喫茶店での出会いが教えてくれた「人のために働く」という軸
- 学生時代はさまざまなアルバイトを経験されたそうですね。
学生時代は本当にいろんなアルバイトを経験しました。喫茶店のホール、アミューズメント施設のゲームセンター、そして派遣会社に登録してイベントスタッフとして様々な現場で働いたこともあります。その中でも4年間続けた喫茶店のアルバイトが、私にとって一番やりがいがあり、今の仕事につながる大きな経験となりました。
- なぜ喫茶店でのアルバイトが特別だったのでしょうか?
一番の理由は、お客様との距離の近さです。特に印象に残っているのが朝のモーニングタイムでした。毎朝決まった時間に来店される常連のお客様が8組ほどいらっしゃって、皆さん座る席まで決まっていたんです。シフトに入り続けるうちに、どなたがどのメニューを注文されるのかも自然と覚えるようになりました。
- 「いつものですね」と言える関係性は素敵ですね。
そうなんです。その一言で通じる関係になれたことが本当に嬉しかったです。お客様から「ありがとう」と言っていただける瞬間に、この仕事のやりがいを強く感じました。
- 特に印象的なお客様はいらっしゃいましたか?
はい、常連の3人組のお客様です。 必ず、別々のタイミングで来店されるのに、最終的には同じテーブルに集まるという不思議な習慣がありました。それに気づいてから「今日は3人でいらっしゃいますか」と声をかけたことをきっかけに、あだ名で呼んでくれるようになり、出勤していない日には「この前いなかったね」と声をかけてもらえるなど、ただの店員とお客様を超えた関係が生まれたことがとても嬉しかったです。
- その経験は、現在の仕事観にも影響していますか?
大きく影響しています。喫茶店での経験を通じて、「人のためになる仕事がしたい」という自分の軸がはっきりしました。感謝されることが自分のやりがいだと気づいたんです。
- 就職活動では、その軸をどのように活かしましたか?
やりたい職種が明確に決まっていたわけではありませんが、「人と関わり、誰かの役に立てる仕事」という軸を大切に企業を探しました。パソコンに向かい続ける事務職よりも、コミュニケーションが取れる接客業を中心に、アパレルなど異業種も視野に入れて活動しました。
社会人マナーを学んだ研修と、異なる店舗で積んだ多様な経験
- 入社後の研修では、どのようなことを学びましたか?
社会人としての基本的なマナーや接遇について学ぶ機会がありました。メールでのクッション言葉の使い方や、患者様への言葉遣いなど、アルバイトで接客経験はあったものの、より丁寧な言い回しや配慮の仕方を改めて学ぶことができました。特に印象に残っているのは、患者様に対して「できない」と断定的に伝えるのではなく、「こういう理由でできないのですが、こういう方法ならできます」と代替案を提示する伝え方です。実際の業務の中で先輩方の対応を聞いていると「これ研修で学んだことだな」と思う瞬間も多くあり、研修で学ぶことが実践につながっていることを実感しました。
- 配属先についても教えてください。
最初は市民病院前の調剤専門店に配属されました。その後半年間は併設店舗を経験し、再び市民病院前の店舗に戻るという流れでした。同じ会社でも、門前の病院の特性によって雰囲気が大きく異なり、それぞれでまったく違う学びがありました。
- 市民病院前の店舗では、どのような環境だったのでしょうか?
基本的に定期受診の患者様が多く、二、三か月に一回来局される方が中心です。しかし受け入れる患者数が非常に多く、来た処方箋を一つ一つこなしていくという、処理能力が求められる環境でした。
また、市民病院の特性上、生活保護・自費・公務労災などの特殊な保険にも対応できるようになりました。忙しい環境で最初は苦労もありましたが、多様な処方や保険を経験できたことで、他の店舗に行っても対応できる力が身についたと実感しています。
- 併設店舗での経験はいかがでしたか?
併設店舗での経験は、また違った学びがありました。隣接する病院の処方が中心で、処方日数も大体一か月分が多く、毎月来てくださる患者様の顔や名前を覚えることができました。
- 患者様との関係性にも違いがあったのですね。
一番驚いたのは、患者様との距離の近さです。患者様の方から名前を覚えてくださっていて、処方箋がない時にも立ち寄ってくださる方もいらっしゃいました。「今日はこんなことがあったんだよ」と、仕事の合間にちょっと寄って話していかれる方もいて、地域に愛される薬局というのはこういうことなのだと実感しました。入社前に聞いていた「患者様との信頼関係を作る」という言葉を、最も感じられた店舗でした。
一人で完結させる責任感と、失敗から学ぶ成長の日々
- 現在はどちらの店舗で勤務されていますか?
