世界で3万件以上導入される主力製品「CENTUM」シリーズのシステム企画を担う
私たちシステム企画部では、当社の制御システム製品、主に「CENTUM」シリーズの企画を担当しています。「CENTUM」は、1975年に世界初の分散型制御システムとして開発されて以来、石油、化学、鉄鋼、インフラなど幅広い分野のプラントに導入されている当社の主力製品です。シリーズ累計では、世界中で3万プロジェクト以上をリリースした実績を誇ります。そんな「CENTUM」を拡充する新機能を企画したり、新しい商品を企画したりするのが私たちの仕事です。
業務範囲は広く、マーケティング情報に基づいた企画立案から、商品をリリースするところまでリードします。その間、開発工程や生産工程等で発生する契約締結業務や、商品の効果的なPR方法の検討など、必要な事は何でもやるのが私たちの仕事です。
チームメンバーは30名。幅広い業務知識が必要な仕事ということもあり、40代・50代のベテラン層が中心となっていますが、20代・30代の若手メンバーが困った時には、いつでも声を上げられるように、相談しやすい雰囲気や場づくりを心掛けています。雑談を交えながら仕事の進捗などを共有できる機会をつくり、1人で悩みを抱え込まず、全員で解答を導き出せるチームにすることが私の一番の役割だと思っています。
当社の製品や技術はニーズに応じて変化し続けているなかで、「CENTUM」というシステムは、機能を拡充しながらも一度提供した機能や性能は「変わらないこと」が求められる、とても特殊な製品です。ガスや石油、電力など、暮らしに欠かせない分野のプラントにも導入されているため、プラントを止めることは決して許されません。「CENTUM」の連続稼働率は99.99999%。40年間で1分しか止まらないという高い信頼性を誇ります。
だからこそ「一旦動き出したシステムは、ずっとこのまま維持し続けたい」という要望が多く、何十年経っても同じ機能や性能を維持する必要があります。手に入る部品や周辺システムがどんどん変わっていく中で、機能や性能を完全に継承することは実はとても難しく、技術力がいります。「新しいものをつくりたい」という人はたくさんいると思いますが、今あるものを創意工夫して維持していく──そんなところも私たちの仕事のやりがいだと感じています。
技術から企画、計測から制御へ。未知の世界でも自分にできることは全部やってきた
私が横河電機に入社したのは2002年。就職活動では、「社会を陰で支える縁の下の力持ち」のような企業で働きたいと考え、安定的に長く働けそうな当社に決めました。
最初の10年間は、計測器に使用するASIC(大規模集積回路)の開発に携わりました。そこで一番の学びとなったのは、技術の伝承におけるドキュメンテーションの重要性です。上司の指導のもと、実験や設計の報告を常にドキュメントとして残すことを徹底していたので、人に情報を伝えるスキルや文書作成能力が培われたと思います。また、良い結果も悪い結果も、相手に正確に伝えてきた経験は、現在のマネジメント業務でも非常に役立っています。
キャリアの中で最も大きな転機となったのは、2014年に現在の事業部門に異動したこと。仕事内容は技術開発から企画に変わり、扱う製品も計測から制御と、まったく異なる分野に変わったので、まさに未知の世界への挑戦でした。言葉の使い方が違ったり英語が必要だったりと、カルチャーショックも経験しました。
そんな中で仕事を覚えていくために、「自分のできることは全部やって、できることを少しずつ増やしていこう」と決意。上司や先輩に相談しながらどんどんチャレンジし続けると、ある時を境にできることがバーンと増えたような感覚がありました。
過去の案件でとくに印象深いのは、ある製品を終了するという決断をしたことです。売上低迷などさまざまな要因があったのですが、少数とはいえ現役で使ってくださるお客さまもいる中で販売終了になれば、必ずハレーションが起きます。
そのため、営業やサービス部門等の社内ステークホルダーには「なぜやめるのか」「ご使用中のお客さまにはどのように置き換えてもらうか」などを丁寧に説明し、理解していただく必要がありました。結果的に、営業の方たちがお客さまと向き合い、真摯に対応してくれたおかげでサポートを終了することができました。
その後、企画から海外販売推進に役割が変わり、韓国でのプロモーションやユーザーミーティングなどを支援する働きを担いました。このタイミングで課長に昇進し、初めてマネジメントも経験しました。それまでは自分が頑張って成果を出すことに集中していましたが、課長になってからはチームで成果を出すためにメンバーのサポートや働きやすい環境づくりに力を入れるようになりました。これもキャリアの中での大きな転換点です。
マネジメントをする上で大事にしているのは、メンバーが「やらされている感」ではなく「納得感」をもって仕事に取り組めるようにすること。「なぜこの仕事をするのか」「会社にとってどれだけ大切な仕事なのか」を説明するのとしないのとでは、モチベーションがまったく異なると思っています。だからこそできる限り説明を尽くしたいですし、腹落ちした状態で仕事に臨んでほしいと考えています。
