「ITで心動かす」をミッションに、AI時代のDXを若手とともに切り拓く
私が率いるビジネス企画開発ドメインは、AI-Native(AIを前提とした)な手法でお客様のDX(デジタルトランスフォーメーション:デジタル技術を活用したビジネスや社会の変革)を支援することを主軸に活動しています。具体的には、お客様が新たに展開しようとしているサービスの企画から開発、運用まで、開発ベンダーとして一緒に伴走していくスタイルです。
近年、生成AIをはじめとするAI技術の急速な進化により、私たちの仕事のあり方も大きく変わってきました。開発するサービスそのものにAIを組み込むことはもちろん、開発プロセスの中でも生成AIを活用してコードを自動生成したりドキュメントを作成したりと、AI技術はもはや開発現場に欠かせない存在になっています。こうした変化にいち早く対応するために、社員一人ひとりが早期から生成AIに触れ、使いこなせるよう取り組んできました。生成AIを活用した開発環境をスムーズに構築できるよう「生成AI活用プラットフォーム」を独自に整備しており、このプラットフォームのおかげで社員の生成AIスキル習得も格段に加速しています。実はこのプラットフォーム、意欲のある若手社員が自ら手を挙げ、中心となって構築したものです。その姿を間近で見て、頼もしいと感じると同時に、この組織の可能性を改めて実感しました。
私自身はドメインマネージャーとして、組織全体のマネジメントや事業の方向性を定める企画・立案など、組織を動かすための役割を担っています。また、将来の事業を見据えた新技術の調査や、新入社員向けの教育企画・実施、インターンシップといった人材育成にも深く関わっています。現在と未来、両方の視点を持ちながら組織を動かしていくことが、私のミッションだと捉えています。
私たちのミッションを一言で表すなら、「新たなビジネス・社会をデザインし、ITで実装することで、関わる人に感動を提供する」こと。キーワードは「ITで心動かす」です。お客様のビジネスを深く理解し、お客様と共に変革を実現していくだけでなく、私たち自身のビジネスも変革していくことを目指しています。お客様の心を動かすのはもちろん、私たち自身の心も動くような仕事をしていきたい。そういう想いを組織全体で共有しています。
メンバーは現在約70名。平均年齢は28歳と、若手が中心の組織です。全社平均と比べると10歳ほど低く、年齢層が近いメンバーが多いこともあって、良い意味でフラットな雰囲気があります。アジャイル手法(短い開発サイクルを繰り返しながら柔軟にプロジェクトを進める開発手法)を取り入れて、お客様とワンチームで取り組むプロジェクトも多く、入社1年目からお客様と直接やり取りする機会がある点も、この組織の大きな特徴です。例えば、スクラムチーム(アジャイル開発の一形態で、少人数のチームが役割分担しながら開発を進める仕組み)においては、お客様がプロダクトオーナー(開発するサービスの方向性を決める責任者)として開発の方向性を示し、1年目社員は開発者として要件の整理や仕様の検討、プロダクトオーナーへの確認・意見交換・レビューに関わります。もちろん先輩社員がそばでサポートしますが、経験年数を問わずお客様と活発に意見を交わせる環境が自然と整っています。最近では入社4年目でプロジェクトやチームのリーダーを務めるメンバーも出てきており、技術面でリードする若手も増えています。そういったメンバーを中心に、組織全体がさらに成長していく勢いを、日々感じています。
コロナ禍という試練が教えてくれた「今できることに全力を」という信念
現組織の前身であるBX推進室が発足したのは、私自身の強い思いと、当時の取締役からのお声掛けがきっかけでした。それまで私はR&D部門(研究開発部門)の部長として、クラウドやアジャイル、データ分析といった新しい技術や考え方の調査に取り組んでいました。その中で、世の中のデジタルトランスフォーメーション(DX)の機運が急速に高まっていることを肌で感じ、「R&Dに留まらず、事業として取り組まなければ世の中の流れに取り残されてしまう」という危機感が芽生えていました。