現在、私は多治見中央薬局で勤務しています。薬局の顔として、患者様への第一印象を大切にしながら、正確な処方箋入力やレセプト請求業務を担当しています。
- 業務はお一人で任されているのですか?
基本的な業務は一人で完結できるようになりました。 もちろん分担はしていますが、まずは自分で一通り対応し、必要に応じて先輩に相談しながら進めています。
中でもレセプト請求は、患者様の自己負担分以外の医療費を国へ請求する重要な業務で、毎月1日から10日までに完了させます。最初は先輩と一緒に流れを学び、その後は確認を受けながら経験を重ね、4か月目で一人で担当できるようになりました。 今では、レセプト請求を教える立場の補助に回ることもあります。
- 日々の業務についても教えてください。
その日によって入力中心、レジ業務、ピッキングと担当が変わります。何より心がけているのは、患者様の名前を覚えることです。患者様とコミュニケーションが取れて、気持ちよく帰っていただける。その笑顔がやりがいです。
- これまでに失敗した経験はありますか?
あります。入力ミスによる返金対応です。自分の入力だと分かるときは「気づけたはずだったな」と悔しくなります。ただ、後悔するだけでは意味がありません。同じようなケースが出たときに気づけるよう、ミスを学びに変えることを意識しています。最近は過去のミスのパターンに気づけるようになり、確実に減らせています。
- 学生時代と比べて、成長を感じる部分はありますか?
一番の成長は責任感です。学生時代のアルバイトでは、どこか「バイトだから」という甘えがあり、自分の役割も限定的に捉えていました。しかし今は、自分の一つの確認漏れや入力ミスが、患者様からの信頼を損ねるだけでなく、薬局全体の評価や会社の信用にも直結することを実感しています。
特に扱うのは患者様の個人情報や保険証など非常に重要な情報であり、正確性と慎重さが常に求められます。そのため、以前よりも「自分で最終確認をする」「不安な点はそのままにしない」といった意識が強くなりました。正社員として、自分の仕事に最後まで責任を持つ姿勢が身についたと感じています。
患者様との信頼関係を築き、より良い薬局づくりへ
- まず、短期的な目標について教えてください。
まずは患者様から名前を覚えてもらえる存在になりたいと思っています。一人でもいいから、顔と名前を覚えてもらって、信頼関係を築いていきたいです。同時に、薬の知識をもっと増やしていくことも大切だと考えています。薬剤師ほどの専門知識は必要ありませんが、患者様が血圧の薬と言ったときに、どの薬のことを指しているのか分かる程度の知識は身につけておきたいです。また、登録販売者の資格取得や、漢方系の知識も学んでいきたいと考えています。
- 中長期的な目標はいかがでしょうか?
調剤事務として長く働き続けることが目標です。日々の業務を通して、患者対応や会計、レセプト業務、薬剤師との連携など、できることが少しずつ増えてきました。最初は目の前の業務を覚えることで精一杯でしたが、今は店舗全体の流れや課題にも目が向くようになりました。ただ指示された仕事をこなすだけでなく、どうすればもっとスムーズに動けるか、患者様にとってより安心できる環境にできるか、薬剤師やスタッフが働きやすくなる工夫は何かといった視点で考え、必要であれば意見を出していきたいと思っています。
- 意見を出すことに難しさはありませんか?
もちろんあります。タイミングや伝え方も大切ですし、自分の考えが必ず採用されるわけではありません。それでも、採用されることをゴールにするのではなく、より良い店舗づくりに関わり続ける姿勢を持ちたいと思っています。
- 今後どのように成長していきたいですか?
経験を重ねながら視野を広げ、周囲との連携を大切にし、信頼される調剤事務として成長していきたいです。そして、たくさんの患者様に名前を覚えていただき、「ここに来ると安心する」と思ってもらえる薬局づくりに貢献したいです。この店舗で長く必要とされる存在になることが目標です。
- 最後に、これからこの仕事を目指す方へメッセージをお願いします。
この仕事は、日々の中で誰かの役に立っていると実感できる、やりがいのある仕事です。 人と関わることが好きな方には、きっと向いている仕事だと思います。専門的な知識は、入社してから十分に身につけることができます。私自身も、何も分からない状態からスタートしましたが、周囲に支えられながらここまで成長することができました。少しでも興味を持っていただけたなら、ぜひ一緒に働きましょう!
※ 記載内容は2026年2月時点のものです。
