AWS認定資格取得支援プロジェクト─全員合格をめざす学びの場
私は現在、テクノロジーコンサルティング事業部に所属し、クラウド基盤のコンサルティングから設計・構築まで幅広く担当しています。DXCには2025年8月に中途入社したばかりですが、前職でAWS人材育成に携わった経験を活かし、入社直後から「AWS認定資格取得支援プロジェクト」を立ち上げました。
この立ち上げの背景には、私自身の人材育成への強い思いがあります。私がクラウドエンジニアとして成長できたのは、多くの先輩方に支えていただいたおかげです。仲間がつながり、学びが循環し、互いを高め合う文化をつくることをDXCでも大切にしていきたいと思ったのです。
本プロジェクトでは、AWS資格保有者が講師となり、未経験者・初学者に向けて問題演習や解説を行う学習会として立ち上げました。単に解き方を教えるだけでなく、実案件で得た知見も交え、現場で役立つ実践力を身に付けられるよう意識しました。問題演習はディスカッション形式を採用し、「なぜその選択肢を選んだのか」を言語化することで、互いの理解を深めながら、自分の考えを伝える力も育てられる場になるよう工夫しました。
今回はプロジェクトの第1フェーズとして、受講メンバー全員が「AWS Certified Solution Architect – Associate」を取得することを目標に設定しました。1回1時間、週1〜2回のペースで約3カ月、全24回で約170問に取り組み、結果として全員が見事合格を果たしました!
参加メンバーは以下の5名です。AWS未経験者からベテランまで幅広く集まり、事業部を越えてメンバーがつながる「学びの場」が生まれました。
◆メンバー①:西畑
所属:テクノロジーコンサルティング事業部
AWS歴:約5年
AWS認定資格:AWS Certified Solution Architect - Associate、AWS Certified Solutions Architect – Professional
業務実績:AWS Lambda・Amazon DynamoDBを利用したクーポン発行サービスを構築・運用、AWS Organizationsを利用したアカウント管理基盤の構築・運用、製造業向けAWS基盤構築プロジェクトのプロジェクト管理
◆メンバー②:渋谷
所属:テクノロジーコンサルティング事業部
AWS歴:約1年
AWS認定資格:なし
業務実績 :AWS Step Functions、AWS Lambdaを活用した運用自動化案件の保守業務
◆メンバー③:金田
所属:テクノロジーコンサルティング事業部
AWS歴:未経験
AWS認定資格:なし
業務実績 :Microsoft Azure案件(IoT系)を中心とした構築業務
◆メンバー④:張
所属:クラウド&ITO本部
AWS歴:約3年
AWS認定資格:AWS Certified Cloud Practitioner
業務実績 :仮想化基盤の運用と運用自動化の開発
◆メンバー⑤:松田
所属:クラウド&ITO本部
AWS歴:6カ月
AWS認定資格: AWS Certified Cloud Practitioner
業務実績 :AWS基盤運用(アカウント保守、リソース払い出し、監視、障害対応)
仲間とつながり、学び合う文化をつくる――プロジェクト立ち上げの軌跡
私にとってDXCは3社目ですが、これまでクラウド領域、とくにAWSを中心に経験を積んできました。前職ではAWS人材育成にも携わっており、その経験も活かして「AWS認定資格取得支援プロジェクト」の立ち上げを提案しました。クラウドは日々進化し、個人で追いつき続けることが難しい領域です。だからこそ、一人で学ぶのではなく、仲間とつながり、互いに学び合う仕組みが必要だと考えています。このプロジェクトには、そうした「学びが循環する環境をつくる」という思いを込めました。
まず取り組んだのは、上司に提案するための学習会の企画概要と、社内に向けた周知用スライドの作成です。目的、ゴール、開催頻度など、必要な情報をシンプルに整理し、全体像がすぐに理解できるように意識しました。社内の類似取り組みを調べたところ、継続的な学習支援よりも、単発の対策講座が中心でした。そのため、「組織を横断しての人材育成文化の醸成」や「案件外での横の繋がりを構築できること」を明確な価値として伝えました。
上司の承認も得て、すぐにメンバーの募集を開始しました。週1〜2回の学習会を3カ月間継続できることが懸念でしたが、「主体的に参加し、必ず資格試験を受験する」という前提に共感したメンバーを募ることで、自然と前向きなメンバーが集まりました。結果、取り組みのペースもスムーズに定着していきました。
この学習会の開催ペースについては、受講メンバーにも感想を聞きました。
【渋谷】
これまでは、広大なAWSの知識に一人で向き合っている感覚が強く、1つ理解できてもそこで生まれる疑問を解消できず、知識が広がっていかないことが多くありました。でも、この会では平尾さんがその場で疑問に答えてくれるだけでなく、知識レベルが近い仲間が複数いることで、別の視点からの疑問にも触れることができ、学ぶこと自体がとても楽しく感じられました。こうした環境があったからこそ、“週1回では足りない!できることなら毎日でも参加したい!”と思い、週2回の開催にしてほしいと声をあげました。
【金田】
AWS未経験からのスタートでしたが、3カ月というスケジュールは業務と並行しながら学ぶには絶妙なペース設定だったと感じています。当初は「まず1カ月でCloud Practitionerレベルの基礎を固め、残り2カ月でSolution Architectレベルまで引き上げる」という段階的な学習計画をイメージしていました。実際、週1〜2回というペースは、セッション間に自習と復習の時間を確保でき、知識を定着させるのに十分な間隔でした。特に良かったのは、毎回のセッションで「次までにこれを理解しておこう」という具体的な目標が生まれ、それが自然と自習のモチベーションにつながったことです。もしこれが週3回以上のペースだったら、おそらく消化不良になっていたでしょうし、逆に月1〜2回では学習のリズムが途切れてしまったと思います。3カ月という期限があることで「ゴールから逆算して今何をすべきか」を常に意識でき、だらだらと先延ばしにせず集中して取り組めました。
【松田】
週2回というペースで学習を進められたことで、知識の定着がとてもよくできたと感じています。週1回の頻度だと、「先週どんな内容を学習したのだろう?」と記憶が薄れてしまうことがありますが、週2回であれば前回学んだ内容がまだ頭の中に鮮明に残っているため、理解をつなげながら取り組むことができました。その結果、学習内容が点ではなく線としてつながり、効率よく理解を深められたと思います。さらに、週末に自分自身で振り返りを行うことで、学んだ内容を整理し、あらためて確認する良い機会にもなりました。インプットとアウトプットのバランスが自然と生まれ、理解が一段と深まったように感じます。
全員合格の成果と、実務に現れた確かな変化
現在、このプロジェクトは第1フェーズを終えた段階です。約3カ月・全24回のセッションを実施し、受講メンバー全員が「AWS Certified Solution Architect – Associate」に合格するという成果を達成しました!
