先頭に立つタイプではなかった学生時代。就職し主張することの大切さを知る

▲大学弓道部卒部時の記念写真。1年間で弓を握らない日はないほどに没頭した

2020年現在、経営企画室で複数の部門を横断するプロジェクトを牽引している得野だが、学生時代は周囲の先頭に立つようなタイプではなかったという。

高校で始めた弓道が楽しかったことに加え、進学した大学が弓道の強豪校だったこともあり「本気で取り組んでみよう」と弓道部に入部した。

得野 「学生時代はとにかく弓道中心の毎日でした。とある先輩から言われていた『努力の価値を示すために勝ちにこだわる』という台詞にとても共感したのを覚えています。今にして思えばまだまだ甘かったですが、当時は本当に一生懸命で、それこそ1年のうち330日くらい練習していましたね」

弓道に没頭し充実した日々を過ごした大学時代だったが、本人の性格はあまり変わることはなく、やはり表に立って皆を引っ張るというよりは「主将や副将に対して脇から意見を言うような部員」だった。そんな得野の転機は卒業後の生活用品メーカーへの就職にあった。

得野 「意思決定が早く、環境の変化に対応するスピードも早いという話を聞き、ポジティブなイメージを抱きました。私にとってそうしたスピード感や、やる気のある人間にはどんどん仕事を任せるという話も魅力的だったんです」

入社後は営業、広報、生産企画、商品企画、マーケティングなどさまざまな部署を経験した得野。それぞれの部署で将来に役立つ学びがあったが、中でもマーケティング部門での経験が現在の価値観に強く影響したという。とくに当時の上司の存在が大きかった。

得野 「その上司からは『自分の考えを持つことと、それを主張することの大切さ、そして良い意味で尖らなければいけない』という考え方を学びました」

これは今でも得野の行動指針となっている。

マーケティングオートメーションに出会い医療事業への導入を先導

▲入社1年目で担当した医療事業部のWEB・IT環境整備の仕事が全社で評価され「ファインプレー賞」を受賞

家庭の事情もあって働く場所を関東に移したいと転職を決意。採用面接で面接官をしていた先輩社員の話が心に刺さりシグマックスに入社した。シグマックスでは医療事業部のマーケティング部門に配属され、病院やクリニックに対する営業活動の後方・側方支援や学会・展示活動を通じたプロモーション業務を担当することに。

得野 「まったくの異業種からの転職だったので、医療業界のある意味特殊なしくみや慣習は新鮮で驚きでした。ただ、そこにとらわれるのではなく、異業種からやってきた自分ならではの考え方、価値観で何か貢献できないかと考えていたんです。

最初のころは早く自分の存在感を社内にアピールしなきゃいけないという気持ちもあって、結構いろいろなことに挑戦していましたね。大幅に広告宣伝費を変更したり、新しい顧客フォローのルールをつくったり、Webサイトをあれこれ改修したり……。今にして思えば怖いもの知らずだったと思いますが、それをきちんと受け止めてくれた当時の上司には本当に感謝しています。」

結果として得野は入社1年目にしてその年の優秀社員のひとりとして認められ、社内で表彰されることに。「まったくの予想外だった」がこれが自信につながった。

2年目以降、よりWebマーケティングの業務を中心に担当することになった得野はそれからの自身のキャリアの転機となるマーケティングオートメーション(MA)ツール※と出会う。

得野 「当時から業界は違ってもマーケティングとしての根本は共通しているはずという認識はあったので『いかに効率的に採用決定権のあるドクターにたどり着き、最短の経路で効果的に採用を獲得するか?』ということを考えていました。そんなときに上司がMAツールに興味を持ち私も情報収集するようになったんです。」

上司は決して安くはないMAツール導入の社内稟議をしっかり通してくれた。その後、組織への実際の導入、浸透については得野がメインで担当することになった。そして努力が実を結び2016年にMAツールの導入が完了。導入の目的は営業活動の効率化や生産性の向上にあった。

医療事業部の主な顧客は医師で多忙なため面会が難しい。従来は病院の待合室で診療の終わりを待って面会するのが主流だったが、セキュリティの観点や医療従事者側の働き方改革もあり難易度が高まっていた。こうした変化が起きる中で、営業は自社製品の採用(売上)も効率も上げていかなければならない。

医療業界においても、見込み客の獲得や育成をオンライン上で行う=MAツールを活用する時代がそう遠くない未来に必ず訪れると得野は考えた。

得野 「情報提供をオンラインで行い、ホットなリード(見込み客)を育成し、それを狙って営業がアプローチをすることで、効率を上げられるんじゃないかという狙いです。医療業界の中でも当社は比較的早期に着手した方だと思います」

導入後は全国の営業マンへMAツールのしくみや活用方法の周知・浸透に奔走。その一方で、コンテンツの制作やMAを使いこなすための勉強に打ち込む日々が続いた。

得野 「いきなり営業活動を変えられるわけもなく、とにかくまずはMAが役立つツールだと知ってもらうために、目に見える変化、成果が必要だと思いました。MA本来の目的とは少しずれてしまいますが、当社で開催しているセミナーの集客から登録、アフターフォローまでMAを使い効率化したのはひとつ大きかったと思います。

