の漁港で海鮮料理を味わうこともできます。休日もアクティブに行動したい人にとっては、ぴったりの場所ではないでしょうか。
高橋:田畑や山など豊かな自然に囲まれ、落ち着いた環境に身を置きながら、医薬関連のやりがいのある仕事に携わることができるのは、この会社で働く最大の魅力だと感じています。私は茨城本社に歩いて通える場所に住んでいて、満員電車で通勤しなくてよいのが嬉しいですね。
休日の過ごし方も充実しています。キャンプがとても好きで、同僚たちと一緒に大洗町や大子町によく行くのですが、焚き火を見ながらコーヒーを飲む瞬間が最高なんです。
大角:茨城はのびのびと子育てができて、本当に暮らしやすいですね。土地や家、食料品などが安価で手に入りますし、野菜や魚もおいしいです。わが家もよくキャンプに行きますよ。
そんな生活のしやすさに加え、近年ではリモートワークの環境が整ったので、仕事のしやすさも格段に向上しています。県外のさまざまな部署の人たちと日常的にオンラインでコミュニケーションをとりながら、スムーズにプロジェクトを進められるようになりました。
──3人はいずれもIターンで就職していますね。見知らぬ土地で働くよさも聞かせてください。
高橋:秋田出身で、今は茨城に根を張って生活しています。知らない土地で暮らすことに抵抗のある人もいるかもしれませんが、私はさまざまな人たちと触れ合う中で新しい経験を積み重ねられることや、その地域特有の食文化、風土に触れて新たな発見ができるのがいいなと感じています。
林:私は宮城からやってきました。仮に地元で就職するとなれば、従来からの人間関係もあるので交流の範囲が限定されることもあると思うのですが、Iターンではコミュニケーションの基盤がゼロという状態から再スタートします。そこから新たな出会い、新たな刺激を得て自分の世界を広げられるので、私は新鮮な毎日を送ることができています。
大角:北海道出身なのですが、大学で学んだ情報工学を生かせる仕事がしたくて、多くの企業や工場のある茨城で就職しました。なじみのない土地に来た当初は寂しさも感じましたが、同期社員や職場の先輩、後輩たちと交流を深める中で次第に茨城に愛着を感じるようになり、今では第2の故郷だと思っています。
思い描くステップアップ。プロジェクトマネージャーとして頼りにされる人材に
──仕事をする中で感じている、ご自身の強みや持ち味は何ですか?
大角:元々コミュニケーションは苦手でしたが、仕事でいろいろな人とやりとりするうちに相手の想いを汲み取れるようになり、少しずつ成果に結び付いているように感じています。また、一つひとつの物事を論理的に考えて解決しようとする姿勢や、きめ細かく対応することも持ち味かもしれません。
林:とてもポジティブな性格であることです。嫌なことがあっても寝たら忘れますし、どんなことが起きても動じることなく対応できると思っています。
チームリーダーとして前向きな姿勢でメンバーと接したり、困っている人を見かけたら積極的に声をかけたりする中で信頼関係を深め、よりよい雰囲気づくりを加速させていけたらとイメージしています。
高橋:お客様とコミュニケーションをとる中で、よい関係を築けることだと思っています。ある案件では、お客様と日々心を通わせる中で「一緒にご飯を食べに行きましょうよ」と誘っていただけるようになりました。
また、長期出張先では自転車を買って使っていたのですが、任務を終えた時にお客様から「高橋さんの自転車、よければ記念にいただけませんか」と言われてお譲りしたことも。それから数年たって最近、そのお客様とお会いした時には、自転車がまだ使われているという話になって盛り上がりましたね。
──最後に、今後挑戦してみたいことを教えてください。
大角:職場のメンバーの長所を伸ばし、やる気を一層引き出していけたらと考えています。気持ちよく働いてもらうためには、私自身がメンバーから「この人は味方だ」と認識されることが大事です。私も過去の経験から、そのような環境で働くとモチベーションが上がることを実感しているので、少しでもチームの力になれたら嬉しいですね。
高橋:今、初めてプロジェクトリーダーを任され、メンバーや協力会社をとりまとめています。まずは、リーダーとしての基本的な考え方や作法を身に着けていきたいですね。そして将来的には、プロジェクトマネージャーを務めるなどさらに成長し、どんな質問に対しても「これはこうだよ」と回答できるような、皆さんから頼りにされる人材になりたいと思っています。
林:現在、既存システムの開発効率を上げるためにシステムを抜本的に見直している最中で、既存のものを変革するのはまさに自分がやりたかった仕事です。将来振り返った時に「林の取り組みはよかったよね」と評価されるように、このプロジェクトを成功させたいですね。
一方で、2年ほど前には大手企業同士の事業統合に絡み、PMO(Project Management Office) として工程管理やマネジメント業務を担当した時、コンサルティング会社など他社と関わる中で業務の属人化が解消されているのを見て、その仕組みを当社にも持ち込みたいと感じました。将来的には、社外で得た視点を生かして社内の改革を進められるような存在になりたいと思い描いています。
※ 記載内容は2025年6月時点のものです

