薬剤師の知見を経営に活かす。現場と経営、2つの視点を持つということ
木内が所属するのは、CHCPファーマシーの事業推進部。部内は「経営企画」と「プロフェッショナル薬剤師」の2つの機能に分かれており、木内は後者に属しています。プロフェッショナル薬剤師は約15名の薬剤師で構成され、全国のパートナー(投資先)薬局の経営支援をミッションとしています。
「CHCPグループには本当に多様なルーツを持つ薬局が集まっているので、仕事の進め方も考え方もさまざまです。それぞれの薬局がより効率的で質の高い医療サービスを提供できるよう、現場に深く入り込んで支援しています。その中で、私の役割は『プロフェッショナル薬剤師』と呼ばれています。
プロフェッショナル薬剤師は、一般的な薬剤師とは一線を画し、薬剤師としての高い専門性が求められます。一般的な薬局業務はもちろん、あらゆる診療科に対応できる幅広い知識と臨床スキルが活きる職種です。
私たちの業務は多岐にわたり、店舗応援に加え、グループ全体のルール策定や、店舗ラウンドによる課題抽出・改善提案、さらには経営そのものを担うメンバーもいます」
木内は現在、パートナー法人である株式会社フラントの執行役員として、経営の最前線に立っています。
「執行役員としての仕事は、経営管理や業務改善、人材採用、設備投資の判断など、実質的な運営責任者として経営全般に及びます。薬剤師としての現場感覚を大切にしながらも、『どうすれば収益が上がるか』『どうすれば組織がもっと良くなるか』といった経営者の視点で改善を進めていく。
現場と経営、両方の視点が求められるのが、この仕事の最大の特徴であり、やりがいです」
薬剤師として現場に立つときと、経営者として会社を見つめるとき。木内はその都度、意識的に視点を切り替えていると言います。
「薬局の現場に立つ時は、何よりも『患者さん第一』です。患者さんから直接『ありがとう』と言われることが、薬剤師としての原点であり喜びです。ただ薬局経営となると、それだけでは成り立ちません。
従業員とその家族の生活を守る責任がある以上、厳しい数字とも向き合う必要があります。自分の中でも矛盾を感じることもありますが、そのバランスを取りながら進んでいくことを意識しています」
「薬剤師で終わらない」想いが導いた転職と出会い
前職は、中規模薬局チェーンで、約20年にわたってキャリアを積んできた木内。管理薬剤師として複数の店舗を経験し、とくに大学病院前の店舗では、幅広い診療科に対応することで多種多様な経験を積みました。
しかし、その充実した経験の中で、木内の心には新たな挑戦への想いが芽生え始めます。
「薬剤師としての業務だけでなく、管理業務と並行して新入社員や薬学生の指導、人材採用にも関わったことは大きな糧です。今の自分の土台となる経験をさせてもらえました。
しかし、今後のキャリアを考えた時、ふと『単なる薬剤師で終わりたくない』という想いが芽生えました。もっと成長できる環境で、以前から興味のあった薬局経営に挑戦したい。その気持ちが、転職を決意した一番の理由です」
転職活動時、木内はいくつかの調剤薬局チェーンの面接を受けましたが、CHCPグループとの出会いは、これまでの常識を覆すようなものだったと木内は言います。
「最初は『一体どんな会社なんだろう?』という印象でしたが、面接で『経営にはどのくらい関われますか?』と尋ねた際に、『ガッツリ関われます』と即答されました。その言葉に驚きつつも、M&Aするだけではなく、現場に深く関わるスタイルだと知り、『ここなら自分の経験を活かせる』と確信しました。
何より、面接官や社長の人柄と優秀さに触れ、『この人たちと働けばもっと成長できる』と感じたことが、入社の決め手です」
入社後、約1年半従事したCHCPパートナーである調剤薬局への応援業務では、とくにその仕事のスケールの大きさに驚かされたと言います。
「入社当初は、全国の店舗を訪れる日々に驚きました。ただ、それだけ活躍のフィールドが広いということなのだと、すぐに気づかされました。各地の特色ある店舗を巡ることで、薬剤師としても、ビジネスパーソンとしても視野が大きく広がり、すべての経験が自分の成長につながっていると実感しています。
もう1つのギャップは、薬局ごとにルールや文化がまったく異なること。最初は戸惑いもありましたが、そうしたバラバラな状態を1つにまとめ、新しい仕組みを自分たちの手で作っていけるのは、発展途上の会社ならではのおもしろさだと感じています」
