ポジティブループを紡ぐリーダー。各個人がバッターボックスに立てるチームをめざして
本部のコーポレート部門を担うメタル+(Plus)企画部に所属する甲斐。入社当初からキャピタルマネジメントグループの一員として活躍しています。
「キャピタルマネジメントグループは大きく3つのチームに分かれます。
1つめはFinancial Planning & Analysis(以下、FP&A)。業績の分析や次の打ち手の検討、BS経営の達成をめざすチームです。2つめはインベストメント。投資の促進や業績不振会社の撤退モニタリングを行います。3つめはガバナンス。コンプライアンスや健全な組織維持のために国内外のグループ会社のガバナンス体制を支援しています。
FP&Aチームが営業キャッシュを生み出しやすいリーンな組織体制を構築し、インベストメントチームが投資促進を図り、生み出したキャッシュを投資へと回し、ガバナンスチームが新規投資先へのガバナンスを効かせ、さらなる利益を創出する。3つのチームが織りなす健全な利益創出体制を、当グループでは『ポジティブループ』と呼んでいます」
30〜50歳代といった幅広い世代が集うこのグループで、甲斐は現在グループリーダーを任されています。
「FP&A、インベストメント、ガバナンスという3つのチームを束ね、それぞれのチームリーダーと共に各チームが効果的に機能するようマネジメントしています。私を含め10人という限られたメンバーなので、チームリーダーに一任するだけなく、グループリーダーである私が各メンバーとコミュニケーションをとることも大切。一人ひとりと向き合いながら、グループ全体が一つの方向に向かって歩めるよう心がけています。
グループリーダーとしてとくに大切にしていることは、『メンバー一人ひとりにバッターボックスに立ってもらうこと』。たとえば自分が作った資料については自分で発表してもらうなど、メンバーそれぞれに責任と裁量を与え、『自立型スペシャリスト』を育成したいと思っています」
言葉の節々から思慮深さが感じられる甲斐には、大切にしている言葉があります。
「『莫妄想(まくもうぞう)』という言葉を胸に日々の業務に向き合っています。『あれこれ思い悩むよりも、まず目の前のなすべきことをなせ』という意味です。仕事においては不安になることや悩むことも多々あります。しかしそれらに囚われることなく、今できることに集中して取り組むことで道が開けるはず。そう信じています」
命の危機を乗り越え、見出した経営の道。ザンビアでの経験が導いた、商社への思い
父親も商社に勤めていたという甲斐。就職活動の際には、家族にも話を聞きながらどんな業界に進むべきか考えました。
「学生時代は、父親から商社の話を聞いてもいまいち具体的な仕事のイメージがつかめなくて。世の中に何か商品として形が残るわけではない商社という業種にその時は魅力を感じませんでした。限られた人生の中で自分は何を成し遂げたいのか、ずいぶん悩みました。
その中でとくに興味を持ったのが不動産業やゼネコン業界。建物は世の中に長く、少なくとも自分が生きている間は残るもの。そして、その建物を利用する多くの人々の人生にも深く思い出として残る、その点に大きな魅力を感じました。加えて、業界的に若手が海外で働くチャンスが多いことにも魅力を感じ、最終的に大手建設会社に入社を決めました」
入社から数年間で経理・人事・総務など幅広い部署を経験した後、念願の海外事業に加わります。
「中でも印象に残っているのがアフリカ・ザンビアでのプロジェクト。赴任した当初は事務責任者の私と技術責任者の上司1名、そして過去プロジェクトに携わっていた現地スタッフ1名の計3人、さらに現地には事務所兼宿舎と車1台があるだけ。本当に何もないところから事業をスタートしました。スタッフを採用しようにも雇用契約を作成するため、現地の労働法を調べ、曖昧な条文の解釈については弁護士事務所に相談する必要がありました。
また、会社として法人税を納めるにも財務諸表の作成が必要で、現地の会計士に相談しながら進めていきました。すべてが手探りで大変でしたが、これまで経験してきた経理・人事・総務の経験・知識をフルに活かすことができ、人生に無駄な経験なんて存在しない、そのことを確信できた瞬間でした」
プロジェクトが順調に進んでいく一方で、予測不可能なトラブルもあったと言います。
「国全体で毒ガス散布事件が多発した時は、現場近くで殺人事件が起きたり、銃声が聞こえたりするようになり、一時工事が中断したことも。日本では経験したこともない恐怖とプロジェクトが思うように進まないもどかしさもあり、苛立ちが募ることもありました。
そんな時、アフリカ全域を統括している上司がすぐ駆けつけてくれて。『みんな大丈夫だ。今やるべき仕事に集中しよう』と声をかけてくれたことで、自分も他のスタッフも安心したんです。その時の上司の振る舞いがまさに『莫妄想』を体現していて、今でもリーダーとして見習いたい姿ですね」
命の危機にさらされることもありながら、このプロジェクトを経て甲斐の価値観は大きく変化したと語ります。
「このプロジェクトを経て、建物が完成したこと以上に自分の中でインパクトが強かったのは事業を一から立ち上げられたこと。最終的に総勢80人ほどのスタッフを雇用・育成し、そのメンバーでプロジェクトを完遂できたことは、何物にも変え難い経験でした。当時のスタッフとは今でもSNSなどで交流があり、そのつながりが私の宝物です。
この経験をもとに『経営をしてみたい』と思うようになり、そこであらためて私が目を向けたのが『商社』でした」
商社なら、建設会社以上に海外グループ会社が多く、経営に携わる機会も多いのではないか──そんな思いを抱いていた甲斐が出会ったのが豊田通商です。
