ライフ事業本部をつなぐ“ハブ”として。鍵はミッションの本質を突き詰める自律性
私は現在、ライフ事業本部 事業戦略室 事業企画部の部長として、本部のバックオフィス全般と戦略立案のサポートを担当しています。具体的には、管理課と企画課の2つの課があり、それぞれ異なる役割で事業本部の運営を支えています。
管理課で担っているのは、予算策定や実績数字の予実管理等の計数管理。現在まさに来年度の計画を立てている最中で、今後の予算会議に向けて数字の作り込みと戦略検討を進めています。また、設備投資の計画や固定資産の管理、人事部と連携しての人員管理や教育計画の立案、各種手続き、採用面接対応なども業務の一環です。
企画課では、ライフ事業本部に関連するアニュアルレポート等の投資家向けIR関連資料の作成、社内の経営陣への報告資料作成など、ライフ事業本部に関する社内外の情報発信と報告を担当しています。また、ライフ事業本部内の定例の販売会議などの会議運営も行っています。そのほか、事業本部内の表彰制度や改善コンテストなど、さまざまなイベントの企画運営も重要な業務の1つです。
さらに、M&Aにより買収した3つの子会社の管理サポートも行っています。とくに海外の子会社については、私自身が非常勤取締役としてPMI(*)活動やガバナンス強化も担当しています。中には買収から比較的新しく、組織体制が未成熟な会社もあり、まさにトライアンドエラーを繰り返しています。想定外の様々な課題の解決に奔走しながらCFOとして資金繰りの管理や経理財務周りの対応、内部統制整備などのサポートを行っています。
(*)PMIとは・・・Post Merger Integration
これらの業務を支えるチームメンバーは現在9名。プロパー社員を中心に、中途キャリア入社の社員が私を含めて2名、派遣社員が1名で、年齢層は20代から50代まで幅広く、女性は私を含めて3名います。小さな組織ですが、多様性のあるチーム構成となっています。
幅広い業務を担当する中で、私が大切にしているのは「自律性」です。2012年に横河電機に中途キャリア入社した時も、2021年に内部監査部署からライフ事業本部に異動した時も、環境の大きな変化に戸惑うことがありました。しかし、組織のミッションや目的を突き詰めて考えることで、本質が見えてくるようになりました。
現在の部署はサポート部署として、さまざまな要望や問い合わせを受ける立場にありますが、「何のための業務で重要な事は何なのか?」という判断軸を持つことで、より効果的な業務遂行ができるようになったと感じます。私は監査出身ということもあり、何か不備やエラーが起こると「どうしてこうなったんだろう?」とひたすら考えます。
そうやって本質を見極めることで自分なりのルールができ、「本来あるべきはこれじゃないか」「ここはもっと改善できるのではないか」など、仕事がやりやすく、楽しくなってきました。また、部下メンバーへ指示する際に、一貫した説明ができるようにもなりました。
私たちの使命は「事業本部長の右腕・ブレーンとなって、ライフ事業本部が成長発展するよう強い組織を創ること」。本部のミッションを達成するためのさまざまな情報が集約される、いわば“ハブ”のような部署として、参謀的な役割を果たすことが求められています。チームメンバーとも、この意識を共有しながら日々の業務に取り組んでいます。
組織内部から支援したいと横河電機へ。約7年かけて改革した内部監査体制
私は学生時代から、専門性のある仕事に就きたいという想いがありました。数字や経済、経営分野が得意だったこともあり、会計のスペシャリストをめざそうと、大学時代は監査人になるために必要な簿記などの資格取得の勉強に時間を費やしました。
新卒で入所した監査法人や、前職の仕事は充実していましたが、クライアントのビジネスの実態や戦略について表面的な理解となっていることにもどかしさを感じていました。
監査人は弁護士や税理士とは異なり、独立性と客観性を維持しなければならない立場であり、そのため、クライアントのためにやりたいことがあっても寄り添うことが難しいという制約もありました。年数を重ねるにつれ、自身の知見を活かして組織の内部からサポートしたいという思いが強くなっていきました。
当社への入社を決めた理由の1つは、内部監査部署がまだ発展途上で、これからグローバルな監査体制を構築していく段階だったことです。その中核となる人財を募集していることに魅力を感じました。また、前職では米国のパートナー企業の方針に従う立場だったことに対して、当社では本社として自分たちでルールを作り、体制を決めて展開していけることにも大きな魅力を感じました。
入社後は、海外に数十社ある拠点のうち、地域統括拠点をほぼ担当し同じグループ内のビジネスでも、国や拠点によって経営スタイルや組織体制が大きく異なることを学ばせてもらいました。
