1円の誤差も出さない高精度をめざす。年間50件の積算を行う上で大切にしている想い
入社10年目となる齋藤は、若築建設九州支店の土木総合評価対策室に所属。河川、道路、港湾、空港など、年間で50件ほどの工事の積算を行っています。
「私は主に工事受注のための積算業務を行っています。九州地方整備局や農政局、防衛局などの役所では総合評価落札方式という評価の方法によって落札者を決定しており、私は提示された条件のもと発注者が想定している工事費を詳細に計算し、高い評価点を獲得するための積算を行っています。年間約50件の積算を行っており、北九州から沖縄まで幅広く対応しています」
積算業務は、会社の収益に直結する重要な役割を担っています。億単位にも及ぶ大規模工事を受注するために、齋藤は日頃から心がけていることがあると言います。
「1円の誤差も出さないような高い精度で積算すること。億単位規模の受注となるため、わずかな誤りが大きな影響を及ぼす可能性があり、細心の注意を払って業務に取り組んでいます。入札結果が発表された後は、発注者から積算書が開示されるので“どこが間違えていたのか”“どういう考え方で計算しているのか”など工事ごとに分析を行い、積算精度の向上に努めています」
土木総合評価対策室には6名のメンバーが在籍。技術提案は豊富な経験と専門的な知見が求められるため、メンバーの半数以上が50代のベテラン社員です。
「6名のうち3名が積算を担当しています。基本的には個々で作業を行いますが、最終的にはそれぞれが出した結果を照らし合わせ、精度を高めるようにしています。ほかにも発注者から開示された資料を基に分析を行い、積算精度向上に貢献するためにデータベースを作成する仕事もしています。
ベテランの方々には、深い知識と経験からくる引き出しの多さに、すごいなと刺激をもらっています。たとえば、2,500ページほどの基準書の中から、求めている情報に即座に回答できる方もいて、もっと自分も勉強しないといけないなと思っています」
現場の工事担当として奮闘した7年間。ものづくりに携われる楽しさを知る
大学時代は土木工学を学び、潮流発電について研究を行っていた齋藤。その経験から海洋土木に興味を持つようになり、それが若築建設との出会いにつながります。
「海上土木に加えて、ものづくりにも興味があったため、建設業界を軸に就職活動を始めました。会社説明会には一通り参加し、その中でも一番印象が良かったのが若築建設でした。堅苦しい感じが一切なく、質問すれば詳しく丁寧に教えてくれて、和やかな雰囲気に惹かれて入社を決めました」
入社後は工事担当として、7年間さまざまな現場を経験してきました。最初の現場となった福岡空港の道路改良工事では、業務の基礎を徹底的に教え込まれたと言います。
「とくに測量ミスは大きな問題になるため、そのあたりは厳しく指導されました。次に赴任した佐世保の巡視船基地改修工事では、上司の監督を受けながらでしたが、測量計画から実測まで行いました。一連の作業を任せてもらえたことは、失敗はあったものの良い経験になりました。ただ指示に従うだけでなく、自分で考えて行動できるようになったことで自身の成長を実感できました」
ときには苦労する場面もありましたが、ものづくりに携われることは楽しかったと齋藤は話します。
「ものづくりの過程が好きです。調整しながら現場をうまく回していき、最終的に大きなものが完成した時の達成感はひとしおです。ただ、その過程には小さな達成感の積み重ねがあって、そこがものづくりのおもしろさだと感じています」
現場で多くの経験を積んだ後、2021年に齋藤は1年間の育児休業を取得します。こうした背景には、子育てに対する強い想いがありました。
「育児休業を取ろうと思った理由は、いくつかあります。まず、子育ては夫婦で行うものという考えがありました。また出産直後は妻の身体的負担が大きいと考え、その期間は私が家事や育児を主導し、妻の負担を軽減できると思ったからです。
そして何より、子どもの成長を間近で見守りたかったからです。初めての子どもで不安なことも多く、しっかり子どもと向き合うために休業期間は1年と決めました」
