MOC工程内不良の改善に挑む。チームを支え、全体の成果を追求する仕事
私はMOC技術開発部に所属しています。部署のミッションはMOCの技術をさらに向上させて、世界No.1のブレーキ製品をお客様に提供することです。MOCとはMotor On Caliperの略で近年普及しているキャリパ一体式の電動パーキングブレーキのことです。 その中で私が現在担当しているのは、主に工程内不良の改善業務です。具体的には性能不良率をまとめたり、不良率改善のために検査データ分析を実施してMOC廃却損の低減を目指しています。
私は障がい者雇用でアドヴィックスに入社し、主にチームのサポート業務を行っていますが、ただ言われたことをやるのではなく、課題を考えて自発的に行動するようにしています。(アドヴィックス内ではそれを「考動」と表現します)例えば、各生産工場で起こったトラブルを1つの資料にまとめて、トラブルの解決方法の共有と未然防止につなげたり、チーム全体の成果を上げるために自身の業務をマニュアル化、ノウハウの共有を行うことでチームとして業務遂行ができるようにしました。
仕事をする上で私が大事にしているのは、チームを支え、その中で自分に何ができるか、どう貢献できるかを考えて業務を遂行し、チーム全体の成果につなげることです。この価値観は、チームで仕事を進める中で、個人として頑張るよりも、周囲の状況を見ながらサポートしたり、困っている部分を私が補うことで、結果的にチーム全体の成果が大きくなることを実感した経験から生まれました。
私は障がいの特性上、全体像を把握することが苦手のため、配慮事項として、まず上司の方から業務の目的や注意点を初めに伝えてもらっています。その配慮のおかげで安心して働くことができています。優先順位を都度確認してもらい、業務指示は口頭だけでなく、図などの目に見える形で説明してもらっています。上司やメンバーのおかげで自分の得意な分野でチームに貢献できていると日々、実感しています。
正社員への道を求めて。通信業界から自動車業界への転身を決意
前職では、自動車業界ではなく通信業界で働いていました。具体的には、携帯電話基地局の設計業務に携わっていました。その中でも5Gの基地局設計を担当していて、私たちが日常的に使っているスマートフォンが快適に使えるよう、奮闘していました。
今でも印象に残っているのは、自分が設計した5Gの電波が、設計通りの電波強度で無事に発射されたときのことです。その電波によって、多くの人が快適にスマートフォンを使えるようになる、自分の仕事が目に見える形で社会に役立っていることを実感できた瞬間でした。
ただ、仕事にやりがいを感じる一方で、一つ大きな悩みがありました。それは、前職には正社員登用制度がなかったこと。このまま働き続けても正社員になれない。将来のキャリアを考えたとき、正社員として働きたいという思いが日に日に強くなっていきました。そして、転職を決意しました。
仕事をしながらの転職活動だったので、正直、両立は大変でした。仕事を終えてから求人を探したり、面接の日程を調整したり…。本当に転職できるのか、不安な気持ちもありました。でも、自分の将来のために、諦めずに活動を続けていました。
企業選びの軸は明確でした。1つ目は正社員登用制度があること。2つ目は前職で培った設計業務の経験を活かせる技術職であることです。この2つの条件を満たす企業を探していました。そんな中で出会った企業が、アドヴィックスだったんです。
データ分析で不良要因を特定し、会社の利益に貢献できた成功体験
入社後に最も印象に残っているのは、MOC工程内不良改善業務での成功体験です。性能不良率が高止まりしている時期があったのですが、私はこの課題に対して、データを細かく分析することで原因を突き止めようと取り組みました。大量のデータと向き合いながら分析を粘り強く進め、結果として特定の生産ラインの部品が要因であることをつきとめることができたのです。
この分析結果を現場と共有、理解してもらった上で、改善を実施した結果、不良率が大きく下がりました。自身のデータ分析で不良要因をつかむことができ、その結果を共有、共感してもらうことで不良率軽減につながったとき、大きなやりがいと達成感を感じました。会社の利益につながったことは、本当に嬉しかったですね。
もちろん、その過程の中で苦労もありました。大量のデータを扱うので、データ分析に多くの時間がかかったり、集計結果を間違えてしまったり、資料作成でミスをしてしまったこともあります。ただ、そんな時でも気持ちを切り替えて、すぐに修正に取りかかりました。そして、同じ間違いをしないように再発防止としてチェックシートに織り込むことができました。失敗しても必要以上に落ち込まず、気持ちを切り替えて次やるべきことを見つけられるようになった点が、前職時代と比べて大きく成長できた部分だと感じています。
データ分析の失敗を教訓に、業務効率化にも取り組みました。定量的なデータ分析は専用ツールを作成することで、業務効率化と集計ミスの未然防止につなげています。誰でも使えるように簡単な操作で作成できる専用ツールであることを評価してもらい、現場の方に今でも活用してもらっています。
課題に対して周りを巻き込みながら解決策を考えて改善を行うという姿勢を忘れず、データ分析を軸にしながら、チーム全体で問題解決に取り組めていることに、大きなやりがいを感じています。
「設計から評価まで横断して携わる技術者へ」挑戦を恐れない姿勢で切り拓く未来
今後はデータ分析のさらなる効率化のためにプログラミング習得にも挑戦していきたいと考えています。設計・評価業務において大量のデータを扱う機会が多く、分析作業をより効率化することで本質的な課題抽出に時間を使えるようになると感じているからです。すでにプログラミングや品質に関する資格を習得しましたが、これからも継続的に学びを深めていきたいと思っています。また、検査項目の音・振動の解析のために、設計評価の分野でより専門知識を高めていくことも目標の一つです。
中長期的には、設計から評価まで横断して携わり、課題の本質をとらえて改善を実施できる技術者になりたいと考えています。現在は設計・評価業務を担当していますが、設計側の視点からの知識が不足していると感じています。具体的には設計思想や仕様決定の背景などの理解が不十分であり、評価結果を設計へ十分にフィードバックできるレベルにはまだまだ達していないと感じています。そのため、設計意図を理解するために社内研修で知識の習得を行ったり、生産工場に行って生産ラインを実際に見たりして、MOCの製品知識を増やしていきたいと考えています。
アドヴィックスで働く中で感じているのは、単に業務をこなすだけでなく、「技術を通じて社会に価値を届ける」という実感を持ちながら成長できる環境があるという点です。自分自身も、評価業務を通じてデータ解析や課題抽出に取り組む中で、単なる作業ではなく、品質や安全性に直結する仕事に携われているという点でやりがいを感じています。ブレーキという製品特性上、自分の仕事が最終的にユーザーの安全につながる点は非常に魅力だと感じています。
世界トップクラスのブレーキシステムサプライヤーとして、メカ・ソフトなどの高度な技術開発を行うことができるので、仕事にやりがいを感じることができます。また、配置転換や海外転勤などで成長の機会が十分にあることも魅力です。これから入社される方には、どんなことにも失敗を恐れずに挑戦して、前向きにものごとに取り組む姿勢を持ってほしいと思います。特にブレーキシステムに興味を持ち、もっと性能のいい安全なブレーキを作りたいと上昇志向のある人にはぜひジョインしてもらいたいです。与えられた仕事だけでなく、自ら課題を見つけて周囲と連携しながら取り組むことで、技術力だけでなく、仕事の進め方や考え方の面でも大きく成長できる環境だと思っています。障がいがあっても、自分の得意分野を伸ばしていくことで、会社に必ず貢献できると私は考えています。
