安住を捨てて選んだ「人」の領域。人材紹介という難問への挑戦
生命保険代理店での営業として安定した成果を出しながらも、中村は自身の現在地に静かな危機感を抱いていた。
「前職では個人向けに保険を提案していましたが、結果が出てくると、どこか仕事がパターン化している感覚がありました。ビジネスパーソンとしての成長が鈍化しているのではという危機感。一生プレイヤーで終わるのではなく、自分の価値を高められる場所へ行きたい。そう考えたとき、最も難易度が高くおもしろそうだと感じたのが人材紹介でした」
人材紹介は、企業と候補者という2者の意思決定を繋ぐ、きわめて複雑なビジネスだ。単なるマッチングではない、深い介在価値を求めての決断だった。
「保険営業は1対1の対面で完結しますが、人材紹介はそうはいかない。意思決定者は”企業”と”求職者”の2者がいて、お互いが相思相愛にならないと成立しない三角形のビジネスです。成約までの変数が非常に多く、その中で我々は双方に情報提供を行い、その橋渡しをする必要がある。ビジネスの構造そのものが保険とはまったく異なり、ここなら私が求めていた成長の糧がある、そう感じて転職を決意しました」
お客様一人の意思決定で完結する営業から、企業と個人という2者の意思決定を繋ぐビジネスへ。その難しさを紐解く過程で、彼は人材紹介という仕事の本質を、一歩ずつ確実に掴み取っていくことになる。
「予想通り、最初は苦労しましたね。求職者さまはバックグラウンドも不安要素も十人十色で、本音を引き出し信頼を得るための深い対人スキルが求められました。また企業に対しても、当初は会社と会社の関係のような形で接してしまっていましたが、結局は人事担当者も一人の人間。人として向き合い、タイズが介在する価値を泥臭く伝え続けることでしか、真の信頼は築けない。その本質にたどり着くまでは時間は要しましたが、だからこそ確かな手応えを感じていました」
顧客志向を合理的に極める。タイズが勝ち続ける「当たり前」の質
中村にとって、人材紹介への転身は新たな「難問」への挑戦だった。特に、企業と求職者の間に立つというビジネス構造の複雑さは、想像以上に奥深いものだったという。
「入社当初は、とくに企業側へのアプローチに1年半ほど苦労しました。扱う情報の幅広さや、マッチングに至るまでの変数の多さなど、人材紹介という仕事の難易度は想像以上でしたね。行き詰まっていた私に、当時の上司は『ここまでやるか』というほど徹底した準備と顧客への姿勢を教えてくれました。同僚ともリアルタイムで密に連携することが、支援に直結することを肌で感じた時期でした」
彼にとって「仲間」とは社内のメンバーだけに留まらない。企業の人事担当者もまた、共に採用成功をめざすパートナーであり、同じ目標を追いかける「仲間」であると考えている。
「人事を『お客さま』という線引きで捉えてしまうと、どこか仕事をいただくという『待ち』の姿勢になりがちです。でも、本来は企業の採用計画を共に達成する協力者であり、対等なパートナーのはず。だからこそ、自分自身が『1言えば10理解し、スピード感を持ってやり遂げる人』であり続ける。それが人事の方と一緒に成果を出すための絶対条件だと考えています。社内とお客さまの両方に対して『仲間と共に』の精神で向き合ってきました」
一人の限界を知った中村がのめり込んだのが、企業と求職者の双方を一人で担当する「両面型」というスタイルだ。情報の非対称性をなくし、自らの手でマッチングを完結させるプロセスに、彼はかつてない手応えを感じていく。
「両面型の面白さは、企業と候補者どちらの魅力も直接見聞きできたり、成約した時の喜びの声を双方からいただけることです。企業から得た一次情報を自分の言葉で候補者に伝え、逆に人事に対しても、候補者の魅力を直接提案できる。この一気通貫の関わりがあるからこそ、『あの人ならこう思うだろうな』という感覚が手に取るように分かってくる。その深い介在価値こそが、この仕事の一番の醍醐味です」
顧客が本当に喜ぶ行動をとれば、自ずと実績はついてくる。タイズの行動指針(※)は、単なる理想論ではなく、個人の目標達成と顧客の幸福を合致させる、きわめて合理的な仕組みとして機能している。
「結局、お客さまに喜んでもらう行動がイコール自分の目標達成につながる構造になっている。だからこそ、組織が大きくなっても全員が同じ高い基準で動けるんです。数字や人数だけを追えば大事な価値を見失いますが、タイズは実績を出すためにお客さまに喜んでもらう要素を愚直に実行している。だからこそ、組織として大きくブレないのだと思います」
