未知なる環境へ飛び込む覚悟。異業界から選んだ成長への道
大学で農学を学んだ後、 地方創生事業に力を入れる企業に新卒入社し、ホテル運営に携わっていた藤巻。エグゼクティブ層に向けた接客から予約管理、販促まで幅広く手掛け、ビジネスの基礎を培っていた。
「高単価なホテルでお客さまの期待を超える関わりを提供する仕事には、 大きなやりがいを感じていました。ただ、年数を重ねる中で組織の形が変わり、みんなで良いホテルを作ろう。顧客へ最高の価値を提供しよう。という一体感や熱量が薄れていく感覚があって。『このままでいいのか?』と自身のキャリアについて考える機会が増えていきました」
現状への停滞感から転職を決意した藤巻が目指したのは、新卒時代にも関心を寄せていた人材領域だった。
「いろんな会社がある中で最終的にタイズを選んだのは、最も厳しそうで、最も成長できそうな環境だと感じたからでした。大手の優良企業と向き合い、業務領域も片面ではなく両面型で上流から下流まで一貫して担える点に自身のキャリアへの可能性を感じました」
その根底には、さらにもう一つの動機があった。
「実家が農家で、 いつか農業を引き継ぐ未来があると思っています。だから今使える時間は有限で、その中で最大限成長したい。 仮にいつか別のステージへ進む日が来たとしても、その時に自分が納得できるビジネスパーソンでありたい。どんな環境でも通用する力を身につけたいという想いがありました。ただ正直に言うと、自分は意志が弱いんですよ。成長したい気持ちはあっても、ぬるい環境に置かれたら多分サボってしまう。だから環境選びだけはちゃんとしようと決めていました。厳しい環境に身を置くことが、弱い自分を律する唯一の方法だと思っているので 」
自分の弱さを自覚した上で、それを補う手段として環境を選ぶ。その冷静な自己分析が、藤巻のキャリア選択の軸になっている。
「入社後は接客業からオフィスワークという異環境への適応に必死な日々でした。覚えることが多く手一杯な上、自己開示も得意でない自分に教育担当の先輩が掛けてくれた言葉が胸に残っています。
『まず社内で信頼されて初めて、社外のお客さまにも認められるんだよ』
そこから社内の細かい依頼や確認事項にも一つひとつ誠意を持って向き合い続け、『藤巻の進捗なら安心できる』『推薦してくれて嬉しい』と声をかけてもらえた時、ようやく確かな一歩を踏み出せた実感がありました」
「目の前の人に幸せになってほしい」。 前職の想いが武器に変わる
未経験からのスタートだったが、前職で培った姿勢がコンサルタントとしての核心に直結していった。
「前職では、ただ単にお客さまの言うことに寄り添うだけでは、自己満足のサービスで終わり、その先の真の満足や感動は生まれません。相手が言葉にしない本質的なニーズまで深く汲み取る姿勢を大切にしてきました」
タイズが追及する「ベストマッチング」は、単なる条件のすり合わせではない。求職者が入社した後にどう活躍し、企業にどんな変化をもたらすかまで考え抜くことが不可欠だ。藤巻はその難しさを、こう語る。
「人材ニーズが高まる今の売り手市場において、単に数をこなして目先の売上や成果数字を追うだけなら、決して難しくはないのかもしれません。しかし、数ある企業と数ある求職者の中では、企業が採用したい人物像も、1人1人のキャリアビジョンも、タイミングによってすべて違う。その全部を深く理解してマッチングしていくことに答えはありません。表面的にやろうと思えばできなくもないかもしれないけど、それでは本当の意味でお客さまに貢献したとは言えない」
藤巻が自分の介在価値を実感した場面がある。大阪拠点時代に担当した 、42歳の車載系生産技術者への支援だ。
「その方は大手メーカーと中小メーカーの2社で選考が進んでいて、通常であればそのまま知名度の高い大手に意思決定されるケースが多いと思うんです。ただ、話を深く聞いていくうちに、 『現場を泥臭く回って裁量を持って働きたい』というその方の本質的な軸が見えてきました。中小の方はまさにそれが叶う環境で、年収は大手の方が高かったんですが、その方の価値観を整理して一緒に考えた結果、中小メーカーへの入社が決まりました」
求職者自身が言語化できていなかった選択肢を引き出し、客観的な提案によって納得感のある意思決定に伴走する。それが藤巻の考えるプロとしての介在価値でありこの仕事のおもしろさだ。