1年間の育休取得は若築建設にとって男性では初。現場に伝えることに躊躇していた齋藤だが、その想いを周囲は快く受け入れてくれたと話します。
「上司からは『取ったほうがいいよ』と快く言ってもらえました。周りもすごく応援してくれて、否定的な意見を言われることはなかったです。取得できないのではないかと不安でしたが、トントン拍子で話が進んでいったことには驚きましたし、正直ほっとした気持ちもありました」
1年間の育児休業が働き方を変えるきっかけに。育児は夫婦でサポートし合うことが大事
育休前は働き方について深く考えることはなかったと話す齋藤。1年間の育休を取得したことで、働き方だけでなく心境の変化も感じています。
「実際に育児を経験してからは、今までの働き方を見直す機会が増え、とくに時間の使い方を意識するようになりました。そして、子育ては一方のパートナーだけに負担がかかるものではなく、夫婦でサポートし合うことの大切さをより強く感じるようになりました」
育休を終えて職場に復帰してからは、現在の積算業務を担当することになります。ここでは現場で培ってきた知識が活かされたと言います。
「積算業務は精密さと複雑さからくる難しさがありますが、工事を受注した時の達成感は非常に大きくやりがいを感じています。ただし、新しい分野だったため、やり方やノウハウは一から学ぶ必要がありました。周囲の方々に教えてもらいながら進めていましたが、以前の現場経験が活きる場面も多く、積算業務を行う上での強みになりました」
積算業務を始めて半年経った頃、齋藤にとって印象的な出来事がありました。
「仕事も育児も手探り状態で大変な時期に、苦労して完成させた積算内容に間違いがあり、競争にすら参加することができませんでした。どれだけ努力をしても、少しの間違いがすべてを台無しにしてしまうことを痛感した出来事でした。
その後、同じような大規模工事の積算を任された時には、この失敗体験を活かして、細心の注意を払って積算を行いました。その工事は積算条件の明示が特殊で非常に苦労しました。
またその時期は、妻が2人目の出産を控えており、家事や育児における彼女の負担を増やさないよう、早く帰宅したいという気持ちも強かったです。そんな厳しい状況の中、なんとか受注に結びつけることができたことが本当に嬉しくて、その時の喜びは今でも忘れられません」
仕事も育児も手を抜かずに全力で取り組む。これからのロールモデルになれるように
子育てにも慣れてきたことから、2回目の育児休業は3カ月間と決めて取得しました。常にワークライフバランスを重視している齋藤には、仕事と育児を両立させる上で大事にしていることがあります。
「子どものお迎え、食事作り、そして一緒に過ごす時間など、子どもの成長に必要な時間を確保するため、私は仕事において業務の優先順位を明確にし、効率的に進めるよう心がけています。
また、保育園のお迎えの時間に合わせるために、育児短時間制度を利用するなど、柔軟に働き方を変えることも意識しています。家庭においては、妻と役割分担をして互いの負担を分散できるように工夫しています。そして、業務時間外は仕事から完全に離れ、家事や育児に専念するように意識しています」
後輩社員にとって、そして父親としてもロールモデルになれるよう仕事も育児も手を抜かずに邁進していきます。
「仕事においては『困ったときはあいつに任せておけばなんとかなる』と言われるような存在になりたいです。現場では陸上土木をメインに関わってきたため、これまでの経験を活かしていければと思っています。
また積算の分析結果やノウハウを教育資料として整理し、後続の担当者に引き継ぐことができればと思います。父親としては、子どもの日々の活動に積極的に関わりながら、その成長をサポートしたいです。自分自身の行動を通じて、良い社会的行動や価値観を示すロールモデルになりたいと考えています」
子どもの成長は一瞬一瞬でしか体験できない貴重なものだと話す齋藤。だからこそ男性社員にも積極的に育児休業を取得し、子どもとの時間を大事にしてほしいと齋藤は願っています。
※ 記載内容は2024年10月時点のものです
