ひとつのラインの最終工程をひとりで受け持ち、責任をもって取り組む
缶やペットボトルを製造している東洋製罐の中でも、滋賀工場では、殺虫剤・消臭剤・化粧品などに使用されるエアゾール缶の製造を行っています。
入社3年目となる沖が所属しているのは、滋賀工場の製造課。製造の最終工程となる包装工程(パレタイザー)を担当しています。
沖 「包装工程では、ロボットを使って前工程で製造された製品を整列させて積み付け、包装しています。製品を出荷できる状態にすることが仕事。私はそこで、検品やロボットの操作・点検などを担当しています」
滋賀工場で製缶工程に携わる人は、それぞれラインごとに分かれ、異なる工程を担当します。
沖 「私もひとつのラインの包装工程をひとりで受け持っていますが、製品の確認を行う検品時には、派遣社員やアルバイトの方と一緒に作業することもあります。お得意様からの指示内容によっては、製品をかなり高くまで積み上げることもある工程です」
工程が細かく多岐にわたっていることもあり、まだまだ製缶の仕事を理解しきれていない面もあると話す沖。不明なことがあれば、些細なことでもすぐに確認することを心がけています。
沖 「検品では、傷やへこみがないか、印刷されている文字や絵柄がきちんと見えるかどうかを細かくチェックしています。私が担当するのは最後の工程。検品をしていて少しでも気になることがあれば、責任をもって連絡するようにしています」
製缶に携わる人の中で、包装工程に携わっている人は3分の1程度。昼勤と夜勤のシフトをそのメンバーで対応しています。
沖 「ひとりで包装工程を任せてもらえるようになった1年目の11月末から夜勤に加わるようになりました。昼勤を2週間続けた後に夜勤を1週間務めるのが基本的なサイクルです」
工場で働くメンバーはまだ女性比率が低く、その中でも製缶に携わる女性はわずか4人。沖以外のふたりはいずれも先輩で、「ふたりとも仕事がバリバリできるんです」と沖。その背中を懸命に追いかけています。
工業高校から新卒で入社後、自分なりに工夫して修得した機械操作
沖が東洋製罐に入社したのは2020年のこと。和歌山県内の工業高校を卒業し、新卒で入社しました。
デザインやイラストが好きで、高校ではデザイン科に通っていたと言う沖。ほかの学科に比べると機械に触れるチャンスは多くありませんでしたが、機械に触れること自体に抵抗はなかったと言います。
沖 「実は父親も同じように工場勤務で働く姿を見てきていたため、自分で就職活動しているときは、私も同じように工場で製造に関わる仕事ができたらという想いがありました」
東洋製罐を知ったのは、高校の担任の先生に紹介されたことがきっかけでした。
沖 「県外に出てみたい、知らない土地で働いてみたいという想いがありました。担任の先生と相談していたところ、たまたま当時の滋賀工場の課長が同じ高校の出身者であることがわかって。担任の先生とも知り合いだったことから、『東洋製罐という会社があるよ』と先生に紹介してもらったんです。『できれば関西圏内で働いてもらえたら嬉しい』という両親の希望もあり、同工場への就職を決めました」
同年7月に製造課に配属されて以来、包装工程を担当してきた沖。現場に配属されたばかりのころは、機械の操作を覚えることに苦労したと振り返ります。
沖 「私は機械操作を覚えるのがそんなに得意ではなかったので、いろいろと自分なりに工夫を重ねました。最初はメモを取っていたのですが、それだとどうしてもわかりづらくて。ノートにまとめるようにするなど、教えてもらったやり方をもとに自分がやりやすい方法を探して、一つひとつ修得していきました。いまでもその作業は続けています」
大変さもある業務だからこそ感じるやりがい。夜勤にも柔軟に対応
女性比率の低い職場であることは事前に知っていたと言う沖ですが、大きな戸惑いはなかったと言います。
沖 「出身が工業高校で、周囲に男の子が多かったせいか、男性が多い職場にはまったくといっていいほど抵抗がなかったんです。また、おそらく皆さんがとても気を遣ってくれたおかげで、すぐに職場に溶け込むことができました」
周囲には若手も少なくありません。3人いる同期はそれぞれ別々の仕事をしていますが、全員が社宅寮に入っているため、コミュニケーションが取りやすい環境にあると言います。
沖 「寮にも女性は私を含めてたったふたりですが、気にすることなく暮らしています(笑)」
工場での仕事内容は、女性も男性も基本的には同じ。とくに不自由は感じないものの、型替えをするときなど重量のあるものを持ち運んだり交換したりするときなど、女性ならではの苦労を感じることもあると言います。
沖 「型替えは重労働ですが、慣れるしかないと思って頑張っています。何回も作業をくり返す中で鍛えられ、コツもつかめるようになってきました。当たり前のことですが、作業をミスなくできて、不良品を出さずにラインが順調に回っていったときは、やりがいを感じます」
滋賀工場では女性も夜勤を担当。昼勤にはない緊張感があると沖は言います。
沖 「作業中に眠くなるとか、体力的にしんどくないかとかという不安はありましたが、夜勤自体に対する抵抗感はありませんでした。ただ、実際にやってみると、昼勤では周囲に助けてくれる人がたくさんいる、という安心感がまだありますが、稼働するメンバーが少ない夜勤ではそうはいきません。常に『どうかトラブルが起こらないでほしい』という気持ちでいます」
夜勤前の日曜日は朝まで眠らず昼間にしっかり睡眠をとることで夜勤に備えていると言う沖。交代制による生活リズムもつかめるようになってきました。
沖 「とはいえ、体にはある程度の無理がかかるのは感じているので、体調管理に気をつけています。なんとかうまく続けていけそうです」
尊敬できる先輩から学び、誰もが話しやすく相談しやすい存在に
コロナ禍の真っ只中に入社したため、入社式や東洋製罐全体の入社研修もすべてオンラインで行われたと話す沖。これまで同期と直接会ったり、ほかの工場に行ったりする機会はまったくありませんでしたが、つい最近、ようやく実現しました。
沖 「同期と直接会ったことがないこと、ほかの工場にも行ったことがないことを課長に話したら、『じゃあ行ってみるか』ということに。茨木工場の製造現場で働いている若手の女性社員の方と交流する機会をもらい、連絡先も交換しました。同じような環境で仕事をしているので、公私問わず、何かあったときにすぐに相談できる人が増えてとても心強いです」
まだまだ学ぶことが多いながらも、入社して3年目を迎え後輩も増えてきた沖。教えられる立場から、また教える立場から、工場の職業適性についてこう話します。
沖 「滋賀工場の製造課には、気になることがあればためらわずに人に聞いたり、相談したりする人が多いんです。だから、コミュニケーションを積極的に取ることができる、フレンドリーな人が向いているのではないかと思っています」
また、仕事でもプライベートでも、話しやすく相談しやすい存在になりたいと言う沖。将来の展望について次のように続けます。
沖 「すごくコミュニケーションが取りやすいと感じる先輩がいるので、目標にしています。ほかにも、『この人は、ここがすごい!』と思えるような先輩がたくさんいるんです。そういう頼りになる先輩たちの良いところを、すべて吸収して自分のものにするくらいの気持ちでいます」
困難な状況にも正面から向き合いながら成長してきたたくましさや、理想とする自分像からにじみ出る優しさが魅力の沖。これからどのような人材に成長していくのか、目が離せません。
