需要が増すストラクチャードファイナンス。ニーズに合わせ高付加価値の解決策を
お客さまである地域企業の持続的成長に貢献するために、横浜銀行ではお客さまの経営戦略に深く関与する付加価値の高いソリューションをグループ一体となって提供しています。その中心的な役割を果たすのがソリューション営業部です。営業店の行員がキャッチしたお客さまの経営課題やニーズに対し、事業承継のサポートやM&Aファイナンス、プロジェクトファイナンスなど、従来の枠を超えたファイナンスの取り組みや戦略ソリューションの提供を強化しています。
現在、ソリューション営業部には200名程度のメンバーが在籍しており、2020年にキャリア採用で入行した朝来野もそのひとりです。
「大所帯のソリューション営業部の中で、私はストラクチャードファイナンスグループに所属しています。『ストラクチャードファイナンス』とは、『ストラクチャー=仕組み』を活用した融資のことです。融資先企業の信用力を与信判断の軸とするコーポレートファイナンスと異なり、ストラクチャードファイナンスは、融資先企業の信用力に頼らず、対象の事業(プロジェクト)そのものや資産(アセット)から生じるキャッシュフローを与信判断の軸とする点に特徴があります。
ストラクチャードファイナンスグループのメンバーは20名ほど。私たちのグループは、ソリューション営業部が直接営業を行い、案件を発掘することが多く、チームごとに活動しています。私は不動産ファイナンスチームで、特定の資産や事業が生み出すキャッシュフローのみ返済原資とする融資『不動産ノンリコースローン』を主に扱っています。
融資の対象となる不動産の種類としては、物流施設のほか住居、オフィス、商業施設、データセンターなど多岐にわたっており、不動産価格は数十億から数百億円の規模で、案件によっては一千億円を超える大きな物件もあります」
この不動産ノンリコースローンは、従来から銀行が一般的に取り組んでいたコーポレートファイナンスに比べ、お客さまには大規模な資金調達やリスクコントロールが可能になるといったメリットがあり、資金需要が旺盛です。
「外資系ファンドが日本の不動産市場に対して高い関心を示していることもあり、国内外からの不動産投資や資金調達が活発になっています。一方、私たち銀行側にとっても、特定の不動産のみを担保として対象不動産の収益性や担保価値に基づいて融資の可否を判断し、遡及対象やリスクを限定的にすることができます。借り手のニーズと貸し手のメリットがうまく一致しているファイナンスであると言えるでしょう」
さらに、EC需要の高まりや物流の2024年問題を受けて、大型物流施設の開発が進んでいることも不動産ノンリコースローンが拡大している背景にあると言います。
「幅広い投資家からの資金調達を通じて需要がある施設を建設し、安定した賃料収入が得られる物件を必要とする人々に売却する不動産ビジネスが盛んです。銀行としては、このようなビジネスモデルに注目し、融資を行っています」
お客さまが資金調達先(銀行)を選ぶ際は、複数のレンダー(資金の貸し手)に相談し比較検討されるのが一般的です。近年、不動産ノンリコースローンを扱うレンダー増えてきていることもあり、朝来野はお客さまに徹底的に寄り添い、個別の案件にふさわしい提案を心がけていると言います。
「横浜銀行は、審査部門との密接なやり取りを通じてスピーディーに回答を提供できる点で、お客さまから高い評価を受けていると考えています。さらに、ストラクチャードファイナンスグループは、契約締結から工期中の管理に至るまでの全プロセスを支店と連携して担当。お客さまに安心して委託いただける体制があることも、積極的にアピールしています」
プロフェッショナル集団に根づく協働の精神。チーム戦略でシナジーを生み出す
新卒ではメガバンクに勤めていた朝来野。家族の海外転勤や妊娠・出産を理由に6年ほど職場を離れた後、横浜銀行に入行しました。
「メガバンク時代は、営業店で法人営業をしていました。長いブランクがあった上、配属先が未経験の本部の組織ということもあり入行前は不安もありましたが、専門性を身につけたいと考えていたので、新天地への期待感のほうが強かったことを覚えています」
朝来野の初期配属先は、立ち上げから1年半ほど経ったソリューション営業部。最初の1年間はコーポレートアドバイザリーグループに所属し、営業店の担当者とともに、お客さまのビジネス拡大や財務面でのアドバイス、財務状況の分析、経営課題解決の支援などに従事しました。
そして2021年10月に、朝来野はストラクチャードファイナンスグループへ。営業店で言う「課長職」級であるビジネスリーダーを務めていますが、メンバーのマネジメントには携わらず、専門性をもったプロフェッショナルプレイヤーとして数々の案件を担当。専門分野において、高いパフォーマンスを発揮し続ける専門人財としてのキャリアを歩んでいます。
