自社開発「遠測先生®」への挑戦と、未経験からの泥臭いエンジニア生活のスタート
現在、舘本さんは完全自社開発のシステム「遠測先生®」の開発に携わっているそうですね。まずはどういった製品なのでしょうか。
今私が開発に関わっているのは「遠測先生®」という絶縁監視システムです。絶縁監視と言うと少し難しく感じますが、簡単に言うと工場や大規模施設の電力使用量を監視し、ピーク時の電力使用量予測を行うことで省エネや契約電力量オーバー防止に役立つ監視システムです。
電力使用量の監視の他にも、低圧電路から漏れ出た電流から電気設備の劣化状態を24時間連続監視して事故を防ぐ機能もあります。常に故障の予兆を検知できるため、「遠測先生®」を導入することでビルや施設の定期点検の頻度を減らすこともでき、経済的なメリットも大きいシステムですね。すでに商業施設や工場等でも多数導入していただいています。
現在は自社のパッケージ製品の開発に携わる舘本さんですが、少し異色の経歴の持ち主なんだとか。
こうして今は自社開発に携わっていますが、20代の頃はあまり進路が定まっていませんでした(笑)。
実は前職は飲食業界で、店長業務まで任されていました。ただ、体力的にいつまで続けられるか不安になり転職を考えたんです。YouTuberがもてはやされていた時期で動画配信で食べていけないか模索したこともありましたが、最高でも月収8万円…。見切りをつけ、行政の職業訓練校に通うことにしました。
日頃から「Suicaがクレカと紐づいて自動チャージできれば便利なのに」など、世の中を便利にするサービスを妄想するのが好きで、プログラム開発に興味を持ったんです。研修で猛アピールして医療システム開発の会社に入り、素人同然の状態で画面や帳票開発を担当しました。毎日終電で周りに質問しまくるきつい日々でしたが、この段階でIT業界で生きていく基礎力を養うことができました。
シビアな現場の洗礼と、信頼を勝ち取る「2つの舘本流仕事術」
エンジニアとしての一歩を踏み出し、その後トライアローへ入社した舘本氏。最初は派遣エンジニアとして派遣先で業務を行っていたそうです。
エンジニアとして2年ほど働いて、少し自信がついた頃に武者修行のつもりでIT派遣に登録し、いくつかの現場を経てトライアローに入社しました。最初の派遣先は外資系企業で、国税関係のシステムマイグレーションを担当したのですが、誰もやったことがない内容を驚くほどの短納期で指示されるシビアな現場でした。ただ、チームは「できるかできないか」ではなく「どうすればできるか」を考えるポジティブな空間で、そこでの成長が楽しかったですね。
シビアな現場を経験したゆえに、確立できた仕事術があったと言います。
その中で心がけるようになった仕事術が2点あります。1つ目は「最初はめちゃくちゃがんばって小さな実績でもいいからプラスの評価(メリット)を得ること」。2つ目は「バグをつぶすだけでなく発生原因のレポートを添えるなど、先方の要求を超える成果物を自主的に出すこと」です。実は2つ目は、当時現場で一緒だったトライアローの小堀さんの真似なんです。「納期が厳しいのになぜ面倒なことを?」と思っていましたが、自分も実践してみると、仕事に対する姿勢がぜんぜん違ってくるのを感じました。
以前、小堀氏にもインタビューを行いました。その際の記事はこちらから。
能動的に動くことで「仕事の主導権を握る」楽しさ
自主的に動き、相手の要求を超えることで、仕事の進め方にはどのような変化が生まれたのでしょうか。
言われたことをこなしているうちは「やらされている」感覚が強いですが、
自分で考えて動くようになると、仕事の主導権がこちらに移るんです。お客さまの視点に立つと「やらなければならないこと」がたくさん見えてくる。それを言われる前にやってしまうと、同じ仕事が格段に楽しくなります。さらに、仕様や納期に対してこちらから意見を言っても「たしかにそうだね」とすんなり通ることが増えてきます。
ここで、前述の「最初の頑張り」が結実するそう。
実はここで、先ほどの「2つのポイント」が効いてきます。派遣されてきたばかりでいきなり口を出しても「文句を言っている」と捉えられかねません。すでにがんばっている姿勢や、それまでの成果物で強固な「信頼」を得ている状態だからこそ、こちらの意見を真摯に聞いてもらえるようになるわけです。
過去の全経験を自社開発へ還元したい
これまでのさまざまな現場での経験は、現在の自社開発の業務にどのように活きているのでしょうか。
今担当している自社開発の仕事は、要件定義どころかサービス内容を考えるところからスタートします。責任は重いですが、派遣時代に指示に従うだけでなく「必要なことを先回りして考える癖」がついていたおかげで、戸惑うことなく仕事を進められています。また過去にクライアント向けの営業資料などの作成を依頼された機会があったのですが、「フォントの選び方ひとつで説得力に差が出る」ということを、自社製品を社外に勧める立場となった今、改めて実感しています。
最後に、エンジニアの仲間に一言お願いします。
この業界、10がんばったら10すぐ成長できるわけではなく、モチベーションが落ちる時期もありますよね。でもがむしゃらに取り組んでいれば、ある日突然できるようになります。28歳ゼロからスタートした私の強みは、実は飲食店時代のコミュニケーションスキルだったりします。どんな経験も無駄になりません。
トライアローには実にさまざまな経験やスキルを持ったエンジニアの仲間がいます。困ったときは寄り添ってくれたり、勇気づけてくれたりする営業もいます。ぜひトライアローで一緒に頑張ってみませんか?
自主性とポジティブさでゼロからエンジニアとしての道を切り開いてきた舘本氏のチャレンジは今後も続いて行きます。
