草むしりロボットから始まった、自動化への情熱と確かな選択
学生時代、私は機械系の学部で農業の自動化という大きなテーマに取り組んでいました。具体的には、除草作業を自動化するための草むしりロボットの開発に注力していたんです。この研究でとくに印象的だったのは、試験環境を模擬する難しさでした。雑草を取ってきて植えなおしても、自然に生えて根付いた雑草の引き抜き力を再現することができなかったんです。そこで試行錯誤の末、雑草の引き抜き強さをモデル化し、模擬雑草を再現した実験装置を独自に作成しました。この経験を通じて、設計と制御の知識を深めることができました。
そして何より、この研究に取り組む中で人手不足という社会課題を強く実感したんです。農業分野だけでなく、さまざまな産業で人の作業を自動化することにやりがいやおもしろさを感じるようになりました。ロボット開発で培った知見を活かせる場所はないか。そう考えた時、建設機械や産業車両の自動化という新たな興味が芽生えてきました。
就職活動では、この思いを軸に企業を探していました。建設機械や産業車両の自動化に携われる環境、そしてロボット開発で培った設計と制御の知識を活かして自動化機器の開発ができる場所。そんな企業を求めていたんです。
この会社と出会った時、フォークリフトメーカーのトップ企業として自動運転フォークリフトの開発に力を入れているというイメージを持ちました。そして実際に工場見学に参加した際、広々とした工場と安全性の高さに魅力を感じたんです。何より印象的だったのは、リクルーターの方をはじめとする社員の皆さんから感じた優しさと風通しのいい雰囲気でした。面接では自分の研究内容を説明した後、「笑いながら実に楽しそうに話していましたね」とフィードバックをいただき、自分が本当に研究を好きなんだとあらためて実感しました。フォークリフトのトップメーカーであること、自動運転技術に取り組んでいること、そして何より人を大切にする企業文化。これらすべてが入社の決め手となりました。
工場実習から始まった先行開発への道、そして感じた社外連携の重要性
入社後の最初の1カ月は、豊田綱領などの会社方針や社会人としての基礎を学ぶ研修から始まりました。この期間で、企業人としての土台を築くことができたと感じています。その後に待っていたのは、工場実習でした。配属されたのはRAV4の生産ラインです。同期全員が過酷な作業に携わり、この工場実習を乗り越えたことで同期との絆が深まりました。何より、生産現場の現状や過酷さを肌で学ぶことができたのは、後の開発業務において大きな財産になっています。工場実習の後には技術研修があり、これで入社後研修が完了しました。
その後は先行開発部に配属となり、現在まで一貫してこの部署に所属しています。最初に任されたのは、ロボットアームの振動を抑制する制御の開発でした。その技術を応用して、次は自動倉庫の振動を抑制する制御の開発に取り組みました。現在は2輪搬送ロボットの開発に着手しています。もともとモータ制御から始まったグループで、そこからモーション制御へ進化し、ロボットの制御へと発展していったという経緯があります。制御開発という軸は変わりませんが、現在のロボット開発では制御だけでなくハードウェアも開発要件に含まれており、担当範囲が広がっています。
入社後に感じたギャップもありました。開発業務は社内だけで完結すると思っていたのですが、実際には社外の人も含む多くの人と関わることが想像以上に多かったのです。さまざまな企業へ委託したり、共同研究をしたりと、周りを巻き込んで仕事を進めていくスタイルでした。社外の人に協力を依頼する過程では、自分たちが何をしてほしいのか、なぜやってほしいのか、こちらの意図を簡潔に伝えるのがなかなか難しく苦労しました。ただ、相手も人間なので、ちょっとしたプライベートの雑談などでコミュニケーションをとると意思疎通しやすくなり、仕事が円滑に進められるようになることを学びました。
苦労を糧に、価値あるロボットを現場へ届けるまで
現在、私は先行開発部で、工場や物流現場の人手不足という社会課題に向き合っています。チームのミッションは「モノのモビリティ」となるロボット開発です。具体的には、現場の課題を徹底的に調査し、その解決に向けたロボットの企画、必要な技術の習得、そして開発までを推進しています。
その中で、開発したロボットを自社工場で実用化する際、安全基準の評価で大きな壁に直面しました。開発したロボットは特殊なものであり、社内規格にも国際規格にも該当する安全基準が存在しなかったのです。この課題を乗り越えるため、関連する複数の規格から該当する部分を抜粋し、安全基準を独自に整理しました。また、社内の安全部署に協力を仰ぎ、十分なリスクアセスメントを実施。試行錯誤を重ねた末、無事に現場への導入を達成しました。
この経験を通じて、異なる部署や異なる専門性を持つメンバーとの連携が、課題解決には不可欠であると実感しました。そして、チームの協力があってこそ高い壁を乗り越えられるという考えを深めることができました。
自分たちが開発したロボットが自社工場で実用化されたときには、自分たちの技術が生産に貢献できていることを感じ、大きなやりがいを得ることができました。さらに、開発したロボットをモビリティーショー2,025に出展した際には、来場されたお客さまから「すごい」と直接評価いただき、自分たちの開発が価値を認められたことに深い喜びを感じました。この経験を通して、これからも新たな挑戦を続けていきたいという強いモチベーションを得ることができました。
挑戦と協働で切り拓く未来──情熱と謙虚さを胸に
短期的な目標として、世間の役に立つようなロボットを開発したいと考えています。自分が関わったロボットが実際に社会で活用され、多くの人々の役に立つ姿を想像すると、胸が高鳴ります。中長期的には、ハードウェアとソフトウェアの両方の知識を深め、自分一人でロボットの開発ができるような人材になることをめざしています。技術者として幅広いスキルを身につけることで、より大きな挑戦ができるようになると信じています。
この会社は、新しいことをどんどんやっていく組織で、挑戦が歓迎される環境です。やりたいことの意思やなぜやるのかという根拠を明確に伝えられれば、どんどん挑戦させてくれます。実際に私自身も、周りで誰もやったことがない自動倉庫の3Dモデル化による振動予測という業務を任せてもらい、社外にも協力を依頼しながら、新しいソフトの使い方や知見を一から学んで取り組むことができました。この経験を通じて、挑戦を後押ししてくれる組織の力強さを実感しています。
この会社で活躍できるのは、挑戦したい意志を持ち、なぜやりたいのかを伝えられる人です。また、周りを巻き込んで業務を進められる人も重要だと思います。私自身、提案の際にはわれわれが取り組んだ方がいい根拠を考え、保有している技術や世間のニーズを踏まえて説明する資料を作成しています。周りを巻き込む際には、何を、なぜやってほしいのかを簡潔に伝えることを意識しており、依頼した内容の状況把握も大切にしています。
採用候補者の皆さんには、入社後、情熱を持ち、謙虚な姿勢でいろいろな人を巻き込んで大きな仕事をできる人に成長してほしいと思います。新しいことへの挑戦を歓迎している会社です。情熱と謙虚さを兼ね備えた人は、ぜひ一緒に働きましょう。きっとあなたの挑戦を全力でサポートしてくれる仲間がここにいます。

