セールスというよりパートナー。豊富な知識で信頼を得る

▲運動器エコーとの出会いが成長のきっかけになったという山藤

山藤 「現在の主な仕事は整形外科への営業です。整形外科は骨折・捻挫といった外傷系の疾患、腰痛症・変形性関節症などの慢性疾患をメインに診療する科目。当社の製品はたとえば腰痛の際に使用する腰部固定帯、肋骨を骨折したときに使う胸部固定帯、手首・膝などに使う各種サポーター、骨折などで強固な固定が必要な際のギプス関連製品で、これらを病院の整形外科や、整形外科クリニックに提案する活動を担当しています」

さまざまな製品を取り扱う中で、思い入れのある製品は「運動器エコー」。これは整形外科での普及に関して日本シグマックスが重要な役割を担った製品の一つです。 

山藤 「昨年まで2年間、運動器エコーを専門で担当する部門に所属し、販促と啓発の活動に従事していました。運動器エコーは『整形外科医の新たな武器』と言われることもある、近年とても注目されている診断装置。整形外科で使用される一般的な診断装置はレントゲンですが、レントゲンで確認できるのは骨の様子。骨折など骨に起きている異常はレントゲンで確認できますが、たとえば捻挫をした際に傷めているかもしれない靭帯の様子はレントゲンで見ることは出来ません。 

しかし、エコーであれば、骨以外の軟骨・筋・腱・靭帯・神経といった組織まで観察することができます。しかも被爆のリスクもないため何度も確認できる、リアルタイムで画像を確認できるため患部を動かしながら観察することができる、などたくさんのメリットがあります。

エコー装置の整形外科での普及は歴史的に見ると比較的近年になってからです。 エコー装置の性能が向上し、整形外科が対象とする組織の描出にも対応できるようになったことで一部のドクターが先駆者として利用し始めたのが十数年前。当社はこうした先生方と一緒に整形外科でのエコー装置活用(運動器エコー)の啓発・普及活動を進めてきました。

全国各地でのセミナー・講習会や学術集会でのセミナー活動などを長年続けてきた結果、今では多くの整形外科医のみなさんに運動器エコーを活用していただけるようになりました。私がシグマックスに入社した数年前から比べても、整形外科で運動器エコーの活用が非常に広がったことを感じます。現在当社では、さらにリハビリテーションの領域でもこの運動器エコーを普及・活用していただくための活動を展開しています」

運動器エコーの啓発・普及活動をする中で嬉しかったことは、ドクターからの質問や相談が増え、信頼を寄せていただけたことだと語ります。 

山藤 「運動器エコーを先駆者として導入されていた先生方はとても知識が豊富で高い技術をお持ちでした。一方エコーを使ったことのない先生方にとっては、エコー像(超音波の反響として映し出される) の見方と解釈やその癖、機器そのものの操作方法に不慣れというハードルがありました。こうしたエコー未経験の先生方に機器の説明をし導入していただくためには、私たちメーカー社員もそれを習得する必要がありましたが、必要な知識や技術については先駆者の先生方から丁寧にレクチャーしていただくことができました。

当社は企業なのでエコー装置を採用していただくことが目標となりますが、先生方も整形外科の診療の質を向上させることができる運動器エコーを普及させるため、私たち企業の活動に惜しみない協力をいただけたのです。 

普段の営業活動において医学的な情報については私たちメーカー社員よりドクターの方が圧倒的に知識豊富です。一方運動器エコーに関しては、先駆者の先生方から豊富な知識・情報を得られているという背景もあり、私たちからお伝えできる情報がとても多いのです。

セミナーに参加された先生のご質問にお答えしたり、説明差し上げるととても感謝していただけます。製品の納入後も様々なフォローで頼っていただいたり、セールスというよりもパートナーという感覚で仕事をさせてもらってます」

