JR西日本グループでは、「デジタル戦略による多様なサービスの展開」を重点戦略のひとつとし、旧来の事業を変革しようとしています。これまでの取り組みを紹介した前編に続き、後編(本記事)では、高度デジタル人財の活躍を促すために設立する新会社、株式会社TRAILBLAZER(以下、トレイルブレイザー)の全容を、奥田と宮崎が語ります。
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【動画公開中】JR西日本発 新たな価値を生み出すデジタル企業発足トレイルブレイザーって何!?
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YouTubeでは、トレイルブレイザーの全容について奥田と宮崎が紹介しています。ぜひご覧ください。
ここからは動画でお伝えしきれなかった内容も含め、2023年10月に新しく設立された株式会社TRAILBLAZERについてくわしくお伝えします。
高度デジタル人財を集め、新しい世界を実現していく
──今回、デジタル戦略の一環として新会社TRAILBLAZERを2023年10月に立ち上げました。設立の狙いを教えてください。
奥田:2020年の10月に打ち出したデジタル戦略は、いわばバージョン1.0でした。まず顧客体験の再構築をはじめ、バージョン1.5では出来上がったソリューションを外部に展開していったのです。そして、ここからデジタル戦略2.0へと移行していきます。
いよいよ道具がそろってきたので、グループ間のシナジーを生み出し、あるいは“移動”という従来の事業軸に固執しない領域で新しい事業を立ち上げていこうとしているのです。特に関西では、2025年に大阪・関西万博という大きなイベントが控えています。そこへ向けて一気にわれわれが取り組んできたことを開花させたいという想いも強いのです。
当然そこに向けて働き方を変えて、人材を育てるなど新しい基盤をつくっていく必要もあります。これらは「中期経営計画2025」における取り組み事項です。
成果を出すために大事なのは、JR西日本の陣容、つまり鉄道事業やグループ各社のアセットにも理解が深い人財と、テクノロジーに明るくデータ分析に優れた人財をいかに融合させるかということです。
TRAILBLAZERは、まさにこの“人材の融合”を実現するために設立します。各事業のデジタル施策を実行する上で不足するデジタル人財リソースを補うために、高度デジタル人財をTRAILBLAZERに集め、各プロジェクトにアサインしていきます。JR西日本グループの長期ビジョンで掲げる志の実現と、ありたい姿の達成をデジタル面から支えていく重要な役であり、事業横断で価値創出を実現する人財が集結する組織なのです。
──高度デジタル人財にとってTRAILBLAZERで働く魅力とは何でしょうか?
宮崎:ポジティブな意味で、“課題先進地域”を地盤としていることだと思います。TRAILBLAZERのミッション・ビジョン・バリューにも掲げているところですが、やはりJR西日本グループを支える会社として「西日本」という地域性がキーワードになっています。
首都圏と比べて人口の規模は相対的に小さく、地域特性のバリエーションに富んでいて、田舎もある。人口減少が確実に起こる未来というのが見えはじめています。そこに課題を見出し、いかに“明るい人口減社会”をつくっていくか試行できることがこの会社のおもしろみでしょう。とくに設立段階から参加いただくことで、その道筋を最初につくっていく醍醐味を味わっていただけるのではないでしょうか。
また、この課題先進地域を長年事業フィールドとしてきたこともわれわれの強みなのです。これまでの事業を通じて地域の皆さまとすでにつながりを持っているため、施策を実行すれば地域社会に確かなインパクトがあり、働き手としても手触り感があって、やりがいを持てることでしょう。
人口減少という課題を抱える日本や世界に対していろんな解決策を提示しながら、結果としてわれわれ自身も幸せになる。そういう意気込みでやっていきたいですね。
とはいえ、JR西日本グループが培ってきた安心や信頼を重視する社風は、時にはスピード感の欠如につながりかねません。その点、今回設立するトレイルブレイザーは、会社として完全に切り分けているので、新しいカルチャーをつくっていけると思っています。
大切にしたいのは「どんな価値をつくれるか」個々の意見をフラットに言い合える組織に
──そうした想いがある会社だからこそ、おふたりはどんな人と働きたいですか?
