2024/01/24
シグマックス社内で本格的な“男性育休”を取得したパイオニアとその上司が語る。育休取得を通して得た、仕事と育児それぞれの気づきとは?
2022年10月の法改正により、男性が取得可能な「出生時育児休業(産後パパ育休)」制度が新設され、各企業が男性社員の育休取得の推進に取り組まれています。法改正以降、シグマックスの男性社員の育休取得率は62.5%となっています(2024年1月時点)。2023年6月に男性育休を取得後に復帰した社員とその上司へ、仕事・育児の両立のリアルと、育休期間やその前後のサポート内容、育休取得を通して得た気づきについて迫ります。【プロフィール】西村 健吾(にしむら けんご)スポーツ事業部/MD・プロモーション課所属。大学院卒業後に家電メーカーに就職し営業企画を担当。エリア担当として南九州、北海道で営業企画を経験。兼ねてから希望していたスポーツ業界への転職を決意し、2017年2月にシグマックスへ入社。入社時から現在までMD・プロモーション課に所属。需要予測やWEB関連・EC業務を担当。吉田 豪(よしだ ごう)スポーツ事業部/MD・プロモーション課所属。2008年入社。入社後5年間は、スポーツ事業部の営業担当として、2013年からは医療事業部西日本営業部中国営業所へ異動して医療営業を経験。社内のFA制度を活用し、2014年にMD・プロモーション課へ異動。2015年には商品企画開発部の企画課へ異動し6年間経験を積んだのち、2023年4月からスポーツ事業部MD・プロモーション課のマネジャーに就任。現在はチームメンバーのマネジメントを行っている。▲左から、西村、吉田──まずは西村さん、お子様のご誕生、おめでとうございます!仕事に育児にと大変な時期にも関わらずお時間をいただきありがとうございます。早速ですが、育休取得された経緯を教えて下さい。西村 健吾(以下、西村):今回、1人目の子どもが生まれたときに育休を取得しました。もともと、「子どもが生まれたら取ろう」と決めていて、妻の妊娠が確認できたタイミングで上長に相談をしていました。実は、私も妻も、両親が遠方に住んでいるということもあり、サポートを得られるのが難しいというところもありました。そこで、里帰り出産はせず、私が育児休暇を取得してサポートすることになったんです。最初は、1カ月間ほど育休を取ろうと考えていましたが、妻と話をする中で「もう少し長く休暇を取ってほしい」という希望があったことと、私自身も子どもと一緒に過ごしたいという思いもあり、有給休暇と子どもの出産時に取得できる特別休暇、そして1カ月間の育児休暇制度を組み合わせて2カ月間、休暇をいただきました。──事前に育休取得する、ということを決められていたのですね。育休を取得した中で感じた課題はありましたか?西村:私自身が担当業務の主担当だったこともあり、チームのメンバーへの引き継ぎは大変だったと感じています。スポーツ向けサポートケアブランド「ザムスト」のEC業務担当は私を含めて3名いて、私は主にブランドサイトの運営、オンラインショップの日々の売上の確認や分析をしています。育休取得時はスポーツ活動が盛んになり、それに応じて売上も大きくなるタイミングで、日々の売上管理や販促施策のPDCA、在庫数などを通常よりも気にしなくてはならない繁忙期でした。とくに夏場の販促施策に関しては、この時期を逃すわけにはいかないので、相当なスピード感でPDCAを回していく必要があります。そんな中ではありましたが、気持ちを切り替えて育児に専念していました。私の業務を引き継いでくれたメンバーがしっかりしていたので、育児休暇中も不安はなかったです。ちなみに、私が育休で不在にしている間、大きなトラブルはなかったでしょうか……?吉田 豪(以下、吉田): 西村さんとメンバー間でしっかり引き継ぎをしてくれていたので、大きなトラブルはなく業務を回せていましたよ。もちろん、西村さん本人がいるとき以上のパフォーマンスを常に維持できたわけではないですが、なんとかチームのメンバーで業務が行える体制を、育児休暇を取得する前に西村さん自身が整えてくれたおかげです。急に育休を取得するとなるとバタバタしてしまうと思いますが、西村さんの場合、あらかじめ育休を取得することを共有して動いてくれていたので、その計画性はとてもありがたかったです。▲現在、ザムストEC業務チームのメンバーは3名──育休取得や子育てを通して、仕事面とプライベート面で大変だったことがあれば教えてください。西村:育休期間が終わっても子育ては続きますし、むしろ育休期間が終わってからのほうが体力的にしんどいことが多かったです。だからこそ、1日の業務に優先順位をしっかりつけて、必要な仕事が終わったら切り上げて、仕事とプライベートの時間にメリハリをつけるようにしました。日々効率よく仕事を遂行することで睡眠時間を確保するなど、より良い時間の使い方をあらためて心がけるようになりました。今は、在宅勤務や、自分で始業・終業の時間を決める「フレックスタイム制度」を活用して育児をしています。早朝のミルクをあげてから出社しているため、フレックスタイム制度を活用し、朝7時頃から始業して早めに帰宅することができています。なので、この制度はとてもありがたいと感じています。▲仕事も育児も奮闘中の西村。