テストにおける永遠の課題に向き合いながら、驚きの「Wow」を提供する
ソフトウェアのテストを強みとするベリサーブ。須原が部長を務める研究開発部には約10名のメンバーが所属し、全社で使える汎用的なテスト技術を開発しています。
「私たちが取り組んでいるのは、未来のトレンドをキャッチしながら現在の業務をより良く、より効率的に進めるための技術開発です。特に最近は、テスト設計を自動化するMBT(Model-Based Testing/モデルベースドテスト)や、AIを使った自動化の技術に注力していています。
例えば、テスト設計のための文書をAIが解析して生成する技術。世の中に存在する開発文書の多くは自然言語で書かれています。それをAIで機械可読な形式に変換し、テスト設計の自動化のフローに組み込むことを目指しています。この技術が実現すれば、自然言語の仕様書からテストの実行までを自動で行うことが可能です」
新たな技術を生かした効率化、自動化はもちろん、ソフトウェアテストに関して多くのエンジニアが抱える課題に向き合うことも研究開発部のテーマです。
「テストにおいて永遠の課題といわれているのが、『どこまでテストするべきか』ということ。その課題に対して答えを出すことも、私たちが取り組むべきテーマです。私自身、エンジニアとして現場で抱いていたモヤモヤが、今の仕事の原点です」
刻々と変化する世の中のニーズを読み、数年先を見据えながら技術開発の戦略を立てる須原。部として大切にしているコンセプトがあります。
「『Wowを提供する』ことです。社員がまだ知らない技術や機能を提供することで、『へぇ』ではなく『Wow』という驚きの言葉を引き出したい。前任の部長から引き継いだコンセプトなのですが、とても気に入っています。
そのためにも、世の中にある先進事例をパッケージングして、素早く価値を見せることを心がけています」
そして「Wow」の先には、さらに大きなミッションが。それこそが、研究開発部で働く面白さだと話します。
「これまでエキスパートの社員たちが手動で行っていたテスト設計を自動化できれば、仕事の仕方が変わります。自分たちが開発した技術によって、社員約1,500人の行動が変わる。そうなれば、会社の価値が変わります。それだけの可能性を秘めているのです」
1年目からアメリカ駐在を経験。望んで行動すればチャンスをつかめる環境がある
現在はIT業界で技術開発に携わる須原ですが、学生時代の専攻は土木工学。ITとは無縁に思えます。
「もともとは橋やダムに関わる勉強をしていたのですが、配属された研究室でソフトウェアの開発に携わる機会があり、深く勉強したら面白そうだと感じたんです」
そのままIT業界へ進むことを決意。中でも、ソフトウェアテストという分野、そしてベリサーブに入社を決めた理由をこう話します。
「ソフトウェアの品質という専門性が明確にあることが魅力でした。さまざまな領域を持つ大手企業に入ったとしても、何か自分の専門性を持つことが大事だと思うのですが、今振り返っても分かりやすい専門性を持てたことは良かったと思います」
入社後は、ソフトウェアテストのエンジニアとしてキャリアをスタート。自動車関連のサプライヤー向けに車載分野のソフトウェアテストを担当します。
「機会に恵まれて、入社1年目の秋から1年半ほどアメリカのデトロイトに駐在しました。担当していたお客様や上司の後押しで実現したのですが、仕事面でも個人的な成長の上でも大きな経験でしたね。家族との時間を大切にする海外の人たちのメリハリのある働き方に刺激を受けましたし、英語も話せるようになりました(笑)」
5年ほど経ち、次のステップへ進みたいと車載分野のR&D部門へ。その後、2021年に研究開発部に異動し、ベリサーブベトナムの立ち上げなどにも携わります。
自ら手を挙げてさまざまな経験を積んできた須原。入社から14年が経ち、改めてベリサーブの魅力を感じています。
「当然、入社当時から会社の雰囲気は大きく変わっています。でも変わらないと感じるのは、上層部が合理的な判断をしてくれること。上からの一方通行ではなく、社員の意見にきちんと耳を傾けてくれて、対応してくれる。私自身、やりたいことに挑戦できてきた経験がありますから、望んで行動すればチャンスをもらいやすい環境があると思います」