他にも、実務面でも明確な変化が生まれています。あるプロジェクトで、受講メンバーが未経験のAWSサービスを用いてメール送信機能を構築する必要がありましたが、資格学習を通して構成図やサービスの関係性を意識して思考する習慣が付いていたため、必要なサービスの選定から構築まで迷うことなく進められました。AWSの体系的な理解が進んだことで、お客さまへの説明や提案もより的確になり、自信を持って対応できるようになっていました。学習会をディスカッション形式にすることで、1人で黙々と学ぶよりも、仲間と学ぶことで高い学習効果が得られた結果だと強く感じています。 週2回という継続しやすいペースに加え、問題の解き方や考え方を言語化することで理解が深まり、知識の定着を促進できたと考えています。
この学習スタイルについては、受講メンバーにも感想を聞いてみました。
【西畑】
一人で問題を解くだけだと、どうしても「正解かどうか」という点だけに意識が向いてしまうと思うのですが、実際に言葉にして説明することにより、自分の考え方の流れや、理解が曖昧だった部分に気づくことができました。また、自分にはなかった発想やアプローチを知ることで、「こういう捉え方もあるのか」と新しい気づきが得られ、思考の幅が広がったように感じています。結果として、ただ正解を確認するだけではなく、理解が深まり、さまざまな視点を取り入れることができたことで、学びがより豊かになったと感じています。
【渋谷】
常に自分が思考していることを声に出しながら頭の中を整理できたためディスカッション形式はよかったです。問題を頭の中で解くだけだと記憶の定着が甘いのでその点も解決でき一石二鳥でした。また話している内容の中で誤りがあった場合は講師である平尾さんから指摘ももらえたのでその点も座学より良い点だと感じました。
【張】
ディスカッションを通じて、参加メンバーそれぞれが経験してきた実務プロジェクトの話を聞ける点に大きな価値を感じています。実際の議論の中では、どのようなプロジェクトがあったのか、どんなサービスや技術が使われているのか、どの部分が難しかったのかといった、現場のリアルな情報を知ることができます。このディスカッション形式の問題演習は、資格取得以上に多くの気づきと収穫があると感じました。
【松田】
ディスカッションを行ったことで、他のメンバーが持つ多様な視点や考え方に触れることができ、とても大きな学びを得ることができました。自分一人では思いつかないような意見やアプローチに触れるたびに、新たな気づきが生まれ、視野が広がったと感じています。また、同じ課題に対しても人によって重視するポイントや着眼点が異なることを知り、物事を多角的に捉えることの重要性をあらためて理解しました。このような機会を通じて得られた知見は、今後の学習や実務においても大いに役立つと感じています。
学びが循環する組織と、挑戦し続けられる社会をめざして
これからはプロジェクトの第2フェーズとして、より多くのメンバーが参加できるよう、AWS Solutions Architect – Associate(SAA)合格をめざす「Associate」チームと、AWS Solutions Architect – Professional(SAP)合格をめざす「Professional」の2チーム制へと拡張していく予定です。とくにAssociateチームでは、第1フェーズの合格者が講師を担当する計画を立てています。学んだ知識を教える側としてさらに磨き、学びが循環する仕組みづくりを進めるのです。
そのためにはまず、社内での認知度をさらに高め、参加したいと思ってくれるメンバーを増やすことが必要です。合格者を増やし、講師として活躍できるメンバーも育てることで、継続的に受講枠を拡大していきます。現状はSAAとSAPにフォーカスしていますが、将来的には他のAWS認定資格にも対応できるような体制に広げ、より多様な学習ニーズに応えられる仕組みづくりにも取り組んでいきたいと考えています。この取り組みを通して、知識や経験が特定のチームや個人に閉じず、互いに共有し合いながら成長を支え合える組織作りを目指したいです。双方向で学び合う文化が根付くことで、組織全体の技術力が着実に底上げされると考えています。
AWSに限らず、他のクラウド領域をはじめ、さまざまなITテクノロジーにおいても、共感や刺激を受けたメンバーが自主的に学習コミュニティを立ち上げ、自然と学びの循環が生まれる組織を作れたら良いと思っています。
また、こうした取り組みや成果を外部にも発信していくことで、DXCが「学び、挑戦し、成長できる環境」を大切にしていることを知っていただくきっかけになればと考えています。そして私たち自身も、技術者が知識やスキルを伸ばし続けられる会社であり続けたいと思っています。働く場そのものが学びの場になる――そんな社会の実現に向けて、まずは小さな実践を積み重ね、共有し続けていきたいと思います。
