お客様に寄り添った情報を届ける。その武器が“データ分析”
デジタル事業推進担当として経営戦略本部DX推進部に所属しているT。お中元やお歳暮、クリスマス、バレンタインなど、さまざまなイベントや催事に合わせ、お客様対してどのような内容のクーポンやメールマガジンを使った販促を行うべきか検討しています。
「私は販促チームに所属していて、チーム内には私を含めて4人のメンバーがいます。私の主な担当はクーポン施策です。実施したクーポン施策に対して、お客様の反応が良かったのか悪かったのか、その背景にどのような要因があったのかなどを分析しています。他のチームメンバーは、アフィリエイトやメールマガジンの作成を担当しており、記事の内容や配信するタイミングを検討しています」
クーポン施策に決まった手法はありません。一番ベーシックな方法といえば、前年通りのアプローチを取ること。しかしながら、Tが大切にしているのは、新たに分析した結果をもとに、根拠を持った企画を立てることだと言います。
「基本的には、売上高や、顧客の1年間の購入金額などのデータを分析しています。その結果を踏まえて、クーポンの配信タイミングを検討していきます」
以前は、今までの経験や過去の知見から、なんとなくの感覚で施策を進めてしまうことが少なくありませんでした。
「最近ではきちんとデータを見て、実際の状況を確かめることがとても大切だと実感しています。たとえば、この商品は最初の段階で売れるだろうと予測していても、実際は異なることも。データを通じて企画を考えることが重要なんです」
理系分野を活かしつつ好きなことを仕事にしたい。そのどちらも叶う場所が百貨店だった
大学時代は理系だったということもあり、分析や統計の経験を生かせる領域で活躍したいと考えていたと言います。そんなTが就職活動で軸としていたのは、自分が好きなものに関わるということと、さまざまな仕事に触れられる機会のある環境でした。
「農学部で水産系の勉強をしていましたが、趣味の延長みたいなもので、それを仕事にしようとは考えていませんでした。自分の好きなことを仕事にするのが、長く続けられる秘訣だろうと思っていたので、好きだった音楽や漫画など、エンタメに関わる仕事に絞って就職活動をしました」
大丸松坂屋百貨店が就職活動の候補に上がったのは、合同説明会の時のことでした。買い物も好きなもののひとつだったと語るTは、早速話を聞いてみようと思ったと続けます。
「当時、百貨店の仕事と聞いて思い浮かべたのは、バイヤーや販売員といったイメージでしたが、選考が進むにつれ、さまざまな職種の人とお話する機会があり、百貨店の業務が多岐にわたることを知りました。大学時代に学んできた分析や統計学を活かそうと思っていたところに、人事の方から『マーケティング担当の仕事もあるよ』と教えてもらったんです。
また、時計への熱い情熱を持つ人や、食べ物に深い知識を持つ人、特定の分野に特化した個性的な人がいることも知って、とても興味を惹かれたことを覚えています」
こうして、百貨店ならではのスペシャリストたちとの出会いを通じ、多彩な経験が得られるのではないかと入社を決めたT。入社直後は、インテリア・雑貨売場に配属され、販売を担当しました。
もともとマーケティングに関心を抱いていたTは、2020年からお得意様営業部(外商)に異動し、販促担当として、現在の業務にもつながるCRM(顧客関係管理)に関わることになります。
「その中で印象に残っている仕事は、これまでターゲットにしてこなかった若い女性に向けた催事イベントの招待状を、お客様に送付することでした。
私がターゲットの年齢に近かったこともあり、販促のターゲット層を決めるところから担当しました。招待状の枚数も限られていましたので、単純に年齢だけを見るのではなく、お客様の購入履歴などを含めたデータから分析し、来場の可能性の高いお客様を選定したリストを作成。アプローチに奮闘した結果、当初の目標通り、これまで催事には参加されていなかった若い年齢層のお客様にも、いい反応をいただくことができました。
はじめてターゲットを決定する段階から関わり、成功を収めたので、とくに思い出深い経験となりました」
データ分析を通じて、結束するチーム。個性を活かして新しい販促をめざす
1年間の外商での販促担当を経て、2021年にTは現在の本社経営戦略本部DX推進部デジタル事業推進担当へ異動します。異動した当初は売上分析は行われていましたが、顧客分析が進んでいない状態でした。そこでTは、お得意様営業部のころから培ってきた経験を発揮していきます。
「もともと何がどれだけ売れているのかは分析していましたが、具体的にどのようなお客様が買っているのか、そういった分析にまでは及んでいませんでした。私もまだ試行錯誤の段階ですが、1から販促チームと相談して、分析の手法を定めていく過程には、やりがいを感じています」