企画立案スピード1.5倍、後戻り半減。コミュニケーション強化による大きな成果
2022年からシステム企画部の部長を務めていますが、管理職として最も大きな成果だと感じているのは、組織全体で企画のスピードとクオリティが向上したことです。具体的には、企画立案スピード1.5倍、企画品質改善(後戻り発生率半減)という成果が出ました。当社の製品事業は、私たちの企画がインプットとなって開発がスタートするので、企画の数や質がアップしたことで、ビジネス全体に良い影響を与えられたと思います。
成果につながった要因は、週2日は全員が出社し、チーム内のコミュニケーションを活性化させたことだと考えています。企画を立案するときは、まず主担当が叩き台をつくり、それに対してみんなが意見やアイデアを出してブラッシュアップしていくのですが、対面でのコミュニケーションでメンバーの相互理解が進んだことで、意見が出しやすくなったと感じています。
気になる部分は有識者であるベテラン層に相談でき、企画段階で細部まで詰められるようになったことも、後戻りの減少につながったのだと思います。
私たちが企画するシステムは、ステークホルダーがとても多く、すべての人に「これ、いいね!」と言っていただけるものをつくるのは、とても難しいと思っています。そのため、事業全体として優先すべきものを決め、より多くの方に協力者になっていただく事が大切です。
企画内容に賛同いただけなかったとしても、まずは相手の立場に立って何が困るのかを理解し、解決の道を一緒に探すことが大事だと思っています。また、部署が違うと言葉の使い方もまったく異なる場合があるので、なるべく相手と同じ言葉を使うようにしています。
そして、最終的に一番大切なのはやはり熱意です。企画者の熱意が強い企画ほど、「協力してみよう」「試してみてもいいかも」と思っていただけると実感しているので、自分たちの企画を信じ、想いを伝えることが重要だと思っています。
“やりたい”があふれる部署。継承性も大事にしつつ新たな挑戦も
当部の課長と「どんな部署にしていきたいか」について話しをするのですが、「“やりたい”があふれる部署にしたいね」という意見に全員が同意しました。メンバーが「こんなことに挑戦したい」という意欲を持ち、つぎつぎと企画が出てくる。そうなればディスカッションもますます盛んになって、個人としてもチームとしても成長していけると思っています。
チームマネジメントにおいては、部下との関係構築のためのコーチングを受け、実践しています。その結果として、チーム全体の雰囲気が更に良くなっただけでなく、エンゲージメントやストレスチェックの数値も向上する、という嬉しい驚きもありました。
部下のみなさんの成長が見えると本当に嬉しいですし、彼ら彼女らが成長すればするほど任せられる仕事も増えていきます。すると、私自身の負担が減り次のチャレンジができるようになってきます。つまり、部下の成長が私の成長にもつながることになります。だから、5年後、10年後には私もしっかりと成長して、より多くの成果を出せるようになっていたいと考えています。
当社は他の部署も変化することを前向きに捉え、新たな事業やシステム開発にどんどんチャレンジしています。横河電機は技術力をベースとした会社なので、技術に対する興味や意欲を持っていることは共通項として、その他の面では多様な人材が活躍していると思います。
文系出身の方もいますし、性別や属性を問わずすべての方が活躍できる環境で、さまざまなキャリアパスを描くことができます。たとえば私が部下の誰かに出張をお願いしたいと考えた時、「あの人は子育て中で大変そうだから声をかけることはやめよう」ということはしません。まずは声をかけてみて、断るのも、挑戦するのも本人が決められるように、全員平等に機会が回るようにして、それぞれがめざすキャリアを実現できるようにサポートしたいと思っています。
自分自身のキャリアで言えば、私は最初技術職として入社したので、まさか自分が企画職になり、マネジメントをすることになるとは思っていませんでした(笑)。目の前の仕事にしっかり向き合い続ければ必ず評価されますし、今の仕事は商品の企画から開発、リリースまで全体を見渡せるのが楽しいです。
私たちが担当する「CENTUM」は機能や性能の継承性を強く求められるシステムですが、品質はキープしつつも、新しいアイデアを取り入れることには挑戦し続けたいと思っています。
たとえば操作画面をSF映画のような近未来的なインターフェースにすることもできるなど、お客さまも私たちもワクワクするようなシステムにしたいと思います。そうしたプロジェクトが現在進行中なので、将来的に発表できる日を楽しみにしています。学生時代には想像もしなかったような新しい世界で刺激的な経験を積める──横河電機は、そんなワクワクするおもしろい会社だと思います。
※ 記載内容は2024年11月時点のものです