成果の秘訣は、“誰よりも動く”こと

▲小学4年~大学まではサッカーに熱中。医療とは無縁だった

そんな山藤の出身は医療とは無縁の法学部。スポーツ関連の仕事に就きたい、という想いが入社のきっかけでした。 

山藤 「小学4年生からサッカーをはじめて以来、ずっとサッカーに熱中していました。スポーツや運動に関する仕事がしたいと思って、日本シグマックスに入社したんです」 

入社後医療事業部に配属となり、医療関係の知識はゼロからのスタートだった山藤。入社後の研修で基礎知識やスキルを身につけていきました。 

山藤 「入社直後の研修で、必要な知識は一通り学ぶことができました。それを何回も見返して自分の知識として蓄え、さらに仕事で日々製品に触れながら学習していく形ですね。個人の努力はもちろん必要ですが、研修がしっかりしているので不安はなかったです」

最初の配属先となったのは東日本営業所。1年半は仕事に対する手応えや納得のいくような成果が出せず苦労をしたものの、先輩から「まずは誰よりも行動する」ということを教わってから、結果が変わっていったと振り返ります。 

山藤 「特に意識したのは訪問件数ですね。1日で多くの先生に面会する。とにかく打席に立ち、接点を増やそうと決めました。ただ、お忙しい先生と会うためには、がむしゃらにやってもうまくいきません。平日なら午前中の診療後、休憩時間前が先生と会えるひとつのタイミング。

たとえば、地域のクリニックによって診療時間は少しずつ異なります。情報収集をして綿密にその時間を計算しながら訪問することで、先生と面会する回数を引き上げていきました。また、大病院では朝・夜にカンファレンス(先生方のミーティング)があるので、そのタイミングも積極的に活用しました。会いたい先生がどのように行動しているかを把握した上で、地道な行動を重ね続けることで、自分の納得できる成果に近づいていったんです」

成果にも手ごたえを感じていた3年目。「運動器エコー」販促に専門的に取り組む機会が来ました。 

山藤 「運動器エコーの販促についてはエリアをまたいで専門的に活動するチームと、担当エリアで見込み顧客を増やしていく活動をするメンバーで役割が分かれていて、私は後者を担当していましたが、入社3年目に運動器エコー専門チームとして活動する機会が来ました。

早速先駆者ドクターのお一人のところで知識・技術のトレーニングを受けさせてもらい、運動器エコーの魅力を実感しました。ちょうど、運動器エコーの普及が一気に加速する時期で、すでに専門チームとして活動し製品に精通していた先輩社員から話を聞いたり、会社にある専門書を読んだり、率先して勉強して運動器エコーに関する知識を高めました」

運動器エコー販促の専門チームへ。新しいコンセプトの製品を広める活動に参加

▲運動器エコーのWEBセミナーの様子 実技の補助役も担いつつ100人規模のセミナー運営も担当

若手メンバーの中での適性が認められ、運動器エコー販促の専門チームに配属となった山藤。さらに自社開発のポケットエコーの普及というテーマにも取り組みました。 

山藤 「それまではエコーメーカー数社から委託を受けて整形外科領域への販促活動を展開するスタイルでしたが、2019年は当社で自社開発した『ポケットエコー miruco』に運動器用の製品が追加発売されるということもあり、運動器エコー販促チームの強化が行われ私も配属となりました。 

ポケットエコーmirucoは導入しやすい価格帯、軽量で簡単な操作性、タブレットに保存したデータをWi-Fiですぐに共有できるといった特徴があります。その魅力を広めるために、通常の営業活動にプラスしてポケットエコーに特化したセミナーなども開催しました」

コロナ禍で、対面でのコミュニケーションが難しくなってからも、セミナー活動についてはWEBセミナーに形を変えて続けていきました。山藤も自身が主体となって開催したWEBセミナーが深く印象に残っているといいます。 

山藤 「ふたりの講師に登壇していただくセミナーの開催を、私がメインで担当することになりました。それまでは先輩たちのサポートという立場だったので、初めての主担当にとても緊張しましたね。講師となる先生方と連絡をとり、打ち合わせを重ね、もちろんリハーサルもして。セミナーはハンズオン(製品を用いた手技の実演)形式で一人の講師の実演をライブ配信しながら、別の講師に解説していただくものだったので、機材のセッティングや各種の環境確認も重要でした。 