現在、帰宅後は子どもと一緒にお風呂に入るなど積極的に育児をしている。──育休取得を通して得た気づき、メリット、復帰後の仕事への取り組み方や考え方において変化はありましたか?西村:少しでも長く、子どもと一緒にいることができる、ということ自体がメリットだと思います。近くで子どもの成長を感じることができますし、親としても成長することができると思います。また、自分自身が育児に携われたことはもちろん、妻からも「育児に参加してくれて助かっている」と感謝の言葉をもらえると素直に嬉しかったです。なので、個人的には取ったほうが良いと感じていますし、もっと長期間で育休を取っても良かったなと感じています。今は生まれたての子どもを育てるということに大変さを感じていますが、これからは寝返りや離乳食が始まるなど、子どもの成長に応じて子育ての大変さも変わってくると思います。そのため、まだ具体的には決めていないですが、分割して育休を取得できる制度(※)の活用も検討しています。復帰後の仕事への取り組み方の変化としては、より優先順位を立てて業務に取り組み、仕事とプライベートの時間をそれぞれ確保するようになりました。また、育休を取得するにあたって、業務の引き継ぎをしましたが、私が思っていた以上に、チームのメンバーがそれぞれ自分で考えて行動できるということを、育休取得を通して感じました。育休期間を経て現場に復帰したときに、前よりもメンバーが独り立ちしており、いい意味で自分がいなくても他のメンバーが業務を行うことができることに気づきました。周りにいるメンバーに業務を振っても大丈夫、というメンバーへの信頼感も高まったと思います。※ 男性育休の分割取得:生まれた子どもが1歳になるまでの間の育児休業を分割して2回取得することが可能。──男性育休取得のリアルについてお話しいただきありがとうございます。ここからは西村さん含めチームをマネジメントしている吉田さんに、西村さんやECチームメンバーのサポート内容、西村さんの育児休暇を通して得たマネジャーとしての気づきについてお聞きしていきます。吉田:私はMD・プロモーション課のマネジャーとして2023年4月から着任し、そのときに前任から西村さんが育休を取得する予定であることを聞いていたんです。私自身、久しくMD・プロモーション課の仕事をしていなかったということ、当時は今の部署に着任して間もなかったため西村さん自身がどんな仕事をしているのかということについて詳細を把握できていなかったのが実情でした。西村さんがEC業務の主担当者であり、重役を担っていることは間違いないと思っていて、当初は業務がきちんと回るのか焦りを感じていたのを覚えています。また、同じスポーツ事業部の営業担当からの信頼も厚いので、「大丈夫?」と聞かれたこともありましたそのときに、西村さんから「自分はこういう業務をしています」、「この人にこんな業務を引き継ぎしました」ということを、私が西村さんの業務を理解できるよう、一から説明してくれたんです。彼の業務を一緒に確認することで、普段どんな業務をしているかを知り、理解を深めるきっかけとなったので、本当に良かったと思っています。また、西村さんから引き継いだ業務については、育休取得前にその都度本人に質問をして、チームメンバーで全ての業務が回るように準備を進めました。結果として、西村さんの育休取得期間だけでなく復帰後も、チームのメンバーが主体的に動くようになりましたし、良い意味で「西村さんのような人」がいなくても業務を回すことができる、ということに気づくことができました。──最後に、今後、男性社員で育休取得する方、検討している方に向けてメッセージをお願いします。西村:子育てを通して、子どもの成長を間近で感じられるだけでなく、自らも親として成長できると私自身思っています。子どもの成長は一瞬であり、一緒に過ごせる時間は有限だと思うので、ぜひ社内の方にも育休を取得してもらいたいです。一方で、育休取得をするにあたって、職場の方々への負担を気にされたり、育休を取得すること自体を迷われている方もいらっしゃるかもしれません。その方たちに私が伝えたいメッセージは「早めに相談すれば、なんとかなる」ということです。 私は、毎年社内で実施されているキャリア面談の際に、「育休を取得するかもしれない」ということを事前に上司へ共有していました。育休取得するかどうかはわからない段階だったとしても、あらかじめ所属部署や人事部門に相談することで、育休に関する不安な点の解消や、引き継ぎの準備などをスムーズに行うことができます。育休を取得しているメンバーも、シグマックス内で増えてきています。気になることがあれば、私や取得しているメンバーに気軽に相談してください。──ありがとうございました。シグマックスでは、女性社員の産休・育休取得率および復帰率は100%であり、産休・育休の取得や休暇を経て復帰したメンバーをサポートする風土が確立されています。そのため、男性育休取得については、法改正もあり、2023年度の育休取得率は62.5%、育休平均日数は34日といずれも増加しています(2022年度 育休取得率:28.6%、育休平均日数8.5日)。これからも社員一人ひとりが自らの能力を十分に発揮できる環境を整えてまいります。もしシグマックスについて気になることがあれば下記よりご参照ください。