新たな組織としてスタートを切るために。グループリーダーとしてミッションに挑む
豊田通商のモビリティ素材国内事業部に所属している川上。出向先の豊田スチールセンターでは現在、2026年4月に豊通メタルソリューションズとして新たなスタートを切るべく、体制構築が進められています。
「豊田スチールセンターは、2024年4月に豊田通商の国内鋼板事業と統合し、モビリティ業界における鋼材のサプライチェーン強化に取り組んできました。具体的には、自動車メーカー向けの自動車用鋼板の取り扱いを中心に、流通事業、金属加工事業を運営しています」
豊田スチールセンターにおいて、川上はソリューション企画部の経営企画グループに所属。グループリーダーとして、統合会社が持続的に発展し、収益を最大化できるように戦略を立案するというミッションを担っています。
「統合会社の方針策定や成長戦略の立案から、基幹システムの再構築まで、経営に資する幅広い業務を担当しています。豊通メタルソリューションズへの社名変更に関しても、社内決裁や商標登録といった一連のプロセスに携わりました」
そうした業務において、経営層からの問い合わせ対応や多様なプロジェクトでの意思決定が求められる中、川上が大切にしていることがあります。
「私はリーダーとしてチームを率いる責務があり、的確な意思決定を行うためにも、ぶれない信念を持つことが重要です。そのため、普段から心がけていることが数多くあります。
具体的には、相手の目線で考えること、傾聴力、大局観、利他の精神、商魂、失敗を恐れず挑戦する強さ、そしてコンプライアンスの厳守です。また仕事に限らず人生においては、たゆまず努力し続ける姿勢を大切にしています。誰かの背中を追いかけるのではなく、誰かの模範となるような存在をめざし、常に高みをめざして自分を磨き続けたいと考えています」
こうした価値観の根底にあるのが、高校生から始めたアメリカンフットボールでの経験です。
「アメフトは個人の力だけでは勝利を得られません。チーム一丸となり、一人ひとりが最高のパフォーマンスを発揮できるようにチームで助け合う必要があります。年上、年下に関わらず相手の目線に立ち、思いやりの心を持つことがチームを強くする──アメフトを通じて得たその学びを、仕事をする上でも大切にしています」
アメリカとインドでの経験を糧に。多様な業務に挑戦し、広げてきたキャリアの幅
大学時代、アメリカンフットボールに情熱を注ぎながら管理会計を学んでいた川上。就職活動では「海外で働きたい」という志と、面接で触れた社員の人柄に惹かれ、豊田通商への入社を決めました。
「特定の事業領域にこだわるよりも、商社というフィールドで多様な業務を経験したいという想いがありました。その中で豊田通商を選んだのは、社員の方々が裁量を持って楽しく働いている姿に魅力を感じたからです。多様な人材がそれぞれの個性を発揮しながら自由に仕事をしていることが印象的で、こういう人たちと一緒に働きたいと思いました。
入社後は自動車向けの鋼板供給という事業領域を軸に、お客様のニーズに応じたソリューションの提供や、物流管理、システム導入など、サプライチェーンを支える実務経験を積み重ねました」
そして入社4年目には、実習生としてアメリカに駐在。海外事業体がどのように運営されているかを現地で学びました。帰国後は国内営業や、タイを中心とした輸出営業を経て、インドでの駐在を経験。数年ごとに新たな業務に挑戦することで、着実に成長を重ねてきました。
「父親の影響で海外駐在に憧れを抱いていた私にとって、入社4年目にしてその願いがかなえられてとても光栄でした。その後もインドに駐在する機会が得られるなど、海外で挑戦するチャンスを会社が与えてくれたからこそ、視野を大きく広げられたと感じています」
海外への駐在経験はもちろん、営業の現場でお客様と真摯に向き合った日々も、今の川上を支える貴重な財産です。とくに、アメリカからの帰国後に担当した国内営業での案件が印象に残っていると話します。
「お客様の生産準備プロセスにおいて、金型製作用の素材を手配する業務を効率化できないかと考えていました。そこで私が提案したのが、金型メーカー様との注文や支払いに関する業務を、お客様に代わって当社が直接担うスキームの構築です。
