「おもしろそう!やってみたい!」──ワクワクする想いに突き動かされて、数々の仕事を経験
興味を持ったものに対して、すぐ行動に移すタイプだと言う平井。これまで、さまざまな職種を経験してきました。
「就職活動していた当時に放送していたドラマに憧れ、もともとクリエイティブな仕事がしたいと思っていたこともあって、新卒で入社したのは広告代理店。制作部カメラ課に所属し、商品の物撮りをメインに活動していました。
しかし、働いていくうちにモノが売れる、動いているさまを見る方が、現実味があっていいなと思うようになったんです。そこで、計算された売場で商品を効率的に販売するためのノウハウを学び、リアルストアを作り出すこともある意味クリエイティブな仕事だと思考変換し、大手コンビニエンスストア企業へ転職することに。
そこで、約2年間トレーナーとして勤務。新店舗のゾーニング含めた売場作り、オーナー教育、店舗に応じた運営オペレーション作成などをメインに携わり、関西エリアで20店舗以上の立ち上げに携わりました」
その後、もっと学びたいという意欲から全国に200店舗以上ある大手カフェチェーン店へと転職。入社後は関西エリアで2番目に人気だった京都の店舗で勤務し、店長のかたわら研修のファシリテーター、エリアのVMD担当などを行いつつ、社内資格や受けられる研修は数多く受講していたと言います。
「『社内で自分が学びたいことをタダで学べるなんてラッキー!』だと思いました。また、自分が学んだことを他の人に共有し、みんなができる仕事を増やせるようにしていました。
人に教えることって本当に難しい。基本がわかっていないとできないですからね。でも、誰かに教えることでお互いに新たな学びにもなりますし、他のメンバーができて任せられるようになれば、自分もまた新しい挑戦ができるんです」
「メンバーを育て、自分も育てる」の志で、現状に満足することなく常に成長を心がけてきた平井は、カフェチェーン店に6年間勤務した後に退社。そして、2007年にDEAN & DELUCAに入社します。
「前職の会社でアルバイトとして働いていた友人がDDに就職しており、仕事で関西から東京に行く時には、いつもDD品川店を目にしていました。当時はまだ店舗が5つほど。『これから挑戦できることがたくさんあって、最初に携わることができるのがすごくおもしろいよ!』という話を聞いていたんです。
また、前職の会社が急成長をし、今後のキャリアを考えた時に自分のやっていきたいことと違うとも感じ始めていました。会社が小さい時から積み上げていき、中核としてブランドを動かしたり、さまざまな事業に携わったりしてみたい。そう思った時にピッタリと当てはまったのがDDでした」
攻めから守り、そしてリアルからオンラインへ。店舗での買い物と同じレベルをめざした
DEAN & DELUCAへ入社後、最初は名古屋店のオープニングに配属され、その後は八重洲店、CAFÉ南青山店などおよそ9店舗を経験してきた平井。品川店でマネージャーをしていた当時、毎日約5万人の通行客がいる駅前で、どうやって足を止めてもらい、習慣的にお店を利用してもらえるのか考えて始めたのが、今やカフェ店舗の定番となった「モーニングメニュー」、そして、現在は全店舗で実施している試食販売イベント「Taste!」でした。
「とにかく、おもしろいことがしたかったんです!その中でお客さまから喜ばれ、お店としても新しいサービスを提供でき、新しい文化にすることができました。
DEAN & DELUCAに入った時の『感動』は本当にすごいと思います。メンバーが『これでもか!』っていうくらいプロモーション台づくりに情熱を持って仕事をしており、その商品陳列はお客さまを一番驚かせています。
最初は、セレクトショップとして他ブランドの商品も多かったですが、自社ブランド商品も徐々に増えて引けを取らないブランドへ。今は、食のブランドとして『DEAN & DELUCAで選んだら間違いないよね』というお客さまからの期待に応えられるまでに成長したと胸を張って言えます」
これまでの活躍が評価され、本社の「営業支援部」へ異動となった平井。まず、大きなミッションとして掲げられていたのがDEAN & DELUCAメンバーズカードの立ち上げです。約1年間かけてポイントプログラムを一から作り、その後もDEAN & DELUCA CAFÉ JAPAN設立のため、アメリカ本国と事業計画の作成などに注力してきたと言います。