すべて滞りなく進めるのは大変でしたが、100人近くの方がオンラインで参加してくださり、そこからの反響もいただけたので嬉しかったです」

こうしたセミナーの準備・運営に加え、各地でのポケットエコーのデモ案件のフォロー・サポートなどを多岐にわたり担当するようになった山藤。各エリアで運動器エコーの普及に取り組むドクターともセミナーを企画したり、スポーツ領域での運動器エコーの導入相談に協力するなど、社外での関係構築にも尽力しました。 

山藤 「とあるスポーツ競技の医科学分野で重鎮と呼ばれているようなドクターや、各分野で権威のある先生方との信頼関係が構築できているのは、私自身が成長できたあらわれのひとつだと感じています。

どの先生方とも最初は製品の紹介依頼を受けて、デモンストレーションを行なったり、参考となる資料や事例を紹介させていただくといった一般的なコミュニケーションがスタートです。ただ、お会いする回数が重なるうちに先生との距離も縮まり、何かあったら些細なことでも私に電話をかけていただけることが増えてきました。

毎回お会いする際の私の姿勢や行動が、こうした先生方の信頼に値すると感じていただけているのだと思うと、とてもモチベーションが上がります」

身につけた知識と経験を次のステージへ

▲信頼を勝ち取るための地道な努力を惜しまない山藤 これからも成長の階段を上り続ける

営業という職種ながら、新型コロナウイルス感染症流行の影響で対面で顔を合わせる機会は減っています。しかし工夫を凝らすことで、より良い関係性になれるのだと山藤は語ります。 

山藤 「先生方との連絡頻度はむしろ高くなりました。基本的にはメールでご連絡しているのですが、LINE、FacebookなどSNSを幅広く活用したやり取りも増えましたね。対面でお話できない分、さまざまなツールを用いてコミュニケーションをとるようにしているんです」 

訪問の機会は、情報提供の機会。その時間が失われることがないように、山藤は各種のツールを活用して、直接会っているときと変わらない信頼関係を構築しています。 

山藤 「先生方は皆さんお忙しいので、私たちからの情報提供に感謝されることが多いです。ある用途に使える製品を探しているとご相談を受けた際には、それが当社のものではなくてもマッチする他社製品をご紹介したり、他でお会いした先生から伺った情報が参考になりそうであればその先生の見解をお伝えしたり。そういった情報提供をさせていただくと、とても喜んでいただけます。その点は対面でもオンラインでも変わりません」

山藤が心がけているのは、訪問回数を意識していたときと変わらない、接点の数です。

コミュニケーションの割合が大きくオンラインに移行した今では「マメな連絡」をとても大切にしています。 

山藤 「先生の依頼ごとに迅速に対応する、レスポンスの速さを重視しています。私はもともとマメな連絡が得意なので、その性格も業務に活きているかもしれません。先生の趣味や近況などもチェックしながら、コミュニケーションのきっかけにしています」

知識が豊富で権威ある先生と話すことは、最初はハードルが高いもの。山藤は今までの経験を糧に、自信を持って営業を行なっています。 

山藤 「運動器エコーの知識を身につけたことは、私にとって大きな武器です。先生方と話しやすくなり、先生から見た私の印象も変化があったと思います」 

西日本営業所に異動となり、今年で2年目。武器である運動器エコーの知識を活かしながら、幅広く活躍の場を広げることを目指しています。 

山藤 「直近の目標は、運動器エコーの販促チームで経験したことを活かしてセミナーを開催するなど、自分発信で現在の営業所にも運動器エコーの知識やセミナー運営方法を浸透させていきたいと思っています。そして近い将来、運動器エコーだけではなく、ほかの製品にもそのノウハウを波及させたいです」

地道な努力の積み重ねで、先生からの信頼を勝ち得た山藤。頼られることにやりがいを感じながら、今日も新しい知識を習得し成長の階段を上り続けます。