「当社は海外グループ会社が1,000社以上あり、経営に携わるチャンスが豊富にあります。まずは国内で商社の業務を経験し、いずれは海外で経営に携わりたい。明確なビジョンを持って転職を決めました」
頼れる上司と優秀なメンバーに支えられて──商社での新たな挑戦の日々
こうして2023年5月に豊田通商に入社。初めての転職でさまざまなことを感じたと言います。
「入社当初は前職の名に恥じぬよう、できるだけ早く業務をキャッチアップすることに必死でした。まずはすべての判断基準の軸となるであろう連結経営管理マニュアルや社内規定を読み込み、わからないことは周囲の人に聞きながら当社の考え方をいち早くインプットできるよう努めました。
また、これまでは建設業という単一の事業に関わってきましたが、商社では多様な事業を展開しており、そのビジネスの裾野の広さに驚きました。ビジネスの種を常に探求し、ビジネスチャンスがあればそれが次世代の新規事業になりえる。加えて本部内の全連結会社のBS/PLを毎月追跡し、業績不振先があれば撤退も視野に入れる等、迅速な意思決定を行う商社ならではのスピード感にも感動しましたね」
入社早々FP&Aのチームリーダーを任された甲斐にとって、大きな心の支えとなったのは、当時のグループリーダーの存在です。
「当時のグループリーダーは、入社したばかりの私のことをとても気にかけてくれました。どんなに忙しい時も快く質問に答えてくれて、本当に心強かったです。加えて、彼の仕事に対する姿勢にも感銘を受けました。相手の役職に関係なく、間違っていることはきちんと指摘し、相手の意見に耳を傾けながら相互理解を深める姿勢が素晴らしく、私も大きく影響を受けました」
さまざまな経験をしてきた中でとくに印象に残っているのは、2024年度の予算策定だと言います。
「予算策定は当グループにとってもっとも重要なイベントの1つと聞いていましたので、私自身自分なりに過去の資料を読む等、準備を進めていました。しかしこの年はとくに大変で、本部再編により2つの本部予算を作成しなければならなかったことに加え、日本会計から国際会計への会計基準の移行、会計システムの変更など例年よりもイレギュラーな対応が多く、残業が続くこともありました。
この苦境を乗り越えられたのは、チームメンバー全員がそれぞれのスキルを活かせたからこそ。経営的視点を持ったグループリーダーを筆頭に、表計算ソフトの操作に強いメンバー、コミュニケーション能力に長けたメンバー、そして会計知識を持った私が協力して取り組むことによって、なんとか困難を乗り越えることができました。チームメンバーのポテンシャルの高さを感じた瞬間でしたね」
メンバーと協力して予算策定を作り上げた後、甲斐は本部再編に伴い、チームリーダーからグループリーダーへと躍進を遂げます。
「中途入社1年目の私にグループリーダーを任せてくれる当社には、『チャンスを与えてくれる会社だな』と感心しました。一方で前任のグループリーダーが優秀だったこともあり、任された時はプレッシャーも感じましたね。
また、私はインベストメントやガバナンスに対する知識がほとんどなかったので、チームメンバーに教えてもらいながら全体像を把握していきました。これらの知識については今も勉強中です」
人間力を磨き、世界で活躍。若手グループリーダーが描く、グローバルキャリアの展望
グループリーダーを任されて3カ月ほど。キャピタルマネジメントグループをまとめる存在となった甲斐が、同グループの仕事のやりがいについて語ります。
「業績・投資・ガバナンスという、経営で重要な3要素に深く関われるため、私のように『いずれ経営に携わりたい』と思っている人にとっては学びのチャンスがたくさんある環境だと思います。また専門性も磨かれるため、コーポレート部門のプロフェッショナルになりたい方にもうってつけの環境ではないでしょうか」
甲斐自身はグループリーダーとなったことで、マネジメントにもより一層力を注いでいると言います。
「9人のメンバーをまとめる立場になり、できることが増えて仕事がよりおもしろくなった一方で、マネジメントの難しさや重要性を感じています。中でも私がとくに大切にしていることは、メンバー一人ひとりの考え方や能力に合わせた対応をすること。人が違えば、モチベーションも置かれている状況もスキルもまったく異なります。
それぞれのメンバーとしっかりコミュニケーションをとり、チーム全体のバランスも考慮しながら、個々のメンバーの成長を促せるリーダーになれるよう日々試行錯誤しています」
リーダーとして会社全体にも目を向ける甲斐が、当社の魅力についてこう続けます。
「当社は真面目な人が多く、自身の仕事に対して一生懸命取り組む人ばかり。自身のスキルアップにも意欲的で、しっかりとしたキャリアを思い描いている人が多いように感じます。
加えて、コミュニケーション能力の高い人が多いことも魅力の1つです。相手の気持ちや立場を理解した上で会話できる人が多いので、仕事をお願いする上でも助かります。仕事や他者に誠実で自己成長に励める人こそ、当社で活躍できるのではないかと思います」
着々と経営者になる準備を重ね、リーダーとしても成長を続ける甲斐。今後の展望についてあらためて思いを述べます。
「私は国内外で活躍できる経営者になりたいと思っています。まずはそれに向けて、今与えられた仕事をきちんとこなし、間違っていると思うことには声を上げながら、組織として最善の選択を追求できる人になりたいですね。
次に経験してみたいのは、海外進出。海外で仕事をすると、国内と違って会社の認知度がそこまで高くない分、自身の人間力がすごく試されます。今一度そういう環境に身を置いて、自分を成長させたいと思っています。最終的には、国内外でも通用する経営者をめざします」
メンバーの成長、そして自分自身の成長のために甲斐はこれからも日々研鑽を続けていきます。
※ 記載内容は2024年7月時点のものです