宮崎:トレイルブレイザーは、これまでJR西日本の中で5〜6年活動してきたデジタルチームの個性を引き継いでいくと想定しています。若い世代が多く、30歳前半ぐらいの方が中心となるようなイメージです。
若いチームだからこそ、指揮系統がしっかりしすぎているような組織とは違い、それぞれが自分の立場・役割に責任を持ち、ちゃんとデータを読み解いて、自分なりの意見を忌憚なく言い合える文化を生み出していきたい。そうした文化に馴染むことができ、誰が言っているかではなく、何を言っているかを重視するような方と一緒に働きたいと思いますね。
奥田:鉄道会社で最初に求められるスキルは時間に遅れないことです。5分前に集合でき、ルールを守ることができる。そうでないと電車が定時に動きません。これは美徳でもありますが、いまはこうした規範を越えて足を踏み出すことを厭わない挑戦も必要なのです。
宮崎をはじめとして、そうしたメンバーが揃いつつあります。フラットな関係を築けているので、誰も僕のことを「本部長」なんて呼びませんね(笑)。年齢や役職に関係なく、誰もが“さん付け”で呼び合っています。若いメンバーから間違いを指摘されることもあります。
みんな個性の塊で、意見を持っているのです。これから入社してくださる方々も、ぜひ自分の経験やスキルに自信をもって、「JR西日本をこうしたい」とガチンコで意見を戦わせてもらいたい。指示されたものをつくるのではなく、どんな価値をつくるかというところから議論できる会社にしていけたらいいですね。
──新しい会社ですが、働く環境はどのようになると思いますか?
奥田:前提としてJR西日本自体が変わりつつあります。
宮崎:コロナ渦でリモートワークを導入したことをきかっけに、多様性や個々の家庭の事情を尊重した働き方がますます広まっています。実際私の部下にも、東京在住でフルリモートで働いている女性がいます。対面の用事は出張で大阪に来たときに片づけていますね。管理職のメンバーにも、香川県に家を建てた人がいます。リアルとデジタルの職場をうまく組み合わせることで、社会変化やライフイベントに適応しつつ、キャリアを築いていけるようになっていると思いますね。
奥田:トレイルブレイザーでは、こうした変化をよりシャープにしていって、JR西日本側にも影響を与えられるようにしたいですね。
JR西日本グループのアセットを活かして、大胆に、ワイルドに取り組む
──あらためてトレイルブレイザーが掲げるミッション・ビジョン・バリューを教えてください。
奥田:ミッションは「GO WILD WEST!」です。英語でミッションを掲げるのは、JR西日本グループとしては初めてかもしれません。しがらみや過去の栄光は捨てて、大胆にワイルドに取り組んでいこうという意味です。
宮崎:ビジョンは「日本はいつも西から変わる」です。西日本というのは歴史的に見ても、邪馬台国に始まり、奈良の平城京、そして京都の平安京と、長らく日本の中心であり変革の地でした。現代においても、“課題先進地域”である西日本地域で、課題解決に取り組むことで、日本、引いては世界を変えていきたいという決意を表したものです。
また、「西からいこか」、「伸びしろしかない」、「はよやろう」という3つのバリューもつくりました。「西からいこか」は、JR西日本の交通ICカード「ICOCA」に掛けています。「伸びしろしかない」は、課題先進地域だからこそ言いきれることですね。やったことがそのまま成果につながる。「はよやろう」には、場合によってはスピードとトレードオフになりがちな鉄道会社の文化とは異なる仕事のスタイルをつくろうという意味です。
──新しく始まる会社というだけあって、すごく強いエネルギーを感じますね。
奥田:JR西日本は鉄道会社です。安全運行のために、石橋を叩くように仕事をするのが原則。しかし、このトレイルブレーザーという会社は常に道なき道を走りながら、JR西日本グループの課題を解決をしていく、いわばベンチャー企業です。
一般的なベンチャー企業とは違って、JR西日本グループが収集してきた膨大なデータを最初から保有しています。顧客データを使ってお客様に対するサービスをより良くしたり、鉄道の構造改革に向けて、IoT技術で機器の状態を監視し、状態に応じて都度メンテナンスを施すCBM(コンディション・ベースド・メンテナンス)の導入に貢献したりと、さまざまな価値を生み出していけるでしょう。最終的にはお客様の笑顔に出会える会社なんだと思っていただけたら良いと思います。
宮崎:やっぱりお客様に直接喜んでいただける分野に取り組んでいるのだということは日々意識しています。手触り感にこだわって仕事をしてきましたし、これからもそうしていきたい。そのためには、JR本体の強みを学びながら、異なる組織として力を身につけていかなければなりません。JR西日本の外から合流してくれる皆さんと一緒に頑張っていきたいですね。
今回のお話を聞いてトレイルブレイザーに興味をお持ちの方は、ぜひ動画もご覧ください。
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※ 記載内容は2023年7月時点のものです
