製品とお客様をつなぐ品質保証部の仕事
──現在の業務について教えてください。
私は品質保証部に所属していて、お客様から製品不具合の連絡が入った際、製品にどのような事象が起きているのか確認し、その原因解析を行います。「製品に不具合が生じた」という情報は、営業を通して品質保証部に届きます。第一報をお客様から直接伺うわけではありませんので、どのプロセスで、どのような事態になっているのか、丁寧な状況把握が欠かせません。「不具合」と聞くとマイナスな印象を受けるかもしれませんが、当社の製品に欠陥があるとは限りません。
たとえば、お客様が保証外の方法で使用していたり、誤った認識で使用したりしている場合もあります。その場合は、当社が保証している仕様の説明や、推奨する使用方法をお伝えすることになりますが、これが結構難しいのです。
今後も当社の製品をご使用していただくために、お客様のご意向に寄り添いながら製品の適切な使用方法を説明する必要があります。製品の品質を担保するために正しい情報を伝えることと、お客様と上手にコミュニケーションを行うことの両立は、先輩方を見習ってまだまだ勉強中です。
転機は3.11。地元・宮城県で働くためにアルプスアルパインに入社
──これまでの経歴を教えてください。
私は宮城県で生まれ育ちました。学生時代は高等専門学校に通い、情報通信系を専攻にしていました。加えて、学校では電気回路など電子部品に関連する基礎的な勉強もしていたので、今の仕事にもつながっていると思います。
私が通っていた高専は、とにかく自由な校風で個性的な同級生が多く、学園祭や卒業式などイベントはとても盛り上がって楽しかった思い出があります。学校は宮城県にありましたが、実家からは少し離れていたため、学生寮で生活をしていました。10代のうちから親元を離れて自立した生活を送ったことも、とても良い経験だったと思います。
卒業後、新卒で宮城県内に工場があった、とあるメーカーに入社し、テレビ用の機能向上フィルムなどの製品の出荷前検査を行っていました。当時の先輩からは、「後工程はお客様」という言葉をよく言われていました。これは、エンドユーザーをお客様と考えるだけではなく、自分の後工程で待っている人はすべてお客様だと思って丁寧に仕事をするという意味です。
多くの業務は、前工程で準備をしてくれた人から引継ぎ、自分の担当箇所が完了したら、次の工程へと引き継いでいきます。そのように全体の流れを意識して自身の業務に責任を持つことが大事なのだと理解しました。当たり前の事かもしれませんが、仕事をする上で基礎的で、もっとも大事なことだと思って、今も大切に心がけている言葉です。
大きな転機となったのは、2011年3月の東日本大震災です。宮城県内にあった私の勤務地が被災しました。当時、従業員の多くが集団異動となり、私は栃木県の工場へ異動することになりました。自分の生まれ育った地元の宮城県が大変な状況になっている中、他県での勤務は心苦しかったことを覚えています。
それから3年ほど栃木県で勤務していましたが、どうしても宮城に戻りたいという気持ちが強く、退社を決断しました。もともと東北に工場があるアルプスアルパインは知っていたので、就職先としてすぐに頭に浮かびました。そして、ご縁があって、2015年にアルプスアルパインに中途入社しました。
良好なコミュニケーションが成功の要。苦手意識を克服してステップアップ
──業務での成功体験を教えてください。
現在は、アルプスアルパインの中国(丹東)工場で生産しているコンポーネント製品を担当しています。とくに当社のスイッチは数多くのバラエティ展開があり、民生機器から車載製品まで幅広く採用されている製品ですので、世界各国のお客様からのお問い合わせに日々対応しています。
ある時、インドのお客様から車載向けに使われているスイッチの外観に関する改善を求められたことがありました。しかし、その要求は製品の品質には影響しない箇所であり、課題ではないということを理解していただく必要がありました。現地の営業担当者と英語でメールのやり取りをしていたのですが、なかなか言いたいことが伝わらなかったり、逆に相手の言っている内容が理解できなかったり、思うようにコミュニケーションが取れませんでした。
最終的にお客様へ報告をするのは現地の営業担当なので、きちんと理解してもらわないと、その先、お客様にも間違った内容が伝わってしまう可能性があります。普段はメールでのやりとりが多いのですが、思いきって会議を設定して、直接会話してみたところ、上手く言いたいことが伝わりました。
メールだと正しい英語を確認できるので安心感がありますが、自分が伝えたいことをそのまま理解してくれるわけではないので、やはり、直接会話することは大切だと思いました。
日頃から海外拠点とのやり取りが多くありますので、苦手な英語でのコミュニケーションにもチャレンジしていこうと思います。
仕事もプライベートもベストを尽くしてキャリアを拓く
──休日の息抜きはありますか?
私も子どもたちも自然の中で過ごすのが好きなので、休日は外に出かけることが多いです。近場に公園や山があり、のびのびと過ごせるのは地元の好きなところです。音楽が好きなので、年に1度、地元宮城県で行われる音楽フェスに行きます。自分の息抜きの時間も大事にしています。
──今後の目標についておしえてください。
社会人の初めに教わった、「後工程はお客様」の精神をこれからも意識していきたいです。現在所属している品質保証部の仕事は、とくに、自分の部署だけで何か成果を出すことはなくて、必ずさまざまな部署と連携しています。初心を忘れずに、関係者全体への影響を考えて取り組むように心がけています。
今は目の前の仕事にベストを尽くすことで精一杯ですが、その積み重ねで少しずつでも成長していきたいと思います。現在の部署は、ベテランの先輩が多いので、いずれその方々が抜けていった後に、自分がその穴を埋めてしっかり支えられるように頑張っていきます。
※ 記載内容は2024年9月時点のものです