さらに詳しいお客様の動向をチェックするために数学的な分析の必要性を感じたTは、新しいアプローチとして、BIツール(ビジネス・インテリジェンス・ツール)を使った顧客分析や属性分析を導入しました。
「BIツールとは、企業が収集したさまざまなデータを分析・可視化し、経営や業務に活用するためのソフトウェアのことです。チーム内では『Tableau』というBIツールが主流だったのですが、それにプラスして『Spotfire』というツールを使い、観測したデータの分布と理論的な予測データの分布の一致を統計的に検証しています」
複数のツールを駆使することで、何が売れたかを単純に売上ベースで確認していただけだった部分が、「どのような顧客層が購買しているか」というようにお客様の視点で分析できるようになりました。これが大きな進化だとTは語ります。さらなる進化を求め、Tは月に2回ほど、データ分析の手法を学ぶための外部研修に参加しています。
「外部研修では、具体的な事例を通じて、データを活用するための手法を実践的に学んでいます。単に知識を得て終わるのではなく、学んだことをどのように業務に結びつけられるかということを意識しています。また、いろいろなツールの使い方を学び、実際に弊社の業務に適用できるかどうかということについても判断しています」
外部研修は参加者との情報交換の場にもなっています。
「活用できないと思っていたツールも、グループ内の他社の使用例を聞いて、活用できる方法を知ることもあります。まだまだいろんなことができるんだなということを、日々新しく発見できています。 部署に帰った時に何か活かせないかなということを考えるのは、すごく楽しいですね」
Tがそういった新しい情報を吸収する日々が、チーム全体にも変化をもたらしたと言います。
「これまではメンバーがバラバラに動くことが多かったのですが、私が分析をした結果を共有する機会を設けたいという思いもあり、チーム全員でのミーティングをたくさん行うようになりました。
チームメンバーには、販売員の経験を持つ人や店舗で企画に携わっていた人、システム畑にいた人など、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが集まっています。
それぞれの実務経験で培った多角的な視点と、私が学んできたデータ分析の視点を持ち寄りつつ、どんな方向性で販促を進めるのかチームで認識を統一していくことで、誰にとってもわかりやすい説明の入れ方や、分析結果に基づいた施策の細かな改善を行えるようになりました。これは最近になって変わったことだと思います」
個性豊かな人が集まっているからこそ、自分も自由にキャリアを考えられる
今後、販促を通じて挑戦したいビジョンがあるとTは言います。
「今までの販促方法では、クーポンやメールマガジンを多く配信すれば関心のある人にヒットするはずだと考えることが多かったのですが、それが本当にお客様のためになっているのか疑問に思うこともありました。
たとえばSNSのアルゴリズムのように、利用者の好みがどんどんおすすめとして表示され、気がつけば自分の見たいものしか目にすることがないというように、弊社のECサイトも進化していけたらいいなと思います」
顧客の行動分析を行い、個人のニーズに寄り添った販促をしていきたいと考えるT。その認識は、個人的な目標だけでなく、チーム全体が共有する目標でもあると語ります。
「チームの中でも、『お知らせが多いよね』という話はよくしています。ただ、具体的に何を減らすべきなのか、また、減らしたとしても、売り上げと流入に影響を及ぼさないポイントが明確にわかっていません。そうした問題をメンバー間で共有しながら、課題解決に取り組んでいきたいと考えています」
そんなTは、大丸松坂屋百貨店の魅力をこう話します。
「就職活動をしていたころから一貫して感じていますが、大丸松坂屋百貨店には、個性豊かでおもしろい人がたくさん集まっています。その中での交流はもちろん、社外のたくさんの人とも関わって、多様な仕事に携われることが魅力のひとつだと思います」
T自身、現在のデータ分析や販促以外の仕事に、新しく興味を持っている分野があるそう。
「最近、美術館に行くのにはまっていて、アート系の仕事にも興味があります。美術のバイヤーももちろんそうですし、アートのあるライフスタイルの発信を行うメディアを運営するチームもあるので、今後、仕事として関われるチャンスはあるだろうと思っています」
多様な可能性が秘められた大丸松坂屋百貨店は、「自分のやりたいことに、チャレンジができる場がある」と話すT。社員の挑戦心を受け入れ、サポートしてくれる環境の中で、これからもTは挑戦を続けていきます。
※ 記載内容は2023年8月時点のものです