お客様の工数を削減する代わりとして、当社との取引量を増やすことにも快諾いただき、お客様の課題解決と当社の介在価値の最大化が両立できた案件として印象に残っています」
コロナ禍の異国で挑んだ、2つの大きなミッション。文化の壁を越えて築いた確かな実績
川上のキャリアにおいてターニングポイントとなったのが、インドでの駐在経験です。2020年4月からの赴任予定が、コロナ禍の影響により現地入りできたのは同年8月。金属の保管・加工を行う事業体で、拠点長として任務にあたりました。
「設立3年目を迎えたその事業体は、業績が悪化の一途をたどっていました。その中で私に課されたミッションは2つです。コロナ禍という厳しい環境下において事業を再建させること。お客様が求めるニーズにもう一歩踏み込んだ加工事業拡大のために、現地企業と合弁会社を設立することでした」
事業の収益構造を改善するため、川上はまず財務諸表の徹底的な分析に着手しました。
「分析して気づいた課題は、そもそもが収益を出しづらい価格設定だったということです。そこでブラックボックスになっていた価格設定の詳細を明らかにし、お客様に現状の価格では事業の継続が困難であることを理解していただけるよう説明を重ねました。
そして丁寧に値上げ交渉を行った結果、赴任して2年目には黒字化を達成。3年目には本社に対して工場拡張に向けた追加投資の承認も得ることができました」
もう1つのミッションである合弁会社の設立においても、さまざまな課題にぶつかりました。
「日本はもちろん、インドで会社設立の申請手続きを行うのは私にとって初めての経験です。しかもコロナ禍で全土が封鎖され、現地政府も閉鎖されているという状況でした。申請方法も頻繁に変更される中、ヒンディー語や英語の資料と格闘しながら現地スタッフと協力し、粘り強く交渉を続けました。
とくに苦労したのは、納期に対する考え方の違いです。現地企業側の理屈を鵜呑みにすれば、納期がどこまでも後ろ倒しされてしまいます。そこで『なぜこの業務が必要なのか』という背景について、相手が納得できるように説明する努力を地道に続けました。
そうしてチーム全体を同じベクトルに向かわせることで納期の後退を防ぎ、合弁会社の設立も無事に実現させることができました。これらの経験を通じて培われた大局的な視点は、現在の業務に取り組む上でも大いに活かされていると感じます」
戦略と文化の両輪で組織を変える。全社でベクトルを合わせ、ビジョンの実現に挑戦
豊田スチールセンターに出向し、統合会社の方針作成や成長戦略の立案に取り組んできた川上。2026年4月には新社名のもとで始動するという大きな変革期を迎える中、描いている未来があります。
「新社名の豊通メタルソリューションズとして掲げるのは、『モビリティ素材サプライチェーンのフラッグシップへ』というビジョンです。 営業、製造、コーポレートがワンチームとなり、来年度からまた新たなスタートを切ることになります。
収益を大きく伸ばすのみならず、業界をけん引できる存在になるためにも、まずは立案した成長戦略を確実に社内に浸透させることが重要です。全社のベクトルを合わせつつ、当社とステークホルダーの皆様が共に繁栄できる事業の在り方を追求していきたいと思います」
経営に携わる重要な業務を担う中で、川上は新たなやりがいを見出しています。
「現在はグループリーダーとして事業統合を推進していますが、その中で気づいたことがあります。それは、優れた戦略の立案に加え、その実行を支える組織文化が非常に重要だということです。戦略と文化の両輪で会社を変えられるポジションを担えることに、大きなやりがいを感じています」
これまでのキャリアを活かしながら、新たなフィールドで活躍している川上。その中で感じる豊田通商の魅力についてこう語ります。
「豊田通商で長く働いてきて実感するのは、一人ひとりのキャリアをとても重視してくれる会社だということです。個人の意向を尊重しつつ、その人の適性に合ったキャリアを一緒に考えてくれる風土があると感じます。
そして、自分がやりたいことにチャレンジできる環境があります。そうした環境に向いていると思うのは、あらゆる物事に興味のアンテナを張り、貪欲に何かを学ぼうとする姿勢がある方です。大きな志を持ち、その実現に向けて能動的に行動できる方が、参加してくださるのを心待ちにしています」
※ 記載内容は2025年11月時点のものです