「各自が責任をもって各案件の交渉やプロジェクトマネジメントを行っていますが、個人戦をしている印象はありません。不動産ノンリコースローンの取組み実績の拡大により、一人あたりの担当案件数が増えていることもあり、チーム内での情報共有を密に、それぞれの得意分野を活かして補完しながら、協力する場面が非常に多いです。
営業店の行員と一緒にお客さまを訪問する際は、お客さまとのやりとりは私たちソリューション営業部が主体となって進めますが、融資の実行や決済周りの事務作業を担うのは支店になるため、後々のフォローを行う営業店の目線に立ってサポートすることを心がけています」
一方、3人の子どもを育てる母親でもある朝来野。社内制度も活用し、周囲にも支えられながら自身のワークスタイルを確立しています。
「当行では、フレックスタイム制も導入されているため、必要に応じて在宅勤務も活用しながら柔軟な働き方を実践しています。お客さま先と自宅を直行直帰することもあり、効率化を図りながらプライベートの時間確保に努めています。
また、16時ごろにいったん退社して、子どものお迎えや家事が終わった後に自宅で仕事の続きをしたりと家庭での時間も大切にしながら働くことができています。周囲の理解が非常に大きく、子どもに突発的な体調不良があったときはチームメンバーにカバーしてもらうなど、とても助けられており感謝しています」
未経験でストラクチャードファイナンスに挑戦。常に新しい発見があることがやりがいに
ストラクチャードファイナンスグループに着任して最初の案件を振り返ります。
「異動して1カ月も経過しないころ、不動産ファイナンスに関する専門的な用語もまだわからず、ほとんど知識がない中で、任された案件でした。最初は戸惑いもありましたが、挑戦意欲と責任感が掻き立てられ、一つひとつ自分で調べて、それでもわからないことは周りに聞いて助けられながら、なんとか無事にやり遂げることができました」
その後もさまざまな案件を手がけ、着実に成長を遂げてきた朝来野。
「経営会議にかけるような大規模案件も手がけてきました。物件の完成までには比較的長い時間がかかり、その間にさまざまなことが起こることもありますが、お客さまと当行に貢献できている手ごたえがあります。
またご融資をして終わりではなくて、最後まで担当として責任を持ってお客さまのサポートをしていくのが私たちの役割です。その中で新しい案件のご相談をいただくなど、お客さまとの間に信頼関係が構築できつつあるのを感じています」
ストラクチャードファイナンスに携わって約2年。現在の仕事の醍醐味について朝来野はこう話します。
「不動産には同じ物件は一つもありません。案件ごとに特有の課題や進め方があり、常に新しい発見があります。また、新しいタイプのアセットや資金の流れについての知識も身につきました。新しいことを学ぶ楽しさと、身につけた知識やスキルを次のプロジェクトに応用して成長していけるところに、この仕事の魅力を感じています」
また、不動産に携わるからこそのこんなやりがいも。
「自分が関わった案件で、開発中の物件がかたちになっていく過程を見る喜びは格別です。完成までに時間はかかりますが、定期的に建築中の状況や計画を検証し、各報告書やお客さまとのコミュニケーションを通してテナントに入る予定のお客さまの情報を入手する時にプロジェクトの進捗を実感し、やりがいを感じています」
「新しい風を吹かせてほしい」上司の言葉で心が楽に。積極的に挑戦していきたい
さらに専門性を高めていきたいと話す朝来野。これからストラクチャードファイナンスに携わる後輩にとって良き手本となることがいまの目標です。
「私にはまだ手がけたことのないアセットなどがたくさんありますので、新しいことに積極的に挑戦していきたいです。また、これまでは経験豊富な同僚に頼るばかりでしたが、これからは受け継いだ知識やノウハウを私が後輩たちに伝えていかなければなりません。後輩たちから頼られる存在であり、不動産ファイナンスに興味をもつ人を増やしたいと思っています」
ストラクチャードファイナンスの拡大にともない、機能拡大を進めるストラクチャードファイナンスグループ。キャリア採用で入行した朝来野は当行の魅力を次のように話します。
「入行時、上司から『横浜銀行の社風に無理に馴染もうとしなくていい。異なる経験を活かして、新しい風を吹かせてほしい。それがキャリア採用の狙いだ』とエールをもらい、とても気が楽になったのを覚えています。
長年横浜銀行に勤めるメンバーも新しい考えを取り入れることに非常に前向きで、キャリア採用者でも垣根なくフラットに意見交換できる環境があると感じています。
経営層と距離が近いのも魅力ですし、やるべきことにきちんと取り組んで成果を出していけば、新たな挑戦のためのステージが用意されるのも当行ならではの風土だと思います」
未経験ながら、ストラクチャードファイナンスの分野で確かな存在感を発揮してきた朝来野。その好奇心とチャレンジ精神を駆使して、これからもプロフェッショナルとしての道を探求し続けます。
※ 記載内容は2023年12月時点のものです
