四日市港で描く大規模プロジェクト。大切なのは、多様な意見を取り入れること
四日市港の霞ヶ浦北ふ頭地区。ここで進められている岸壁整備工事の責任者として、森は日々奮闘しています。
「国土交通省が管轄するこの工事は、新設岸壁の基礎となる鋼管部材の打設が主な内容。私は責任者として、施工管理全般を担当しています。具体的には、計画から出来形品質管理、工程管理、安全管理や関係各所との調整など、プロジェクト全体の管理および統括を行っています。
この現場では若いメンバーが多いため、彼らの教育も担当する中で技術の継承も重要な任務です。今回の工事は特定建設工事共同企業体(以下、JV)として行われており、同業他社とも協力しながら進めています。
工事の規模は、WTO(世界貿易機関)の基準を超える契約形態となっており、具体的な金額は明かせないもののかなり大規模なプロジェクトだと言えます」
森にとって、当プロジェクトは初めての所長業務という立場での挑戦。これまで経験したことのない責任の重さを感じながらも、自身の成長の機会として前向きに捉えています。
「責任者という立場は初めてで、業務範囲が大きく広がっています。工事内容自体は比較的シンプルですが、だからこそ確実に高品質なものを発注者に納品するために施工管理を行う必要があります。現在は準備段階で、そういった点を意識しながら計画を立てています。
これまでとは異なる視点で現場を見ることができるのは、自身の成長につながると感じますし、やりがいでもあります。また、3年間の内勤を経て現場に戻ってきたため、新しい技術が次々と導入されているのを目の当たりにして刺激を受けています」
森は、現場のメンバーとの関わりの中でとくに協調性を大切にし、どんな仕事に対しても同じ姿勢で取り組んでいます。
「1人でできることには限界があるため、他の人に任せたり相談したりしながら物事を進めていくことが重要だと考えています。多様な意見を取り入れることで視野を広げ、より良い成果を生み出すことができると信じています。この姿勢は、若手メンバーの教育にも活かされています。
大規模工事と小規模工事、陸上工事と海上工事など、それぞれの現場には特性があります。工事の規模や種類によってアプローチの仕方は変わりますが、真摯に向き合う姿勢は変わりません。それぞれの現場の特性に応じて適切な方法を考え、実行することが大切だと考えています」
デベロッパー志望から建設業へ──港湾工事で築いた技術者の基盤
学生時代は理工学部で土木工学を学び、海岸工学の研究を行っていた森。就職活動では街づくりや都市空間の創出に興味を持っていました。
「どちらかと言うと不動産デベロッパーなどを軸に就職活動していたんですが、なかなかご縁がなかったというのが正直なところで。そして、建設業も街づくりの一端を担う業界かなと模索している中でマリンコントラクターの若築建設に出会いました。
入社後、最初の配属先は富山県で港湾の橋梁を作っていく現場だったんですが、いい工事に出会わせてもらったなと思っています」
2〜3年目はJVの構成会社として、多くの同業他社の中で若築建設からは1人で現場に配属されます。
「正直、右も左もわからない状態で当社から1人で現場に行くのはかなり不安がありました。でも会社が違うとか関係なく、他の職員の方々にいろいろ教えていただきながら過ごしました。この経験が、技術者としての基盤となったと思っています。
同業他社や協力業者、発注者などさまざまな立場の人々と接する機会が多い現場だったので、建設業全体で協力して意見を出し合いながら1つのものを作り上げていく一体感を覚えました」
その後、北陸新幹線の大規模工事に携わることに。この経験を通じて、森は現場に向き合う視野の広さを培っていきました。
「とくに、2つ上の先輩と直接接する機会が増え、その先輩の仕事ぶりに強い印象を受けました。自分が考えていることは全部把握していて、『こういうパターンもあるよね』と次々と発想を広げていく姿を目の当たりにして。『こんな仕事のやり方があるんだ』と驚きました。