「客観的な視点から『こういう選択肢もありますよ』と提案し、相手の気づきをサポートする。自分の介在によって可能性が広がったと感じる瞬間に、大きなやりがいを実感します。自分だからできた仕事というのは、確かにあると思っていて。そこに価値を感じるからこそ、妥協できないんですよね 」
「これだ」と挑んだ新天地。組織を育む中で得た「全体最適」の視座
関西で着実に実績を積んでいた藤巻が、東海拠点の立ち上げに名乗りを上げたのは2025年のことだった。
「厳しくチャレンジする環境で意思決定しようと決めているので、その話が来た時に『これだ』と迷わず手を挙げました。タイズへの転職を決めた時と同じように、立ち上げという挑戦的なフェーズに飛び込むことが、自分をさらに引き上げる道だと直感したんです 」
一時的な情熱や気合だけに頼るのではなく、立ち上げという無のフェーズだからこそ「議論を重ねて組織と文化を作っていくプロセス」を間近で学んでいった。
「チーフとして東海に来て、上司やメンバーと『どんな組織にしたいか』『お客さまにどう向き合うか』を当時から今でも週1回ほど話し合いながら、みんなで拠点を作ってきました。個人の気持ちだけに頼るんじゃなくて、定期的な振り返りを通して具体的な行動に落とし込み、仕組みとして根付かせていく。その方が、自分もチームもブレずに愚直に走り続けられると思いました」
新拠点の立ち上げと組織づくりに愚直に向き合い続けた藤巻。その積み重ねが評価され、チーフからサブマネージャーへと昇進した。組織を率いる立場になって、藤巻の視野は大きく広がった。
「以前は自分の成果や所属しているグループの達成に集中していましたが、今は拠点全体をどう活性化させるかという全体最適の頭を持てるようになりました。考える視点が増えたと感じています」
未経験から社内の信頼を築き、駆け上がってきた藤巻だからこそ、新しく加わったメンバーの育成やサポートにかける想いも人一倍強い。
「サブマネージャーとして新しいメンバーの育成にも関わる中で最も大切にしているのが、『言ったことはやり抜く』という姿勢です。社内からも社外からも信頼される人間の条件って、結局そこだと思っていて。あとは、メンバーそれぞれが『仕事が楽しい』と思える瞬間をいち早く作ってあげたい。自分が未経験から苦労してきたからこそ、その感覚に早く気づいてもらえるよう手助けしたいと思っています」
完璧じゃなくていい。弱さを知っているから、強くなれる
2023年の入社から現在までを振り返り、藤巻が最も大きな変化として挙げるのは「視野の広がりと視座の高まり」だ。
「BtoBの経験がない状態から、日本の産業を支える優良企業や多様な求職者さまと毎日のように対話する中で、ビジネスパーソンとしての視野が大きく広がっていく面白さを味わっています。いろんな会社がどんな技術力を持って、どう社会を支えているかを知ることができる。それだけで毎日が発見です 」
自分の課題や弱みを自覚し、環境によって自分を律し続けてきた藤巻。そのスタンスは今も変わらない。
「最初から完璧な人間なんていません。自分の課題から逃げずに成長できる環境を自ら選び、自分を律しながら行動し続けてきたその選択が、今の自分を作っていると思っています。できないことから逃げずに、成長できる場所に身を置き続ける。それが、 限界を作らない成長に繋がっているのだと感じます」
コンサルタントとしての腕を磨くだけにとどまらず、現在はサブマネージャーとして組織を支えながら、さらなる視座の高まりを見せている。
「まずは直近で入社したメンバーにこの仕事の面白さを実感してもらい、チーム全体の成果を最大化させたいです。将来的にはマネージャーとして、タイズの価値観を体現する強い組織を作っていきたいです」
そしてこの仕事を通じて一貫してきた想いも、入社前から変わっていない。
「ホテルにいた時も、今も、目の前の人に幸せになってほしいという気持ちは同じです。前職の経験で活きないものは何一つなかった。むしろ、あの時に培った『相手の期待を超えたい』という姿勢が、今の仕事の核心になっている。未経験だったことは、何の障壁にもならなかったと思っています」
未経験からここまでの道のりを歩んできた藤巻には、同じように迷っている人へ伝えたいことがある。
「弱くていいと思うんですよ。弱いことを知っているからこそ、環境を選べる。自分の課題と向き合って、それを補う場所に飛び込む覚悟さえあれば、あとはそこで誠実にやり続けるだけです。私にとってはタイズがそれができる場所です」
※記載内容は2026年8月時点のものです