その思いの根っこには、学生時代のアルバイト経験があります。大学生のころ、セブンイレブンで発注業務を任されていました。天気や周辺のイベント情報、過去の売れ行きをストアコンピューターやタブレットで確認しながら、蓄積されたデータをもとに未来を予測して発注する。その体験はとても楽しく、刺激的でした。「こんなユーザー体験を提供する仕組みを作りたい」という思いが、私をITの仕事へと向かわせたのです。この記憶が後に、「DX領域で、エンドユーザーと対話しながら、価値のあるシステムを作りたい」という想いへとつながっていきました。そして、その想いを形にする機会として、BX推進室の立ち上げに携わることになったのです。
発足時に室長としてジョインした私ですが、それまで事業部門で開発者やマネージャーとして経験を積んではいたものの、部門長として事業運営をした経験はありませんでした。正直、不安がなかったといえば嘘になります。でも、自分の中に生じた思いを事業という形にできるワクワク感が、その不安を大きく上回っていました。
ところが、「よし、やるぞ」と意気込んで動き出したまさにその矢先、新型コロナウイルス感染症が世界中に広がり始めました。部門方針に共感して集まってくれたメンバーが揃ったところで、予定していた案件が次々とキャンセルになり、一気に窮地に追い込まれたのです。
そのときに私たちが選んだのは、「今できることに全力を尽くす」という姿勢でした。営業活動は続けながらも、割り切って育成や技術調査に時間を充てるようにしました。当時の取締役がその方針を承認してくれただけでなく、自ら営業活動にも協力してくれたことは、本当に心強かったです。そしてリーダー層を中心に、メンバー全員が今自分たちにできることを考え、全力で動いてくれました。その一体感が、この苦境を乗り越える力になったと思っています。
そうして粘り続けた末に、BX推進室としての最初の受注を獲得できたときの気持ちは、今でも鮮明に覚えています。DX領域での実績がまだ乏しい中で新規のお客様を獲得することは、本当に難しい状況でした。既存のお客様からのご紹介や、取締役と一緒にお客様先を訪問したり、営業部から、かつてつながりのあった方をご紹介いただいたりと、部門外の協力も得ながらようやく実現した受注でした。そのときの率直な心境は、「ホッとした」の一言に尽きます。あの安堵感は忘れられません。
「チャレンジする意思と責任」がある人には、年次を問わず役割を任せる
この事業部でマネジメントをする上で、私がもっとも大切にしていることのひとつは、「チャレンジする意思と責任を引き受けようとする気持ちがある人であれば、年次に関わらず役割を任せる」ということです。
年齢や経験年数だけで判断してしまうと、本人が持っているポテンシャルや意欲を見逃してしまうことがあります。過去の実績だけでなく、「やってみたい」「自分が責任を持つ」という姿勢があるかどうかを重視しています。そういった気持ちを持った人に役割を与えると、たとえ上手くいかないことがあっても、本人は必ず乗り越えようと努力してくれます。そして周囲のメンバーも、自然と「協力しよう」という雰囲気になっていくんです。私の役割は、そういった場をいかに作るかを考え続けることだと思っています。
そうした関わり方を続けてきた中で、メンバーや組織の成長を強く実感する瞬間があります。入社当時から育成に関わってきた社員が、今ではプロジェクトやチームのリーダーを任されるまでになりました。その姿を見るたびに、一緒に歩んできた時間が積み重なっているのだと感じます。また、新しい技術に興味を持ち、自分からアイデアを出して新たな施策に取り組む姿も、メンバーの確かな成長を感じさせてくれる瞬間です。
組織が成長するとは、単に個人のスキルが上がることではないと思っています。メンバーがアイデアを出しやすく、チャレンジが歓迎される雰囲気が生まれてこそ、組織全体として前に進んでいけると考えています。そのためにも、一人ひとりが「自分がやる」と思えるような環境をつくり続けることが、私のマネジメントの根幹にあります。
そして、この事業部で働く上でのやりがいについても、お話しさせてください。私がとくに強く感じるのは、「自分たちで事業の方向性を考える機会がある」という点です。与えられた業務をこなすだけでなく、事業そのものの行く先を自分たちで議論し、形にしていけること。これは、仕事に主体的に向き合う上で、とても大きな意味を持ちます。
