「楽しそう」という直感を信じて進んだ先に。プラントの仕事や制御への関心を抱いた学生時代
私は気分や直感で物事を決めていくタイプでした。大学の進学先も、家から近く、実習が多い、なんとなく楽しそうだと感じた大学・学部に進学しました。直感で「楽しそう」「面白そう」と感じた方向に進んでいった結果、思いがけず、現在の仕事につながる貴重な経験に出会うことになります。
それは、大学在学中での実習です。毎年1カ月ほど行われるプラント実習で、プラントの操作や点検、監視などYOKOGAWAのお客さまが行っているような仕事を実際に体験することができました。
印象深い出来事として、実習中にプラントのアラームを鳴らしてしまったことがあります。私は、自分の手でバルブを開けたり、ポンプを動かしたりする作業を行っていたのですが、そこでミスをしてしまいました。この苦い経験、そしてプラントエンジニアの方々の働く姿を間近で見ていたことで、プラントでは何よりも安全が大事であるということ、そして、効率の良い運転を行うためには、きちんとしたプラントの制御が不可欠だということを強く実感しました。
大学での実習を通じて、社会の基盤をあらゆる分野で支えるプラントの存在に強く惹かれるようになりました。そして、プラントで働く人々の姿に「かっこいい」と魅了されたことを今でも覚えています。そうした経験から、就職活動の際は、プラントに関わることができる企業を考えましたが、プラントの安全や、効率的な運転を支える制御システムの重要性を実感していたため、それらに貢献している企業である横河電機を志望しました。
無事に内定を得て、入社後は、世界中にあるYOKOGAWAの拠点のプロジェクトをサポートするグローバルプロジェクトデリバリー事業部に配属されました。プラント制御の中核製品のエンジニアリングサポートとプロジェクト遂行のサポートを担う事業部でした。しかし、配属から半年後には横河ソリューションサービスに出向することに。
それから今日まで、入社前には全く想像していなかったたくさんの経験、人との出会いに恵まれました。その一つひとつが、私のYOKOGAWAのエンジニアとして成長の礎となっています。
“機会” “現場”そして“先輩”―YOKOGAWAで踏み出した、エンジニアとしての第一歩
横河ソリューションサービスでは、プロジェクトエンジニアとして、プロジェクトの完遂に向けて幅広い業務に携わりました。DCSや伝送器など特定の分野に特化したエンジニアがいる中で、私はプロジェクト全体を見渡し、「プロジェクトを完結させるために必要なことは何でもやる」という立場でした。エンジニアだけではなく、調達、出荷、営業、開発、調達、出荷など、様々な立場の方々と連携しながらプロジェクトを前に進めることが私の役割でした。
新卒2年目に経験した、アメリカでの3か月間の現場業務は、私にとって大きな転換点となりました。プラントの定期修繕に向けた現場業務の立ち上げ段階で、私は単身アメリカに渡り、プロジェクトの初期対応を任されました。しかし、まだチームが数人だった頃、私は他の立場の人の業務や役割をよく理解しておらず、何でもやるのが当たり前だと思い込んでいました。その結果、チームメンバーとうまく業務を進めることができず、自分の立場で何をすべきかを見失ってしまいました。
当時はすごく悩み、申し訳なさや情けなさを感じる苦しい時期でした。乗り越えるきっかけとなったのは、60代のシニアメンバーの方からいただいた「プロジェクトはバランスだ」という言葉でした。がむしゃらだった故に、横河グループ各社や課題を抱えるお客さまがひとつのチームであることを本当の意味で意識できていなかったことに気づきました。
また、そのシニアメンバーの方は、自身の失敗談やお客さまから叱責を受けた経験などをあっけらかんと話してくださり、「こんなこと大したことじゃない、まだ2年目なんだし、また思いっきりやってみたら良いんだ」と背中を押してくれました。自分の姿を見つめ直すきっかけをもらい、YOKOGAWAのエンジニアとしての一歩を歩み始めたと思っています。