当社への転職当初、監査業務は現場をよく知るベテラン社員が行っていることがほとんどだったため、私は監査人として現場経験を積みながら、監査の本来あるべき姿をめざして、アカデミックな手順や国際基準等のルールにもとづいた改革を少しずつ進めていきました。
まずはメンバーへの教育を通じて監査の基本的な考え方を浸透させ、その後は企画課に移り、体制や計画、ルール、規定などを整備。一つひとつ体制が整い、変化を実感できるようになるまでには6~7年かかりました。
もっとも難しかったのは、新しい方針や手順を現場に浸透させていく過程でした。当時の社内に、監査の専門家は私1人で、一方、現場にはこれまで成果を上げてきたスタイルがありました。できるだけ現場の意見を丁寧に聞き取り、新しい方針の意図や目的を説明しながら、段階的に変更を進めることを心がけました。
直接対話を繰り返したおかげで、私にとっても「きちんと理由があってこうしていたんだな」という学びになりました。その中でやり方を微調整し、お互いの均衡点を見つけていくという地道な取り組みがうまくいったと思います。
“現場に寄り添う”とは?ライフ事業本部への異動で見えたリアルと真のミッション
内部監査部署での9年間を経て、私はキャリアの大きな転機を迎えることになりました。監査の体制や仕組みづくりでは一定の達成感を得られ、後輩たちにも引き継げる状態になっていました。しかし、1つだけずっと心に引っかかっていた課題がありました。それは「現場に寄り添えているか」ということ。これは以前、上司から指摘を受けたことでもありました。
このまま内部監査部署にいても、この課題を解決して、自身もさらに成長することは難しいと考え、自ら手を挙げて転部を希望したところ、上司からのアドバイスもあり、ライフ事業本部への異動が決まりました。
ライフ事業本部は当社の中でも比較的新しい組織で、当時は人数も事業規模も拡大していく成長フェーズでした。管理職として、さまざまな視点で物事を見られる人財が求められていたタイミングでもあり、私の転部希望と組織のニーズがうまく合致したようです。
しかし、いざ着任してみると、想像以上に戸惑うことが多く職種の違いだけでなく組織風土や意思決定の進め方も内部監査部署とは大きく異なっていました。また、当社への転職時は指導係がついていましたが、今回は部長として自ら関係者に話を聞き、学びながら同時にマネジメントとしての役割を果たすことになりました。
着任当時の部下は4人。2人がベテランで、2人は異動したばかりという特殊な状況でした。上司も非常に多忙で、じっくり指導を受ける時間もなく、手探り状態でのスタートだったことを覚えています。
特に苦労したのは、業務に関する文書やルール、手順書などが未整備だったことです。当社に転職した時に近い感覚で、まずはそこを整備することから着手しました。
しかし、内部監査部署と異なり、さまざまな部署からの問い合わせや依頼が多い事業部では、細かな周辺関節業務が膨大です。正直、「こんなことまでやるのか」と思うこともゼロではありませんでしたが、それも含めて「現場とはこういうものなんだ」という大きな学びを得ることができました。
この経験を踏まえて、事業本部として本当にやるべきことは何か、限られたリソースの中で中長期的な課題にどう取り組んでいくべきかを考えるようになりました。今後取り組むべき重要テーマの検討と同時に省略・断捨離できる業務は効率化するなど、業務の棚卸しや整理を行うことが、部長としての私のミッションの1つだと考えています。
伝統と革新が共存する横河電機で、誰もが働きやすい職場づくりをめざす
当社は100年以上の歴史を持つ会社でありながら、創業の精神の1つに「パイオニア精神」があるように、新しいことに積極的にチャレンジする姿勢のある、ユニークな会社です。
たとえば、働き方においてもリモートワークを早い段階で取り入れるなど、新しい施策を積極的に導入し、私自身も家庭があり子どもがいるため、働きやすさは大いに実感しています。また、「横河まつり」という会社の伝統行事があり、地域とのつながりも大切にしています。伝統と新しさが共存する、バランスの取れた企業文化を持った会社だと感じています。
現在、ライフ事業本部としては事業部としての歴史が浅いこともありまだまだ課題はありますが、人もお金も限られている中で選択と集中を行い、最適な配分を考えていくことが今後の課題です。私はそのブレーンでありたいと思っています。
また、個人的な目標として、社内での多様性推進に貢献したいという想いがあります。前の部署では女性の課長が多く活躍していましたが、ライフ事業本部では女性の管理職はまだ少なく、部長クラスは私1人。最近は女性や外国籍社員もたくさん活躍していて、優秀な人財が増えているので、属性に関わらず若い世代や女性などが活躍できる環境づくりに貢献していきたいと考えています。
年齢や性別等は関係なく、前向きで自分の意見をしっかり発信していける、自律している方と、一緒に働けたら嬉しいです。
※ 記載内容は2025年2月時点のものです
