言語学からITの世界へ。追求した先に見えた、社会と広く関わる新たな道
子どもの頃から言語への興味が尽きなかった望月。その理由は、高校の国語教師である父の影響で、家庭でも言語や文字について話す機会が多かったことだと言います。
「中学生から高校生の頃、父と一緒に世界の古代文字が載っている本を見ていました。実際に、くさび型文字を書いてみるなどして、そのおもしろさを感じていました」
理系科目も得意でしたが、大学では言語学を専攻することを決意します。
「専門課程では、音声学、文法、音韻論など言語学のさまざまな研究分野を学びました。とくに、私が専門としていた音韻論では、歴史言語学の観点から音の変化や体系を研究しました。また、工学部の自然言語処理の授業を受講するなど幅広い学びにも取り組みました」
大学生活では、学業以外にもバイオリンに熱中していました。音楽一家で育ち、5歳からバイオリンを続けていた望月は、大学のオーケストラに所属します。
「母親の影響で4歳からピアノを始め、高校生まではピアノの方が得意でしたが、高校・大学でバイオリンを演奏する仲間との交流をきっかけに、より本格的に取り組むようになりました。
学内に練習場所があったので、空き時間を見つけては、練習をしていました。式典の演奏なども担当しており、忙しくも充実した日々でした」
大学院へと進学した望月は、フィンランド語について研究を進めます。きっかけは、音楽とのつながりがありました。
「フィンランド人作曲家、シベリウスの曲を練習していた際に、本屋でフィンランド語の教材を見つけて縁を感じました。研究では、フィンランド語とエストニア語の関係性に着目し、音の変化や分岐の過程を調査しました。音楽を通じてフィンランド語とつながりができたことで、より深い関心を持って研究に取り組むことができました」
研究生活を続けるうちに、より広い視野で社会と関わりたいという想いが芽生えます。
「研究の道も魅力的だったのですが、専門性や関わる人の範囲が狭まっていくイメージがあり、もっと広く社会との接点を持ちたいと考えるようになりました。
そこで目を向けたのが、IT業界でした。言語学には、コンピューターとの親和性があります。プログラミング言語も、結局は人間が書くもの。人間が書きやすい形式で書かれたものを、コンピューターが理解できる形に変換する過程にも、実は言語学が関係しているんです」
想定以上のキャリア成長──社内プロジェクトが築いた、技術とマネジメントの基礎
文系出身の望月がエンジニアとしての道を選び、フレクトへの入社を決めた理由には、面接で受けた印象が大きく影響していたと振り返ります。
「面接官の方が、私の研究について深く質問してくれたことが嬉しかったです。分野を問わずに興味を持ってくれる姿勢に、知的好奇心が強い会社だと感じました。これまでの人生や価値観についても丁寧に聞いていただき、とても話しやすかったです」
こうして入社を決めた望月。研修後、最初にアサインされたのは社内で使用しているSalesforceの機能追加プロジェクトでした。
「社内での相談状況や人員の配置状況をシステム上で見やすくし、登録を簡単に行える機能を開発しました。Salesforceも開発プロセスもよくわからない状態からのスタートでしたが、いくつかの機能をリリースし、現在も社内システムとして稼働しています。
回り道もありましたが、自分なりの考え方で最初から最後まで一通り学ぶことができました。比較的プレッシャーの少ない環境である社内プロジェクトで、さまざまな経験を積むことができたことで、基礎をしっかりと築けたと感じています」
その後、社内プロジェクトが完了したタイミングで、公共案件へと異動することになります。
「これまで、社内プロジェクトでさまざまな部署の方々とやり取りした経験が、運用保守での業務で役立ちました。とくに、社内でのやり取りがお客さまとのコミュニケーションの練習となり、実際の案件でも応用することができました」
入社当初から、技術者として研鑽を積みつつも、プロジェクトマネジメントを担っていくキャリアを描いていたという望月。
新卒エンジニアとして社内プロジェクトで基礎を築き、その経験を活かして顧客とのコミュニケーションを取りながら、着実に成長を続けました。
「共に成長するチームをつくる」チームマネージャーとして視座を広げ、組織作りへ
2024年の上期、望月は公共案件のPMに就任。その後、下半期にはチームマネージャーとして組織づくりも任されることになります。
