チアリーダー部での経験と、「安心」と「挑戦」の両立した企業で働きたいという想い
大学時代、私はチアリーダー部の活動に全力で取り組んでいました。大学チームの応援はもちろん、プロスポーツのハーフタイムショーや地域イベントにも出演し、年1回の大会では入賞を経験することもできました。中でも印象に残っているのが、30人の部員をまとめる部長としての経験です。全員で魅せる演技をつくるには、チーム全体のレベルアップが欠かせません。ダンス経験の有無や得意領域も異なるメンバーが、それぞれの強みを伸ばし、弱みを克服できるよう、一緒にモチベーションを高めながら導く日々でした。瞬時の判断力、わかりやすい指示、そして周りを巻き込む推進力が自然と鍛えられていきました。学業と両立しながらやり切った4年間は、私にとって大きな財産になりました。
就職活動では、自動車・IT・化粧品など幅広い業界を検討していました。化学専攻を活かしたいという思いから、職種は設計や開発を中心に見ていました。活動を進めるにつれ、私の中で働く軸が明確になっていきました。市場で使われる有形製品を生み出す企業であること、これからも必要とされ続ける製品分野に携われること、そしてプライベートも大事にしたいのでワークライフバランスを大切にできる環境が整っていること。先輩社員がイキイキと働いている会社には惹かれました。
この会社については、アイシン、デンソー、住友電工、トヨタ自動車の合弁会社として設立され、安定した基盤がある比較的若い会社だという印象を持っていました。ブレーキ製品で大きいシェアを持っていることも知っていました。入社を決めた理由は、「安心」と「挑戦」の両立ができること。そしてブレーキは唯一、車を止めることができ、安全を守ることができる製品で、将来までなくならない製品であることに魅力を感じました。福利厚生が充実しており、ワークライフバランスが大事にできることも大きな決め手となりました。男性社員が多い環境への不安は当初ありましたが、今では相談しやすく挑戦を応援してくれる雰囲気の中で安心して働けています。
学べる環境×任される風土、多様な経験が導いたキャリア
入社後、数カ月にわたる新入社員研修と工場実習からスタートしました。部署配属後も、効率的に仕事を進めるノウハウを学ぶ研修から、原料や設計図面に関する専門研修まで、幅広く受講する機会が用意されていました。この時強く実感したのは、′学べる環境が整っている’ということでした。
配属されたのはフリクション技術開発部。最初の4年間は、ブレーキパッドの車両適合開発や海外メーカーへの受注活動を担当しました。上司の異動に伴い、担当カーメーカーのメイン担当を引き継ぐことに。プレッシャーは大きかったものの、関係部署と密にコミュニケーションを取り、プロジェクトをやり切った経験は自信につながりました。海外メーカー対応ではスピード感に苦戦しましたが、先を見通した計画性を生かして乗り越えることができました。
次の挑戦は、AIを活用した新規摩擦材の開発。ブレーキパッドの材料開発は、10~20種類の原材料を同時に最適化して“止まる”という安全の本丸を作り込む仕事です。私たちは試作依存からの脱却をめざし、評価データをAIで解析し、設計者の知見と融合して最短経路で解に近づくアプローチに踏み込みました。原料知識が十分でない中でも、部署のプロフェッショナルな先輩方とAIの力を組み合わせ、試作と評価を繰り返し、目標性能を達成する配合にたどり着けたことは大きな手応えでした。部内活動を通じて取得したAI資格も役立ち、この経験はのちの海外拠点でも活きます。
人生で一度は海外で働いてみたいという思いを持っていた私は、コロナ禍を通じて「機会を逃さない」という気持ちが強くなり、 海外トレーニー制度に手を挙げ、ADVICS North Americaに赴任。1年間、パッド開発業務に従事し、フリクションペアの研究で学会発表にも挑戦しました。初めての分野×途中参加×英語というチャレンジの中、現地スタッフとともに研究・資料作成・発音や原稿も徹底的にブラッシュアップし、学会発表をやり遂げることができました。自身の取り組みが周囲に伝わり、チームの士気も上がったことを実感しました。2025年10月に現部署に帰任しました。
入社前は大企業ということで、もっと縦割りで堅い組織というイメージを持っていましたが、実際は若手にも多くの機会を与えてくれる風土で、良い意味でギャップを感じています。もちろん上司はしっかりサポートしてくれますが、自ら手を挙げることで、このような多様な経験を歩むことができました。
ブレーキパッド開発の最前線で磨かれる技術力と国際感覚
私が所属するフリクション技術開発部のミッションは、ブレーキパッドとディスクという、いわゆるフリクションペア製品において、将来を支える新製品や新技術を創出すること。そして現有製品をさらに磨き上げ、世界No.1の製品として提供することです。
海外トレーニーから帰任した後、私は国内外のカーメーカー向けにブレーキパッド材料の設計と適合開発業務を担当しています。次世代を担う新製品のプロジェクトに携わっており、同じ製品を開発する海外の技術拠点への技術サポートも担っています。ブレーキパッドは、化学や物理の幅広い知識が求められる奥深い製品。知識不足や経験不足で悩むことも少なくありませんが、先輩や上司を頼りながら、日々奮闘しています。
北米で痛感したのは、日本の“当たり前基準”は世界の当たり前ではないということ。量産・試作の現場でも、グローバルに通用するものづくりには、より簡単でわかりやすい設計や工程が求められます。また、北米と日本の間で同じ課題の知見が共有されず、活動が重複してしまう“もったいなさ”も目の当たりにしました。だからこそ、北米で築いた関係性を活用し、その橋渡しの存在になりたいと強く思っています。
学生時代と比べて、私が最も成長したと感じるのは、信頼を築くコミュニケーション力と折衝力です。特に海外経験を経て、どうにかする行動力とグローバルな視点が磨かれたと実感しています。異なる文化や環境の中で仕事をした経験は、私の視野を大きく広げてくれました。専門家としての道のりはまだ長いですが、これまでに培った力を活かしながら、一歩ずつ確実に前進していきたいと考えています。
挑戦の先に広がる景色――グローバルな視点で未来を切り拓く
短期的な目標として、私は海外トレーニーでの経験を最大限に活かしていきたいと考えています。具体的には、海外向けのパッド拡販業務や、海外の技術拠点に対して日本からサポートを行い、一緒に効率よく良いものを作り上げていくことです。グローバルな視点で価値を生み出すことに、大きなやりがいを感じています。また、将来ニーズを満たし、お客様の期待を超える新規摩擦材の開発にも挑戦したいと思っています。技術者として、安心と驚きを両立する製品を届けたいです。
中長期的には、さまざまな経験を積み上げ、海外駐在にも挑戦してみたいと考えています。現地に身を置いてこそ得られる視点やネットワークを、自分の成長、そして会社の価値創出に還元したいからです。
これから仲間になる皆さんには、ぜひ「興味の幅」を広げてほしいです。挑戦し、失敗し、そこから吸収することで大きく成長できます。私自身、チア部、新規材開発、海外トレーニーと、少し勇気を出して踏み出したことで世界が大きく広がりました。特に北米での一年間では、何度も「無理かも」と思う瞬間がありました。でも、そのたびに一歩踏み出してみると、新しい景色が必ず広がりました。
当社では、自分の意見を持ち、周りを巻き込み、やり切れる人が活躍できます。人がよく相談しやすい雰囲気があり、各種制度も整っています。かつての年功序列から実力主義へと変化してきており、若手からでも十分に活躍できる環境です。やりたいことを発信すれば挑戦させてもらえる、そんな土壌が当社にはあります。一緒に新しい挑戦を楽しみましょう。