20年の経験を礎に、入社後のギャップさえも前向きなエネルギーに変える。こうして、薬剤師の枠を超える木内の新たな挑戦が幕を開けたのです。
「相談される側」から「答えを出す側」へ。責任がやりがいに変わる瞬間
プロフェッショナル薬剤師としてのキャリアは、挑戦の連続でした。とくに印象深いのは、入社して間もない頃に携わった社内報の作成だと木内は振り返ります。
「全国にある189店舗に発信される医療情報誌なので、情報の正確性とスピードが命。今まで薬剤師として文章を作成する経験がほとんどなく、一からの学びでした。
その分、応援先の店舗スタッフから『社内報、読んでますよ』と声をかけられた時の達成感は、今でも忘れられません」
その後、執行役員に就任してからは、責任の重さもやりがいも、さらに大きなものになりました。
「就任直後に、担当する薬局の『医療機関の集中率』という経営課題に直面しました。これは、特定の病院からの処方箋の割合が高すぎると、調剤基本料が減額され、薬局の収益に影響が出てしまうという仕組みです。
そのため、近隣の他のクリニックや大学病院に通う患者さんにも、たくさん利用していただけるような地域に密着した薬局になることが大切でした。
そこで、スタッフと一丸となって、『うちの薬局でもお薬をご用意できますよ』と患者さん一人ひとりにお声がけを重ねていきました。その結果、ようやく基準をクリアすることができ、その時は本当に良かったな、と思いました。チームで目標を達成できたこの経験は、大きな成功体験です」
薬剤師から経営者へ。視点の変化を、木内はこう語ります。
「一番の変化は、『相談される』立場から、『課題を解決し、答えを出す』立場へと変わったことです。以前はスタッフの相談に乗ることはあっても、最終的な判断を下すのは自分の役割ではありませんでした。
しかし今は、それらを『解決すべき課題』として受け止め、必ずなんらかの答えを出さなくてはならない。プレッシャーはありますが、それ以上にやりがいを感じます。従業員から頼られた時、そして一緒に考え抜いて解決策を見つけ出せた時が、一番うれしい瞬間ですね」
そのやりがいは、木内が目指す人物像にもつながっています。
「上司や部下といった立場に関係なく、『何かあったら、まず木内に相談しよう』と思ってもらえるような存在になりたい。忙しい時ほど話しかけづらい雰囲気を出してしまうことがあるので、そこは自分でも意識して変えていきたいと思っています」
薬剤師のキャリアは無限大。仲間と描く次の景色
薬剤師のキャリアは、決して一つの形にとどまらない──自身の経験を通して、木内は未来の仲間へ、その可能性と想いを伝えます。
「薬剤師のキャリアの形は、人それぞれあると思っています。その上で、私自身は『管理薬剤師で終わりたくない』という想いが強くありました。もしその先に、エリアマネージャーや経営者をめざしたいという気持ちがあるなら、CHCPは最高の環境だと思います。
ぜひ、『マネジメントに関わりたい』という意欲を持った方に、仲間になってほしいですね」
薬剤師として新たな一歩を踏み出すために、特別な準備は必要ないと木内は語ります。それ以上に大切なのは、物事を受け入れる「心構え」だと言います。
「実は私も、何か特別な準備をして転職したわけではありません。薬剤師としての知識の研鑽は当然ですが、それ以上に大切なのは、多様な価値観を受け入れる『広い心』と『柔軟性』だと思っています。
CHCPパートナーは、ルーツの異なる薬局の集合体なので、『こうあるべきだ』という固定観念よりも、それぞれの現場を尊重し、柔軟に考える姿勢が求められます。その場の状況を読み取り、自ら考えて動く力が大切です」
変化を受け入れる柔軟な姿勢こそが、CHCPグループで活躍する鍵となります。そんな木内がこれから仲間となる人材と成し遂げたいこととは、どのようなことなのでしょうか。
「CHCPグループは、まだまだ発展途上のグループです。ルールやノウハウの横展開など、これから仲間になる皆さんと一緒に考えて、作っていきたいことがたくさんあります。薬局も、私たち自身も、関わるみんなが幸せになれるような会社を共に創っていきたいです」
現場を知る薬剤師から、経営を担う執行役員へ。その歩みは、まだ始まったばかりです。患者さん、仲間、そして会社の未来のために。木内は今日も、薬剤師の新たな可能性を、その背中で示し続けています。
※ 記載内容は2025年6月時点のものです