ベトナムでの拠点立ち上げが社会人人生の分岐点。経営視点を得て見えた組織の在り方
ベリサーブは、品質保証技術の研究開発を加速させるため、2022年にベトナムのハノイにベリサーブベトナムを設立。須原は研究開発部の部長を務めると同時に、ベリサーブベトナムの社長も務めています。この立ち上げに関わった経験が、「社会人人生の分岐点になった」と話します。
「もともとはずっと技術者としてキャリアを積んでいこうと思っていましたが、経営に携わってみたら、これまでとまったく違う頭の使い方をするようになったんです。
当たり前ですが、技術のことを突き詰めようと思っても、会社の経営方針を理解しておく必要がありますし、予算や組織のことも考えなければなりません。社員の時には『どうやって予算を使うか』という思考でしたが、『なぜこの予算が必要なのか』という会社側の視点が理解できるようになりました」
さらに、組織をまとめる立場としての考え方も変わったと続けます。
「私が永遠に経営を続けられるわけではありません。自分がいなくても永続できる組織を作らなければいけない。それは日本の研究開発部も同じで、継続的に研究開発を続けられる組織を作ることが組織長の役割なのだと考えるようになりました」
一人の技術者としての視点と経営者としての視点。それぞれの経験を生かして新たな技術を研究開発する須原。その目から見たベリサーブの技術力の源泉とは。
「まずはシンプルに、技術の話ができる人が多いことです。それは、技術に真摯な人が多いということなんです。
また、現在研究開発部で行っているテスト設計の自動化も、単なる自動化ではなく、現場の手動テスト設計者の思考プロセスを文書化・形式化し、再利用できるようにするものです。一方で、現場の設計者が新しいテスト作成方法を見出した場合は、それを吸い上げて研究開発部が概念化し、社内に展開します。
その仕組みが実行できていることが、『いいテスト設計ができる』という技術力の高さにつながっているのではないでしょうか」
私たちはどれだけの価値を生み出せたのか──ソフトウェアテストの価値を可視化したい
技術に真摯に向き合う。その社風を表しているのが、懐の深さだと須原は話します。
「外部からの知識や人材を積極的に受け入れている土壌があります。中途で入社された方もたくさん活躍していて、役員になっている方もいます。技術に真面目だからこそ、人材に対しても柔軟性があるのだと思います」
その環境を生かすためにも、本質を捉えて現状に疑問を持てる人、チャレンジすることに前向きな人に入社してほしいと言います。
「この活動は本当に必要なのかなど、『そもそも』を考えられる人と一緒に仕事をしたいですね。また、社内のコミュニティを通じて技術者同士のつながりも作りやすい環境です。プロジェクトを超えた意見交換や改善活動に取り組めるので、新しいアイデアに挑戦したい人は、そういった環境を生かせるのではないでしょうか」
研究開発部を率いる立場として、「会社の価値を変える」ために邁進する須原。そのために、ソフトウェアテストの価値をもっと明確にしていくことに挑戦します。
「『何人がこれだけの時間働いた』ではなく、『どれだけの価値を生み出せたのか』を評価していただくビジネスを作っていきたいんです。
例えば、そのまま製品を出すと10億円損失するリスクがある。でも、テストをすることでそのリスクが9億円に減れば、私たちの仕事の価値は1億円です。このように、自分たちが生み出す価値を適切に説明し、それに見合った対価を頂ける仕組みを作りたい。その方が、お客様もベリサーブも世の中も幸せになるはずです」
そしてその先には、自身の目標も。
「CTOを目指したいですね。役職としてというより、会社から技術分野なら須原に任せたいと認めてもらえる存在になりたいと思っています」
研究開発部があったから会社が変わった──近い将来、そう言われる日を目指して、社内に、お客様に、たくさんの「Wow」を届けていきます。
※ 記載内容は2024年7月時点のものです
※ 記事内で”研究開発部”と表記している組織は、2026年度の組織改編以前の名称です。現在は組織再編により、”ソリューションデザイン本部 事業企画部”などに再編されています。