「今までに負けないような新たなコンセプトを考え、16店舗以上の出店に携わりました。その後、立ち上げは他のメンバーに任せることにし、事業として攻めの姿勢を保つために自分は内部を整えて守りを強化する方へと転換しました。もっと事業をしっかり『推進』していくことも必要なんじゃないかなと思ったんです。
『このシステムはこうしたら効率がいいのに』『ここを削減できたらもっと利益率が上がるのに』など、店舗が困っていることを簡略化、システム化、効率化して解決し、無駄をなくす部署を作るべきと思い、『事業推進室』を立ち上げました」
包材の商流の一元化や、店舗修繕の一元管理、等、経費の徹底的な見直しにより収支効率UPに繋げました。
そうして店舗事業に貢献してきた平井が次に任されたのは、「オンラインセールス」部の統括です。当時、DDは店舗を中心にブランドを醸成してきており、商品は基本的に店舗での販売がメインでした。
eコマース(以下、EC)事業はそこまで活発化していませんでしたが、デジタルの進化によりDDもECに力を注ぐタイミングだったと言います。
また、オンラインストアのあり方はコロナ禍により大きく変化したと語ります。
「オンラインストアの仕組み、運営知識がなかったので『統括』と言われても何をしたらいいのかわかりませんでした。どうやったらお客さまがサイトを見てくれるのか、お買い物をしてくれるのか。そこを学び、考えるのが一番大変だったかもしれません。
サイトの運営施策として購入率、リピート率を上げる方法を考えるうちに、『店舗のパフォーマンスと商品で成長してきたDDだからこそ、店舗での買い物体験をサイトでも表現しよう、自分たちのお客さまへの接し方は一緒だ!』と考えました。
『いらっしゃいませ』を表現する代わりにサイトを開いた一発目のページにこだわり、『これがオススメです』とお店で声をかけるようにLINEで定期的に発信や、よりわかりやすくするために『ベストセラー商品』をまとめ、常に更新しています。
今、オンラインセールス担当で働いているメンバーの9割が店舗経験者です。決してEC事業のプロではないメンバーがどのようにECの業務で力を発揮し、成長していけるかを考えた時に、『デジタルサービスに置き換えるなら、お店で培った成功体験をどのようにサイトで表現するのか』といった思考変換をし、そこから一気に成長することができました」
リアルでも、サイト上でもお客さまに対する気持ちは同じ。店舗と同じように「ここで購入してよかった」と思ってもらえるように考えていくことがDEAN & DELUCAでしか味わえない体験だと平井は語ります。
背景は、「誰かのため」に──日々アップデートし続けていくPOP UP STORE
2019年以降に本格スタートしたDEAN & DELUCAのPOP UP STOREは、2023年には全国で26回開催され「旅するDEAN & DELUCA」として事業展開しています。
「初めての開催は広島県でした。店舗のない地域での開催、簡易的な小規模店舗に来ていただけるのか不安が尽きませんでした。その思いに反して大変多くのお客さまにご来店いただいたことはとても嬉しく感じています。一方のPOP UP STOREはお客さまに残念な思いをさせてしまっていることがありました。
1回一度きりしか行わないPOP UP STORE用に在庫を確保し遠隔地で頻繁な物流が組めない中で、在庫リスクを考えると商品の追加投入ができず、最終日に近づくにつれ商品は少なくなり棚がガラガラに。せっかく時間を作って来てくれたお客さまをガッカリさせてしまったと感じました。
『最後まで棚いっぱいに商品を保持し、最終日までDEAN & DELUCAでの購入体験を楽しんでいただきたい!』と思い、POP UP STOREの回数を増やし、在庫を確保し、最終日までいい状態の店舗でお客さまにDDの世界観を楽しんでいただけるようになりました。
コロナ禍となり行動制限がかかる中、一時は厳しい事態にも陥りましたが、その後の鳥取県の百貨店からの開催依頼を皮切りに、日本百貨店協会内でも話題となり今も全国各地からの問い合わせは絶えません」
全国各地を飛び回り、開催する地域のメディアでの取り上げも増えて2023年には全国でお買い物をしていただいたお客さまは37万人以上、運営メンバー移動距離は日本国内で地球2周分に上りました。
「POP UP STOREには2種類のお客さまがいます。お店に『お買い物に来てくださるお客さま』と、開催場所として協力をしてくださる『百貨店の皆さま』です。いくらネットが普及しているとはいえ、『食』は画面越しにすべてを伝えることはできません。リアルでお伝えすることが最善なことです。
