支店管理部は現場と本社をつなぐ要。多岐にわたる業務で全体を支える
飛永が所属する九州支店の管理部は、支店の事務系業務全般を担う部署です。飛永はその中で、経理・工務・総務と非常に多岐にわたる業務を担当しています。
「主軸となるのは経理業務です。各現場からあがる請求書や領収書を精査し、毎月の正確な支払い処理を行うほか、四半期ごとの決算に向けた会計処理を担っています。
また工務としては、各社共同で1つの工事を行う共同企業体(以下、JV)の会計処理も重要です。現在、九州支店が参画する約10件のJV工事のうち、私は4件ほどを担当しています。
さらに総務の領域では、社用車の管理や採用活動、社内行事の幹事など、多岐にわたるイベント対応にも携わっています」
多忙な日々を送る中で、飛永が仕事をする上で最も大切にしている価値観は、人とのつながりだと話します。
「私たち管理部の事務担当は技術職ではないので、自分たちで直接ものづくりを行うわけではありません。だからこそ、現場の最前線で工事を進めてくださる方々の努力を無駄にしないよう、しっかりと会社全体を管理し、支えていく役割が大きいと考えています。現場の方々に敬意を払い、そして支店がうまく回るように、それぞれの立場の人の心を考えて動くことが重要なんです」
管理部は、現場と本社をつなぐ重要な役割を担っています。
「だからこそ、数字や書類だけを見るのではなく、その先にある人とのつながりを常に意識して日々の業務に取り組んでいます」
異例の現場事務へ。無人島の大規模プロジェクトで直面した壁と成長
管理部として現場を支え、人とのつながりを大切にする飛永。そもそも飛永が建設業界、そして若築建設を志した背景には、地元・福岡への強い想いがありました。
「学生時代は国際経済学を学んでいましたが、父親が一級建築士の資格を持って建設業界に勤めていた影響もあり、建設業への憧れがありました。ゼネコンやマリコン(海洋土木に特化した建設会社)を中心に就職活動を進める中で若築建設に決めたのは、私が生まれ育った福岡発祥の企業であり、強い親近感が湧いたことが大きな理由です」
入社後は現在の九州支店管理部に配属されました。そして入社2年目の秋、飛永に大きな転機が訪れます。鹿児島県の馬毛島における仮設桟橋築造工事の現場事務を担当することになったのです。
「当社の事務系総合職には、基本的に『現場事務』というポジションはありません。しかし、この馬毛島の工事は請負金額が非常に大きく、1つの営業所規模になる可能性がありました。そのため、例外的に事務担当が専属で現場に入る体制が必要となったのです。そこで、九州支店の管理部の中から私を選んでいただいた、という経緯です」
こうして、事務系総合職としては異例の現場配属となった飛永。配属先の現場は、環境も業務内容もこれまでの支店とはまったく異なるものでした。
「無人島の馬毛島に隣接する種子島に拠点を構えましたが、大規模プロジェクトで他社も多く参入していたため、まずは職員居住用として地元の民家を間借りする交渉から始まりました。その後も契約業務や請求書領収書の処理、弁当の手配から清掃まで、まるで小さな会社の事務全般を1人で回すような日々でした」
特例のキャリアとして現場に飛び込んだ飛永を待ち受けていたのは、事務担当が1人という環境ならではの裁量の大きさと、それに伴う責任感、そして専門知識不足という壁でした。
「支店と違い、現場の事務担当は私だけです。規程を確認しつつ支店にも相談していましたが、最終的な判断を自ら下す場面も多く、大きな責任を感じていました。また、海洋土木の専門用語が飛び交う環境に最初は戸惑いましたが、技術系の先輩たちが丁寧に教えてくれ、直接聞いて回ることで知識を吸収していきました」
飛永が自らリアルな現場を学んでいく一方で、現場の技術職員たちにとっても事務担当との協働は手探りの連続だったのではないかと振り返ります。
「所長が直接行っていた原価管理などを私が担うことになり、知識不足の私にどこまで現場の前提知識を説明すべきか、現場の方々にも手探りでご対応いただく部分もありました。周囲のサポートを受けながらも、当時の自由に任せてもらえる環境に大きなやりがいを感じていました」
