正しさを、自己満足で終わらせない。「正義」を「力」へ昇華させるための思考回路
メーカー営業を経て、形のない「介在価値」を追求するために人材紹介の世界へ飛び込んだ安部。彼がタイズで示し続けているのは、顧客にとっての「正しいこと」を貫くことが、結果として最大の成果を生むという確信だ。
「正義とは、お客さまにとって正しいことを追求すること。力とは、市場やお客さまへの影響力、つまり結果を出すことです。この二つは、どちらかが欠けてもいけません。正義だけでは自己満足ですし、力だけではただの数字の追求になってしまいます。私は、100%の正義を全うしようと動き続ければ、結果として『力』は後からついてくるものだと信じています」
2020年5月、コロナ禍での入社直後に安部が向き合ったのは、ゼロからの新規開拓だった。毎日ひたすら企業をリサーチし、泥臭くアプローチを続ける日々。しかし、その過酷な状況こそが、彼の価値観を磨き上げる契機となった。
「当時はとにかくやるしかなかった。でも、その時期に0から1を作る経験をしたことが、今の私の基盤になっています。初めて成約に至ったのは、ある企業の製造現場を支える重要なポジションでした。がむしゃらにお客さまの課題に向き合い、価値を発揮できたあの瞬間の喜びは、今も忘れられません。誠実なプロセスの先にこそ、本物の実績が在るのだと学びました」
安部は、実績を単なる「数字」とは捉えない。それは顧客から預かった信頼の積み重ねであり、介在した証であると考えている。その視線は常に、目の前の顧客への誠実な向き合い方に注がれている。
「人間は弱い生き物ですから、時に実績だけを追い、プロセスの誠実さを疎かにしたくなるかもしれません。でも、人材紹介の本当の面白さは、お客様に喜んでもらうためのプロセスにこだわることにあります。誰に対しても胸を張れる『いい仕事』を積み上げることが、最終的に自分を大きな『力』へと導いてくれる。それこそが、この仕事の本質的な価値だと思っています」
成果は「偶然」か「狙い通り」か。再現性を組織全体に広げるマネジメント
拠点の責任者として安部が徹底しているのは、メンバーの「結果」ではなく「プロセス」の質を問うことだ。成約という一つの事象の裏側にある、本人の思考や工夫をデータから読み解き、価値を見出していく。
「売上が上がったこと自体は素晴らしいですが、それが偶然なのか、狙い通りなのかで、その後の再現性は大きく変わります。私は、メンバーがどんな情報を掴み、どう周囲を巻き込んでマッチングを成功させたのかを細かく見に行きます。具体的に価値を発揮したポイントを賞賛することで、本人の気づきを促し、自走できるサイクルを作りたいんです」
仕事中は真摯な姿勢を見せる一方で、デスクを離れれば周囲に気を配り、場を和ませる。その人間味もまた、安部がメンバーから厚い信頼を寄せられる理由の一つだろう。
「私自身、ベースとしては前向きに、楽しさを見出しながら仕事に向き合いたいと考えています。私たちが活き活きと働いていなければ、お客さまに良い提案などできないからです。東海ユニットは特に距離が近く、若手もベテランも率直に意見を交わせる環境です。迷った時は『お客さまのためになるのはどっちだ?』と原点に立ち返る。そんな文化を組織全体に根付かせたいですね」
安部は、自分自身のアップデートも欠かさない。マネジメントと現場の最前線を両立させるなかで、限られた時間でいかに高い価値を生むかという「生産性」の向上に、常に高い関心を寄せている。
「立場が変わっても、現場の感覚を忘れてはいけないと思っています。スカウトを送るにしても、どうすればより高い精度で求職者の心に響くか、常に課題を課して試行錯誤しています。難解な問いに最適解を見出すように、改善を積み重ね、それが狙い通りの結果に繋がった瞬間に手応えを感じる。そうした実直な姿勢を見せることが、組織全体の基準を引き上げることになると信じています」
アウェーで勝機を掴む「一次情報」の重み。情報の解像度が市場の勢力図を塗り替える
関西で圧倒的なシェアを誇るタイズにとって、東海や関東はまだ開拓の余地が大きい市場だ。競合がひしめく巨大なマーケットに対し、実績も知名度も不十分な状況から、安部は「マインドシェアの獲得」こそが唯一の戦略だと語る。
「競争の激しい市場では、マニュアル通りの営業では通用しません。だからこそ、私たちは一次情報にこだわります。Web会議で済ませるのではなく、あえて対面で会いに行き、工場の空気を感じ、人事や部門の担当者が何を考えているのかを理解する。深く入り込むことでしか得られない生の声こそが、私たちの最大の武器になるんです」
競合他社が効率を重視するなか、泥臭く顧客の懐へ飛び込む。2025年に立ち上げた東海市場では、その一歩一歩の積み重ねが、着実に大手メーカーからの信頼へと形を変え始めている。
「最近、ある大手メーカーの方から『タイズさんは他社と比較しても一番の評価です』と言っていただけました。実績がまだ少なくとも、目の前のお客さまの課題に真摯に向き合い、精度高くマッチングし続ける。そうして獲得した信頼が、必然的に実績へと転換していく。その確かな手応えを、東海での1年間で強く感じることができました」
2026年4月からは拠点営業部 部長として、東海に加えて、関東ユニットも管掌する。膨大な求人と競合が混在するなかで、安部は「顧客との接点」を最大化し、着実な勝利を狙う。
「関東は市場が巨大な分、現場の情報を誰よりも早く、深く取りに行く必要があります。バイネームで『タイズの○○に相談したい』と言われる世界を、東海と関東の両方で実現したい。後発だからといって臆することはありません。お客さまに喜んでもらうことを突き詰めていけば、必ず道は拓けると確信しています」
誠実さを「力」に変える。東海・関東から「メーカーの人事部」へ進化する未来
タイズが描く未来図は、単なる人材紹介会社に留まらない。メーカーの採用課題を根底から解決し、日本の製造業のさらなる発展を支える「人事部」のようなパートナーへと進化することを目指している。
「私たちの仕事は、転職という人生の大きな分岐点に立ち会う責任あるものです。一人ひとりが適材適所で活躍できる縁を作ることは、日本経済を支えるメーカーの活性化に直結します。人材紹介という枠を超えて、お客さまの成長を人事の側面から支え抜く。そんな大きな介在価値を、自分たちの手で生み出していく。それこそが、私たちの使命です」
数字を追うばかりで「顧客への誠実さ」を見失いそうになっている人たちへ、安部は自身の経験を通じて伝えたいことがある。
「この仕事は本当に真っ当で、面白い。そう胸を張って言える仲間を増やしたいですね。自分が介在することで、お客さまの事業が動き、一人の人生が輝き出す。その醍醐味を知れば、自ずと『もっといい仕事をしたい』という欲求が湧いてくるはずです。難しい局面もありますが、それを乗り越えて得られる成長は、何物にも代えがたいものがあります」
安部が見据えるのは、東海・関東でのシェア拡大の先にある、日本のものづくりがさらに進化していく未来だ。彼が進む道には常に「正義」があり、その軌跡が新たな「力」となって、業界の常識を塗り替えていく。
「数年後には、東海でもトップクラスのシェアを獲り、関東でも『タイズがいなければ製造業の採用は回らない』と言われる存在になりたい。お客さまのために何ができるかを考え抜き、行動し続ける。そんな情熱を持ったメンバーと共に、日本のメーカー業界に新たな風を吹き込み、未来を切り拓いていきたいと思っています」
※記載内容は2026年4月時点のものです