どんな売り場で、どういった商品を訴求して、どんなことをして集客をしていくのか。百貨店とお客さまの両方がハッピーになるためには何をしたらいいのかを常に考えています。そこででき上がった関係性を大切にしたいですし、この『POP UP STORE』を流行のビジネスとしてではなく半永久的に続け、ずっと皆さまの期待に応え続けることが私たちの在るべき姿です」
「これでいい」と妥協することがない平井の心には、大きく成長を遂げたPOP UP STORE事業に対して、ここからさらに「どうすれば今を超えられるのか」という気持ちがまた芽生えてしまいます。
また、平井はPOP UP STOREをビジネスとしてだけでなく、社内のメンバーへも還元できるものとして作り上げました。
「運営チームは、店舗メンバーから社内公募で募集をします。社内で今後のキャリアアップに悩むメンバーに対して、新しいキャリアの道として作りたかったんです。全国各地を飛び回り、運営に携わりつつ作り手さんを訪問し新しいつながりを作ることができます。
また、店舗メンバーにもヘルプとして参加してもらっています。いつもと違う場所、違うメンバーと働くことで新たな気づきを得ることができ、その学びを店舗に持ち帰り活かしてもらうんです。『原点回帰』のような感じでしょうか。
コロナ禍や日々の多忙な業務で頻繁に故郷へ帰れないメンバーが多くいました。そんな中、メンバーの故郷での開催時は出身者には積極的に参加をしてもらい、帰省の機会やご親族にブランドや自身の働く姿を知っていただける機会にしてほしいという思いもありました」
「自分自身のブラッシュアップもメンバーのためになる」。ブランド全体の成長と発展に
入社して17年。お客さまのニーズが変わりゆく中、DEAN & DELUCAのブランド価値を創り続けてきた平井が、ブランド営業部としてめざす未来像を語ります。
「オンラインストアは、『こんな商品あるんだ、楽しそうだな』とブランドとお客さまとのコミュニケーションの場として、ブランドの『核』になるべきだと考えます。DEAN & DELUCAというブランドを理解し楽しんでいただく場として、もっともっと洗練させていきたいです。働くメンバーはデジタルでしかできない、リアルでは届かないお客さまへのサービスの提供を突き詰めていく仕事の楽しさの中でより成長してもらいたいですし、社内でもECの仕事にチャレンジしたいと手を挙げてもらえるような存在になりたいです。
お店に行かずとも購入できることはもちろんですが、今まで以上に『お店に行ってみようかな』と訪れるきっかけにつなげていきたい。
ビジネス上も含めブランド内で店舗・オンラインストアの垣根はないと思っています。オンラインストアはその利便性と店舗の無い地域のお客さまにより利用してもらえるようにしつつ、店舗に来店していただいたお客さまにはスマートに情報獲得ができることでより楽しいお買い物体験をしていただきたいです。
店舗メンバーにはサイトを接客で活用するツールとして容易に情報を取得してもらい、お客さまに伝えてもらいたいですね。
一方、POP UP STOREは新しくできることなど、さまざまな要素を加えていきお客さまとのリアルタッチポイントとしてこれからも存在し続けます。
そして、メンバーがより活躍できる場でありたいです。お手伝いにきてくれるメンバーは普段の店舗業務とは少し違い、『接客』に集中してもらえるので気兼ねなく自分たちの生業としてやるべきことを思い出し、1つの研修として捉えて参加してほしいです」
今まで経験のない仕事に挑戦し続けた平井自身の今後の目標について、こう語ります。
「経験のなかったことを経験させてもらったことに感謝するとともに、その中で実績を残すことができたとも感じています。これからはさらにこの仕事に対して突き詰めていきたいです。
ブラッシュアップして私自身が成長していくことでメンバーが成長し、活躍できる場と機会をたくさん設けたいと思いますし、ブランドとして今携わっている事業をいかに成長させながら継続し続けられるのかを組み立てていく必要があると考えます」
DEAN & DELUCAが日本に上陸して約20年。そのほとんどを共に歩んできた平井。これからも多くのお客さま・メンバーのために何ができるのか考え、挑戦はこれからも続きます。
※ 記載内容は2024年4月時点のものです