共同生活で知った「つながり」の尊さ。現場の感謝を胸に、書類の向こうのリアルを汲み
馬毛島での1年半にわたる共同生活と現場経験が、飛永の意識を大きく変えることになります。
「現場の方々と同じ宿舎で共同生活を送るうちに、会社の人とのつながりの大切さを肌で感じるようになりました。とくに現場が終わる時に『飛永がいてくれて助かったよ』と声をかけていただいた時は、本当にうれしかったです。管理部は直接感謝されることが少ない部署ですが、その言葉をいただいてからは『現場の人のためにこうしよう』と心から思えるようになりました」
このリアルな実体験は、現在の九州支店での業務にも直結しています。
「最前線を経験したことで、工事がどのように始まり、どのように終わっていくのか、全体的な流れを把握できるようになりました。工程表を見れば、どの時期が現場にとって一番忙しいのかが、今はだいたいわかります。その知識があるおかげで、現場とのコミュニケーションの質は大きく変わりましたね」
「現場の方に電話でお願いごとをする時も、ただ用件を伝えるのではなく、相手の忙しい時期を察して、言葉をかける際にワンクッション置けるようになりました。すると、相手の対応もまったく違い、今まで聞いたことのなかった相手の笑い声を聞けることもあります。最近では、今まで上司にいっていた現場からの相談が、直接私宛に電話で来るようになりました。それはとてもうれしい変化です」
直接現場と関わりながら会社全体を支えることに、飛永は大きなやりがいを見出しています。
「管理部の業務はまず書類から入りますが、書類に書かれていることがすべてではありません。だからこそ現場の方との直接のコミュニケーションを大切にしています。電話などで話すことで、書類の背景にある現場の事情や意図を正確に汲み取れるようになりました。また、以前は現場からの相談をただ上司へ取り次ぐだけになっていましたが、今は自分なりに考え、回答や提案を用意した上で上司に相談する姿勢が身に付いています」
世代を超えて会社の未来を創る。必要なのは自ら考え、前向きに切り替える力
今後、若築建設で思い描くキャリアについて、飛永はさまざまな可能性を視野に入れていると語ります。
「ジョブローテーションを活用して本社で会社全体を見渡す視座を養うことや、最前線で事業を推進する営業職にも関心を持っています。ただ、どこへ配属されても共通して挑戦したいのは、『形に残る仕事』を成し遂げることです。現在の管理部で作成する決算書類などは、部署全体で作り上げるため個人の成果が見えにくい側面があります。だからこそ今後は、自分が『ここを変えた』と明確な軌跡が残る成果を作り上げたいと考えています」
また、若築建設で活躍する社員の共通点として、飛永は「自ら考える力」と「切り替えの早さ」を挙げます。挑戦を後押しするカルチャーのもと、その前向きな姿勢は飛永自身の日々のスタンスにも根付いています。
「人間誰しもミスはします。大切なのは、原因を考えつつも落ち込みすぎず、すぐに気持ちを切り替えることです。私自身も反省を引きずらず、その場で切り替えるよう意識しています。そうすれば周囲を見渡す余裕が生まれ、互いをカバーし合えます。仲間全員でこの前向きな姿勢を共有し、どんな壁も乗り越えられる強い信頼関係で結ばれた組織を作っていきたいです」
最後に、未来の仲間たちと共に成し遂げたいビジョンについて、次のように言葉に力を込めました。
「現在、当社はベテラン層から若手への技術継承の過渡期にあります。10年後、今の20代が30代、40代になった時、今度は先輩たちの仕事を自分たちの世代で担わなければなりません。だからこそ、みんなで会社全体の未来を考え、一致団結して若くて勢いのある組織へと変えていきたいと思っています」
異例の現場経験を糧に等身大の葛藤を乗り越え、現場と支店をつなぐ架け橋へと成長した飛永。そのまっすぐな情熱は、これからの若築建設を力強く牽引していく確かな原動力となっていきます。
※ 記載内容は2026年3月時点のものです