横河ソリューションサービスに出向していた約1年半の経験が、私のYOKOGAWAのエンジニアとしての軸を築いてくれました。そして今、私はアブダビでプロジェクトに向き合っています。エンジニアとしての立場も、働く環境も大きく変わりましたが、横河ソリューションサービスで築いた土台を胸に、異なる文化や価値観をもつチームメンバーと共に、一歩ずつ前に進むことができています。
踏み出した先で、自分を好きになれたーアブダビ駐在という挑戦
入社3年目の2024年10月、私はアブダビにある海外拠点へ赴任することになりました。横河ソリューションサービスでの仕事にやりがいを感じており、新設プラントの見積もり業務も担当していたため、前向きな気持ちになるまでには時間が必要でした。
ですが、挑戦する道を選んだからこそ、新たな経験を得ることができ、YOKOGAWAがグローバル企業であると同時に、どこに居ても人の温かさを感じることができる企業だということを実感できたのです。そして今では、「思いがけない道が開けたときこそ、迷いながらでも踏み出してみればいい」と思うようになりました。
アブダビでは、DCSのエンジニア部隊に配属され、ハードウェアとソフトウェアの両方のエンジニアリング業務に携わることになりました。日本では経験のなかった、まったく新しい分野の業務であり、実務で英語を使うことにも不安がありました。さらに、ひとり暮らしの経験もなく、仕事も、環境も、生活も、ありとあらゆることが初めてのことでした。
最初の1カ月は、とにかく頑張りすぎないことを意識しました。がむしゃらになっては空回りするという横河ソリューションサービス時代の反省があったからです(笑)。そして配属されたチームメンバーの前で素直な自分で居ました。業務も英語もわからないことは正直に伝え、できることをひとつひとつ真摯に取り組みました。
アブダビに来て半年後、私は再び、プラントの定期修繕に伴う現場作業を経験しました。現場に入るメンバーは、アブダビのメンバーだけでなく、インドにあるYOKOGAWAエンジニアリング拠点からの応援メンバーが中心でした。現場に入る前の数か月間、エンジニアリングを一緒に担当してきた顔なじみのメンバーも居る一方、面識のないメンバーもいました。
2年目に現場へ赴いた当時の私のままだったら、乗り越えることが難しかったかもしれません。ですが、この時の私は、共に過ごした時間に関係なく、YOKOGAWAの多国籍メンバーとプロジェクトを遂行することを心から楽しみ、頼り頼られる関係を築くことができるようになっていました。
アブダビでの現場作業は、私にとってこれまでにない経験でした。プラント内はオフィスエリアとは異なり、独特の緊張感が漂う場所です。女性エンジニアが現場に入ることは現地でも珍しく、メンバーから「聞いたことがない」と言われたこともありました。それでもチームリーダーは、私がプロジェクトに欠かせないエンジニアであることを丁寧に説明し、現場作業の承認を得るために尽力してくれました。
当時の私は、ただ目の前のエンジニアリングやドキュメント作成に真摯に取り組んでいただけでした。しかし、振り返ってみると、そうした一つひとつの積み重ねによって、私は自分の業務だけに気を配るのではなく、チームメンバーの助けになること、チームとしてプロジェクトを進めるために、私ができることは何かを考えるようになっていたのです。
現場では数週間にわたり作業を行いました。入構手続きや施設利用において特別な配慮が必要な場面もありましたが、その一つひとつが私にとって貴重な経験となりました。そして何よりも心強かったのは、常にYOKOGAWAのメンバーが私を守り、サポートしてくれたことです。
たとえば、食堂付近に女性用の手洗い場が整っていなかったとき、ペットボトルの水を使って手を洗うサポートしてくれたメンバー。また、プラント内移動用のマイクロバスから降りて歩くことを許可されなかった私の代わりに、嫌な顔を一切せず、私の通行証を持って、セキュリティへ説明してくれたメンバー。この先、こうしてメンバーの皆に支えられたことを忘れることはないでしょう。そうした場面の積み重ねによって、私は安心して業務に集中でき、チームの一員として力を発揮することができました。