「想像以上に早く機会をいただきましたが、もともとPMを担当していた先輩から業務の移行を少しずつ進めていたので、PMになるための心づもりはできていました。
また、マネジメントで悩んだ際には、部長との1on1ミーティングで相談できる環境が整っていたので、安心して進めることができました」
チームは、20代から30代前半の比較的若いメンバーで構成されています。
「組織構造上は上司の立場ですが、同期入社のメンバーもいます。エンジニアとしても、社会人としても成長段階にある人たちと一緒に働いているので、メンバーと共に成長することを私のミッションとして掲げています」
新しい役割を担うことで、視点は大きく広がりました。
「チームマネージャーとなり、メンバーのキャリアイメージや個人の成長、そしてチーム全体の成長を考えるようになりました。会社全体の体制の中で、チームがどう位置づけられるか。誰が、どのように成長してポジションを担っていくのか。これらを意識することで、より高い視座で物事を見られるようになりました」
チーム内での勉強会を開催したり、メンバーとのコミュニケーションの時間を設けたりすることで、交流の機会を積極的に確保しています。
「知的好奇心が強いメンバーが多く、さまざまな知見を持っているため、私も良い影響を受けています。コンピューターの専門知識や法律の知識など、それぞれの得意分野に合わせて、私からも積極的に相談するようにしています。
チームの中で悩みがあれば、みんなで解決していく。そんな穏やかな雰囲気やフラットな関係性を大切にしています」
望月がマネジメントスキルを発揮できる背景には、学生時代の経験が活かされています。
「高校時代、剣道部で部長を務めていました。顧問の先生が生徒の自主性を重んじる方だったため、チーム作りや練習メニューの組み立てを私が中心となって行っていました。
また、大学時代はオーケストラでパートトップの経験をする中で、各メンバーの演奏や考えをどうまとめていくか、どう自由度を持たせるかなど枠組みの中で考えられるよう工夫していました。これらの経験が現在のマネジメントにも活きています」
成長するエンジニア──技術力×コミュニケーション力で新たなビジネスを切り開く
望月は、チームマネージャーになったことをきっかけに、新卒採用の一次面接も担当するようになりました。
「週に1回ほどのペースで面接をさせていただき、これまでに10回程度の経験を積みました。一次面接担当として、候補者の方の研究内容やパーソナリティを伺い、後の面接官に情報を共有しています」
面接では、とくに研究内容を深く掘り下げることを心がけていると話します。
「私自身、入社時に研究内容について質問していただけたことが嬉しかったという経験があります。そのため、面接官として候補者の研究についてしっかりと質問し、理解することを心がけています。研究の内容を聞くこと自体が純粋に興味深いです。また、質問を通して人となりを知ることも大切にしています」
望月が求める人材像について聞くと、技術とコミュニケーション、両面で成長できる方と話します。
「技術力についてはわかりやすいイメージかもしれませんが、この業界ではコミュニケーション力が非常に重要です。顧客との関係だけでなく、社内での実装の進捗状況や課題の把握に関しても、客観的かつ論理的に説明できる力が求められます。私自身、研究で培った論理的な説明力や自分の中で内容を咀嚼して人に伝える力は、実務に非常に役立っています。
理想として技術力とコミュニケーション力の両方が高い人材ですが、得意不得意は人それぞれです。私自身、学生時代にはプログラミングにほとんど触れていませんでしたが、入社後に学んできました。自分の得意不得意を理解し、向上心を持って学び続けられる方にぜひ来ていただきたいと考えています」
今後の展望について、チームと個人、両方の視点から語ります。
「チームメンバー全員のスキルを向上させながら、より広い領域に貢献できるチームをめざしたいと考えています。個人としては、現在PMとして保守案件を担当していますが、新規案件の提案やプロジェクトの設計にも興味があります。技術力だけでなく、提案力も兼ね備えたエンジニアとして成長していきたいです」
望月は、これからもコミュニケーションを大切にしながら、ITの未来を支えていくであろう、若手エンジニアたちを力強くを牽引していきます。
※ 記載内容は2025年2月時点のものです