このあたりからMAに対しての社内の認知度も上がり、営業の方から『MA使ってこんなことしたいんだけど』という相談を受けることも増えてきました」

※マーケティング活動の作業プロセスを自動化・効率化するツール(定義は複数あり)。

経営企画室で取り組む新たな課題

▲新しいツールの定着にあたり社内のさまざまな課題を抽出し一つひとつ解決していった

その後、2019年に経営企画室に異動。ちょうどそのころ新たにSalesforce導入の話が進んでいたこともあり、異動後すぐに得野も導入プロジェクトに関わることになった。

得野 「ミッションはSalesforce、Chatterを使って社内の情報を集約し、コミュニケーションをオープンにすることでした。そのため、当社では営業だけではなく内勤社員にもアカウントを持たせています。内勤部門でもお客様と面談をすることは当然あるので、その活動をちゃんと記録することでノウハウやナレッジを残していくんです」

社員に導入の意図を伝えることと並行して使い方を社内に浸透させることも率先して行い、ここではMAツールの導入での経験を活かしプロジェクトを進めることができた。

得野 「まずは使ってもらわないと始まらないので、どうしようかなといろいろ考えました。2、3分くらいの短い説明動画をつくって配信したり、定期的になんでも質問OKの操作説明会を実施したり。そういうことをしながら、ちょっとずつですが、Salesforceの使い方を広めていきました。

でもMAを導入したときと同じで、これが便利だとわかると後は早かったですね。いち早くそこに気づいた人たちが自分の代わりにどんどん使いこなしていってくれたのでとても頼もしかったです。

導入して1年経った段階での社内アンケートでは『社内の風通しが良くなった』という声がありました。とくにサテライトオフィスの方からは『これまで本社の人が何をやってるのかよくわからなかったけど、だいぶわかるようになった』というコメントをもらえたんです。これは素直に嬉しかったですね」

今後の課題について得野は、コミュニケーションの場をSalesforceに移すことで社員の生産性向上や業務の効率化につなげられるよう工夫を凝らしていきたいと話す。

得野 「ちゃんと使えている人とそうでない人の間にはまだ差があるので、しっかり底上げをしていきたいと思っています。また、今は部署内のコミュニケーションがメインの使い方になっているんですが、今後はもう一段上の使い方として、部署の垣根を超えたコミュニケーションツールとしての活用を促進していきたいですね。

部署をまたいで進捗しているプロジェクトや、全社的に取り組んでいるテーマなどに関する情報がSalesforceに集まって、皆がそこで情報を共有できるようになれば最高だなと思っています」

大事な報連相とこれからの抱負

▲新しいことへのチャレンジは「常に楽しい」と語る得野

経営企画という部署の特性上、仕事を進める上ではとくに「報連相」を重視しているという。

得野 「社会人になりたてのころに報連相のイロハを叩き込まれたこともあってか報告、連絡、相談をしようという意識は強いほうだと思います。上司や後輩、関連各所ともうまく仕事が回せるように常に気をつけていますね。

経営企画室という部署の仕事柄、自分ひとりで完結する仕事がほとんどないので、自部署以外のメンバーにお願いする業務については、漏れのないよう共有を徹底しています。決して報連相が得意というわけではなく、むしろ苦手だからこそ人よりも注意して取り組んでいるという感じですね。周りからすればちょっとしつこいくらいかもしれません(苦笑)。ここは今後の改善点ですね」

はじめから医療やスポーツに強い興味があったわけでもない得野だが、シグマックスでやりがいをもって働けている理由についてこう続ける。

得野 「当社の良いところは、子どもからお年寄りまで、人の一生に関わる仕事をしている点です。“身体活動支援業“と言っていますが、いくつになっても自分の身体を自分の思い通りに動かせることって『生きる』上ではものすごく大切なことです。

体がうまく動かなくて困っている人が歩けるようになったり、怪我をしていたけれどスポーツができるようになったりと、そうした困った人たちの役に立てることに私はものすごく共感していますし、やりがいを感じています。

時々『新しいことをやってて大変だね』と言われることもあるんですが、あまり大変だとは思っていなくて……。新しいことと言っても、完全にゼロから始めるケースってほとんどないと思います。

何かしら似たようなことはすでにやられていることもあるので、人に話を聞いたり、調べたりしていると、なんとかなることが多いですね。とくにシグマックスのメンバーはみんなちゃんと目を見て話を聞いてくれるので、相談もしやすいんです」

直近では、新規ビジネス検討のプロジェクトにも関わっている。

得野 「まさか自分がメンバーとして選ばれるとは思っていなかったので驚きました。これまで以上に新しいことへのチャレンジになるので、結構緊張しています。でも同時にワクワク感も強いですね。

入社して気づけば5年。もうベテランの仲間入りをしたなと思っています。これまでは教えてもらう立場が多かったのですが、これからは私が教えることも増えていく、増やしていかないといけないと感じています。とくにこのプロジェクトでは私より若い社員もいるので、しっかりしないといけないですね。自分が助けてもらった分、ちゃんと助けてあげたいです」

程よく「尖る」ことを忘れず、周囲のバランスをとり物事を進める得野のところには、今日も社内のさまざまな方面から質問や相談が寄せられている。