方向性を考えるということは、ただアイデアを出すだけでなく、その結果にも向き合うということです。うまくいけばもちろん嬉しいですし、うまくいかないときでも「なぜそうなったのか」を自分たちで考え、次に活かすことができます。そうした一連のプロセスを仲間と共に経験できることが、この仕事の醍醐味だと感じています。
マネージャーという立場にあっても、私自身がこの事業に関わることに純粋な面白さを感じています。メンバーが成長し、組織が前に進み、事業の方向性を自分たちで描いていける。そんな環境の中で仕事ができることは、本当に恵まれていることだと思っています。
「ITで心動かす」を旗印に、日本企業の未来を変えていきたい
今後、私たちが挑戦したいことは大きく二つあります。一つは、現在お付き合いのあるお客様のDX支援をさらに加速させること。もう一つは、自部門そのものの変革です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用してビジネスや業務のあり方を根本から変革していくことを指します。私たちはお客様のDX支援を担ってきましたが、それと同時に、私たち自身も変わり続けなければならないと感じています。
自部門の変革というのは、IT企業の枠にとらわれない事業への挑戦を意味しています。もしかすると、今の会社の定款(会社がどのような事業を行うかを定めたルール)の枠をはみ出すか、はみ出さないかという議論になるような事業かもしれません。そのくらい大胆な発想で挑んでみたいと思っています。「SIer(システムインテグレーター:顧客の要件に合わせてシステムを開発・導入・運用する企業)」という形にとらわれず、問いを持ちながら事業として形にしていくこと——それ自体が、私たちにとっての挑戦です。
私たちのありたい姿は、「新たなビジネス/社会をデザインし、ITで実装することで、関わる人に感動を提供する」存在です。そのキーワードとして掲げているのが、「ITで心動かす」という言葉です。
この言葉が生まれたのは、当社の中期経営計画の策定にあたり、他事業部門の部門長の方々と意見交換をしたことがきっかけでした。私がファシリテーターを担当しながら議論を進めていくなかで、皆さんが現在の事業や将来に対して抱いている考えや思いに直接触れることができました。その場で自分自身もBX推進室(ビジネストランスフォーメーションを推進する組織)を立ち上げた頃に立ち返って考えたとき、「お客様だけでなく、我々自身もワクワク、ドキドキした気持ちを持てるような事業をしたい」という思いが改めて湧き上がってきました。私たちの軸足はやはりITにある——そう確認できたとき、「ITで心動かす」というキーワードが自然と浮かんだのです。
また、社会への貢献という観点でも、強い思いがあります。日本は人口減少、少子高齢化、経済力の低迷など、さまざまな問題に直面しています。日本の企業を強くするためのDX推進に貢献したいという気持ちは以前からありました。ただ、DXのために活用されているクラウドや生成AIは、そのほとんどが海外企業のサービスです。それらを活用することは、円の流出につながるという側面もあります。横浜のIT企業であることを軸足にしながらも、問いを持ち続けながら、微力であっても事業という形で挑戦できればと考えています。身の丈に合わない大きな話かもしれませんが、それでもこの思いは持ち続けていたいのです。
最後に、これから私たちの組織にジョインしてほしい方へメッセージをお伝えしたいと思います。私が求めているのは、「分からないことがあることに楽しみを見出せる方」、そして「挑戦する意欲と、責任を引き受ける意思のある方」です。
私たちはお客様のビジネスや業務を理解しながら、システムに関する提案や開発を行っています。分からないことが多いということは、裏を返せば、私たちが新たな価値を提供できる可能性があるということです。その可能性を感じるからこそ、楽しみが生まれる——そう思える方と一緒に、「ITで心動かす」事業をつくっていきたいと考えています。