アブダビでの経験は、文化や習慣の違いを越えて協力し合うことの大切さを改めて実感させてくれました。チームの支えがあったからこそ、私もまたチームに貢献することができたのです。
赴任前はその当時の居心地の良さから踏み出す勇気を持てず、漠然とした不安を抱き、挑戦することから逃げてしまいたいと思うこともありました。ですが、横河ソリューションサービスでの経験を自分の糧とし、アブダビで新たに得た経験や出会いを振り返ると、新しいステップへ挑戦して良かったと、心から思っています。
そして今、アブダビで多国籍のチームメンバーと共に、プロジェクトに向き合う自分の姿が好きだと胸を張って言えます。今では、帰任したくないと思っているほど、アブダビで挑戦を続けていきたいという気持ちがあります。
YOKOGAWAというチームで、私は挑み続けたい
YOKOGAWAで過ごした約3年間を振り返ると、入社前には想像もしていなかった、様々な経験を重ねてきました。最終的に進む道を決めるのは自分自身ですが、これまで多くの場面で「選択肢を準備してもらっていた」と感じています。そして、選んだ道を、一歩ずつ進んでいく中で、YOKOGAWAで働く自分の姿を少しずつ見つけ、YOKOGAWAで働くことの喜びをより一層感じています。
私のこれまでのキャリアはあくまで一例ですが、YOKOGAWAには、社員一人ひとりが様々な機会を手にし、YOKOGAWAの仲間と共に、新たな挑戦を続けていける環境があると実感しています。
そして今、私がアブダビで“自分らしく”、仲間と共に前へ進んでいけているのは、これまで関わってくださった方々の支えがあったからだと、心から感じています。
知識や技術だけでなく「YOKOGAWAの社員として働くということはどういうことか」を、日々の業務を通じて教えてくださった横河ソリューションサービスのメンバー。言葉も文化も異なるなかで、今まさに一番近い存在で、新人である私のエンジニアとしての成長を支えてくれているアブダビのYOKOGAWAメンバー。そして、出身母体である本社・横河電機で、そっと、でも力強く応援してくださっている、困ったときに安心して頼ることができる方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
そして最後に、やはり同期の存在はかけがえのないものです。誰ひとり、同じ業務に就いていませんが、互いに刺激をうけ、切磋琢磨しながら応援し合える大切な仲間です。
私は、YOKOGAWAの「経験を通じて成長させる環境」と「人の温かさ」に支えられて、ここまで歩んでくることができました。
今はまず、DCSのエンジニアとして、すなわちOT分野の専門性を身につけることに力を注いでいます。技術や知識の軸を築くと同時に、「一つにとらわれず、仲間と共に前へ進むために視野を広げる」という姿勢も大切にしています。だからこそ、将来的にはOTとつながっているけど、また違うIT分野など、異なる領域にも挑戦し、より広い視点から価値を生み出せるエンジニアを目指していきたいと考えています。
これからも一歩ずつ、YOKOGAWAの一員として、お客さまのプラント、社会インフラを支えていることを忘れずに、支えてくれる仲間を大切にしながら、前へ進んでいきたいと思います。
YOKOGAWAが持つ精神、事業、人などの個性の中で、自分が何に惹かれ、またどんな仕事にやりがいを感じることができるかを考えていただきたいと思います。YOKOGAWAは業務の幅が広いからこそ、入社後にギャップを感じることもあるかもしれません。だからこそ、自分なりの入社への想いを持って志望されることをおすすめします。私の場合は、“プラントに惹かれている”そんな浅くて広いようで、でも消えない想いが、入社、そしてキャリアにつながっているのだと感じています。
※ 記載内容は2025年8月時点のものです