仲間と共に、強固な文化を紡ぐ。リーダーとして向き合う組織の質
2026年4月、中村は事業企画部 部長へと着任し、組織全体の戦略を描く新たなステージへと進む。これまで第1営業部を統括する中で、彼が何よりも重んじてきたのは、タイズの文化を体現する「人」の質だった。
「役職が上がり視座は変わっても、根底にあるスタンスは変わりません。プレイヤー時代に仲間に救われたように、今度は私が得た知見をメンバーへ還元し、彼らがチャンスを掴める土壌を作りたい。組織の拡大とは単に人数を増やすことではなく、困っている仲間に自然と手が差し伸べられるような、他者への深い関心を持つ文化を正しく継承していくことだと考えています」
一人の成果以上に、組織全体で高い価値を提供し続けるための「文化の継承」。中村がメンバーに説き続けてきたのは、小手先のスキルではなく、顧客との「信頼の総量」を増やすための姿勢だ。
「お客さまへの価値貢献は、採用成功だけに留まりません。定着支援やブランディング、要員計画の相談など、人事の課題は多岐にわたります。大切なのは、日頃から『何か一つでも有益な情報を持ち帰ってもらいたい』と、相手の期待を超える準備をサボらないこと。そうした積み重ねが『採用以外も中村さんに相談してみよう』という、真のパートナーとしての信頼につながっていくのです」
メンバーを指導する際、中村が判断基準として常に問いかけるのは、その行動が「お客さまのためになっているか」という一点だ。たとえ高い目標を掲げ、結果が伴わなかったとしても、プロセスにおいて一切の妥協を排し、改善し続ける姿勢。そこにこそプロとしての品格が宿る。
「『掲げた目標を達成できなかったら信頼を損なうのでは』と身構えてしまう人もいるかもしれません。しかし、企業が本当に評価してくださるのは、結果そのもの以上に、目標に対してどれだけ本気で向き合い、共に走り抜けてくれたかというプロセス。逃げずに高い目標にコミットし、お客さまと一体となって挑み続ける。その誠実な熱量こそがタイズの介在価値であり、私たちがこれからも体現し続けなければならない責任だと伝えています」
変わり続ける楽しさを、新しい仲間と。次なるスタンダードを創る舞台へ
タイズは今、エリア拡大や新規機能の構築など、大きな変革期にある。中村はこの状況を若手メンバーが自らの意志でキャリアを切り拓くための「最高のチャンス」と捉えている。
「組織が大きくなる今、マネジメントや新しい営業エリアへの挑戦など、チャンスは至る所にあります。若いうちから成長したい、頑張った分だけ評価されたい人や、自律的に動き、手を挙げ続ける人にとって、これほどおもしろい環境はないはずです」
未経験からこの世界に飛び込む人に対し、中村は「自ら考え、周囲を頼る」ことの重要性を説く。
「未経験から成長する人は、共通して『周りを頼る力』と『考える量』が圧倒的に多い。自分一人で解決しようとせず、周囲からどん欲に吸収し、それを自分の知恵に転換できるかが鍵になります。また、単に量をこなすだけでなく、そこから何を学ぶか。一回一回の商談を深く振り返り、そこから本質的な課題を抽出できる「思考の深さ」が、質の高い仕事へとつながっていきます」
中村が見据える未来は、人材紹介が「一度きりのマッチング」で終わらない世界だ。製造業の現場と深くつながり、日本の産業を支えるパートナーとして、タイズの存在感を高めていくこと。
「人材紹介は、一度成功したやり方が次も通用するとは限らない、非常に奥深くやりがいのある仕事です。正解がないからこそ面白い。その難しささえも楽しみながら、自らの知性を磨き続けられる仲間が必要です」
インタビューの最後、中村は穏やかながらも確信に満ちた表情で締めくくる。
「難しさを面白いと思える人は、この仕事にすごく合っていると思います。お客さまの喜びを自分のエネルギーに変え、仲間と共に高い壁を乗り越えていく。そんな当たり前の質を極めた集団であり続けたい。そこへの挑戦が、また、私たちと共に新しいタイズの歴史へ挑戦したいと思っていただける方との出会いが、今からとても楽しみです」
※タイズの行動指針について… 「正義と力」や「仲間と共に」など、顧客への誠実さと組織の成果を両立させる7つのValueを定義しています。これらは独自の「アナログマッチング®」を支える具体的な行動基準であり、全社員がこの指針を徹底することで、高い顧客満足度と実績を安定的に創出しています
※記載内容は2026年3月時点のものです
