異文化と貿易への憧れが導いた総合商社という選択
大学時代は外国語学部に身を置き、異文化の理解と語学習得に打ち込む日々を過ごしました。卒業論文では映画を通じて異文化と歴史を考察するというテーマに取り組み、スクリーンに映し出される物語の背景にある文化的な文脈を読み解いていく作業は、非常に刺激的でした。一方で、アルバイトとして学習塾のチューターを4カ年続け、単に生徒に教えるだけでなく、塾という組織の一員として運営や改善案件にも携わりました。この経験を通じて、組織の中で働くということの意味や、チームとして成果を出すことの難しさとおもしろさを実感することができました。
就職活動を始めた時、私の中には明確な軸がありました。それは異文化に触れたいという思いです。大学で培った異文化への興味をそのまま仕事にも活かしたいと考え、海外子会社を持つ企業や、日常業務で海外との接点がある企業を中心に探していきました。さらに、大学時代に受けた貿易の授業がきっかけで、輸出入を伴う貿易関連、港湾、航空といった業種にも強い関心を抱くようになっていました。世界と日本を繋ぐ仕事に、大きな魅力を感じていたのです。
そうした中で出会ったのが、今の会社でした。総合商社という業態は、資源から食品まで実にさまざまな商材を扱っています。業種が特定されないということは、むしろいろいろな経験ができるチャンスだと前向きに捉えることができました。また、就職活動中にヒアリングさせていただいた人事の方の親身な説明や、職場の雰囲気についてのお話にも大変魅力を感じました。
最終的に入社を決めた理由は、私が希望していたすべての要素がそろっていたからです。外国とのつながり、多角的経営、そして貿易という三つの軸を全て満たしていました。それ以上に、採用途中でお話を伺った人事や先輩社員の方々の言葉が本当に興味深く、この会社で働きたいという気持ちが日に日に強くなっていきました。彼らの仕事への姿勢や考え方に触れるたびに、ここで自分も成長できるという確信が深まっていったのです。こうして、私は総合商社への入社を決意しました。
入社直後から始まった責任ある仕事と、感じたギャップの克服プロセス
入社してすぐに感じたのは、想像していた以上のスピード感でした。入社直後から案件を任せていただき、責任感をもって仕事に取り組むことが求められました。最初はこのスピード感にギャップを感じ、戸惑いもありましたが、数年カけて徐々に慣れていくことができました。配属されたのは、トヨタ自動車海外生産向けの自動車部品の輸出入とその営業を行う部門です。入社当時から同じ部署で、海外自動車工場への安定供給という重要な使命を担う仕事に携わってきました。
この部署での仕事は、海を越えた貿易という性質上、想定外の事態が次々と発生します。港湾ストライキ、海外情勢の変化による混雑、輸送コストの高騰など、さまざまな課題に直面する中で、そのたびベストソリューションを見つけ出し、リードしていく必要がありました。入社間もない頃は、この予測不可能な状況への対応と、求められる判断のスピードに圧倒されることもありました。しかし、実際に案件を担当し、責任をもって取り組む経験を重ねることで、少しずつ自信を付けていくことができました。
とくに印象に残っているのは、米国西海岸ストライキへの対応です。大量のコンテナが混雑により滞留し、欠品のリスクが高まる中、輸送ルートの変更やAIRへの切り替えなど、顧客とも交渉しながら対応を進めました。たくさんの部署メンバーや関係各所を巻き込んで解決に導き、結果的に欠品なく供給を止めずに運用できたことは、大きな達成感につながりました。この経験を通じて、入社当初に感じたギャップを乗り越え、責任ある仕事を遂行できる力が身についていることを実感しました。
貿易実務の最前線で、多数の案件を率いながら成長する日々
現在は輸出入業務を子会社に移管するため出向し、今年4月からは東アジア極の輸出入業務やその関連営業を指揮する室長として新たなステージに立っています。米州極の担当を離れ、中国、台湾、韓国を対象とした業務の確実な運営支援に加え、人材マネジメントや育成にも力を注ぐ立場になりました。
とくに印象に残っているのは、貿易実務における大規模なシステム刷新プロジェクトです。受注・発注・輸出手続きを内製のシステムで行うこのプロジェクトでは、従来のシステムから一新したため、すべてをゼロから考え直す必要がありました。海外子会社との運用構築、システムの要件定義など、必要な流れを現地法人と一緒に一から考え、つくりあげることができたのです。このプロジェクトを通じて、グローバルなチームをまとめ上げ、新しい仕組みを構築していく醍醐味を実感しました。
一方で、この仕事には独特の難しさもあります。一人がかなり多くの案件を同時並行で抱えながら動かしていくため、それぞれで頭の切り替えを行い、納期や期限を厳格に管理する必要があります。さらに、関係者全員が常に同じ理解のもとで案件をリードできるよう考えて行動することが求められます。多数の案件を持ちながらの切り替えには、最初は本当に苦労しました。TO DOリストを日々確認しながら対応する日々が続きましたが、次第にその管理能力も身に付いていきました。
学生時代と比べて大きく成長したと感じるのは、物事の考え方です。自分中心だった学生時代から、社会人になることで相手があっての自分の意見があり、一歩引いて考える力が養われました。とくに商社ではステークホルダーに囲まれながら間を取り持つ役割が強いため、それぞれの考えを聞いて何が正しいべきか判断し、路線がそれていれば補正しながら導くことが必要です。そういった立場で物事を考えることが増え、より俯瞰的な視点を持てるようになったと実感しています。
時短勤務マネージャーとして切り拓く、新しい働き方のロールモデル
4月から新たに室長というポジションをいただき、これまでとは違った視点での挑戦が始まりました。目の前にあるのは、人の育成や組織を最大限化するというマネジメントの責務です。実は私、この部署の営業部門で初めて時短勤務でマネジメントを任されたんです。子どももまだ小さく、時短勤務制度を利用させていただいているため、正直なところ時間的な余裕や精神面で難しい局面に直面することもあります。でも、だからこそ挑戦する意味があると思っています。
仕事と家庭の両立をマネジメント側でもうまくできるということを示したい。そういった立場の方でも無理なく働きやすいという可能性を、自分が体現することで証明していきたいんです。これは私個人のキャリアの話だけではなく、これから同じような状況で働く方々のためのロールモデルになれたらという思いがあります。
そして、これから入社される皆さんにお伝えしたいのは、この会社には「まずはやってみよう」という雰囲気が強く根付いているということです。配属後にやりたいこと、頑張りたいことを自分から発信すれば、職場のみなさんが後押ししてくれる風土があります。例えば、海外で担当者と直接話して課題解決したいという目的があれば、若手でもすぐに海外出張にチャレンジさせてもらえる。そんな環境なんです。研修制度も人事だけでなく配属部署でも充実しており、組織の一員として成長できる道筋はしっかりとたててもらえます。
活躍できるのは、必ずしもフットワークが軽い方や交渉力が強い方だけではありません。課題認識を持ち、それを忍耐強く解決していくマインドを持てる方。そのためのアクションをとれる方。成長意識がある方。人と話すことが好き、あるいは苦手ではない方であれば、どのような部署でも活躍できると思っています。
相手目線の思考を持ちながら、社内に対しても社外に対しても接することができる方、どんな課題に対しても前向きに取り組み、そして成長のために挑戦できる方に、ぜひこの会社にジョインしていただきたいと思っています。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています。