それまでは、若築建設という会社に対する愛着が薄いところがあったのですが、その先輩と出会い、考え方が大きく変わりましたね。『こんな人が働いている会社にいるんだ。負けたくないから頑張ろう』みたいな。この人に勝ちたい、認めてもらいたいという気持ちが芽生えたんです(笑)」
積み重ねた経験が、自身の成長を実感させる。再び携わった新幹線工事
それから森は、名古屋支店管轄の国交省工事に連続して携わっていきました。
「年の近い先輩と2人で、国交省の現場を担当したこともあります。先輩も私も初めて行う業務が多く、2人で相談し合いながら仕事を進めました。初めての現場代理人という立場で発注者や他社との調整を行い、新たなステージに立ったと実感しましたね」
その後も陸上工事・海上工事の両面から経験を重ねていった森。7年ぶりに再び北陸新幹線の工事に携わる機会も得ます。
「前回の2倍の延長がある工事で、現場よりも室内で計画や設計確認を行う業務に従事しました。特殊な新幹線工事の中で経験者が少ない状況下でしたが、重要な役割を果たすことができました。
長期的な視野で現場全体をイメージし、次のステップを予測しながら事前の段取りを考えられるようになったんです。これは、それまでの現場代理人としての経験や1回目の新幹線工事の経験が活かされた結果だと感じています」
経験を重ねるごとに視野を広げ、より高度な管理能力を身につけていった森。そのモチベーションの源泉についてこう語ります。
「昔から変わらない競争心は今でも持ち続けています。また、仕事を通じて自分の未熟な部分が浮き彫りになってくるため、次はそれを克服しようとする自己成長への意欲も原動力の1つですね。
加えて、後輩の成長を見ることも大きなモチベーションになっています。あの時こうだったメンバーがここまでできるようになったと思うと、自分ももっと頑張らないといけないなと感じますし、逆に自分がこういうことをやることで若いメンバーらの刺激にもなるかなとも思います。
若い世代がどんどん増えてくると思うので、彼らに対して自分の経験を伝えていければいいなと思います」
人間関係の良さと挑戦の場が魅力の若築建設で描く、未来のビジョン
森は、若築建設で働き続ける理由について、人間関係と成長環境の良さを挙げます。
「うちの会社は、総じて人がいいのかなと思います。社内では言いたいことも比較的言いやすい環境で、コミュニケーションも取りやすいです。『新しい技術を使ってみたい、やってみたい』というのが取り入れやすい。いろんなことを経験させてくれる会社かなと思います。
またさまざまな部署があり、タイミングがあえば希望に応じた異動も可能で、自分が求めればそれに見合う経験をさせてくれるような会社ですかね。チャレンジしやすい会社だと思います」
このような環境の中で若築建設に求められる人材として、責任を持って仕事に取り組むことの重要性を強調します。
「当社だったら、どんなタイプの人でも自分の居場所を見つけられると思います。ただ、自分でちゃんと考えて責任感を持って本気で頑張れる人に入ってほしいですね。
責任は、立場や年齢によって大きさは全然違います。しかし、小さなことでも責任を持ってやっていけば、工事が終わった時などポイントポイントで『自分はこれだけやったんだ』、『こんなことできたんだ』という達成感を深く味わいやすくなるはずです。やり遂げた時の感動を得ると、また次頑張ろうといういいスパイラルに入り込んでいく。そうすると、段々と当社色に染まっていけるのかなと思いますね」
最後に、自身の今後の展望について語ります。
「これからも挑戦は続けていきたいです。年を重ねることで若い世代もどんどん増えてくると思うので、自分の経験や技術などを伝えていきたいですね。
支店を跨いで全社的にそういう関わり方ができるようになっていけば、もっといい会社になるだろうし、自分の成長にもつながると思っています」
技術の継承と自己成長を両立させながら。キャリアを進めていく森の今後の活躍が期待されます。
※ 記載内容は2024年10月時点のものです
